341. 博奕打ち 総長賭博
《ネタバレ》 博徒としてあるべき「任侠道」を押し通せば通すほど増大する悲劇を格調高く描いた日本任侠映画の最高傑作。今は無き新宿昭和館で見た時の胸震える感動は忘れられない。【追記】これはこの後没落してゆく任侠映画ジャンルの鎮魂歌=レクイエムである。それは「任侠道」の時代遅れな面、そしてこれから来るべきヤクザ映画の流れを脚本の笠原和夫が見抜いていた、その先進性に感嘆せざるを得ない。この映画では任侠映画の考え方が現実に則さない、絵空事であるということを示し、頑なに「博徒としての任侠道」を守っていった役者全てに破滅の道を歩ませた。その反面現実に則した「ヤクザとしての生きる道」を選択した仙波(金子)の方が完全にうまくやっている。「任侠映画」としては滅び行く漢の生き方に涙し感動するのが普通だが、そんな観客の心を見透かすかのようにこの映画はラスト中井(鶴田)の判決文として博徒が守るべき「任侠道」を遵守した事を「博徒間の私怨」というつまらない理由で説明し映画の幕を閉じるのだ。後年笠原はそんなきれい事ではすまないヤクザの生き様を描く「仁義なき戦い」に関わってゆくがそれは偶然ではない。ちなみにこの映画でも最後まで上手くやるのは、皆さんご存じの通り「山守=金子信雄」であった。 [映画館(邦画)] 10点(2006-04-15 00:03:58) |
342. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 私にとっての涙腺直撃のシーンはなんと言ってもラッツォの死ではなく、その前のジョーがアロハシャツに着替える為にカウボーイの衣装をゴミ箱へポィッ。たまんね~。ホフマンよりもそれを受けるボイドの方が上手いと思ったのは私だけ? [映画館(字幕)] 9点(2006-04-14 23:53:16) |
343. 燃えよドラゴン
購入遍歴=セルビデオ(当時1万7000円した×2=VHSとベータもあったっけ?)、セルビデオ(3980円になった)、またセルビデオ(ワイドスクリーンになった)、LD(テレビサイズ)、LD(またワイドになった)、DVD(両面でひっくり返すのが大変)、DVD(死亡的遊戯のそれね)これが俺の「ドラゴンへの道」。でブルーレイディスクとかHD-DVDなんかででた日にゃどうすりゃいいのよって、ふう。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-14 23:10:05)(笑:2票) |
344. 生きるべきか死ぬべきか
昔の映画を敬遠している人が興味を持ち見る事で「昔は良かった」的な懐古趣味からではなく「真に良い映画は永遠に不滅だ」と証明していただきたい、という私個人の気持ちをこめて10点。この面白さ、説明できないよ。 [映画館(字幕)] 10点(2006-04-14 22:34:34)(良:1票) |
345. 霧につつまれたハリネズミ
《ネタバレ》 ああ私もヨージックを導く蛍や犬、魚みたいな大人でいたいなぁと思うのですが一番近いのは食いしん坊のくまさんである事に気づきました。絵本としても出版されていますが、ここはぜひ、アニメ版を。【追記:2017年5月に2Kリマスター版のBD/DVDが再発され遅ればせながら鑑賞。こりゃ本当に素晴らしい。映画館鑑賞→ビデオ→LD→DVDを購入済でくまさん&ハリネズミのぬいぐるみまで持っている私だが今回のバージョンはまさに宝物。DVDとはいわずBDで見て欲しい。】 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2006-04-14 21:55:23) |
346. 洲崎パラダイス 赤信号
《ネタバレ》 別れた方が良いのは十分わかっている。お互い仕事は見つかったし、自分をちゃんと支えてくれるパートナーも出来そうだ。それに流れ流れた恋の行く末が悲劇となってしまった例をこの眼で見てしまったのだから、、、、でも別れられない二人。本当に忸怩たる思いですなコリャ。それでも赤信号を越え深川の洲崎門を離れていく二人の乗ったバスは素敵な未来へ向かって行くと信じたい! 90分にも満たない小品ですが私も好きです。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-14 21:26:22)(良:3票) |