341. 複製された男
監督の名前から一抹の不安がありましたがやはり・・ 致命傷だったのが全体に流れる暗さ。内容が面白ければ救いもありますが、内容も絶望的に退屈でつまらない。これでは鑑賞後に調べようという気持ちすらおきません。(もしかして自分のバカさ加減を宣伝してる?) この監督さんの映画は「ブレードランナー 2049」「メッセージ」「ボーダーライン」「プリズナーズ」「複製された男」と、凝りもせず何作も見てきたわけですが、特徴としては全体を覆うトーンがやたら真面目で暗いです。例えばノーラン監督の「ダンケルク」や「ダークナイト」などはまさしく重厚だったと思いますが、ヴィルヌーヴ監督の作品は全体的に重厚というより単に暗いだけといった印象です。とにかく観客を引き付ける魅力ある要素が少ない時点で最初だろうがラストだろうが映画としては致命的だと感じました。 通ぶって背伸びしてみましたがやはりちょっと無理でした。監督の作風なので仕方がないですが、私には合いませんね。(ブレードランナー2049とボーダーラインはまあ一応は許容範囲内の評価を付けてありますが、もう一度見るか?と聞かれたらやはりNoです) [インターネット(字幕)] 1点(2018-07-23 11:01:35) |
342. ワイルド・スピード/ICE BREAK
正直このシリーズはあまり好きではありませんが、今まで全て見ているので今回も惰性で見ることにしました。まあ大方の予想通りありえない方向でしたが、今回は比較的コンパクトに分かり易くまとまっていたように思いました。 GTAオンラインのほうがマネしているのか、それともワイスピのほうがマネしているのか・・ まあ別にどちらでも構いませんがGTAOとそっくりな流れです。もうここまできたら車とかどうでも良くて(笑)、空を飛んでミサイルが発射できるデラックソとか出してくれたほうがもっと笑えて良かったかもです。。ただし一つ、高く評価したいのはNYCでのゾンビカー。こちらもありえないくらい笑っちゃう流れですが、今まで見たことがない映像でなかなか壮観で良かったです。 脳筋犯罪者の映画なので、変に理屈とか哲学とか入れずバカ映画に徹して欲しいものです。バカ映画の定番として今後もこの路線で続けてください。(初期の頃はビンテージカーなど一定の見どころもありましたが、今は車とかどうでも良くなってて微妙です。あと、ミアに会えないのがちょっと寂しいかな・・) [インターネット(字幕)] 5点(2018-07-23 10:00:47) |
343. 新・極道の妻たち
《ネタバレ》 マラソン鑑賞中。今作はなかなか良かったです。テイストが少し現代風になっており、ベタな演出も含めて比較的ミーハーな仕上がりといえます。暴対法ができた時代&バブル絶頂期の映画で、あの当時の雰囲気がきちんとフィルムに収まっています。また、暴力団の近代化なども少し語られていて、高嶋兄と一般女子大生(海野けい子)の葛藤、髙嶋兄と母(岩下志麻)の葛藤など、人間ドラマとしても見どころが多くなっています。 バイオレンス部分では、高島兄襲撃シーンなどは雨でさっぱり見えず非常にあっさりした感じかと思えば、重田(本田博太郎)パートはゴッドファーザーでも参考にしたのか?というくらいコッテコテのバイオレンスシーンに仕上がっています。(でもこれって、この後田大戦争が勃発しませんかね?) 私の青春時代に作られた映画なので少し甘めの点数ですが、岩下志麻の安定した演技、高島兄の怪演など見所は多いです。また出演陣があまり暴力団に見えず、そういった意味でも現実的なリアルが感じられて良かったです。今作はなかなか盛りだくさんの仕上がりで、個人的には結構好きです。 [インターネット(邦画)] 7点(2018-07-21 12:14:46) |
344. 極道の妻たち 最後の戦い
マラソン鑑賞中、一作目に引き続き人気の岩下志麻さんの極妻。本来なら同名タイトルのナンバリング作品であれば役者=人物を統一するものですが一作目とのつながりはなく、同じ人物が別の役をやっていたり、死亡した人物が普通に復活していたりと少々混乱するところがあります。(主役の岩下志麻も役名が異なります。しかしながら外見が同じなので岩下志麻=極妻という、凄まじい説得力を感じます) 一作目以上にバイオレンス&女の闘いが全面に出た激しい展開を見せますが、メインの女たちの住み分けがきちんとできていて分かりやすいです。また、小林稔侍演じる「瀬尾雅之」が一見男気があるようでグズでお間抜けなのもかなり笑えるところですが、しかしながら非常に素敵な昔気質の任侠道を体現していて、個人的には本作では一番好きなキャラでした。ドスを利かせる時の独特な雰囲気がカッコいいです。 エロ描写も一作目のようなネッチョリした濡れ濡れの雰囲気ではなくなり、もう少しスッキリした印象です。(ただし津川雅彦パートは必見) ラストも判り易く、男だから女だからということよりも、やはり暴力の世界に関わるとそれ相応の結果が待っているという風にとらえるのが妥当なように感じました。岩下志麻版全8本を完走する予定でしたが、、ちょっともういいかな感が出てきました(汗)しかしながら本作はよく出来ていて個人的には好きな回です。(本作と1991年の新・極道の妻たちの二作品がマイベスト) [インターネット(邦画)] 7点(2018-07-20 10:34:51) |
345. スプリング・ブレイカーズ
知人に勧められて見ましたが、これは人を選ぶ映画ですね。派手なものが好きだったり自分を変えてみたいと感じている人でしたら何か感じ取れるかもしれませんが、反面、トラッドなものが好きで、すでに自分自身を持っているような人には何も響かない映画かもしれませんね。 私はKYなほど我が道を行くタイプですので「理解できない世界もあるもんだな~」という程度の感想しか持てませんでした。いやもっと言うと、、ビッチなガキがワガママ言ってるだけにしか見えず、世の中には怖い大人もわんさかいるからやはり自分の子は小さいうちからきちんと”正しい”情操教育しとくべきだなって感じました。 中盤で「こんなはずじゃなかった」的な描写や、まともな女の子が自発的に帰る描写、腕を撃たれてやむなく帰る描写等、一定の倫理観を持って何らかのメッセージ性があるらしいことは理解できました。ただ正直なところ、私には一体何が言いたいのかてんで理解できなかったし、理解したいとも感じませんでした。(特にラストも全く意味判らず・・) [インターネット(字幕)] 1点(2018-07-19 18:43:46) |
346. 極道の妻たち
岩下志麻バージョンの極妻を走破する気になって一作目を鑑賞。やっぱり見たことありましたが、極妻はTVでも頻繁に放送されていますので半分くらいは見たことがあるでしょうね、きっと。 岩下志麻の「わてや」は名セリフです。本職妻でも憧れるんじゃないかなというくらいのカッコよさで、ゴッドファーザーに通じるものを感じます。かたせ梨乃も世良公則も「わてや」に負けないくらいキャラ立ちしていますが、上手く住み分けされていて競合せず見やすいです。暴力団の実態がどんなものかは全く想像できませんが、遠からずでしょうから想像を馳せながら体験できるのは映画の利点です。 ビーバップに出てきた悪役の人たちもちらほら見られて、「不良の末路はこれかな(笑)」なんて思ってみたりと色んな意味でも楽しめます。個人的には極妻シリーズは末端の男の子と綺麗な女性が絡んで悲しい結末になる点が哀愁を感じて好きですね。 調べてみたら「わてや」のバージョンは全部で8本あるようですので一週間で走破できそうです! [インターネット(邦画)] 6点(2018-07-19 10:44:04) |
347. 湘南爆走族
ビーバップハイスクールに引き続きリバイバル鑑賞中。もろ世代なので思い出補正でかなり高得点です。俳優陣が超豪華で、半数ほどの出演陣が後に主役を張れるレベルの人たちなのは凄いですね。特に江口&小田ダブル主演(デビュー作)なのはすごい先見の明ですね。 内容はコミックを上手に表現していて原作ファン納得の映画化ですが、ビーバップと違ってバイクや公道レース系はちょっと迫力に欠けます。(これは仕方ないことでしょうが、それでもよく頑張っています)全体的に俳優陣が悪そうに見えず、育ちの良さそうな人たちばかりに見えるのが若干のマイナスでしょうか(笑) 個人的には敵リーダー(竹内力)の妹の城崎奈美を演じていた加藤麻里さんがぶっちぎりの可愛さですが、結局鳴かず飛ばずで残念でした。今見てもとてもかわいいですし、なんだか10代のころの「一色紗英」を思い出しました(笑)(わたしゃ、こういうタイプが好きなんでしょうねw) [インターネット(邦画)] 5点(2018-07-19 10:25:58) |
348. ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇
懐かしくてシリーズ全てを見ようかと思いましたが、時間もそんなにないので端折って1作目とラストだけ見ることにしました。この「完結編」がなかなか楽しくて、パート1以上にコミック本に忠実なのが笑えました。丸野(我王銀次)のパートがなかり面白くて屋上でのファーストコンタクトはコミックそっくりです。カブとリョウのパートも激忠実で、ここまで原作のイメージ通りの映画もなかなか少ないのでは?と感じました(笑) 戸塚のへびじが前川新吾役(小沢仁志)で出ているのはちょっと矛盾点ですが、個人的にはファースト版より完結編のほうが高い完成度ですので、原作コミックファンでしたらより楽しめると思います。 [インターネット(邦画)] 5点(2018-07-19 10:16:47) |
349. ビー・バップ・ハイスクール(1985)
もろ世代です。懐かしくて再見しましたが昔の印象通りとても楽しめました。ヒロシ&トオルが別の人バージョンも見たことがありますが、リアル世代の私にとっては清水&仲村ペアが原作に最も忠実だったと思っています。他の方も同じでしょうが、菊リンなど周りの人たちの完成度も高くて、そういった意味でもとても楽しめる映画です!(バカバカしさはコミック本レベルなのは言うに及ばずですがね・・) [インターネット(邦画)] 5点(2018-07-19 10:05:53) |
350. 僕のワンダフル・ライフ
《ネタバレ》 アマゾンプライムで見られたのでトライ。発想は悪くないですが、どうにも言いたいことがよく理解できなかった。(何となく判るような判らないような・・笑。 うん、やっぱわからん。。) そもそも、生まれ変わっても犬の意識がずっと同じという設定が全く納得できませんでした。イーサンに会う以前の意識はどこいったんだ?いったいいつが始まりなんだ? カルロスは一人で寂しい思いしてるんだからカルロスに会いにいってやれよww まあ、そんな感じの感想ですが、全編にわたって出てくる動物が皆かわいらしいのでプラス1点。特に犬好きならバッチグーな映画! [インターネット(字幕)] 5点(2018-07-18 18:15:22) |
351. ゲット・アウト
《ネタバレ》 悪くないです、いや比較的良い部類の映画ではないでしょうか?しかしなんというか・・ ありえない要素が多すぎて子供向けに見えてしまったので少し減点してしまいました。ネタバレしたら全く楽しめないのでレビュー読まずに鑑賞することをお勧めしておきます。 【ここから若干のネタバレあります】 一言、ガールフレンドが凄い。あそこまで完全に騙すことができるものか?まずそこが七不思議です。スーパーダッシュ含め、アーミテージ邸のパーティにやってきた友人たちとの不自然なハグなどおじいちゃんの使い方は満点でしたが、おばあちゃんの使い方がちょっともったいない感じでした。不自然なカツラなど色々面白そうな要素が多かっただけに残念でした。あと、TSA勤務の主人公の友達のおかげで助かりますが、反面その友達のせいで映画全体がちょっと安っぽくなってしまいましたね。 その他も色々書きたいことがありますが割愛します。脚本的には6-7点くらい付けてもいい映画ですが、他の映画との整合性も考えて少し低めにしておきます。 [インターネット(字幕)] 5点(2018-07-16 10:51:50) |
352. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 「オチ」「どんでん返し」「二番煎じ」などの言葉が舞っていて、手厳しいレビューも多いですね。しかしこの映画は明らかにヒューマンドラマです。そういった意味ではパッケージや宣伝の人の罪は大きいですが、映画というものは変に勘繰らず素直に没入したほうが作り手の意図する流れに乗れて幸せになれる、という見本のような作品です。ネタバレすると面白さが半減しますので、レビューなど見ずに素直な気持ちで鑑賞することをお勧めします。 【ここからネタバレ注意】 そもそも題名からしてネタバレしていますが、まさかこういう方向だったとは・・ なかなか意外です。死んでなおしばらくの間は普通に生活している(気づかずに)であろうという説は聞いたことがあります。しかし死後の世界は検証不可能なので自分がそこへ到達するまではそれが事実かどうかは判りません。そういった意味ではがっつりファンタジーだともいえます。 この映画では、人が不慮の死を迎えた時の無念さや寂しさがよく表現されています。特にネタバレ後のエピローグの部分がとても素晴らしくて、機内での最後の描写があるおかげで映画全体がより一層哀愁あるものに昇華しています(そして伏線回収も一気に行われます)。 本来なら無事に飛行機が着陸し、その後あったであろうその人の人生・希望・理想を彼女は生きたわけですが(まあ死んでいるけれど)、あのエピローグのおかげでその希望的な余韻が感じられます。あのエピローグのおかげで観客も主人公と一緒に走馬燈のように映画をおさらいできたと思います。むしろラスト10分で評価が一気に上がりました。 「ありふれた手法だし陳腐なネタだ」と切り捨てる前に、深くこの映画を理解すればどんでん返しに主軸を置いていないことに気付くでしょう。誰も生きている人は出てきませんが、非常に暖かい映画であったといえます。バランスよくまとまっていてとても素晴らしい作品です! [インターネット(字幕)] 9点(2018-07-16 10:45:09) |
353. ダンケルク(2017)
賛否あったので心配でしたがあっという間に終わってしまいました。私はそんなに詳しいほうではなかったのですが、かじり程度の知識でも十分に楽しめました。しかしやはりこの映画は時代背景と戦闘機への理解度の深さで評価が大きく変わりそうな気はします。それからやはり大画面で見るべき映画だとも感じました。(TVの小画面で見たら評価下がりまくりでしょうねきっと) 一週間、一日、一時間の三部構成になっていますが、これがなかなかわかり辛いです。普通に一週間前から時間軸通りにストーリーをもってきてくれたほうが良かったような気がします。時間軸がバラバラなこと、セリフの少なさと兵隊さんの顔が皆同じに見えることで、、もうほとんど訳ワカメ。(いや途中途中で交錯する部分が多いので何となく判ったような気になったりしつつ・・) そう何度も見たいとは思いませんでしたが、なかなか重厚で生々しく、映画通の大人が見られる丁寧な仕上がりだったと思います。どこかの評論で「絵画のような味わい」と評されていますが、まさにそんな感じす。ただ、そんな評価に反してスピットファイアがやたらカッコいい。劇中でも語られますが、エンジン音が素晴らしいし海をバックにその姿が現れただけで優雅に見えるのが不思議です。 結局はディスクを買ってしまうかもしれません。。やはりノーランマジックの作品だと感じます。なかなか味わい深い映画です。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-07-16 10:20:13) |
354. 華麗なるギャツビー(2013)
1974年版未見、初ギャツビーでしたがとても良かったです。あっという間の2時間半。Jギャツビー(プリオ氏)の成り上がり感(何となく育ちが良さそうな感じ + たまに見せる下品な感じ + 得体の知れない感じ + 純な感じ etc)などさすがの演技力。マリガン嬢に対してマイナス意見が多いですが、嬢のフワキラ感、意志の弱さなどはなかなか魅力的で、ギャツビーが人生を賭けるに足る可愛さだったと思います。そもそも女という生き物はいつの時代でも現実的なものです。脇のトビー・マグワイヤ、エドガートン、エリザベス・デビッキ(Elizabeth Debicki)、アイラ・フィッシャーらも濃い容姿の割にはあっさりした立ち回りで、映画をより見やすいものにしていると思います。 内容を指して”三流”と切り捨てているレビュアーもいらっしゃいますが、このドラマは主人公の純愛と悲劇にスポットが当たっているものでしょうから、”ストーカー的で幼稚で純粋”これで正解だったと思います。ストーリーが複雑では恋愛ドラマでなくサスペンスドラマになってしまいます。シンプルな流れですがそれでも十分にサスペンスしていますし、終盤の悲しい展開へシフトしていく流れも非常にスマートです。ギャツビーがついに爆発した直後から事故の流れは泣かせますが意外とあっさりしています。何となく全体的に浅めに描いて軽快な仕上がりを意識したような気もします。 音楽に関しても賛否ありますが私はアリだったと思います。ヒップホップなど若干鼻につく演出もありますが、これのおかげでダウントン・アビーのような古典にならずクールに仕上がっています。”バカバカしいほどのパーティ”=これくらい過剰な表現で正解だったと思いますし、原題も邦題も最高にCoolで素晴らしいです。これほどカッコいいタイトルって意外とないです! ただ・・ これほど持ち上げておいてアレなんですが、内容的には「だからどうした?」の典型で、さして深い映画ではないとは思います。実際問題、世の中に掃いて捨てるほどある普通の浮気話な訳ですが、これを特別なものにしているのはやはりJギャツビーの成金感でしょうか。このお金持ち感と派手目の監督のセンスがベストマッチした奇跡の作品といえます。 【追伸・・】 1974年版映画と、原作本(野崎訳、村上訳ともに)読みました。2013年版映画(本作)は原作と比べると少々ケバ過ぎる向きもありますが、それでも本作のキャスティングはパーフェクトでしょう。対する1974年版映画は原作の古典感は感じられるものの、やはりキャスティングがあまり合っていないように感じられる点、全体的に冗長でドラマチックさに欠ける感じが退屈さを助長してしまっているようでした(もう45年も前の映画ですし)。 総括すると2013年版の映画を見て、ハマったなら村上訳の原作本を読むのがベストではないかと思います。 【さらに・・】 2001年TV映画版も見ました。こちらは原作本に非常に忠実なセリフや映像が多いのですが、2013年版のキャスティングがあまりにも素晴らし過ぎる点と2013年版の音楽とドラマチックな映像を比較するとやはり霞んでしまいます(なんだかんだ言ってもバズ・ラーマン監督は一流ですし)。また、あまりにも本に忠実なセリフ回しは時には滑稽でおかしな感じになるところも多数ありました。最初のシーン、デイジーが突然小指がどうとか言い出して笑ってしまいました。(本の中では情緒的なシーンなのですが) やはり2013年版を見てから村上訳の本を読むのが正解です。。(確信) [インターネット(字幕)] 8点(2018-06-19 10:21:54)(良:1票) |
355. キャロル(2015)
二人の内面がとてもよく表現されていて非常に深い映画です。オープニングとラストではテーブルで向かい合っている二人の見え方が全く違うのも、なかなか趣があって素晴らしいです。(リリーのすべて も同じようなオープニングとエンディングでしたね) しかし、自分が若い時に若い側の気持ちで見たい映画でした。私は年齢的に大人なのでキャロルの側として感情移入しながら見た訳ですが、正直ちょっと計算が見えてしまって微妙な印象も受けました。大人なりの行動原理や説明は見られるものの、やはりあざとさも感じられる流れです。結局は年下の側を傷つけただけのように見えつつ、ラストのあの展開をズルいと考えるか真剣と考えるかで賛否ありそうですね。(映画の流れとしては純粋なものとして描かれているようですが・・) そもそも、同性愛がタブーとされていた時代なので全体的に暗くてうんざりするほど重い空気が終始流れているのが疲れます。あえて絶望感を狙っているのかもしれませんが、できればもう少し若くポップで明るい雰囲気作りでもあれば、エンタメとしてもっと見やすかったように感じます。近年まれにみる非常に良い映画ですがとにかく受け取り方一つで評価が大きく分かれそうな映画です。まずは主演二人の演技目当てで見てみるのもアリかもしれませんね。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-18 18:19:04) |
356. ダイバージェントNEO
前回に引き続きなかなか無理無理ストーリーですね。パート1は本格的な半笑い映画だと思っていましたが、まさかパート2が公開されるとは思ってもいませんでした。2も大概です。これもうちょっと脚本やルールを整理してから映画にしたほうが面白かったように思います。 性格で人間を複数のグループに分けるという発想は悪くないです。外の世界から隔離したアーミッシュ感も定番の設定です。また、空想世界(マトリックス)で内面を鍛えるという発想もなかなか良いです。荒廃した近未来感も全く悪くない発想。そして主人公は全ての性格を備えた異端児で・・ 美味しい食材ばっかりなのになんでこんなにまずい料理ができちゃうのかって話ですよ(笑) まあ、パート2をやったということはそれなりに興行成績が上がっているんですかね? 流れ的にパート3もありそうですがさすがにもう見ないかも・・ [インターネット(字幕)] 3点(2018-06-18 17:48:28) |
357. さらば あぶない刑事
《ネタバレ》 リアル”あぶデカ世代(10代半ば)”、Huluで見つけて懐かしさのあまり見てしまいました。邦画および日本のエンタメ作品の質の低さを再確認させられますねコレ。。いやでも、ネタとして作ったというなら納得のクオリティではありますが。 懐かしさ&ほぼ全ての古参俳優の変わらなさ&レパードが出てきた&エンディングの8ミリフィルムが止まるカット、吉川の渋さ、各1点献上で計5点です。(懐かしさ補完がなければ1点くらいですけどね・・ ) [インターネット(邦画)] 5点(2018-06-11 10:17:32) |
358. バリー・シール/アメリカをはめた男
《ネタバレ》 個人的には、この手の”実話に基づく系”の映画は何となくハズれる傾向がありますが、今作はトム・クルーズのおかげか娯楽作品として魅力的かつ綺麗にまとまっていました。 度胸だけで突き進む主人公が爽快ですが「この時代ならでは」の要素もあったのでしょうね。日本でもバブル時代があったわけで、その当時リアルタイムに儲けた人はこの主人公と似たような経験ができていたハズです。残念ながら私はバブル崩壊後に社会に出ましたので美味しい経験は一切していませんが、先輩からは毎月ポルシェを買うだとかと、10万円でタクシーを待たせたとか、様々な逸話を聞かされました。 トムがお尻を出して家族に挨拶するシーンと金が余り過ぎて困っているシーンは笑えました。また、捕まった後でも司法の人間に対して「キャデラックを・・」というシーンも面白いです。まさにアメリカをはめた男な訳で、これほどのデカい肝っ玉を持った男がいたと思うと愉快で仕方ない。出来れば一生に一度くらいはこのような経験をしてみたいものです。 中身は心底空っぽなので、完全なる娯楽作品と割り切って気軽に楽しんだもの勝ちです。カップルや家族でも十分に楽しめる安心のトム・クルーズ印の映画です。ちなみに余談ですが、この映画が好きだった方はプリオ&ハンクスのダブル主演の「キャッチミーイフユーキャン」も実話系映画の中ではとても成功した楽しい映画の一つです。あちらはもう少し真面目だったり、意味深だったりしますが、実際には本作同様大して中身の無い作品だったりします。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-05-14 16:54:58) |
359. 女神の見えざる手
《ネタバレ》 皆さん、先に言っときますが「吹替で見ろ」です。字幕で見ると序盤30分くらい頭の中が軽くパニックです。おそらく日本語で耳から聞けばもっとスムーズかつ直感的に理解できるはずです。くれぐれも吹替で見るべきだと思いますよ(苦笑) 脚本の流れと伏線の回収方法が素晴らしいです。ちょっと難しい話も多いですがほとんど文句のつけようがない流れです。 でも本当に彼女のシナリオ通り進んだのなら一部腑に落ちない部分が出てきますね。「電話に出ると思わなかった」というくだりとその後に彼女の気持ちが乱れるシーンはいったい何だったのか??あとエスコートクラブの男性がなぜ法を犯してまで嘘をついたのかも疑問です。この点がイマイチよくわかりませんでしたが、でもその辺何となくわかった気でスルーしちゃえばラストの流れは気持ちいいです。(まあ、ちょっと日本的で安直すぎる気もしますが・・) エピローグのおかげで崇高な感じに昇華していると思います。何度も見たいとは思いませんが、なかなかイイ映画でした! PS ロビー活動自体が日本人には馴染みがないのでなかなか理解しにくい部分があります。可能であればその辺少し学んでから見たら面白さが倍増します。また、アメリカ式の転職の仕方も仕組みを多少理解しておくとより楽しめます。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-05-14 16:37:55)(良:1票) |
360. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
《ネタバレ》 マクドナルドの操業というよりは、一人の人間の半生という見方で見たほうが楽しめるかもしれません。マクドナルドのネタとしてはかなり端折られていて「乗っ取られて可哀そうだよね~」程度しか読み取れない人がいるのも仕方ないかなと感じました。見る前は内容的に地味では?と想像していましたが、予想よりずっと楽しめました。起業しようとしている人必見!のような意見も見られますが、そんなに難しいことは描かれておらず、起業済みの方には至極当たり前のことばかりでしたね。(私も経営者) 映画を見て感じるのはやはり「時代の波」に乗る度胸と「人との出会い」が大切だということです。むしろこの映画からは際立つ情報や感動は特になく、どちらかというと普通のことを地道にやるしかないというメッセージしか受け取れません。(でもまあ途中から怪物になってしまうわけですが、それも含めて「先見の明」と「出会い」「度胸」という3つのメッセージ性が強いと感じました) 原作を知っている方やストーリーを深読みできる方でしたら、一流の人の生き方や考え方が垣間見える深い作品だったと思います。全体的にもよくまとまっていて見やすいですので、空気が読める人や行間から色々感じ取れる人にとってはかなり良い映画ではないでしょうか。(まあでも全体的には端折りが多い割りに地味な感じに仕上がっていますので、もう少しドラマチックにやるか掘り下げるかのどちらかに振り切っていただきたかった気もします) [インターネット(字幕)] 7点(2018-05-14 16:28:53) |