361. ブレードランナー
《ネタバレ》 “Blade Runner”レプリカントを処分する職業の名称なんだけど、なんか『非合法な医療器具(メスとか)の運び屋』って意味の小説タイトルから拝借したそうな。医者(警官)じゃないけどガン細胞(レプリ)を見つけて切り取る(処分する)仕事。ってニュアンスだろうか? 初見はサイバーパンク目覚ましい'80年代後半。近未来リアルSFの金字塔として超有名な本作。ターミネーターみたいな派手なSFだと思っていたのが、思いのほか静かな映画で驚いた。近未来が舞台のハードボイルド映画なんて想像してたのとあまりに違った。 火を吹き上げる工場の煙突。薄暗いモヤモヤの空(光化学スモッグ?)。身体に悪そうな雨(酸性雨?)。空飛ぶパトカー。動く写真。奥行きのある写真。ウロコに書かれた製造番号。大画面で映される芸者風の女性。強力ワカモトがコカコーラと同等に映される。ゴルフ用品?怪しい日本語表記。中国っぽい自転車の行列。ネオンの「ジッジッ」って音。傘の柄にもネオン。箸で器用にうどんを食べるハリソン・フォード…これこそ私達の近未来。 和洋中ごちゃ混ぜな世界観。'70年代まで主流だった便利で明るい未来とは別な、退廃的な未来像。漠然とした不安を感じさせる世紀末以降の世界として、どこか説得力と力強さがあった。あの時代によくこんなワケ解んない世界を映像化したよ。凄いよリドリー・スコット。 そうそうレイチェルの凄い髪型。あれってきっと芸者の日本髪から着想したんだろうな。物凄い肩パットとともにレトロ感を感じさせるようになってしまった。もちろんあの凄い髪型から、どうやったか謎だけどウェービーな下ろし髪にした際の可愛さアップにホッとしてしまう。 舞台は2019年11月。いつの間にか現実が近未来を追い越してしまった。サイバーパンク世界の時代はついに来ること無く、ブレードランナーですら過去の物語になってしまっていたわ。 色々なバージョンが有るこの作品だけど、私が当時何回も繰り返し観ていたのは、レイチェルの寿命について説明のあるバージョン。ビデオには“完全版”って書いてあった気がしたけど、多分こっち。 いわゆる“完全版”も、どこかで観た気がするんだけどなぁ。 ~『ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版> 』へ~ [ビデオ(字幕)] 9点(2023-05-06 14:34:00) |
362. オーシャンズ11
《ネタバレ》 “Ocean's Eleven”『オーシャンの11人』。リメイク作品です。当時から『豪華キャストが夢の共演!!』って売り方をしていたと思う。だけど華があるか?といわれると、う~ん…。 ムショ上がりのオーシャンが、11人(ん?どう数えても10人だ。オーシャン入れて11人ってことだったのか?ブルーザー入れて11人?)の仲間たちとベネディクトのカジノを襲って、大金と元妻を手に入れる。難攻不落なベガスの金庫強盗なんて映画じゃないと観られない豪華さなんだけどね。 人気俳優の寄せ集め感が強くて、豪華キャストの共演感が薄いんだよなぁ。俳優同士の繋がりが感じられない(解らない)から、エクスペンダブルズの“アクションスター大集合”みたいなワクワク感が無いのさ。例えば“TVドラマで主役を演じた俳優大集合”とか“泥棒映画の主役大集合”とか、この作品をキッカケに主演俳優の過去作を観たくなるような、そんな世界観の広がりがないんだよ。 元作品は『オーシャンと十一人の仲間』で、元戦友が集まるんだそうな。けど本作は知り合いに限らずプロフェッショナルをスカウトする。でもデルがカジノに潜入するところなんて、映画的には冷や汗物なんだけど、これプロの仕事か?と言われるとねぇ。オーシャンを拷問するブルーザーが知り合いだったとか、都合良すぎる設定も目につく。 極め付きはテス。あの映像でベネディクトに見切りをつけるのはともかく、ダニーとよりを戻すまで行くかなぁ?両方捨てるって選択肢もあったろうに。 この映画を観るのは3度目くらいなんだけど、オーシャン達が凄い事をしてるのを観ているハズなのに、私のテンションがずっと低いのが不思議。 [地上波(吹替)] 5点(2023-04-30 22:41:57) |
363. 自虐の詩
《ネタバレ》 「西日がビンボ臭ぇ!」って言葉がとても印象に残ってた。北国の夜型人間の私は、映画のビデオを朝まで観て、さぁ寝ようって時に希望に満ち溢れた日差しが入る寒い東向きより、遅くまで夕日を楽しめて、夜が来るワクワク感を感じさせる、温かい西向きが大好きです。理想は南西リビング! 他に覚えてるのは阿部ちゃんのちゃぶ台返しくらい。あとなんか最後の方ホロリと来る人情話だった記憶が薄っすらと…はい再視聴。 前半のギャグ多めの現代パート。“あ、ここ笑うところなんだな”ってのがハッキリ解る。モトが4コマ漫画だそうで、なるほど。だからブツ切りのショートコントっぽいのが続くんだなって納得した。 後半にかけて明かされる過去。幸薄い学生時代と熊本さんのインパクト。丘の上で取っ組み合いからの仲直り、熊本さんには熊本さんの考えがあるんだなぁって納得させられたし、駅での別れも弁当の見せ方も良かった。なんか前半のパート減らしてコッチを厚めにしても良かったんじゃないか?って思ったわ。強盗事件後の藤沢さんたちの反応とか観たかったな。 イサオが、不器用で奥手なマトリックスから、ヒモのDVパンチパーマになった過程が描かれないから、なんか突飛な印象が残ってしまう。幸江も、学生時代と今は繋がるけど、綺羅びやかな売春婦時代が結びつかないというか…2人に何があって、こうなったんだ?って。 連載終了後、何年も経ってから『BSマンガ夜話』で原作漫画が注目されてからの映画化とのこと。遅咲きの原作人気に便乗したのかなぁ?阿部ちゃんがちゃぶ台をひっくり返す映像をスローで見たら面白いだろうなって、それだけで突っ走った感がないわけでもない。泣ける場面もYou Tubeとかの1分で泣ける短編動画のそれと、そんなに変わらない。映画なら前後の繋がりで泣かせてほしい。 家康のダメな父親演技は特に良かった。けど自分の娘と同じ名前の風俗嬢を指名するのはキモい。もう少し説明欲しかったな。 [地上波(邦画)] 4点(2023-04-30 21:53:01) |
364. ジョン・ウィック
《ネタバレ》 “JOHN WICK”人名。私はコレ観ようとして間違ってコンスタンティンのDVD買ったんだったな。 いきなり死ぬっぽい主人公の回想。不幸から立ち直りかけの災難。ジョンのまさかの正体…あれだけ強いなら、最初から何とか出来なかったのか?って思ってしまう反面、復帰後の無双で、敵を一発で仕留めきれてないとか、案外敵の攻撃も受けてるのとかを観ると、現役時代の勘が鈍ってるのかな?なんて思えた。精神的に不安定だったろうしね。 殺し屋の集まるコンチネンタル・ホテル。一流の殺し屋たちが律儀に守る掟。金貨?コイン?使うのは良いけどどうやって手に入れるの?親友マーカス…殺し屋の親友って何か不思議だけど、シリーズものの1作目で退場は惜しい。キアヌはリアル路線より、こういう漫画チックな主人公が似合う。というかそういう役が多いよね。 しかし主人公が元殺し屋ってのも、正直この復讐を応援して良いのかどうか悩ましい。元殺し屋VSマフィア。う~ん…どっちもどっちだ。この戦いのあと、街が平和になる訳でも無いだろうし。マフィアもあのバカ息子(&ツレ)が暴走した以外、コレといった目立った悪さもしていない。マーカスの復讐にしたって、彼も殺し屋だしなぁ… 好きな女が出来たからって、自己都合でマフィアの殺し屋を引退して、奥さんが病気で死んで、チンピラに襲われて犬と車を失って…って、ジョンには悪いけど因果応報じゃん。せめて引退したあとの5年間、ジョンがどれだけ、我々に近い平凡な暮らしをしてきたか。とかが描写されていたら、少しは感情の持って行きどころも、あったかもしれない。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-28 22:16:59) |
365. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 “A Beautiful Mind”『非の打ち所のない偉人』でしょうか。ナッシュの病状を考えると、何とも皮肉なタイトルです。 劇場で観た時、ハーマンやパーチャーの正体を知った時はそりゃ驚きました。この映画のキモが彼らの正体ではなく、その後のナッシュの葛藤にあるため『そこからが長いな』って感じてしまったのも事実です。 さて今回2回目の鑑賞、オチ(という言い方は相応しく無いと思うけど)を知っているので楽しめるか疑問だったけど、初見で観えてなかったところに目が行きます。ハーマンとのビリヤードで友人が「誰とゲームしてるんだ?」って会話も、初見時は『見たことない奴だけど』って脳内で補完して観てたんでしょう。 可愛いマーシー。公園で鳩の周りを走り回るけど、一羽も飛び立たない画の不気味さ。あんな不自然な画なのに、初見時何とも思わなかったんだな。これって、ナッシュの病状=統合失調症を擬似体感してたんだ。って、2回目の鑑賞でわかりました。 ナッシュはマーシーが「小さいままだ」って気がつく事から治療が始まります。実際どうなんでしょうね?そんなヒントに気が付けるのか、それとも脳内で勝手に補完してズブズブとハマっていってしまうのか? 幻覚だと解ってからの彼らとの付き合い方。病気の最中は3人ともそれぞれ魅力的に、ナッシュに刺激を与えてきたのに、治療が進むごとに徐々に話し掛けなくなっていく3人。彼らのしょんぼりしてるような姿がとても印象深い。アリシアの献身的な愛情、ライバルだったハンセンの利害のない友情がナッシュを支えてきた事も清々しい。そして“尊敬の証のペン”。あれだけ日常生活に浸透していた幻覚と闘い、研究を続けたナッシュ。タイトルの通り偉人と言えるでしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2023-04-28 20:28:22) |
366. ジャイアンツ
《ネタバレ》 “Giant”『ジャイアント』。要するにテキサス州のことです。当時テキサス州はアメリカで最大の州('59年にアラスカが州になって第2位になるまで)だったため。というのと、アメリカ本土最大の油田『ブラック・ジャイアント』と呼ばれた東テキサス油田のこともひっくるめてるんでしょう。日本で言えば『でっかいどう』みたいなタイトルですね。 ジャイアンツって複数形になっているのは、なんかジョーダンを巨人(偉大な人物)に例えたんじゃないかな?って解釈があったので、そこに故ジェームス・ディーン演じるジェットを2大巨頭のように絡めてみたから、ジャイアンツなんじゃないかなぁ?と言った解釈…あと絶対、読売巨人軍の人気にあやかろうとしたんだと思われる。 開拓時代の映画だと思ったら割と近代的なタンクローリーとか出てきてビックリした。3時間超えの大作だけあって、色んな物語が詰め込まれている。ジェットの一攫千金物語。ベネディクト家の再興。ショック!息子の嫁はメキシコ人?。え?あれ…もしかしてペドロ!?。誰を主軸に観るかで、大河だったり朝ドラだったりする作品。長時間作品だけど、案外スイスイ観られました。 『テキサスに嫁いだレズリー嬢の奮闘記』として観るとまさに朝ドラ。面白いのはレズリーが動くとき、つまり人生の今後を自分で決めるとき、どういう意図が込められているのか、顔をあまり映さないんです。 まずはジョーダンに告られてテキサス行きを考える時。まだ決まりきっていないためか、木の枝の影で顔の半分が隠れてます。ジョーダンの方針に賛同できず実家に帰る決断をした時。照明の影で完全に顔が観えません。あと子供たちの進路でジョーダンと対立した時。自分の意見を言うレズリーの顔はジョーダンの本に隠れて観えません。他にもあったのかな?どうかな?この『レズリーの顔を隠す』演出って、どんな意図があったんでしょうね?思うにテキサスの男尊女卑で閉鎖的な古い体質を、表現したんでしょうかね? それかエリザベス・テイラーがテキサス人に、男に歯向かう自己主張の強い女!って思わせないように、配慮した演出?う~ん、どうでしょう? [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-27 22:52:11) |
367. ニューヨーク東8番街の奇跡
《ネタバレ》 “*batteries not included”『※(この商品に)電池は含まれていません』。死産だったUFOの末っ子を見て、無口なハリーが放ったセリフです。どの辺りが東8番街なのかセリフをよく確認しませんでしたが、たぶん適当に付けたんでしょう。だけどなんか古典的名作っぽさは出てます。 公開当時、やたらとスティーブン・スピルバーグ製作総指揮って映画が多かったです。提供だったり製作総指揮だったり。ハートフルで、コメディで、家族で楽しめそうなライトSFファンタジー作品。CMに『スピルバーグ○○』って書いてあるだけで、ハズレが無いんだろうなって印象を持っていましたね。このスピルバーグ印のファンタジー作品って、当時は年に何作も作られていたので、実際どれほど彼が制作に関わっていたんだか、謎といえば謎でしたね。 善良な主人公たちとフレンドリーな宇宙生命体。過激な描写は控えめで、途中ホロリとさせられ、最後はハッピーエンド。本作も例に漏れず、私達がイメージするスピルバーグ印“っぽい”作品でした。 当時の大抵のスピルバーグ印は子供(せいぜい高校生の年代)が活躍するんだけど、本作はメインがお年寄り夫婦なのがちょっと異質だったかな。そのおかげで、グーニーズみたく子供が大活躍するのにリアリティを感じなくて入り込めない人には、丁度いいやって。 あのUFO夫婦が砕けたガラスから破れた写真まで直してしまうのは、ちょっとチート能力過ぎる気がするけど、可愛いから許せます。子供たちに飛び方を教えるとことかも、ほのぼのしてて良いですね。 最後は“絵に書いたようなハッピーエンド”なんだけど、それを実際映像で見ると『これで、本当に良いの?』って思えてしまうのは、当時も今も同じ感想。 [ビデオ(字幕)] 5点(2023-04-24 01:17:41) |
368. 黒いオルフェ
《ネタバレ》 “Orfeu Negro”『黒人のオルフェ』うん、良い邦題です。 オルフェって奥さんのエリディスが大好きな人なんです。新婚早々に死んでしまったからってこともあるんでしょうが。それが本作のオルフェは婚約者が居て、エリディスは言ってしまえば浮気相手。しかも隣人の従姉妹ときた。この設定は脳内がぐわんぐわんしますね。 現代のオルフェはイイ男なんでしょうけど、ミラと結婚した理由が見えない。なんか、モテ男が街一番の美人の女と適当にくっついたようにしか思えない。で、一目惚れなのか運命なのか、田舎娘のエリディスにアッサリ鞍替え。しかも婚姻届出したその日に。従姉妹のセラフィナは、オルフェとエリディスの関係をバックアップしたり、この人もどこかぶっ飛んでる。ミラの目を盗んでカーニバル中イチャイチャするオルフェとエリディスに、ちょっともやもやしてしまった。原作では奥さんの役柄が浮気相手になるだけで、こんなに冷めた目で観てしまうものなのか。 神話ベースっぽいトコを探すとギターに書かれた『オルフェは私の主人』の文字。幾星霜の時を超え、琴はギターに変わって、現代に転生したんでしょう。オルフェとエリディスは他人に。エリディスを殺す毒蛇はガイコツの男に… 妻を生き返らせようと、冥府深く下っていく場面は、逆にビルの12階まで登っていく設定に。これ富裕層は海岸沿いの平地に住んで、貧民層(ファヴェーラ)は高地に住むリオデジャネイロを模したんでしょうか。 高地から見下ろすリオの街。当時のカラーフィルムが映し出す少々荒い画が、異国感を強く感じさせて美しかったです。 ギターを弾く少年と、踊る少女はオルフェとエリディスの生まれ変わりでしょうか?じゃあもうひとりの少年は…ガイコツの男? [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-22 00:24:15) |
369. レイジング・ブル
《ネタバレ》 “Raging Bull”『激怒した雄牛』。実在のボクサー、ジェイク・ラモッタのあだ名。 リベンジ・マッチを観て、ロッキーと比べてあまり覚えてなかった本作を再視聴。ボクシングの映画と言うよりはジェイク・ラモッタという人の自伝。見どころはデ・ニーロの極端な体型変化。役者だからダイエットと筋トレは何とか出来るとして、バー経営者時代のあの不健康な太り方は凄い。あそこからどうやって標準体重に戻したんだろう? 自伝なんだけどラモッタがどうにもこうにも好きになれない。奥さんいるのに15歳の小娘と付き合って結婚。ビッキーの些細な言葉尻を掴んで責め立てる姿は不快感しか沸かない。ほんの一言ジャニロを「二枚目」って言っただけであそこまでクドクド・ネチネチと…夜寝てるとこにまで来て「なんで二枚目って…」おいおい病んでるよあんた。この展開が不快で不快で仕方ない。 適当に勧められた食べ物を頼んだだけで、男とちょっと長話しただけで、権力者のキスを拒まなかっただけで、いちいち絡んでくるラモッタ。最後は暴力まで使うんだから、ビッキーは引っ込むしか無いよな。あぁ救いのない物語。 あ、一方的に浮気を疑われたベッキーが観た映画がたまたま『花嫁の父』って偶然におぉ~ってなった。 なんかボクシング映画というよりはマフィア映画っぽい。表舞台である試合やトレーニングはサラッと描いて、そのウラの八百長の誘いとか、ラモッタの暴力的な感情を包み隠さず描写している。プールサイドでの取材と家族写真の白々しさ。遅すぎた離婚。 この映画のラモッタが“皆が知る彼の素顔”なのか“想像はしていたがあまりに酷い裏の顔”だったのか?う~ん、輝かしいラモッタのオモテの顔をテレビとかで観ていたら、この作品により深みを感じられたかもしれない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-20 23:05:40) |
370. 花嫁のパパ(1991)
《ネタバレ》 “Father of the Bride”邦題まま。 OPで流れるシャンパングラスの泡が観ていて飽きない。'90年代の映画にしてもシンプルな内容で、どこか古典映画っぽい心地良さがあると思ったら、エリザベス・テイラーの『花嫁の父('50)』って映画があったのね。うん、これは是非観てみたい。 結婚の報告をするアニーを見る両親二人の対比が面白い。表情豊かに発せられる言葉に反応するママと、ハナから結論を出して固まっているパパ。パパが「ごめん、なんて言った?」のあと「結婚するの」って言うアニーが子供になってるのが、あぁ、パパには自分の娘が幾つになってもこう見えてるんだな。って納得してしまった。 本気の1on1の本気具合が父娘の仲の良さをヒシヒシ感じさせる。 サボテン・ブラザーズ以来の共演、マーティン・ショートが出てきてからの、濃ゆい笑いも結構好き。 “50年ぶりの寒波襲来”のナレーションに、どれだけハチャメチャな結婚式になるのかと思いきや、結構まとまった綺麗な式に仕上がっていた。パパはてんてこ舞いだったけど。 入場曲のカノンを聞いて、新郎新婦のキスを観て、ライスシャワーを観て、披露宴を観て、ブーケ・トスを観て…結婚式って、良いなぁ…って思った。自分たちの晴れの舞台をみんなに見せる。家族が主演となって新郎新婦を盛り上げる。娘を手放す父親の悲しみを披露宴の盛り上がりで打ち消す。結婚式って、世界共通の大事な家族儀式なんだなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-18 21:54:41) |
371. リベンジ・マッチ
《ネタバレ》 “Grudge Match”『怨恨試合』。映画の内容ズバリですね。 スタローンVSデ・ニーロということで、どうしてもロッキー・バルボアVSジェイク・ラモッタを彷彿とさせます。観終わってから見た予告編でもソコは強調してましたね。そうなるとやはり、生卵のシーン(予告でも出てた)と、倉庫で肉を殴るシーンは、ファンサービスとして入れてくる事は予想できたハズ。だけど、そこまでなんですよね。 本作は明らかにロッキー&レイジング・ブルのフンドシで土俵に上がっている。そこを期待させといて、お約束なシーンは先の卵と肉くらいかな?調味料程度にしか使っていません。ロッキーのベースは1作目だけで、Ⅱ以降のシリーズは切り捨てられていた気がします。あでもカジノのCM、ここはロッキーⅡのCMシーンから引っ張ってきたんだろうか?セリフ読んでる2人が可愛い。プレゼンテッドByポルシェ(意味は無いよ) 1作のみのデ・ニーロ作品とのバランスを考えたら、ロッキーも1作目からだけ。それもアリなのは解りますが、どうせならもう少し弾けてほしかった。 キム・ベイシンガーが昔は地味でメガネでペットショップで働いていたとか、徐々に化粧ノリの良いマダムに変貌していった過程とか、ソ連の雪山で孤独にトレーニングするスタローンとか…そうなってはデ・ニーロはちょいイジりにくいけど、そんなセルフパロ大盛りを期待してしまった自分がいるのは事実。 最後は良かったと思う。思いっきり頭を殴りあうレーザーとキッドに、不安感も覚えたけど、タイトルを逆手に取った積年の2人の関係がアツい。最後のオマケもちょっと嬉しかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-17 22:32:21) |
372. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 “Catch Me If You Can”『出来るもんなら捕まえてみ』=鬼ごっこの『鬼さんこちら』的な掛け声なんだそう。 口髭生やして男臭い役が多くなる以前のレオ様。戦争やテロを扱った重たい作品が増えてきたスピルバーグ監督の軽快な犯罪コメディ。 深読みすれば被害者も居たんだろうけど、フランクの犯罪はスマートで誰も傷つけないところとか、何かこう理想的な犯罪者像に思える。そしてフランクを追うハンラティとの関係が、赤ジャケットのルパンと銭形のよう。 そして最後まで重たい空気を創ること無く、スマートなままで終わるのもいい。期待していたものを裏切ること無く最後まで観せてくれた映画でした。 あまりにスマートで、正直リアリティを感じなかった。よく出来た創作シナリオに思えてしまったわ。実話ベースっていつ知ったんだろう?って見返したら、最初から『実話から発想を…』って字幕が出てた。どうせならそこは伏せて、最後の種明かし的に『えぇ?コレ実話だったの?』って驚きを味わいたかったかな。ついでにOPの切り絵っぽいアニメーションがほぼ映画の最後までのストーリーダイジェストになってたのも面白い。 今回久しぶりに…と言っても10年ぶりくらいに観返したんだけど、驚くほど覚えてるシーンが少なかったわ。飛行機模型がお風呂にプカプカ浮かんでいるのくらいしか覚えていなかった。作品の創りが優等生過ぎて、私の印象には残りにくかったのかな?充分に面白いんだけど。 [DVD(字幕)] 6点(2023-04-16 16:45:21) |
373. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 “Plein soleil”『炎天下』。いやもう『太陽がいっぱい』って素晴らしい邦題じゃないですか。'60年にこの邦題付けるセンス。酒場の女店主に「リプレーさん、電話ですよ」と呼ばれ、笑顔で向かうところで終わるのも、その先どうなるか私たちは解っているのも、素晴らしい。 中学生くらいの頃、親戚のおじさんが「Kちゃんは映画が好きなのか!おじさんのオススメは太陽がいっぱいかな!」って言われた作品。聞いたことはあるけど、古い映画だし観る機会がなくて… でリメイク作から先に観ました。しかもこの映画のリメイクと知らずに。その後本作を観て「・・・あれ?これリプリーに似てない?」って。 そのお陰か、リプレーがフィリップに近づいた過程が理解しやすかったし、改めてフィリップへの思い・感情を深読みしてしまいました。フィリップの服を着て鏡にキスするいところって、そうだったのか?って。 私の中でリメイク作はそんなに評価高くなかった(当時)んですが、オリジナルのアラン・ドロンはとても魅力的でした。OHPに移したサインをなぞるシーンがすごく格好良かった。甘いマスクと運の良さであのポジションを手にしたのではなく、人知れず努力をしているのが伝わってくる名シーン。 ニーノ・ロータの音楽と地中海の景色は映画だからこそ。短時間の観光ツアーでは味わえないであろう、時間が止まっているような感覚を体験できました。そして最後の衝撃。絡まったワイヤーを観て「あああっっ!!」って声が出てしまった。いや映画って素晴らしい。 [ビデオ(字幕)] 10点(2023-04-16 16:14:17)(良:1票) |
374. ブルース・ブラザース
《ネタバレ》 “The Blues Brothers”『ザ』を抜いてます。邦題ではジェイクとエルウッド兄弟を。原題では架空のバンド名を表しているんでしょう。 テレビ番組のバンドが人気になって映画になって…って、ポケビやピコ太郎が映画になったようなイメージだったのかなぁ?この映画以外でザ・ブルース・ブラザーズ・バンドを観る機会って無かったから。でもUSAフォーアフリカでダン・エイクロイドが参加してるのが不思議だったけど、このバンドがあったから。なんだろうなぁ。でもエルウッドでなくダン・エイクロイドだし、格好も黒ずくめでなく普通なのは、飢餓救済の真面目な取り組みだったからかな。 私が映画に興味を持った頃、E.T.なんかと並んでビデオ化されていない人気作品の一つとして知名度が高く、そんな本作がいよいよビデオ化、レンタル化しますよって時は、すごくワクワクしたのを思い出します。 ただテレビで放送していたのを先に観た記憶も有って、確かネオナチのエピソードがばっさりカットされていて、最後の大ジャンプのシーンだけ急にナチが出てきて、???この人達だれ?ってなった思い出もあるから…初見の記憶はちょっと曖昧です。 期待したほど盛り上がれなかった。というのが当時の感想です。ロック、アクションの合間にストーリーって感じの構成。洋楽は好きだったけど、出てくるミュージシャンが私が聞く洋楽より一つふたつ前の世代の大物なので馴染みが薄く、1曲しっかり歌い切る間に飽きてしまったのかも?う~ん。カーアクションは目を見張る物があったし、2人のキャラも面白い。けどお子ちゃまにはウケないのかも? 今回結構久しぶりに観たんだけど、展開知っていると面白かったわ。そしてJベルーシはもちろん、レイ、J・ブラウン、アレサら既に亡くなった方々が、コメディ映画で楽しそうに演じているのを観るのもほっこりする。あぁキャリーもJ・キャンディも出ている。 こんな書き方すると私(よりちょい上)世代にとっては懐古映画としての価値が高いのかもしれないけど、パトカーがガッチャンガッチャン壊れるのも大掛かりだし、エルウッド本人がシートベルト無しで(たぶん)ガチ運転してるところなんか、当時のアクション映画すげーって思えました。 [地上波(吹替)] 7点(2023-04-16 15:41:52) |
375. グリーン・デスティニー
《ネタバレ》 “臥虎藏龍”『伏せる虎・隠れる龍』=まだ世に出ていない才能の持ち主。みたいな意味のようです。邦題はムーパイの碧名剣を表したんでしょう。まぁ、竹林や野山の緑が目に鮮やかなので、本作の映像を脳内で蘇らせる邦題になっていますね。 私の中では中国の歴史ファンタジー物の先駆けの印象が強いけど、『武俠映画』というカテゴリ分けがあったのは今回初めて知りました。 ジャッキー・チェンがカンフー+スタント映画に傾倒していった一方で、ワイヤーアクションとCGをミックスして、こんな美しい映像を創るなんて!と、当時驚いたものでした。 アクションは見応え充分。もちろん本格カンフー映画じゃないから、役者さんの演武と言うより演舞かな。最後のイェンが空を飛ぶCGを観ての通り、まだあのレベルのCGの時代に、ワイヤーを駆使するなどして、とても綺麗な舞に仕上がっていたと思います。武術家とイェンの食堂の乱戦はテンポも良くてカメラもバッチリ決まっていたし、シューリンとの姉妹対決は色んな武器の特性を活かした闘いが観られて、割と長時間なんだけど飽きさせない。この場面の重たい棍棒が持ち上がらないの、可愛い。続くムーパイとの竹林の舞も、綺麗なんだよな。竹の細い部分にちょこんと乗っかってるのが幻想的。登場人物が空を舞う時に余計な効果音を入れないのも、ファンタジーっぽくって良いですね。 ストーリーは正直良くわかりません。あまりにも良い所で出てくる神出鬼没のムーパイ。名前も容姿も中ボス・クラスなジェイド・フォックス。あとやっぱりイェンの行動がとにかくメチャクチャで…結婚式から家を飛び出して、気が付けばさすらいの剣士みたいになってるのって、急展開過ぎてどこか観飛ばしたのかと思ったわ。まぁでもそういうご都合主義っぽい所も、ファンタジーっぽくて良いですよね。 ストーリーより何より、今考えると中国・香港・台湾・米国の合作ってところが一番ファンタジーかも? [地上波(吹替)] 7点(2023-04-12 23:41:10) |
376. 終戦のエンペラー
《ネタバレ》 “Emperor”『天皇』。シンプルなタイトルです。王様である“King”より上の位で、皇帝や帝王もエンペラーという称号ですが、現存するエンペラーは日本の天皇陛下だけだそうです。それって素直に凄いことだと思います、はい。 終戦直後の焼け野原の日本が舞台。天皇を処刑しようか、生かそうかって連合国の結論を出すことを任されたマッカーサー。その為にたった10日で調査を依頼されるフェラーズ。戦争に引き裂かれた恋人アヤの現在を調査依頼された高橋。…これ、アメリカ人が観て面白いのかなぁ? 日本人の書いた原作があっての映画化だけど、日本人が終戦のイメージとして脳裏に焼き付いている原爆。テロップは8月6日の広島なのに、映像は長崎に落とされたファットマンのチグハグさ。こういう記録映像ってちょっと調べれば間違いに気がつくだろうに、そんなにコダワリは感じられない。 またフェラーズの実情、活躍は映画とは少し違うようで、この辺りも当時どこまで解っていたか定かではないけど、何かこう、フェラーズの人物描写の薄っぺらさに繋がってしまう。 原作には無いというフェラーズとアヤのラブストーリー回顧録。そもそも10日で天皇の生き死にが掛かる中、マッカーサーが任された日本再生のスタート地点がどこになるのかが掛かっている中、近々に命の危機が迫っているでもないアヤの消息調査は、今やるべきことではないでしょう。 歴史物の割に本作は107分と短い。広島と長崎の原爆も、フェラーズとアヤの恋愛も、この映画の主題である“どうして天皇を生かすことにしたのか?”には関係がない。 見どころはやはり天皇とマッカーサーの会談。あの有名な写真が撮られた時、あの部屋で何が話されていたのか?に絞られてしまう。あの場面を観るための映画なんでしょう。それにしては短く感じたけど。マッカーサーに苦手な葉巻を勧められて、我慢して吸う陛下は入れても良かったかと思います。 アメリカ人が観ても面白いとは思えないこの映画、何故2012年に公開されたのか? 世界に衝撃を与えた東日本大震災。その僅か一月半後に自ら被災地に駆け付け、膝を折って被災者を直接見舞う、当時の天皇陛下の映像を見て、終戦時の昭和天皇と重なるものを感じたのかもしれません。 戦後から、震災から、どん底から再生してきた日本と日本人。“Emperor”の響きからは到底想像できない天皇陛下の行動。この映画は“戦争責任”を題材にした映画ではなく“日本人の精神”を理解しようとした映画なんですね。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-04-11 00:51:52) |
377. ブロンコ・ビリー
《ネタバレ》 “Bronco Billy”『荒々しいビリー』。東海地方のレストランチェーンの名前は、この映画と無関係ではないだろう。たぶん。 イーストウッドがソンドラ・ロックとイチャイチャしたいがために創った映画なんでしょうね。ほかの共演作同様、最初から恋人とか夫婦とかでなく、恋の始まりから描いていくあたり、現実の恋を盛り上げる調味料として機能したんじゃないでしょうか? コメディだからいい加減な点はあっても不思議じゃないけど、コレはどうだろう?って点も目についたかな。アントワネットもジョンも世間からは行方知れずになっただけだろうに、どうして殺人事件にまで発展したんだか?アントワネットも新聞見たなら、生きていることを伝えれば解決しただろうに。そもそも30歳までに結婚して遺産を相続?とかって話はどこに吹っ飛んだのかな? 主人公のビリーもすぐ怒る性格。「半年も無給だから…」ってビリーに気を使いながら言うリンチに対し、全員を雨の中整列させて恫喝。いや半年は厳しいだろうに、それを金の亡者呼ばわりって… 浮気した妻を銃で撃ってしまったり、浮気相手は親友だから撃たなかったり。テント火災で起死回生の案が列車強盗って…孤児院を無料で慰問する人物なのに。その場その場で起きることを観ている分には楽しめるけど、ふと経緯を振り返ると、あれれ??ってなる。だけどテレビでぼんやり観るのには最適な作品だったと思う。 '80年の作品と考えると完全に下火になっていたカウボーイ映画を、旅一座の物語として現代劇に組み込む手法は、なかなか面白いアプローチ。確かに、私も本作がテレビのロードショーで流れていたのを観たときは、西部劇だとは思わずに観ていたからなぁ。 [地上波(邦画)] 5点(2023-04-10 00:21:27) |
378. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 “Driving Miss Daisy”『人使いの荒いデイジーさん』。アカデミー作品賞受賞作。 当時映画に興味を持ったばかりの私は、アカデミー作品賞とは『その年の数ある(アメリカ)映画の中で優勝を勝ち取った映画』が受賞するモンだってイメージを持っていました。優勝って、つまり一番すごい作品が勝ち取るモンだと。すごい問題作。すごい壮大な作品。すごい話題作… なのに、俳優もテーマも地味なこの作品が、大きな大事件が起きるわけでもないこの映画が、しかも前年のレインマンとちょっぴりイメージが被るロードムービーが、何で優勝したんだ??何だろ?アカデミー作品賞って?って、謎が膨らむきっかけとなった作品です。 この映画、歳を重ねる度に好きになっていきます。たった99分の作品なのに、デイジーとホークの半生が、ゆったりとした心地よい時間とともに流れていきます。のちのち笑い話になったであろうサケの缶詰事件。デイジーのツンデレっぷりが可愛らしいクリスマスの贈り物。恐怖、アラバマの路上で一人ぼっち。安らかな日常生活のまま穏やかに迎えたアデイラの死。老後のドラマとしてこのくらいのハプニング、事件が丁度いい、これくらいが良い。 デイジーは食卓で食事をし、ホークはキッチンで食事をする。それが主従関係。アラバマの道中もデイジーは車内、ホークは外。それが彼らの立場。人種の壁が生んだ立場。明らかな差別を受ける黒人と、目に見えぬ差別を受けるユダヤ人。二人の間に徐々に生まれる友情。ホークがデイジーと同じテーブルに座り、パイを食べさせるのに要した時間は30年。 このゆっくり、ゆったりした映画、人種間の見えない壁。生まれた時から知らずに出来ていた壁。それが壊れていくのに必要な時間を解りやすく観せてくれる。30年だって。 SDGs?2030年までに実現可能?ハァ?だよね。 あ、私にとってアカデミー作品賞の基準って、今でも謎です。多くの受賞作品を観るたび、むしろ謎が深まってます。 [ビデオ(字幕)] 8点(2023-03-28 22:17:29) |
379. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
《ネタバレ》 “THE RETURN OF THE KING”邦題まま。三部作最後は掟破りの203分と来た。前作で私の個人的な評価もうなぎ登りだとはいえ、これは長いぞ~。最高権力者と言えるデネソールが臆病者だったり、ミナス・ティリスを攻めるオーク軍団との攻城戦がクライマックスだったりと、二つの塔と色々被るなぁ…一作目から二作目の時に感じられたグレードアップ感は今回やや少なめ、二作目との関係が『一本の映画の前編・後編』に思えたくらい、新しい発見が無かったというか。 援軍に現れた“死者の軍勢”の反則感。なんか、人間、エルフ、ドワーフにホビットが協力しあって勝利を掴むのが物語の根幹にあるところ、幽霊ってOKなの?って思ってしまった。アラゴルンの説得も意外とすんなりだった気がして、前作でメリーとピピンがエント族を説得したようなカタルシスは薄かったかな。それと大鷲の軍団が援軍でやってくるのも、やっぱり唐突な気がしたんだよ。 サルマンどこ行った?問題。『サルマンがどうなったかはスペシャル・エクス~で。』って、かどこかで見落としたかと思ってネットで結果知ってしまったよ。完結編で203分も使って、何でそこ通常版に入れないんだよ。代わりに削れるトコいっぱいあったよ、エンディングの長いトコとか。 サムの大活躍は素晴らしかったけど、あの終盤で巨大蜘蛛との戦いが待っていようとは思わなかった。つくづくバルログが強そう過ぎたわ。ラスボス級だったわ。今回のオリファント(中ボス)は期待通りの活躍をしていたけど、ナズグル+フェルビースト(大ボス)は、前作で観てるしなぁ。真のラスボス・サウロンは、物理攻撃でなくイベントで倒してるし… フロドがあんまり活躍しているように思えない創りも、どうなのか。序盤サムをクビにし、中盤サムに指輪を守ってもらい、終盤サムに運んでもらい…指輪の最後はアクシデントとも思える。原作に忠実なのかもしれないけど、もっと主人公っぽい活躍を追加しても良かったように思うけど、どうなんだろ? 本作も、削るところ削って2時間~2時間半でまとめたほうが良かった気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2023-03-27 22:30:21) |
380. 悪名(1961)
《ネタバレ》 河内弁というのか。軍鶏の博打のシーンなんて、みんな勢いあって早口だから何喋ってるのかサッパリわからん。 ヤクザって何だろう。貞みたく組に属していればヤクザで、朝吉みたくフリーだとカタギ?…そうなん?そういう、区分なん? 松島一家にペコペコする吉岡の親分。なんか急にサラリーマン社会っぽい上下のしきたりを観せられ、モヤモヤするところモートルの貞がガツンと言って聞かせるのがスカッとする。あ、モートルってモーターの事らしい。発電機みたいなモン? 続く朝吉と松島の子頭とのやり取り。銃を持ってるフリでアッサリ騙される辺り、組織モンのヤクザって格好悪いなぁって印象を与え。一方で貞に兄弟の杯を“猿芝居”と言い放ったあとの「仲良しの兄弟でエエやないか」の格好良さ。やっぱり組織の子飼いより一匹狼って格好良いよなぁ。 お絹と朝吉の起請文。映画が後々現実になるような不思議な気持ちになる。だけど朝吉は他の女(琴糸)を助けに因島に旅立つと。行った先のカネを手に入れに昔の女(お千代)を頼る。今の感覚だと難しいところだけど、コレもまた男気なんだろう。 逃げようとすれば逃げれたところ、わざわざイトの元に戻って、甘んじて怒りのステッキを受ける朝吉。う~ん、これまた格好良い。腕っぷしはある朝吉だけど、貞との一戦以外暴力を使わない。男が憧れる男とは、こういう人物のことを言うんだろう。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-03-26 19:36:06) |