361. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
《ネタバレ》 よかった点。このシリーズ前2作も含め、テレビドラマでは定番の「死ぬ死ぬ詐欺」をパロディにしたこと。青島が重病かも?という冗談としか思えないシチュエーションのおかげで(しかも途中でネタバラシ有)、観客の感情移入を許さず「この映画そのものがパロディだよ」というメッセージを届けることに成功。以上。他にみるべき部分はなし。テレビシリーズの重要人物である水野美紀がいない以上、同窓会としても成立していない。 [地上波(邦画)] 3点(2012-09-16 16:36:00) |
362. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 受験を控えて「文系」か「理系」かという選択肢しか「あり得ない」という進学校っぽい高校の設定だからこそ、その流れにどこか乗りきれないという主人公3人組のキャラやグラウンドで野球という設定も生きる。そのへんのノスタルジーのくすぐり方はうまい。たとえば、功介は、親の後を継ぐ道を選びながらも(たぶん)それでいいのかという思いを抱えているからこそ、2人とつるむのだろう。そして、未来の自分が想像できず、安易に「選択」できない真琴は、青春時代にあれこれ悩んだ経験を持つ観衆の分身である。その点で何を考えているかわかりにくい千昭が、あーいう設定になるのは必然だったのだろう。そして、この3人の関係が、真琴のタイムリープをきっかけに揺れ動く過程をうまく描いていたと思う。そして、真琴が見つけたひたすら「まっすぐ」な結論にも、まあ納得はできる。ただ、そのあたりのノスタルジーのあおり方にはちょっとあざとさを感じるのも確か。「ほれ、こうすればお前たち甘酸っぱい気持ちになるだろう」なんて言われてるみたいな感じ・・・。細田監督、この作品以後では、その「あざとい」部分のほうが前面に出てくるようになって、ちょっと好きになれないのだが、この作品では、まあギリギリのバランスで成立してる、と言っていいかも。 [DVD(邦画)] 7点(2012-09-12 15:40:40)(良:1票) |
363. テルマエ・ロマエ
前半で笑い、後半で「うーん」。多くの方の感想とまったく同感です。結局のところ、これは「劇場映画」にするべき素材だったのかどうか。前半の個々のエピソードは「濃い」キャスティングの妙もあって本当に楽しく、コミックの映像化としてはかなり成功した部類だと思う。そうすると問題は、後半のように物語を動かし、それなりに盛り上げてて、最後は収束させる必然性だ。今日の商業映画のドラマトゥルギーでいえば、後半のような展開は、素材が「海猿」だろうが「こち亀」だろうが、なぜか必要だということになっている。だけど、この映画に関していえば完全に蛇足になってしまっており、前半の軽快さもどこへやら、中途半端な歴史ドラマになって何だかなあという思いで終幕を迎える羽目になってしまう。そこが、単に制作側の力不足の問題なのか、そういうドラマトゥルギーにこの作品が向いてないということなのか。原作未読なんですが、ぼくは後者だったんじゃないのかなあと感じました。 [映画館(邦画)] 5点(2012-09-01 21:55:43)(良:1票) |
364. 孤高のメス
《ネタバレ》 成島監督、『八日目の蝉』でも押しつけがましくない、いい演出をしてたけど、そのルーツみたいなものが見えてくる1本でした。スーパードクターが主人公の映画ですが、本領は「善良なふつうの人」の描き方。院長先生、手術チームのみなさん、市長とその家族、そしてドナーとその家族。とにかく、主人公2人の周りが暖かく、そういう世界の描き方では邦画ではトップなんじゃないかなと思う。一方で課題は「悪役」。かの映画でもそうでしたが、「悪役」がほんとに魅力がない。生瀬さんだからもってるようなもので、あとの2人の医師はどうしようもない俗物ぶり。タバコぷか~としながら週刊誌記者と会うシーンなんか、いつの時代の映画か、と目を疑いました。とはいえ、主人公2人もすばらしく、牧歌的な社会派という不思議なジャンルを切り開きそうな監督の今後に期待です。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-30 16:19:07)(良:1票) |
365. GIRL ガール(2012)
《ネタバレ》 あれ? 最初のレビュー? 公開時はけっこう宣伝もしてたと思うのだけれど・・。国際線の飛行機で鑑賞。奥田英朗ってこんな作風だっけ? 原作読んでいないのですが、奥田氏のほかの小説から勝手に推測するに、奥田氏は、この映画に出てくるような(痛い)女性たちを皮肉な視線で眺めつつ、でも彼女たちの一生懸命さをちゃんと認めるっていうようなスタンスだと思います。でも、この映画での描き方は、その皮肉な部分が消えて、(檀ふみをのぞけば)テレビでそれぞれの女優さんがやってるキャラを繰り返してるだけ。そんな映画が面白いわけがなく、女性誌なんかがつくる虚像でしかない。奥田氏が原作だからということで選ぶと痛い目に合うかも。 [映画館(邦画)] 3点(2012-08-28 12:20:52) |
366. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 あの『ダークナイト』の続編、というわけで期待しないぞ、期待しないぞ、と自分に言い聞かせるように映画館に向かう。結果としては「悪くない」。実際のところ、ラスト10分までの2時間半は「これは違うぞ」と思い続け、最後のバットマンの行動で「絶対違う!見たかったのはこれじゃない」と落胆したが、最後の最後で「ええ~」っと気持ちよく裏切られ、『ダークナイト』とは正反対のラストも「悪くないかな」。3部作の完結編としては及第点だと思うが、それ以上ではなかった。個人的に印象的だったのは、昨年のNYウォール街占拠運動の「悪夢版」のようなベイン一味のテロ以後のゴッサムシティの暴走ぶり。そして、「あそこには無垢の人間なんていない」という台詞(誰だっけ?)と、「持たざる者」の代表として「持てる者」を裁くスケアクロウ(なにげに3部作皆勤賞!)。こういう暗部の描写が生き生きしてこそのゴッサムシティなんだと実感。 あと蛇足ですが、やっぱりタイトルは、「ライジズ」にすべきだったと思います。1作目の「ビギンズ」との対応を考えても、意味を考えてみても。 [映画館(字幕)] 7点(2012-08-21 19:03:26) |
367. モテキ
《ネタバレ》 冒頭の「サブカル」臭に、ついていけるか不安だったけど、世代的には思ったよりフツーかつストライク(TM、岡村靖幸、スチャダラパーなど)な選曲に楽しませていただきました。とくに、橘いずみの「失格」は絶妙。それに、B'zに対する不当に歪んだ評価にも何だか納得してしまう。たしかに、若干「重い」系の女の子がカラオケでB'z唄う場面に何度か遭遇することもあった。そういう「あるある」話は、ニコニコ動画の「○○ホイホイ」系で楽しむものかと思ってましたが、まさか映画でやるとは・・・。この映画はニコニコ動画や2ちゃんねるの「実況」でこそ本領を発揮するのでは。ただ、逆に言えば、それだけの映画。ストーリーは平凡。後半はテンションも下がり、ラストではすっかり置いてかれてしまい、唖然としたまま『今夜はブギーバック』。まあ、楽しかったけど、うーん、これでいいのかなあ。 [DVD(邦画)] 6点(2012-05-27 01:13:07) |
368. セックス・アンド・ザ・シティ2
地上派テレビ放送だし、147分という本編の長さを考えると、かなりのカット(それもきわどいシーン)がされていたのかな。たぶん、そのせいもあると思うのですが、残念な出来。このシリーズの魅力は、ラスベガスとかLAとかの成金世界とも、貴族的な「上流階級」世界ともちがう、NYという街だからこそ可能な微妙なバランスの上になり立つセレブリティ文化(日本語的な「セレブ」ではない)の世界なんだと思うので、成金趣味満載のアブダビ旅行はその魅力を自ら放棄したようなもの。「シティ」の魅力を描けないSATCなんていうのは、単なる下ネタコメディ映画でしかないのです。出演者のなかには50オーバーまで出てきて、アヴァンギャルドなSATCなら「アンチエイジング」や「美魔女」とはちがう、現代の「女」の老い方をちゃんと描いてくれるのではと密かに期待していたのですが、そっちには向かっていないようです。カットなしのDVDで見直してちゃんと評価しなおすべきなのかもしれませんが、その時間ももったいない。 [地上波(吹替)] 3点(2012-05-19 10:23:38) |
369. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 せっかくのフィンチャー監督の無駄遣い、というか、映像へのこだわりはわかるけれど、こんなにストレートな物語にしてしまうのは、ちょっともったいない。フィンチャーらしい、もう少し人間の皮肉っぽい一面も見たかったかな。あと、どうせストレートな感動物語にするなら、クイニーの扱いをどうにかしてほしかった。母親であり、恩人であり、人生の師であるクィニーの葬式はさっさと済ませて、その直後から「ぼくとディジーは最高の時間を過ごした」ってイチャイチャぶりを見せられても・・・。彼女との別れには、もう少し何か印象的なシーンを用意してほしかったと思う。 [地上波(吹替)] 6点(2012-04-19 12:26:20) |
370. TIME/タイム
《ネタバレ》 序盤だけは、アンドリュー・ニコルの箱庭的世界観を堪能できて秀逸。「時=金」の設定に最初こそ戸惑うけど、母の死や金持ちの街へ出て行くまでのエピソードを通して、その「世界のしくみ」そのものを体感しながら理解できる。ただ後半、世界の秩序への反逆がムチャクチャな上にグダグダでB級作品へ急降下。その世界秩序のルールを内側から崩していくような「革命」を見たかったのですが、実際には銀行強盗とネズミ小僧という古今東西のありきたりの「反体制」モノを踏襲したのみでした。もちろん、この描写そのものが、「世界の富を独占する1%に対する99%の反乱」を自称する2011年のウォール街占拠デモへの共感と批判、みたいな読みも可能だとは思いますが・・・。あと邦題も残念。「in time」の「時間内に間に合う」という意味が、この映画ではとてつもなく重いのに、意味のない英語とカタカナの併記はB級っぽさをいっそう加速させます。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-11 06:51:43)(良:1票) |
371. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 面白い! そして短いっ! 最近はやりの前日譚モノですが、バットマンやX-MENと異なるのは、『猿の惑星』が、(コミックとして、ではなく)映画として、その歴史に名を刻む名作であること。そのオリジンとなる物語を、新人監督に任せてしまうハリウッドの懐の深さと、その重圧に負けず、そして冗長にすることなく必要最小限のカットとスピード感で見事に描いてしまう監督自身の力量に脱帽です。突っ込みどころはたくさんあります。父の病気治療のためにつくった改良版(ALZ113)が人類を滅亡させるウィルスとなるというのは、ちょっと都合よすぎる。また、シーザーの「知性」も、もっと人間との騙しあいや知能戦のような形で発揮してほしかった。それでも、つじつま合わせのための設定上の問題がどうでもよくなるくらい、本作の描く猿たちは魅力的でした。続編もありうる展開でしたが、3時間の人間vs猿の大戦争みたいなのは、あんまり見たくないので、このコンパクトな1作で終わらせてほしいな。あと、邦題は残念。少なくとも、(ジェネシス)は余分で、創世記だけのほうが、このシリーズの雰囲気にあってると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-06 22:56:25)(良:2票) |
372. J・エドガー
フーバー長官の政治的な暗躍ぶりが見れると期待していたのですが、狭い人間関係(フーバー、母、トルソン、ミス・ガンディー)のなかで展開するドラマが主軸でした。ちょっとがっかり。そのぶん、人間関係のほうはなかなかの濃度で描かれ、俳優陣もなかなかの熱演を見せてくれるのですが、こっちを主題にするのに、わざわざJ・エドガー・フーバーという人物を取りあげる必要があったのかは疑問です。あと、老けメイク怖いです。顔はしわしわなのに眼だけが爛々としているのが不気味すぎ。スターウォーズのクリーチャーみたいでした。「老い」というのはメイクだけでなく、もっと全身のあらゆる器官を用いて表現しないといけないんだということがよくわかります。大統領のそっくりさん演技も何だかなあ。ニクソンなんて、パーティ・マスクかと思いました。というわけで、見せ方やこだわりの方向性が間違っているようにも思うのですが、人間ドラマとしては及第点か。好みは分かれると思いますが。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-05 11:40:24) |
373. 雨に唄えば
サイレントからトーキーへと映画界が変わる時代を、1952年にダンスとユーモアで描いた傑作ミュージカルを、さらにその60年後の2012年にDVDと大画面テレビで楽しむ。1950年代という「古き良き」ハリウッド・ミュージカル黄金時代の魅力を堪能できます。ただ、当時の最新技術を駆使して撮ったと思われる終盤の大がかりなダンスシーンは、いまの時代に見るとちょっと興ざめで、序盤のタップダンスや有名な雨のシーンのほうが断然輝いてる。ノスタルジーとテクノロジーのバランスは難しい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-20 15:10:13) |
374. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
《ネタバレ》 短い時間であらかじめ用意されている第1作目の設定までつなげなくてはならない、というのは難しいとは思うけど、あれこれ拙速になってしまったのが残念。ストライカーのやってることは全く理に適っていないが、彼の狂気のおかげで、いろんな設定のつじつまがあったっていうのも何だかなあ。でも、そういう狂気も、彼のこれまでがあってのことなのだろうが・・・。というわけで、次作は『ストライカー』って感じで、マッチポンプ化してくんじゃないかと余計な心配をしてしまった。あと、サイクロプスの残念な感じは昔からだったというのがわかって苦笑。 [地上波(吹替)] 5点(2012-02-20 06:40:24)(良:1票) |
375. 借りぐらしのアリエッティ
序盤の父とアリエッティの「借り」のシーンで高まった期待の回収先がないまま終わってしまった、という感じ。個人的には、ストーリーはたいして展開しなくても小人の借りぐらしという世界観に浸る「雰囲気映画」という路線も別に悪くないと思う。ただ、雰囲気を楽しもうとすると、翔君の「滅び行く種族」発言とか家政婦さんの突然の悪役展開など、中途半端なメッセージやドラマがそれを邪魔する。あと、セシル・コルベルに日本語で歌わせる必要があったのか? 「雰囲気映画」だったら、ラストこそその世界観に浸っていたい部分なのに、突然の「かーりぐぅらーししてたのおー」でぶち壊しです。いや、セシルは本当にがんばって日本語の詞をモノにしてると思います。でも、なぜわざわざエンディングであれを流さなきゃいかなかったのか。雰囲気に浸りたいのに浸らせてくれないフラストレーションを抱えての終幕でした。 [地上波(邦画)] 5点(2011-12-19 06:17:37)(良:1票) |
376. 悪人
《ネタバレ》 妻夫木聡と深津絵里といえば、昔ぱっとしない「月9」でも共演してたが、そんなテレビドラマ的キャスティングという制約はありつつも、主演の2人、樹木希林から柄本明まで、見事な演技で吉田修一のイケテナイ世界を再現してました。原作既読でしたが、ほとんど違和感を感じることなく、その世界観に浸ることができました。なかでも、満島ひかりが演じる佳乃の二面性(「性悪女」と「愛される娘」)に代表される主要登場人物の多面性を、2時間少しの制約のなかでちゃんと描いたのは偉い(岡田君の享楽的な生き方も繰り返し見せられると虚しさのほうが伝わってくる)。一方で難点は音楽と演出。音楽はとにかくうるさい上にシーンにあってない。『おくりびと』もそうでしたが、久石譲のしつこいメロディは実写ドラマに向いていないように思います。演出といえば、何と言ってもクライマックスのスローモーション。これまで細かく丁寧に描いてきたものが一気に崩れ去るようでした。そして、イカの目玉は、この映画最大のホラーでした。今思い出しても恐ろしい。 [地上波(邦画)] 6点(2011-11-21 12:52:52) |
377. X-MEN2
《ネタバレ》 一作目と比べると、ミュータントの能力の見せ方がうまくなってる。とくに、冒頭の大統領襲撃とかマグニートーの脱獄シーンは必見。ただ、主役格のウルヴァリンの見所は、「ツメで刺す」「撃たれてもすぐに復活」の2点なのでけっこう地味だし、プロフェッサーも今回はいいように操られて残念。ラストでは、ジーンが乗りうつったプロフェッサーとスコットの今回役に立てなかったコンビが見つめ合う珍シーンまであります(感動シーンのはずなんだけど・・・)。シリーズものとしては内容・映像ともに順当な進化を見せてくれましたが、ラストのジーンの扱いにはやっぱり疑問で、わざわざプロフェッサーにジーンの動機について解説させたのもさらにマイナス。 [地上波(吹替)] 5点(2011-10-28 05:58:54)(良:2票) |
378. 天国の本屋~恋火
《ネタバレ》 この作品の設定では、「死」というものと深く関わってくるわけですが、この映画では、ほとんどのエピソードがいい話に回収されてしまって、その「苦み」のようなものがほとんど描かれず、ぼんやりとした印象です。公開当時は『黄泉がえり』や『いま会いにゆきます』とか、いい話路線の映画が多かった(あ、全部竹内結子だ)ので、これもそっちを狙ってたということでしょうか。ラストの花火とピアノのコラボだけは見る価値あるかなと思いましたが、そこにいたる過程がとにかく(姪役の竹内結子ばりに)強引なので魅力も半減でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-10-18 06:33:31) |
379. X-メン
うーむ。ファーストジェネレーションを見て面白かったので、シリーズ第1作にも手を出してみたけれど・・・。テーマ的には共通しているけれど、この第1作ではあまり掘り下げられていないので、「設定」を説明しているだけで、肝心のキャラたちの苦悩が生々しく伝わってこない。とはいえ、シリーズ化を前提としたキャラクターたちの顔見せ的な作品だと思えば、こんなものか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-16 01:54:04) |
380. うさぎドロップ
原作もアニメも未見。設定も演出も脚本も、なんかうまくかみ合っていない。芦田愛菜は、僕が見ただけでも、「他人」と暮らすことになる話が3回目(あとの2つはテレビドラマですが)で、さすがにキャラ被りすぎ。大吉の喜怒哀楽の感情表現はマンガ的で、急に6歳の女の子を育てることになった「不安」の表現としては理解できるのだが、せっかくの実写映画なので、もう少し丁寧にとその不安感や不安定さを表現してほしかった。それから、映画のクレジットにいくつか「イクメン」系の団体の名前があったが、本当に彼らが監修や助言をしたのかと思うほど、「男の育児」という点では安易な表現が目立つ。たとえば、子どもに相当の熱があれば、保育所がどういう対応をするか「イクメン」なら知ってるでしょ。あんなふうにほったらかしなんてあり得ない。子ども抱いて走ってれば育児を表現したことになるのか。そういう細かい表現の荒さや薄っぺらさが積み重なって、映画としての完成度を低くしてしまったようです。残念。 [映画館(邦画)] 4点(2011-10-13 05:18:55)(良:1票) |