361. ヒッチャー(1985)
《ネタバレ》 不条理。 この男、何が目的かもわからなければ、何故警察以上の追跡能力があるのかも一切明らかにされない。 その辺の演出は潔く、観ていてもさほど気にならない。 まあこれはルトガー・ハウアーという名悪役の力に因るものかもしれない。 しつこく、無慈悲で、寂しげ。 目力が圧倒的で、有無を言わさぬ悪党ぶり。 ただ、ラストの対決は余計だったかな。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-04-10 18:23:40) |
362. ポゼッション(2012)
《ネタバレ》 エクソシスト系の映画は、家族愛が大きく取り上げられるのだけど、本作はちょっと斜めから。 家族を顧みずに離婚された仕事人間の父親が娘を救い、妻と家族を取り戻す、というお話。 そこを描くことに時間が割かれているので、謎の箱の正体がかなり曖昧なまま、薄気味悪さだけが膨らんで、結局すっきりしない、という点は残念。 並み居るラビ達が恐れをなして逃げ出すあたりは、ワクワクしたんだけどその後が続かなかった。 しかし、取り憑かれる少女の演技は素晴らしく、特殊効果も相まってかなりの怖さ。 ちょっとリンダ・ブレアに似てると思うのは私だけではないはず。 すんなりとは終わらせないラストも良い。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-03-28 21:33:44) |
363. ラスト・ウィッチ・ハンター
《ネタバレ》 無敵のウィッチハンターが生身になって不死身じゃなくなる…うん、これはまさに「ブレイド」の世界だね。 しかし、というかやはり?ヴィン・ディーゼルの存在感が素晴らしく、しかもヒロイン・クロエが魅力的で、なかなか魅せる映画。 そもそもイライジャ・ウッドって悪人顔なんだけど、本作も予想通りの悪役。この辺も楽しませてくれた。 最強の魔女がそんなに強くないのも現実的で無理のない展開。 それにしても、その人が出演してるというだけで安心してその映画を観られるって、すごい役者だな、マイケル・ケイン。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-03-02 22:56:43) |
364. ローン・サバイバー
《ネタバレ》 助けを求めて逃げている者は、いかなる犠牲を払っても助けなければならない。 アフガンのパシャトゥーン人の掟だそうだが、なんと気高く、崇高な掟であることか。 アメリカが介入する必要もなければ、資格もない、ということに思いが至る、アメリカ人監督による皮肉な映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-24 23:03:33) |
365. ザ・スイッチ
《ネタバレ》 面白いか面白くないかで言ったら、間違いなく面白い。 コメディタッチだけど、割と容赦のない残酷描写は潔くて良い。 弱虫だった主人公が、ラストでやり過ぎだろってくらいの串刺しを決めるシーンも気持ち良い。 でもね。 たとえ中身が好きな女の子でも、あんなおっさんとキスしたりはしないぜ。 そこだけが物申したいポイント。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-24 22:10:22)(良:1票) |
366. 刑事物語
《ネタバレ》 演出がちょっと過剰な割に、筋立てはさほど凝らない。 映画って、だいたいこんなもんだったよなあ。 ワクワクして、時々笑えて、ちょっと哀しくて。 で、エンディングの歌が心にしみる。 映画って、それでいいんじゃないの。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-01-20 23:01:40) |
367. イーグル・アイ
《ネタバレ》 いやー面白かった。 公開当時に観たけど、ストーリーさっぱり覚えてなくて、2回得した気分だわ。 でもね、一度自分の提案を拒否されたくらいで、大統領ら国家の幹部を皆殺しにするって、度量が狭すぎだぜ、アリア。 車のナビなんて、何度道案内を無視して他のルート行っても、健気に新しいルート検索して提案してくれるぜ。あんなに金かけてナビ以下? しかし、このサイトでスタッフの欄見て初めて知ったんだけど、アリアの声って、ジュリアン・ムーアがやってたんだね。もう一回観たくなったじゃないか。 そこに加点。 それと、イーグル・アイのぐるっと360度の記憶媒体?、装甲騎兵ボトムズのワイズマンそのまんまだった。もしかしてボトムズ観た?(笑) [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-10 18:29:44) |
368. 恋におちて
《ネタバレ》 モリーは夫に愛を感じていない。 では、フランクは? 結婚生活のどこに不満があったのか。いや、そもそも不満なんて感じてなかった。 ただ、偶然本屋で、電車で出会った女性に恋した、それだけ。 そこで行動に移すか、何もせず通り過ぎるかで人生は大きく変わる。 その結果は自分で受け止めるという大人の映画。 デニーロとメリル・ストリープの抑えた演技はやはり素晴らしい。 そしてなんといっても音楽が抜群。 恋の始まりの軽やかな感じが、ピアノの旋律とぴったりシンクロする。 結末も嫌いじゃない。いや、むしろ好み。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-04 21:44:57) |
369. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 スローなんだよ。 今時のスピーディーな映画に慣れてる私たちには、展開がスローなんだよ。 本筋には関係ない余計なシーンも多いんだよ。 でも、それがやっぱりいいんだよね。 FBIだってゆるいんだよ。 身分詐称したってそんなに怒んない。 サングラスだってちゃんと返す。 でも、空港のシーンではしっかりハラハラドキドキさせてくれる。 デニーロって、やっぱすげーな。 ラストシーン。 お互いを認め合っても、ハグなんかしないぜ。 無駄に仲良くなんかならない。 あの距離感、今の映画にあんのかな。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-01-02 22:08:19) |
370. 特捜部Q Pからのメッセージ
《ネタバレ》 地味に安定感のあるこのシリーズ。 特捜部の面々が個性的で、個々の役割も決まっているのが予定調和で気持ち良い。 三作目となる本作は、最高に憎たらしい悪役が登場。 いや、憎たらしいでは言葉が足りない。 神などいないことを、神を信じる者にわからせるなんて、余計なお世話だよ。 虫唾が走る犯人像は賛否の分かれるところだけど、映画としては成功している。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-12-22 23:23:01) |
371. ブラッドショット
《ネタバレ》 単純にできている私は、まんまと騙されてしまった。 そっかあ。そういうことね。 殺されたはずの妻が実は生きていて、私たち別れたのよと告げるシーンは、予想できたとは言えなかなか面白かった。 でも、義足と義眼の仲間二人はそんなに悪党にも見えなかったのに、突如レイの命を狙う豹変ぶりについて行けず。 そして、エレベーター上で繰り広げられる猛スピードの格闘アクションにも目がついて行けず。 速さは伝わってくるんだけど、熱さが感じられないから、ちょっと消化不良。 ヴィン・ディーゼルの滑舌が少し気になったのは、体を酷使しすぎて劣化したという演出だろうか。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-27 22:23:47) |
372. ダイ・ハード4.0
《ネタバレ》 前作のマクレーンはあまりにもグダグダだったが、四作目は至って普通のマクレーン。 犯罪の匂いを嗅ぎつけて巻き込まれるのがこのシリーズの売りだったのだが、今回は職務の続きで巻き込まれるという正しい刑事の在り方に沿っているのはまあ仕方ないところ。 しかし、まああれですね。 タイトルがダイ・ハードだから、タイトルに忠実なんだけど、本当に死にません。 ヘリも操縦しちゃうし、トレーラーで戦闘機やっつけちゃうし、ランボーでもできないことをやってのけてしまうのは、まあご愛嬌。 観てるこっちもそれを期待してるんだから、見事に期待に応えてくれるサービスぶり。 それはさておき、今回の相棒は年齢がぐっと下がってジャスティン・ロング。 警官ではない臆病者のハッカーなんだけど、これが良い。 もともとジャスティン・ロングが好きなもんで点数甘めだけど、マクレーンとのジェネレーション・ギャップ満載のやりとりも楽しい。 そして娘役のメアリー・エリザベス・ウインステッドも、父親譲りの度胸の良さがハマって最高。 でもちょっとやり過ぎだぜ、マクレーン。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-25 16:12:33) |
373. ファイナル・デッドブリッジ
《ネタバレ》 今更説明の必要がないほど名の知れたシリーズ。 悪趣味な点では『ソウ』シリーズと双璧かもしれない。 ただ今回は、トニー・トッドを無駄遣いして、変な入れ知恵しちゃったもんだから、誰か身代わり立てれば助かるかもっていう、さらにゲス度を上げる要素を入れてしまったのはいただけない。 死神に対抗するためにあれこれ考えるのもこのシリーズの面白いところだったのに、そんな安直なことで助かろうとする輩はかえって死神の怒りを買うに違いない。 と思ったんだけど、死神の影も薄い今作。 流石に食傷気味なのを察知してか、どうもラストみたい。 一作目につなげてシリーズのファンを喜ばせたことは素直に評価したい。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-03 23:24:45) |
374. サンキュー・スモーキング
《ネタバレ》 タバコ業界を擁護するロビイストが主人公という、一風変わった設定がなかなか面白かった。 糾弾される方を描いて、なおかつスカッとさせるのはなかなか難しいと思われたが、そこは敵役?にJKシモンズというこれ以上ない憎まれ役を配置してあっさり解決。 タバコ業界のボスにも名優ロバート・デュバルを立てて、それほど憎らしくさせていない演出がうまい。 タバコが有害か否かということよりも、主人公の息子に議論の方法を学ばせることでタバコ自体に対する嫌悪感をさほど感じさせない演出もなかなか。 そしてアーロン・エッカート。 無骨な兵隊役もハマるけど、こういう口八丁の男も抜群にハマる。 見応えのある、あっという間の90分。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-03 20:35:21) |
375. 潜水服は蝶の夢を見る
《ネタバレ》 オープニングで崩壊した氷山が、エンディングでは逆戻しで元の状態に帰っていく。 自分自身を見失っていた主人公が、体の自由を失うことで、自分とは何かを見つめ直していく、そんな意味があるかなあなんて思いながら、ぼんやりとエンドロールを観ていた。 主人公の生き方が違っていれば、家族はもう少し彼に対して愛情を持って接してくれただろう。 あんな生き方では、最終的に頼りにできるのは、医療関係者しかいないんだろうなあ。 そんなことが気になった映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-23 21:50:57) |
376. 15年後のラブソング
《ネタバレ》 ミュージシャンをやっていた間は、無責任であちこちで子供を作っていたタッカー。 でも、渡された赤ん坊を捨てて逃げ出した時から歌えなくなってしまった、というエピソードは、映画ながら真に迫っていた。 父親としての責任を必死で果たそうとする不器用な姿を、アニーは愛したのかな。 アニーもタッカーも、15年かかってやっと本当に信頼できる相手と子供を持つ決断をする、希望に満ちたエンディングが良かった。 ローズ・バーンは今でももちろん魅力的だけど、もう少し年齢を重ねたら、もっと素敵な女優になりそうな予感。 イーサン・ホークは、相変わらず力の抜けた演技がよくハマる。いいなあ、この人。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-18 18:08:57) |
377. ヒトラー暗殺、13分の誤算
《ネタバレ》 見応えはある、ドイツらしい骨太な映画。 ヒトラーを暗殺しなければ、自由は奪われ、多くの無辜の民が命を落とすことになる。 狂熱に駆られて実行した暗殺だが、死んだのはヒトラーではなく、まさしく無関係の無辜の民。 ゲシュタポに捕まり、そのことを知らされたゲオルグの落胆と絶望は、想像してあまりある。 ヒトラー暗殺をたった一人で企て、綿密な準備の末に実行した男にしては、その行動は身勝手で整合性に欠けるように見えるが、それが逆にリアリティを生んでいる。完全無欠の義憤に駆られたヒーローなんて、不健康だし、信用できない。 ゲオルグの人間らしさは、かえってナチの血の通わない機械のような残酷さを際立たせる効果を生んでいる。 佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-15 23:25:54) |
378. エリジウム
《ネタバレ》 まあね。 誰かのために自分を犠牲にする、という設定にそもそも弱いので、人類のためというよりも、愛する幼なじみの娘のために死を覚悟してエンターキーを押す、という流れは嫌いじゃない。 いや、むしろ好ましい。 しかもその相手がアリシア・ブラガ、というハリウッドきっての美女じゃない所が良かった。 アクションに時間を割き過ぎて、地球にいる人たちがいかに理不尽で貧しい暮らしをしているのかを描き切れておらず、ラストの全人類を市民と認める、やったぜ!感がほぼ感じられなかったのは残念。 そして、ジョディ・フォスターに、無駄に憎まれ役やらせないでもらいたい。 なんだかどうしようもない小物な悪い奴で犬死にではあんまりだって。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-11 23:23:31) |
379. テイキング・ライブス
《ネタバレ》 以前観たことあったんだけど、アンジーがあんなに大胆な濡れ場を演じているとは思ってなかったから、その点に一番驚いたかも。 他のレビュワーの方も書いておられたが、イーサン・ホークがナイスガイを演じるわけがないんだから、誰が犯人?ではなく、イーサンの化けの皮が剥がれるのはいつ?という楽しみ方が正しい。 そう考えると、アンジーとのラブシーンは、ピリピリするほどの緊張感があり、見応え充分。 イーサンの正体がバレてからのアンジーの弱々しさは、それまでとのギャップでかなり○。 問題は、正体がバレて逃亡したイーサンが、なぜそこまでアンジーに執着したのか、ということ。 罠だ、くらい考えつきそうだし、そもそも他人の人生を生きてきた男が、一人の女に執着するとは思えない。 その点に疑問符は付くが、映画自体は豪華俳優陣の抑え目の演技で起伏もあり、面白いことは間違いない。 さらに、冒頭のみ出演のポール・ダノ。この人、ピンポイントでも強烈な印象を残す稀有な俳優だよなあ。そこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-04 18:22:51) |
380. 昼下がりの甘いパイ
《ネタバレ》 テレビドラマを観ているような気楽な作りなんだけど、それが逆に良かった。 主役の二人も嫌味が無くて好印象。 脇を固めるパイ屋のウェイトレスも、同僚の看護師の女性も、ズケズケ言うんだけどあったかくていい感じ。 義理の妹役とその彼氏がちょっと浮世離れした美男美女なんだけど、この二人も重要な役回り。 「自分のためのリストは?」なんて大事なことに気づかせるあたりはグッと来た。 亡き夫の為でなく、自分のために乗ったバイクでしっかり彼の元に辿り着いてハッピーエンド。 佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-22 09:09:26) |