3801. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 最初に見たときは終始イライラさせられただけだったのだが、オチを知ってから見た方が楽しめる。脇役の自然な登場と自然な退場、そしてわずかな登場でもきちんと個性があるのが見事。また、適度に外の光景が挿入されるのも上手いアクセントになっている。作品としては、脚本上のひねりが巧くできているだけで、それ以外の拡がりはないといえばないのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-13 02:21:21) |
3802. アウトサイダー(1983)
目がくらむような豪華キャストですね。これで悪くなるわけがありません。中盤、主役の2人にポイントが当たりすぎで、スウェイズやロブ・ロウやエステベスの見せ場をもう少し見たかった。音楽が中途半端にゴージャスなのも気になった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-12 02:07:14) |
3803. エイリアン
《ネタバレ》 音楽はほとんどなし、効果音も必要最小限。じっと息をひそめて自らも船内に潜んでいるかのような描写。このような手法が、奇妙な地に足の着いた生々しさを醸し出しています。また、最も印象的だったのは、最後、生き残ったリプリーが孤独のままに飛び続けるところ。生還してみんなで大喜びとか、通信が復活して希望が甦るとか、そういう陳腐な盛り上がりのない気怠さと疲労感に満ちた締め方が、何ともいえない余韻を残しています(2への絶妙なつなぎにもなったわけですが)。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-11 02:42:09) |
3804. インサイダー
せっかく面白そうな対象を選択しているのに、とにかく長すぎ。作る側がポイントを絞り切れていません。実話を頑張って裏付け取材したから、全部映像化しないと気が済まなかったのでしょうか。主人公2人の造形も平坦で、人格の裏側や奥行きが感じられません。映画というよりも、壮大な再現フィルムを見てるだけのような感じ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-04-10 01:03:16) |
3805. 風と共に去りぬ
これだけ重厚で華麗な作風でありながら、同時にスピード感とテンポの良さをも備えているのが素晴らしい。とても70年前の作品とは思えません。4時間ほとんど出ずっぱりながら最初から最後までテンションを維持し続けているヴィヴィアン・リーのパワーとオーラも凄い。また、ゲーブルもそうなのですが、台詞は割と仰々しい言い回しのものも多いのに、それを自然にするっと言ってのけて、しかもそれを時間をかけて応酬してくれるものだから、見ていてとても心地いいのです。ただし、この2人+オリヴィア・デ・ハヴィランド以外の俳優陣には、もう少し個性が欲しいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-10 00:42:16) |
3806. エンパイア・レコード
《ネタバレ》 基本的に、レコード店というものをなめてるんじゃないのかという内容。何よりも頭に来るのは、店員がこれだけいながら、音楽に対する愛情とかレコードに対するこだわりとかいうものを誰1人感じさせないこと。要するに、何にも考えていないのです。むしろこういう店はさっさと消え去って下さいとしか言いようがありません。ハイ・フィデリティとかスクール・オブ・ロックとかを見た後でこれを見ると、さらにレベルの低さが分かります。レネー・ゼルウィガーがミニスカで歌って踊るシーンの貴重度に3点、実は1日のお話でしたという構成のまとまりに+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 23:47:53) |
3807. メリー・ポピンズ
《ネタバレ》 私にとってのマイナスポイントは3つ。(1)肝心の子供2人が全然可愛くない。だからといって、歌や演技が上手いわけでもない。どういう選考をしたらこうなるんだろう・・・。(2)ファンタジーの部分の描写が安直すぎ。ただ何となく楽しく遊んで、それだけでいいの?という気になる。あれでは単に甘やかしてるだけというか、子どもたちの成長が何もないんでは?(3)ジュリー・アンドリュースとそれ以外の人たちとで、歌唱力に差がありすぎです。というわけで、ジュリー・アンドリュースの凜と伸びた背筋に4点。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 22:57:43) |
3808. マグダレンの祈り
自国の一大宗教の恥部ともいうべき部分に、しかもごく最近に起こった事実について堂々とスポットを当てたそのスタンスには素直に敬意を表したい。主人公たちの体験についても、体制側の横暴・抑圧を踏まえつつ、陰惨になりすぎず、前向きな意志を感じさせる手際の良い描写がなされていると思う。ただし、事実の重みに一歩引いてしまったのか、その中で登場人物たちが何を考え、どのように変化していったのかという人格表現の部分については、十分な次元に達しなかったのではないかと感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-02 04:11:03) |
3809. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 単にひっくり返しがあるというだけではなくて、それが誰の心にも根ざしている単純な心理に基づいているという点が、作品に普遍性を生み、他の類作から際立たせていると思います。ただ、2時間以内で収められたと思うけど。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-27 01:13:30) |
3810. セブン
《ネタバレ》 改めてこの作品で一番凄いと思うのは、犯人があっさり自首していること。しかも、その展開に必然性があるということ。これを可能ならしめたという一点において、本作は他の幾多の類作と明らかな一線を画している。その後、刑事自身も当事者の地位に無理矢理置かれることによって、この作品は、サスペンスの約束事をごく自然に破壊し、大げさに言えば、世界を終焉へと導くのである。そして、真相(らしきもの)を一応提示した後も、陳腐な動機とか何とかを一切説明しない姿勢も潔い。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-23 04:39:51) |
3811. 天井桟敷の人々
演技はみんな平坦だし、描写も同じようなやりとりばかりだしで、見ていて心引かれる部分がありませんでした。一部と二部に分かれていても、その対比や位置関係も明確に示されていません(同じ話が3時間続いているような感じ)。点数は、美術関係とエキストラの動員力に対して。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-03-23 04:14:08) |
3812. 小さな恋のメロディ
《ネタバレ》 昔見たときには、何か盛り上がりなくあっさり終わってしまったなあという感想を持っていたものです。しかし、今見ると、少年少女の日常生活を地道に描写しているのが、作品に地に足の着いた雰囲気を与えていますね。むしろ、主人公2人の直接的な会話は必要最小限であり、オシャレなフレーズも気の利いたやりとりもないのが良い。また、だからこそ、決めの「僕たち結婚します」という一言の原始性・初期衝動性が、この上なくストレートなインパクトを発しています。ただ、最後はドタバタになってしまったというのは前から思っていましたが、再見してもやはりそうでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-22 03:21:58) |
3813. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 画面の切り替わりが馬鹿みたいに早すぎて、ほとんど集中できませんでした。せっかくのギャグとか笑いのネタのほとんどが潰されかかっています。尺も120分も要りませんね。最後の方の、その辺のおじさんおばさんが真剣に銃を撃ちまくる図はシュールで面白かったので+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-19 01:14:28) |
3814. ミスター・アーサー(1981)
《ネタバレ》 主人公の下らないアメリカン・ジョークの連発が面白すぎ。ナイフを振り上げられたときまで「チーズを切るんだろうか?」とかすっとぼけてます。ロマンティックなテーマソングにだまされてはいけません。これは完全なコメディです。大体、あんな適当な出会いをした相手とあんな安直な経過で自信満々に結ばれるなんて、それ自体がギャグでしょ。主人公がさしたる反省や改心の気配もなくあっさりハッピーエンドをゲットしているのも、よく考えると凄いかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-19 01:06:17) |
3815. ガス燈(1944)
設定からしてもっと怖くなるべき話だと思うのですが・・・なぜかえらく雰囲気がほのぼのしていて、当事者の思考や思索といったものも感じられなくて、緩いままに最後まで行ってしまいました。現在では、後発の幾多の作品に抜かれてしまっているでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-03-14 00:08:48) |
3816. ファーストフード・ネイション
リンクレイター&イーサン・ホークのコンビにグレッグ・キニアとくれば否が応でも期待が高まってしまうのだが、予想に反したあまりのつまらなさにびっくり。とにかく、誰が何をしようとしているのか、どこに軸があるのかが全然はっきりしないし、中途半端にドキュメンタリー・タッチな画面構成もまったく効果がない。また、すでに散々問題提起された対象を選んでいながら、掘り下げにも深みがないです。ここまで分かりやすく期待を裏返されたのも久しぶり。 [DVD(字幕)] 3点(2009-03-13 02:43:20) |
3817. パンチライン
前半の2人のステージを目指す行動があんまりにも切実すぎて、その割に2人の相互理解の部分はなかなか進まないので、見ていてとても重たいのです。また、特にヒロインの側は、地味で平凡な主婦だったのが途中から何か変わってくるのかと思っていたら、最後まであまり変わりませんでした。内容と描写の方向性があまり合ってなかったのではないでしょうか。尺も必要以上に長いです。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-12 01:34:27) |
3818. 夢(1990)
《ネタバレ》 「乱」と並んで、モノクロ時代の代表作よりも好きな作品。第2話の、段々の斜面で全員が勢揃いしている構図など、実に強烈である。いかにも「夢」でしか見られない場面という感じ。この辺の鮮烈で幻想的な描写に比べ、後半は登場人物が喋りすぎなのが気になる。夢なんだからそんなに人は喋らないと思うし、映像だけで十分語れるほどのものがあると思うけど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-03-11 01:14:13)(良:1票) |
3819. ダーティハリー
《ネタバレ》 よくまとまった刑事物なのだが、犯人を明確に発見していながら出口も封鎖せずにあっさり取り逃がしたりとか、身代金の要求に即座に屈したりなど、捜査機関そのものがまったくオマヌケであるのがどうにも気になった(なので、せっかくの悪役が光っていません)。ただし、今に至るまで語り継がれる主人公のキャラクターに関する創造力については、称賛されるべき。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-09 02:11:32) |
3820. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 台詞が全部歌なのはよいのですが、肝心のその歌自体が、すでにある台詞にただ音程をつけただけであって、歌としてきちんと独立していません。なので、見ていて(聞いていて)苛々しましたし、せっかくの前半のハッピーなラブロマンス部分も、リズム感を大きく削がれています。ただし、終盤の突然のメロドラマ部分は強烈だったのと、原色強調の色彩感覚は作品にマッチしていたので、そこに各+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2009-03-09 02:01:43) |