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プロフィール
コメント数 574
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )


よろしくお願いいたします。

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361.  LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 《ネタバレ》 
この展開で一体どこでライオンが登場するのか? と首をかしげながら観ていたら、、これはうまい、そしてすごい。原題の何という巧妙な仕掛けに拍手。また、実話ベースなので結末はわかっていましたが、その想像を上回る大きな感動が待っていました。実の家族との再会の場面の美しさと言ったら! (泣いたな~) 苦難においても生きようとする強い意志、産みの親も育ての親も関係ない大きな母親の愛、毎度お約束のように奇跡を呼んだのはやはり人間の "こころ" でした。でも過剰なテクノロジーの進化を否定的に描いた映画も多い昨今に、今回の話は人間の心と「Google Earth」というテクノロジーの進化が仲良く手を取り合って奇跡を起こした素晴らしい事例ではないでしょうか? 神様がサルーに与えたその試練はあまりにも過酷で、25年という年月は気が遠くなるほど長く、インドとオーストラリアの距離は果てしなく遠い。でも多くの出会いと成長と、何より25年もの間、きっと何も知らない彼の心の中に確かに兄は生き続けていました。なんだろう、初めから何か見えざる手によって「今はまだ兄の死を知るべきではない」と意図的にはるか遠くへと導かれたような、とてもとても数奇な彼の人生でした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-04-16 02:25:43)(良:1票)
362.  起終点駅 ターミナル 《ネタバレ》 
まず、佐藤浩市と尾野真千子が学生時代の恋人という設定に入っていけない。二人の実年齢差20歳だよ?(笑) よかった点としては、思いのほか、「食」の映画としてよかった。特に、ザンギのうまそうなこと。来る日も来る日もザンギを作り続けること、、彼にとってそれが罪の懺悔 (ザンゲ) なのかもしれない。(あ、言っちゃった)  北海道の「風景」も、よかったと思う。序盤のスナック通りの場末感とか、雪が降り積もる駅の情景とか、、たぶん実際に生活するには寂しいだろうけど、映画で見る分には北海道の片隅として旅情をそそるから不思議なものだ。 登場人物では、中村獅童の得体の知れないところ、敵か味方かもわからないその存在自体が、映画のよいアクセントになっていた。思うに、仕事の依頼は口実だろう。本当は、鷲田完治その人に会いたいだけ。仕事の利害関係抜きで出会っていたら、二人はよい友人になれたかもしれない、、そういう微笑ましい関係だった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-10 20:07:44)
363.  チャイナタウン 《ネタバレ》 
かのJ・ニコルソンが主演ということで観たが、観終えてみれば紛うことなきロマン・ポランスキーの映画だ、という感想に落ち着く。金と色と権力が蔓延る街、ロマン・ポランスキーの情念と怪奇趣味、J・ニコルソンとF・ダナウェイのむせ返るような"大人の色気"。およそ結びつかない要素が、あまりにも美しく"調和"したように思う。娘であり妹。一言聞いただけではピンとこないが、その意味に気づけばそれはあまりにも悲しく、それは不思議な、じっとりとした切ない余韻を残す。悲しくも美しきフィルム・ノワール、それは子どもたちは見てはならない世界、それは大人たちには極上の世界。
[DVD(字幕)] 8点(2017-03-06 22:53:24)
364.  彼らが本気で編むときは、 《ネタバレ》 
荻上監督らしからぬトランスジェンダーといった難しいテーマでしたが、、監督の個性ってどうしても作風に出ますね(笑) 内容のわりに、ほのぼのとした空気は本作でも健在でした。監督、そして主演二人ともに新境地に挑戦したことは、大いに評価したい。先般で既に言われていますが、LGBTのカップルと他人の子、この組み合わせはまさに近年の「チョコレートドーナツ」を思い出しました。その展開はかなり違いますが、やはり感じたのは人と違う生き方を選んだ人たちには、それなりの"覚悟"がある、ということです。そして彼らは自分たちの問題行動が差別や偏見を助長することを承知していて、本能的に我慢すること(耐えること)で自らを守っています。トモがママレモン?で相手を撃退した場面が印象的でしたが、彼ら二人であったらきっと耐えたでしょう。でも決して、その心中はおだやかではありません。108個のちょんぎった"あそこ"、送られてきた巨大なおっぱい。とても本作をよく象徴する小道具であり、心のうちを出さない彼らの叫びを代弁しているように思いました。怒り、悲しみ、失望、、その感情の全てを編んで、燃やして、心を浄化することにより、彼らは耐えていると思う。(何かが大きく変わるわけではありませんが、)たくさんの人に観てほしい映画ではありました。
[映画館(邦画)] 7点(2017-03-05 17:06:48)
365.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
スクリーンから溢れ出す心躍る映像と音楽の洪水、この感動はもはや理屈じゃ語れないだろう。本当に、映画館で映画を観る悦びに満ち溢れている。ミュージカルシーンのダンス一つ取っても、飛んだり跳ねたり、頭のてっぺんから指先つま先まで、そのリズミカルな動きは、観客たちが一緒に心弾むように完璧に計算されている。これこそミュージカル映画だ。シェルブールの雨傘や往年の名画はもちろん、目をこらせば、(500)日のサマー、ファビュラスベイカーボーイズ、ミッドナイトインパリなど近年に監督が愛した映画たちへの想いも見逃せない。これは二つの類希な才能が、人生のほんの一時の間だけ並走し、支え合い、ぶつかり合い、愛し合い、高め合い、その結果、愛よりはお互いの "才能" にとって最良の選択をした話、と思っている。この結末は、男が女の幸せを第一に考えたように見えるが、真実は自分が幸せボケによって "感性" を失うことを何よりも恐れたから、と思う。間違いなく一つ言えるのは、何も結婚して幸せになることだけが愛ではない、ということだ。かつてジャック・ドゥミは言われた。映画はおとぎ話だと。終わらないおとぎ話はない。そして、覚めない夢は、ない。映画が終幕し、まさに夢から覚めたようにふらふらと暗い夜道を一人帰路に着く。現実に戻されると、映画の二人にとっても、そして自らにとっても夢のような時間であったと改めて思う。また明日から平凡な日々が待っている。でも映画を愛した人には、いつかきっと夢の続きが待っていることを信じよう。
[映画館(字幕)] 9点(2017-03-03 00:03:35)(良:3票)
366.  マリアンヌ 《ネタバレ》 
全編に漂う空気が往年の名画を彷彿させる、実に味わい深い映画でした。そして主演二人、圧倒的にスクリーン映えする二人の "美" をうっとりと見惚れる至福の2時間でもありました。(それにしても、B・ピットはSTINGのR・レッドフォードそっくりだ 笑) 二人の個性を一層華やかに際立たせた衣装、1940年代のカサブランカやロンドンを完璧に再現した街並みや美術も素晴らしく、ストーリーよりは "観ること" を楽しむべき映画なのかと。 個人的には、一つでも鮮明に記憶に残る絵があれば映画としては勝ちと思っています。砂塵舞う大砂漠、車中で抱き合う二人。これはもう、自分にとって絶対に忘れられない一画となりました。 本作は、「時間」をテーマに多くの傑作を生みだしてきたロバート・ゼメキスという巨匠が、長い時間を越えて往年の名画に認めた恋文だと思っています。 そして僕も大スクリーンを通して、シネマの歴史、そして時間というロマンに熱く思いを馳せるのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-19 13:48:42)(良:1票)
367.  沈黙 ーサイレンスー(2016)
これは、中島みゆきさんの「背広の下のロックンロール」思い出したよ。  うまく化けてるね 見分けがつかない程に  怒り 願い たくし込んで  誰に見せる為じゃない 己れの為だ・・。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-14 15:56:45)
368.  ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 《ネタバレ》 
行ってきました、ティム・ バートン監督の奇妙な奇妙な魔法の世界! 相変わらずのその世界観、子どもたちもみんなかわいくて、とても楽しかったです。ランサム・リグズの原作「ハヤブサが守る家」は未読ですが、この内容ならば映像化はバートン監督以外にありえないでしょう。(というか、バートン監督以外は誰も挙手しないでしょう) 特殊な能力の使い方がとても優しい。日々の生活の中でそれとなく役立っていたり、リスを助けるためであったり。子どもたちがその能力を駆使して悪に立ち向かう遊園地のドタバタ活劇も面白かったです。しかし、同じ日を繰り返すばかりでなく瞬間移動もできるのか? などなど原作を読んでいないと展開についていけない部分もあって。でも視覚的には期待通り楽しめたので、それを大きな減点にはいたしません。それに世界のお札大全集でわが日本が誇る "一万円札" が一番上だったのは、とても気分よかったぞ。よってプラス1点。ちなみに今回、監督ご自身がカメオ出演されておりました。ほんのほんの一瞬だが (笑) みなさまも気づいたでしょうか?
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-05 11:27:53)(良:1票)
369.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
実話ベース、ということで結末 (合格) はわかっていますが、期待通りに進む展開がただただ心地よく、そして清々しい映画。 全体的に、キャラが魅力的でよかったです。さやかを演じた有村架純さん。偏差値30の金髪ギャル (死語) に完璧に成りきっていました。「そっち系?」← これ、好きでした (笑) ある意味では、一人二役、ですかね、お見事でした。そして、もう一人の主役と言ってもいいだろう、坪田先生 (伊藤淳史)。なんだか、彼を見ていたら「奇跡の人」のサリバン先生を思い出しちゃった。だから、さやかにとって、「合格」ではなく、あなたに出会ったことが本当の奇跡かもしれませんね。  もちろん、映画としてはスポ根の勉強版で「努力」がテーマではありますが、裏テーマとして、コミュニケーションの重要性、を描いたものと思っています。坪田先生とさやか、教師 (たち) とさやかの母、さやかと母。この物語を前進させ、局面を打開していたのは、いつだってこの関係による面談や対話によるものでした。(ネットやケイタイではないところに、大きな意義がある) 反対に、野球狂の父と弟の関係は、一方通行の人間関係 (コミュニケーション不全) であり、つまり後退の象徴ですね。この奇跡の裏側には、個人としての「努力」があり、そして人同士の「対話」があった。 人と人とのつながり、その人間関係がますます希薄な今だからこそ、この物語は人々の心に響いたのではないだろうか。
[DVD(邦画)] 7点(2017-02-01 22:57:53)(良:1票)
370.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
率直に言って、筋金入りのSWファンには受けないだろうな、という感想です。とにかく暗い、救いがない、ジェダイがいない(笑)。でも本作は、Epi.Ⅳ有史以前に、悪しきデス・スターの設計図奪取のために命を懸けた者たち、すなわち死んだ者たちのエピソードと予めわかっていたこと。むしろ結末が読めていても最後まで一つも飽きずに鑑賞できたのは、これは新監督の手腕に脱帽せざるをえない。主演二人が穴に落ちそうになる場面など、レイア姫とルークが昔全く同じことやってましたし、オールドファンなら思わずニヤリとする場面の数々に、監督の旧作への敬愛も充分感じました。王道の娯楽映画でありつつ、SWのエピソードの一貫としていかにEpi.Ⅳにバトンを渡すか、監督はこの大役を見事に果たしたと思います。唯一残念なのは、主要キャストとダースベイダーの対峙(バトル)がなかったこと。ジェダイ抜きでいかにして戦うのか、個人的にはそれをかなり期待していたのだが・・。なおご存知のように、先日、C.フィッシャーというSWの歴史を彩った大きな存在が一つ、星に帰りました。その事実もあって、最後に懐かしいレイア姫の姿とその言葉を目の当たりにして、思い出したように唐突に感極まった。SWのスピンオフ映画とはかくあるべし、この後改めてEpi.Ⅳを観直したいと思う。レイア姫の姿に、そして"希望"という言葉に隠された壮絶な歴史を知った今では、冒頭から涙出そうでちょっと心配なのだが。
[映画館(字幕)] 8点(2017-01-16 21:01:15)(良:1票)
371.  トレーニング デイ
こいつ (アロンゾ) とレオンのスタンスフィールドを組ませろ! 最強悪徳コンビで裏社会からアメリカを制圧できるぞ (笑)
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-12-05 00:08:51)(笑:1票)
372.  ある天文学者の恋文 《ネタバレ》 
言うまでもなく、その存在を失っても彼女の元に届く彼の愛を、その存在を失っても我々の元に届く星の光に例えています。それは永遠には続かない、といった意味でも一致しています。天文学者らしく、とてもロマンにあふれた愛情表現でした。でも現実的にはかなり無理のある話で、たとえ入念に準備したとしてもこうはうまく運ばないと思いますね。(スミマセン、夢がなくて) それに"天文学者"だからこそ許される愛情表現であって、普通の人が同じことやったらちょっと怖いです。女性的にはどうなんでしょう?これは女性の方の感想を聞いてみたい映画でした。それはさておき、、しつこいクローズアップ、カットが変わる度に新しいお洋服、おまけにスタントアクションにお色気サービスショット。一体これはオルガ・キュリレンコのプロモーションビデオですか?でもよいか、景色も含めて、美しいものたくさん観れるのも映画の楽しみの一つだし。
[映画館(字幕)] 6点(2016-12-04 19:29:58)
373.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
戦争を題材にしたよくあるアニメーション映画だろう、と軽い気持ちで鑑賞に臨んだことを後悔するほど、心に強い衝撃を受けました。この映画、"戦争"を題材にしながらも人間の狂気は見えません。あくまで物語の中心はその時代の人々の生活、戦争はあくまでそこに存在した一つのできごと。まるで"日常"のように、近くで軍が大砲の演習をして、夕焼け小焼けではなく空襲警報が鳴り響く。悲しいことに、人々は誰もが悲劇が"悲劇"である感覚を失っていた。でもそれが戦争の本当の恐ろしさでもあると思います。アニメならではの見どころも多く、特に防空壕の中で感じる空襲の生々しさなどは、想像をより掻き立てる分、ある意味で実写よりよほど恐怖をそそるかもしれません。草木や花や海の繊細な優しさ、戦艦の雄々しいたくましさ、終戦後に部屋に灯る希望の明り。絵から一貫して伝わってくるのはあの時代を強く生きた、先人たちの"心"です。そして、人生に必要なものは、勇気と想像力とほんの少しのお金。先人たちは生活の中にそれを心得ていた。この映画は日本人の心の歴史そのもの、どうか後世に伝えていきたい。
[映画館(邦画)] 9点(2016-11-24 23:11:44)(良:2票)
374.  グッバイ、サマー 《ネタバレ》 
若さゆえのおバカな悪ノリの中にも、どこか上品で哀愁をおびた雰囲気が終始漂っていて。フランスらしい、米国産の映画とはまた一味違う味わいの青春映画でした。そして、どこか昔の映画を観ているような不思議な感覚があって、それは"レトロ"とか"懐古調"といった表現が相応しいかわかりませんが、昔の、特に1960年代~70年代頃の映画にあった空気感が、この映画にはありました。彼らにとってこの旅はすばらしい思い出でしょう。大事な人の"死"は悲しい思い出でしょう。いつだって、青春の回想は良いことか悪いことで、"普通のできごと"が入り込む居場所はありません。終わり方は好きでした。僕も14歳あたりから、重要な選択を何度も何度も間違えては、いつの間にかただの、、いや青春映画が好きなただの大人になっていました。
[映画館(字幕)] 7点(2016-11-12 16:47:39)
375.  アスファルト(2015) 《ネタバレ》 
たぶん、宇宙から人が降ってくることはまずないでしょう。そして辺境の地にあるマンションに暮らしていて、隣りの部屋に映画女優が越してくることもまずないでしょう。これは限りなく確率0%に近い、もしかしたら現実にありそうなお話。どこかファンタジー映画を観ているような、夢見心地な気分に浸れました。灰色にくすんだ映像や廃墟のようなマンション、それは人々の寂しさや空虚な心境をよく投影しています。それが終盤になるほどその風景の冷たさは、人や心の温かさを際立たせる引き立て役のように機能してきます。決して派手さはありませんが、これこそ映像のマジックでしょう。6人が織りなす3つのエピソードは、性別・年齢・人種を越えた何気ない友好のメッセージ。ハリウッド映画のそれとは違って、実に自然な配役なのでとても好感があります。一人で寂しい人。想像力のある人。そんな人たちにとって、きっと人生の宝物になる映画だと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2016-11-07 22:17:06)
376.  怒り 《ネタバレ》 
真犯人が社会の不条理によって生まれたモンスターならば、その生い立ちから丹念に描くべきでした。(群像劇という時間の制約上もあるのでしょうが) 彼の成長過程が一切描かれていないために、それは蓄積された怒りがとうとう大爆発した、というよりは短気をおこして突然ブチ切れたふうにしか映らない。ロケーションはよかったです。天国のように碧く美しい沖縄の風景は、どうして人間の狂気と相性がよいのだろうか。演出について。坂本龍一さんの音楽と役者の泣き演技が過剰演出でかなり苦手でした。これほどのキャストならば、抑えのきいた演技と音楽でじっくりと魅せてもいいのではないか。感情を題材にした映画だからこそ、もっと緻密に丁寧に描いてほしかった気がする。本作ではっきりと確信したが、この監督の演出はシリアスより、フラガールのような直球勝負の感動路線がだんぜん向いていると思う。
[映画館(邦画)] 5点(2016-10-03 23:11:15)
377.  シング・ストリート 未来へのうた 《ネタバレ》 
さすがの安定感と言いますか、ジョン・カーニー監督の映画は外さないですね。今回、オリジナルの曲もよいのだが、やはり私の年代にとっては80年代の音楽の数々が懐かしくて、曲が流れるたびに当時を思い出して心弾みました。特筆すべき点として、音楽をテーマに、"大人たち"を多く描いてきた監督ですが、今回は少年を主人公にすえてきました。少年と音楽(ロック)とくれば当然、自由、権力に対する反抗、束縛からの解放、これなんです!規律厳しい学校。ちょいワルな仲間たちとキュートなあの娘。校長先生は世俗的な(つまらない)大人の象徴。そして、、規律とは破るためにある(笑)。未来に向かって漕ぎ出すラスト。そのすべてがあの有名な映画を彷彿させます。そうです、本作を僕は勝手にジョン・カーニー版"小さな恋のメロディ"と思ってます。本気で音楽に生きる覚悟は、長く険しい荒波に挑むようなものでしょう。その覚悟が本気であればあるほど、途中で後戻りはできません。ラストは二人の心境になって、、いや、それはさすがに図々しいので、兄貴側の心境で二人の船出を見守っていました。(それにしても何てカッコいい兄貴だ!)若さと情熱と愛があれば。自分はもう、二人のような若さはありませんが、あの頃の気持ちと音楽はいつまでも心に忘れずにいたい。
[映画館(字幕)] 8点(2016-09-16 23:39:30)
378.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
大ヒットのようで今すごく話題になっていますね。私も観てきました、「時をかける少年」。 タイムリープ、男女の入れ替わりといった設定は、映画のストーリーとしては大外れのない鉄板で、これは観る前から面白いことが約束されたも同然なのです。でもその反面、ストーリーを一つの矛盾もなく組み立てるのが難しいゆえに、この設定は諸刃の剣でもある、と言えるでしょう。超常現象X2+隕石落下!! もう途中からは、粗探しはやめてピュアな気持ちで楽しもう (笑) と割り切ることにしたため、おかげで最後までかなり楽しむことができました。それに突飛な設定の数々はあくまで映画を形成する (壮大なる) モチーフで、根は実にシンプルな青春映画。 "SF" の二文字を書いて、それを青春ファンタジーと考えれば、細かい矛盾は気にならず理屈抜きに楽しめます。 大林監督「尾道三部作」への想い、今回の設定はもちろん、特に "階段" が重要な場面で使われているあたりは監督の傾倒ぶりが伺えました。プラスの設定、"隕石落下" はまさにアニメでしかできないこと、言わばアニメーション作家である新海監督のこだわりであり、誇りです。 最後に、本作を観た若い方たちにも、ぜひこれを機に「尾道三部作」を知ってもらえたらうれしいですね。
[映画館(邦画)] 8点(2016-09-11 18:29:08)(良:4票)
379.  バグダッド・カフェ 《ネタバレ》 
全くアングルの合わないカメラ、性格の悪いハゲ男、得体の知れないデブ女。冒頭から、視覚的にとても不快を感じる場面の連続で幕を開けます。それはさらに続きます。ヒステリックな黒人女、ヘッドホンの音漏れがイライラするその娘。ただ一人美しい女(彫り師)はもったいぶって毎回チラ見せ程度、やっとご登場、と思ったら何とそのまま映画からフェイドアウト。この女をもっと映せよ!これは確信犯的に観客を挑発して、感情を逆撫でする実に不愉快な映画。でも観客のご機嫌を直すように、途中からストーリーは癒し路線に変貌していきます。だが、"癒し路線"なのはあくまで見た目だけ。挑発はまだまだ続きます。最後のマジックショーの場違いなハイテンションは、「どうせこういう愉快な場面が観たかったのだろう?」といった当てつけとしか思えない。極め付けはラストのプロポーズの場面。この展開だと絶対に彼女はYESと思ったが、意外にも答えはNO。これは監督から観客への痛烈なメッセージだと感じました。彼女の"NO"はそのまま観客に向けたもの。つまり、女二人に外見や第一印象だけで嫌悪感を持った僕らを、彼女(この映画)は初めから許す気はなかった、ということ。始めから最後まですごく馬鹿にされたような、とても後味の悪い終わり方でした。
[DVD(字幕)] 4点(2016-09-08 23:42:01)
380.  ぼくたちの家族 《ネタバレ》 
最悪な事態にならずに、まずはよかった。そしてこの家族に俊平くん (池松壮亮) がいて本当によかった。彼がいなかったら、ちょっとヤバかったかもね。彼の軽いキャラが、重苦しくて沈没しそうな家族を救っておりました。しかし軽いばかりではなかった、執刀医を探し出した超ファインプレー。 それにしても、家族の連携のよさとは対象的に病院同士の風通しの悪さ、これ何とかならんかね。重病患者の家族にこれほど走り回らせたらあかんだろう、本来なら最初の病院から電話一本かければ済む話だろう、でもこの映画って、これを医療現場の問題提起として伝えようとしている気がする。 映画としては、回想で説明することをせず全て現在進行形で進んでいき、起承転結もわかりやすい。時や人や状況を変えて、映し出される自宅の最寄り駅の光景。とりあえず、前に向かって走り出すお父さん。兄弟が階段を上って見下ろすこの街の風景。母の手術後に、三人が病棟で組んだ涙の円陣。久しぶりに、「家族」を題材にしたよい映画を観た気がする。 なお、家族の難病を機に疎遠だった家族が一致団結して前に進む、これは必ずしも映画に限った話しではない。なぜなら、数年前に私の父が脳梗塞で倒れた時、ほとんど疎遠だった私の家族たちですら集結したからだ。兄とは久しぶりにまともに口をきいた。いつもはおとなしい弟がこんなに頼りになるとは! そんなわけで、本作はとても他人事ではなく感情移入しやすい映画でありました。 ・・あれから父は何とか持ち直し、体は不自由にはなったけど、家族みんなで協力して見つけたバリアフリーの家で、今は何だか嬉しそうだ。
[DVD(邦画)] 9点(2016-08-17 00:04:42)
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