361. TOMORROW 明日
Oliasさんも↓で書かれていますが、これ同じ題材で、同時期に終戦記念日?2時間スペシャルテレビドラマ化されたんですよね。リアルタイムで観た、このドラマの出来があまりに素晴らしく、私は涙滂沱と流しながら感動してしまい、その後観たこの映画の印象が、すこぶる薄いものになってしまったんです。テレビドラマ版は、桃井かおりの役を何の因縁か大竹しのぶ、樹木希林、川谷拓三、音無美紀子、有森也美と、映画版と殆ど遜色ない実力派揃いのキャスト。「原爆投下直前」の、みずみずしい緑の色、スイカに付いた水滴など、生命の息吹きが画面上から伝わってきて・・・。ラストシーンは、その朝生まれたばかりの赤ん坊をかき抱き、聖マリア像絵画を祈るように凝視する大竹しのぶのハッとした表情でした。ヤバイ、書いててもまた泣けてくる・・・。同じ感動を、いやそれ以上の感慨を映画版で味わえるかと期待し、鑑賞に臨んだのですが、やはり先に観たドラマのインパクトが強すぎ、ドラマの粗筋をただ地味になぞっているような印象しか持てませんでしたね。順序が逆だったらまた印象が変わったかもしれません。 [ビデオ(邦画)] 4点(2009-09-12 10:10:05)(良:1票) |
362. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 キョンキョン(←いまだにこう呼んでしまう)が先年主演した「空中庭園」(5点)は、何でも隠し事なしのオープンマインドがモットーの家庭が崩壊していくおハナシ。こちらは誰もが皆隠し事をしている家族の家庭崩壊のおハナシ。それほど「家庭生活的」なイメージではない彼女が、この手の家庭劇に二本続けて主演してるっていうのはなんだか面白い。自分は「空中庭園」より、こちらの方がより現実味と切実感があって面白かったですね。「ゆっくりと沈んでいく船に乗っているようなもの」っていう心境の中年男二人の台詞にはかなり身につまされたというか。ごくフツーの、ちょっとだけ壊れた家族が奏でる「不協和音状態」っぷりは良かったのに、突然の闖入者役所広司によって映画そのものまで後半「この3時間前」テロップ以降、かなり「乱弾気味」になってしまったのが残念。結局、ラストも何も解決されないままだし。ピアノに天才的才能を持つ次男は、特待生扱いであの学校に学費免除で合格できたって事なんでしょうか?それにしても小泉今日子の女優としての、一人の女性としての「賞味期限」の長さには本当に舌を巻きますね。そもそもの素材の良さに加え、ご本人のよほどの努力と精進の賜物なのか。何やってるのを見ても、いまだに新鮮さを失わないのは凄い事だと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-11 11:12:52)(良:1票) |
363. ●REC/レック(2007)
《ネタバレ》 引き合いに出されてる「ブレアなんとかプロジェクト」「なんとか・オブ・デッド」とかいう類の作品群一切未見です。何の予備知識もなく鑑賞。虚弱体質の僕にはこれ以上の点数はちょっと無理ですね。75分の作品にも関わらず、おしまいまで観るのがかなりしんどかった。(鑑賞中)うわっ、これ安っぽい映像やなあ・・・何だ、このリスみたいな顔の女性レポーターは・・・え、彼女がヒロインなん?(本編20分あたりから)あ~、もうこれヤな映画だな~(ドキドキ)ヤな映画だな~(バクバク)ヤな映画だな~(これが延々一時間続く)うわああああああああああああ~~~~~~~~~!・・・やっぱ、ヤな映画だったなあ・・・(おしまい)心臓がお強い方には楽しめるかと思います。自分は虚弱体質なので・・・ごめんなさい! [DVD(字幕)] 3点(2009-09-07 11:07:19)(笑:1票) |
364. ハチ公物語(1987)
実にガッチリした、丁寧な作りの「忠犬美談物語」っていうより、これはむしろ「忠犬残酷物語」じゃないですか?ありきたりな美談展開にしなかったのは、ひねくれ者新藤兼人脚本の功績!身勝手な人間様どもに振り回されっぱなしの愛嬌なしのハチ公君に僕はひたすら同情。実は、忠犬の悲しい一生より、数多くの出演者の中でも、この時期一番意気軒昂そうに見えエロエロ中年オーラ全開だった故山城新伍さんの元気なお姿を拝見し、ああ人間の一生って・・・っていう、ある種の感慨の方がよっぽど深かったんですよね。いまだに仲代達矢氏や八千草薫さん、長門裕之さんなんかは現役でご活躍してるのになあって・・・。どうやら僕の気質上、ワン公よりもより人間の方に興味があるようです。どうでもいいけど、この映画の柳葉って雰囲気も含めオードリー春日そっくり。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-06 10:09:08) |
365. フレフレ少女
《ネタバレ》 体育会出身の人間として長年「援団」(←こう呼んでた)に対し疑問に思ってた事が有った。競技中相手チームに威圧感で圧倒させるのはわかるが、普段日常でも味方、つまり我々にまで威圧オーラを与えるのは、一体何の意味が有ったんだろう?って事。この映画にも登場した相手学校側の援団チームのように、彼らは常に眼光鋭く学ラン着用メンチ切りまくり状態で同級生なのにも関わらず、自分なんぞは怖くて近寄る事も出来なかったんで・・・(←弱い・・・)実は不知火学院のようにいいヤツらだったのか?今となってはどうでもいいが(笑)援団の活動を続けていく為の動機付けが、多分一番難しんだろうな~って思ったが、「自分が頑張らなければ相手にも頑張れって言えない!!」っていう、団長ガッキー嬢の発想転換は良かったと思う。ただ脚本をもう一歩踏み込んでもらいたかったのが本音。援団を題材にした映画なんてなかなかないので期待していたが、自分の疑問をスッキリ解決してくれなかったのが残念。ゴールデンウイーク中、お寺に合宿っていうのも、女の子独りっきりってのはどうなんだ?って思っちゃいましたね。いつ、ムツケキギラギラしたオヤジOB連中どもがガッキーを夜襲するんじゃないかって、別の意味でハラハラしてしまいました(笑)団員脇キャラの肉付けも今ひとつ。最後の最後まで自分たち本位で、実際に競技していた野球部員をないがしろにしていた感は否めず。でも「ウォーターボーイズ」以来の、この種の学生異種混合?映画としては程々の出来じゃないですか? [DVD(邦画)] 6点(2009-09-05 10:55:04) |
366. シャッフル(2007)
《ネタバレ》 サブタイトル「時をかける主婦リンダ・ハンソン!」。ヒラリー・スワンク同様意思の強いキッパリ男前顔サンドラ・ブロック、彼女にはこういう巻き込まれ型不条理サスペンスが良く似合う。アイデアそのものはなかなか良かったと思うんだけど・・・、なんで突然曜日が「シャッフル」されたのか、最後まで理由の説明が何もなかったのが不満。マジックで表作って曜日時間軸を作成している時、何の迷いもなくサンドラは「日月火水木金土」って書いてたけど、「月火水木金土日」っていう可能性はこれっぽっちも考えなかったんでしょうか?娘の顔のエクソシスト風の疵についても腑に落ちない点が多々有り・・・。ダンナ、すっげーいいヤツなんだから、ぐるっともう一周シャッフルしてハッピーエンドの結末でも一向に構わなかったんじゃないの?これ。敢えてバッド・エンドにせんでも・・・。あ、自分も一家と愛するダンナの一大事なんだから、一晩や二晩くらい眠らないでもうちょっと頑張ってみろよ、サンドラ!!って途中思った(笑)色々あとからボロボロと粗が目立ってくるサスペンス。 [DVD(字幕)] 5点(2009-09-04 13:30:25) |
367. 殺人ゲームへの招待
《ネタバレ》 この手のアガサ・クリスティ風「大邸宅一同集合ミステリー」もの大好きっす!ただ、この廉価版パロディ映画はあまり頂けない。ラストにいろいろな結末・犯人・真相が用意されてますよ~っていう遊び心がウリだったようだけど。事件そのものにあまり興味が湧かない展開の為、どの真相でも、ど~でもいいですよ~何でもいいですよ~(←古い)ってな印象でしたね。新旧オールスターキャスト組んで「ナイル」や「オリエント急行」みたいな、予算かけまくった豪華で本格的なミステリー映画がまだ製作されないかなあ・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-30 12:49:56) |
368. 山の音
《ネタバレ》 この作品には、全体的にナニカ不健全且つ妖しげなもやもやした雰囲気が漂ってますね~。原節子の美しくもよく耐える嫁、上原謙の不肖の夫、いかにも頑健そうな山村聡の鷹揚な舅、この主要人物三人の立ち位置が、なんか観ていてぎこちないというか、不自然なんですよ。夫から邪険に扱われる辛抱役なのに、美しすぎる原節子が嘘っぽくてミスキャストなのか?夫よりも遥かに精力旺盛そうに見える魅力的な舅役、山村聡が笠智衆みたく枯れた味を出せなかったのがいけないのか?例によって何を演じても単なるデクノボーに見えてしまう上原謙がダメなのか?三者三様に不協和音を奏でているような気がしてなりません。同じ成瀬監督「乱れる」(8点)が「変○家族・兄貴の嫁さん」なら、これは「息子の嫁さん」。一歩間違えたら、ポルノ映画的展開になっても決しておかしくない内容。同じ成瀬監督作品の原節子なら、自分は「驟雨」(9点)のガラッパチな彼女が一番好きだなあ・・・。てか、そもそも息子役の上原謙って、父親役山村聡より実年齢年上じゃん!! [DVD(邦画)] 6点(2009-08-28 14:02:45)(良:1票) |
369. トランスポーター3 アンリミテッド
《ネタバレ》 このシリーズのファンの方には、「こんなんならトランスポーターじゃなくてもいーじゃん!!」って怒り出しかねない、シリーズ当初からの設定無視しまくりの無法状態になっちゃいましたね。自分の掟をかたくなに遵守し、クール且つストイック(←これ重要)に「運び屋」ビジネスを遂行していくのがフランク・マーティンじゃなかったの??途中言い訳のように「こんな事ならドライバー技術に多少秀でた奴なら誰でも良かった」なんて台詞を登場人物の一人に言わせてはいますが(笑)私見ではこのシリーズの出来は、2→3→1の順。しかしリュック・ベッソン印映画に出てくるヒロインって相も変わらず、なんというか・・・う~む・・・(これ以上はノーコメント)これはもう、自分とは女性の美に対する審美眼がはなっから異なってるとしかいいようがないですね。赤毛でラリってる姿は、思わずの○Pを想像してしまったじゃないすかあ・・・。自他共に認めているであろう、「世界一カッコいいハゲ」ジェイソン・ステイサム(特にこのシリーズの)僕は大のご贔屓スターなのでこの点数を付けます。3部作最終作(?)にきて、ありきたりなカーアクション映画に堕してしまったのが惜しまれます。「1」の後半失速とは異なり、クライマックスに向けてテンションがパワーアップしたのが救い。 [映画館(字幕)] 6点(2009-08-27 11:27:08) |
370. パラダイス(1982)
♪なんちゃら~かんちゃら、ぱ~ら~だ~い~す~♪主題歌になったメロウなメロディーと、フィービー・ケイツの甘い歌声が蘇ってきます。当時の私はといえば、断然「青い珊瑚礁=ブルッキー派」だったので、砂漠版「青い珊瑚礁」亜流二番煎じみえみえのこの映画の存在を、正直「ケッ!!!」という醒めた視線で見てました。「一度目は勇気でした・・・、二度目からは愛です!!」確かこんなキャッチコピーだったような・・・て俺も良く覚えてるんやね~。もしかして実は隠れフィービーファンだったのかっ!?あ、でも「グレムリン」の頃はもう好き比率逆転してました。 [地上波(吹替)] 5点(2009-08-24 11:25:43) |
371. 青空娘
・・・なんとも不思議な感覚ですね。これまでもう「したたか」で「妖艶」で「一筋縄ではいかない」複雑なキャラクターを演じている若尾文子を、後年の数多くの作品で見てしまっているので、この映画の明るく健気な彼女を観ていると、「何か絶対裏があるに違いない!」「後できっとあの底意地悪い兄姉どもに仕返しするに違いない!」って考えてしまうんですよ。困ったもんだ。まるで「鬼畜」のすぐ後に「秋刀魚の味」の岩下志麻様を観てしまったような感覚とでもいったらいいか(笑)(←ちょっと違う)増村監督作品は大映現代劇特有の、ねとっとした湿りっ気が払拭されているのがまず何より。同じ会社で一見近寄り難い美貌の山本富士子に比し「低嶺の花」と称された時期の、庶民的な若尾文子の魅力が一番出ているのがこの作品ではないでしょうか。とは言っても、どうしても上記のような「一発逆転若尾ちゃん一人勝ち!」を、ついつい愚かにも期待して観てしまった私はこの点数に留めさせて頂きます。出来る事なら、同時代に順々で溝口→増村→吉村→川島作品で演技的に成長していく彼女を観たかったですね。 [DVD(邦画)] 7点(2009-08-23 10:24:10)(良:2票) |
372. 麦秋(1951)
《ネタバレ》 くっだらないお笑い番組で、相手の身体的欠点をあげつらい(髪が薄いだの顎が割れているだの)笑いを取ろうとする番組って最近多いですよね。何気なくテレビを付けてて釣られてつい笑ってしまう自分に対し、たまらない嫌悪感を感じる事があります。今の俺ってこんな低レベルの内容でも素直に反応出来てしまうんだなあって・・・。(しかもその芸人が自分の身体的欠点で笑いを取られる事が「オイシイ」と思っているフシが有る風情がたまらなく嫌)・・・ああ、こんなに俺のココロは荒れてササクレだってるんだ・・・っていう事をつくづく感じた夜、この日本的情緒とユーモアてきめんたる作品を久しぶりに再見し、口内炎のように荒れていたココロがしっとり潤い落ち着いていくような感覚を味わえました。後の「お早よう」(7点)は、この映画の兄弟たちのエピソードから派生した作品なのかと思ったり、女性主要キャスト陣(原節子、淡島千景、三宅邦子←皆さん一番お美しい時期で目の保養!)が居並ぶシーン、やたら後方からお尻を映すショットが多い事に、小津監督ってやっぱりこういう安産型ガッシリ体型の女性がお好みなんだなあって微笑ましく思ったり・・・。「尋ね人」って単語が出てきた瞬間、この映画って戦後まだ6年しか経っていない頃のハナシなんだって一瞬背筋が伸びましたね。一番の爆笑シーンは、医師役の笠さんが心臓が悪いと診察しに来た淡島の母親に「うん、耳鼻科に行ってもらった・・・」って飄々と答えるシーン。他にも、ところどころに巧まざるユーモア感覚が散りばめられていました。天下の小津作品と、今のニッポンのお笑い番組を比較しては亡き監督に申し訳ないが、ひとしきり笑った後ココロが痩せて寒々となるような、人の身体的欠点のみをお笑いネタにするような番組だけ作ってもらいたくないなあと・・・。数ある小津作品の中でも、これは笑った後家族解体にしんみりとしつつ、鑑賞後はなぜかほっこりと温かくなる名匠の逸品だと思います。 [DVD(邦画)] 9点(2009-08-22 10:52:25) |
373. 肉の蝋人形 (1933)
《ネタバレ》 立体映画として製作された53年度版リメイクもさして面白くもなかったが、この元祖オリジナルもイマイチ。取り柄は1933年製作の映画にも拘わらず、赤みがかったカラー映画という事くらいか。ホラー映画を意識して演出していると思われるのは、冒頭10分とラスト蝋人形館地下室での攻防位。後は終始ノンビリとした、ごくごく普通の映画というか、コメディ?タッチでの展開に思わず拍子抜け。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-14 11:21:34) |
374. 3時10分、決断のとき
《ネタバレ》 オリジナル「決断の3時10分」(9点)はモノクロで地味な作品ながら、これまで観たウエスタンの中でも五指に数えるほど大好きな映画。それがリメイクされたと聞くや否や、封切日が待ち遠しくてたまらず、公開日初日仕事の後、都内唯一の封切館「新宿ピカデリー」最終回に足を運んだ次第。興奮さめやらぬまま、映画館近くのネットカフェに駆け込んでこのレビューを書いてます。うん!!これはオリジナルと殆ど謙遜のない優れた出来栄えのウエスタンっす!!歩んできた道は違えど、確固たる自分の論理に従って生きる男二人の、丁々発止の心理戦のやり取りが全編にわたって繰り広げられています。ストーリー展開はオリジナルをほぼ踏襲。大きく異なる点、居たか居ないか覚えてない位の薄い存在だった牧場主ダン(ベール)の息子が、活躍の場を大いに与えられている事。これによって、息子の成長がサブストーリーとして大きなウエイトを占める事に。次に、対立しながらも奇妙な連帯感で結ばれていく主役二人の人間性が、より深い次元まで掘り下げられている事。演じる俺様ラッセル&クリスチャン・ベールは、どちらも大人の男の色気満点で惚れ惚れしてしまいました。そしてそして、最後に問題になるのが・・・ラスト結末の処理・・・。これがオリジナルとリメイク版最大の差異なのかなと。全体としては甲乙付け難いけれど、う~ん・・・、ここの部分についてだけは・・・、残念ながら俺はオリジナル支持ですね。悩みつつも8点に留めたのはそれが理由。進学、就職、転職、帰郷、結婚、離婚etc、人生「決断のとき」を眼前に突きつけられ選択を迫られつつある(←自分もその一人)ある程度、人生経験を重ねた男性諸氏に観てもらいたい映画。女性観客なんてハナっから当てにしてないぜっていう、クールなタッチの演出に痺れました。いい素材と役者さえ揃えば、優れたウエスタンをまだ作る事が出来るって自分は確信しました。ウエスタンっていうジャンルをこのまま死なせる事がないように・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-09 00:14:11)(良:3票) |
375. P2
《ネタバレ》 これ映画館で予告編を観た時は「お、これなかなか面白そうな設定じゃん?」って思ったんですが・・・実物を観たらそれほどでもなかった。暑っ苦しい真夏の夜の納涼には最適なハラハラドキドキを予想してたんですが。もっと不条理極まりない展開になるのかと思えば、単に頭の軽い変質者の、後先考えない大暴走でしたかあ・・・。眉太青年にもう少し凄みと迫力と「哀しみ」が欲しかった。「俺はこんな底辺P2で働くしがない警備員なのに、高層階のお前らは・・・」みたいな。プレスリーの曲に合わせスイング?するシーンが一番不気味。ワンアイデアのサスペンスものとしては「フォーンブース」「セルラー」とかの方が出来はずっと上。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-08 10:33:05) |
376. ロシュフォールの恋人たち
フランス銘菓名パティシエ特製の「マカロン」を、ショーウインドウ越しにうっとりと眺めているような感覚の甘い甘い映画。色とりどりのマカロンの中でも、特に輝きを放っているのは、ドルレアック&ドヌーヴ美人姉妹。(←何度も言いますが自分は超甘党す!)御大ジーン・ケリーだけ、この雰囲気の中ちょっとだけ浮いているような気がしたのは、彼が「巴里のアメリカ人」異邦人的扱いだったせいか。 [DVD(字幕)] 8点(2009-08-07 14:31:07) |
377. おくりびと
《ネタバレ》 僕みたいなすれっからしの人間になってしまうと、洋画ならともかく、こういう地に足が着いた良心的に作られた邦画の場合、序盤で大体のその後の展開を読んでしまうという悪癖があるんです。自分でもつくづく嫌なヤツだと思ってるんですが。失業→帰郷→納棺師としての再就職→悪戦苦闘の日々→職業意識へ目覚め→妻を含めた周囲の偏見無理解に対する反発・・・。ここまでで殆どブレがない予定調和な展開に、正直びっくりしてしまいました。銭湯のおかみさん吉行和子の死により、一気に全ての軋轢が実に都合良く氷解。ずっと引っ張ってきた父親との和解も含め、なんら驚くべき展開はなにひとつなかったんですが・・・。でも、なぜか泣かされましたね自分は、この映画に。分かっていながらも泣かされてしまう、この作品にはそんな予定調和を凌駕する力強さが備わってると思います。邦画の最良の部分が巧く出せています。本木&広末の夫婦コンビも悪くないけれど、この映画に厚みと風格を与えた最大功労者は、ベテラン納棺師役の山崎努! [DVD(邦画)] 8点(2009-07-26 10:41:42)(良:1票) |
378. 歩け走るな!
一連のヒッチコック映画等で大好きだったケイリー・グラント最後の主演作品、しかも東京オリンピック開催当時の日本ロケーションという事で、ずっと観たかった映画。かつてMGMで洗練されたミュージカルの佳作を撮っていたチャールズ・ウォルターズ監督という事でも期待していたんですが・・・意外とドタバタ調で、捌き方がイマイチな標準的なコメディに留まっていましたね。この頃のケイリー・グラントは、白髪は多少増えたとはいえ、これ以降映画に出演しなくなったのが不思議なほど相変わらずの軽妙洒脱ぶり、キビキビしていて、動きも演技も颯爽としていました。有名な「シャレード」のテーマの自己パロディもなかなか。あああ・・・俺はこういうカッコいい「大人の男」にずっとなりたいって思ってたのになあ・・・。「競歩」って、当時はまだ傍目には奇異に映る競技だったのかな?しかしオリンピック競技本番前、全く練習もせず恋のさやあてをしているこんなスポーツ選手って有りなん(笑)???この手の映画には必須の、「変なイントネーションの日本人」もご愛嬌。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-25 11:19:09)(良:1票) |
379. 潜行者
後に秀作ウエスタン「決断の3時10分」、「避暑地の出来事」、「スペンサーの山」等、自分好みの作品を多数撮る事になる、デルマー・デイビス監督初期の作品。ボギー&ローレン・バコール夫妻のツーショット共演が売りの底が浅いサスペンス。前半三分の一くらいまでの脱獄囚主人公、一人称視点のカメラワークが非常に実験的で興味を惹かれました。別にボギーのファンでもないので、彼の顔が全編拝めなくても自分的は全く問題なかったんですが、やはり大スターの顔を画面に出さないわけにはいかなかったらしく・・・(笑)役柄としては正体不明ですが、ローレン・バコールのクールに冴えわたる美貌と、シーンごとに変わる衣装は全くもって目の保養で惚れ惚れ。彼女の美しさはモノクロ画面の方が良く映えますね。正直穴だらけのサスペンスですが、前半部分の実験精神を高く買います! [DVD(邦画)] 6点(2009-07-19 10:37:17) |
380. 男はつらいよ 翔んでる寅次郎
70年代全盛期寅さん映画で唯一未見だったのがこれ。というのも、今はそうでもないけど当時の物憂~げな、桃井かおりのしゃべくりとスカシ演技が生理的に苦手だった為。(同じ理由でアンチ長渕ゆえ「青い鳥」も未見)案の定、桃井マドンナ初登場シーンから、どうも寅さんとの絡みがしっくりこない。舞台が北海道という事も有って、「幸福の黄色いハンカチ」での、桃井キャラ使い回し的感ありあり。全編にわたって、寅さんが彼女を持て余してるって感じです。冒頭満夫の作文エピソードは、毎度毎度の常套手段ながらツボにはまった笑いで面白かったんですが。あと桃井母役木暮実千代が「寅さま」って呼ぶトコとか。普通は「寅次郎さま」だよな(笑)僕は寅さんシリーズで、いくつか有る恋愛指南編はどうも苦手みたいです。やっぱり寅さん映画の面白さっていうのは、寅さん自身が恋して、勘違いして、あっさり振られてなんぼかなと。でも久々にパワフルな寅さんが見られたのでこの点数。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-12 10:18:02) |