21. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ
制作者に告ぐ。『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の成功はひとまず忘れなさい。「大人の鑑賞に堪えうる」とか、「映画ファンを喜ばそう」とか余計なことはあまり考えないで、劇場では子供たちがどこで爆笑し、どこで喝采を送っているかをもう一度よーくその目で確認して欲しい。なぜなら、未来が子供たちのものであるように、『クレしん』もまた子供たちのものなのだから。 6点(2004-05-07 18:12:04)(良:2票) |
22. 神の道化師、フランチェスコ
天地の間に棲むことを喜ぶひとびとは ただ笑い ただ泣き ただ祈る。 ただそれだけのことが途方もなく美しい。 P.S.こんなことを言ったら、まじめな映画ファンや敬虔なキリスト教徒の方にお叱りを受けるかもしれませんが、この映画って、マキノの『次郎長三国志』シリーズにとてもよく似ている。 [映画館(字幕)] 10点(2004-04-07 17:22:53) |
23. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
《ネタバレ》 敵が城に攻めてきたことを知って、又兵衛の身を案じ、ひとり裸足で駆け出していく廉姫の姿を延々と画くシーンのみずみずしさは、活劇ならではの躍動感と美しさの極みを感じ、繰り返し観ても映画ファン冥利につきます。リアリズム溢れる合戦シーンでも唐突に訪れる又兵衛の死の瞬間でもなく、私にとってこのシーンこそが最良の”サムライ”映画の名シーンであり、ラストの廉姫の微笑みとともに一生忘れることの出来ない感動の記憶となることでしょう。 【おまけ】上映が終わった後、後ろの席で中学生くらいの少女がこんなことを言った。「わたし、もう3回も観ているのに、どうしてこんなに泣けるのかしら?」。お嬢さん、それでいいんですよ。映画はいかにして泣けるか。それしかないのです。どうぞ、何度でもお泣きなさい。 10点(2004-04-07 17:19:23)(良:2票) |
24. 東京の合唱
《ネタバレ》 この映画、20代の独身の頃に観た時は、あまり印象に残っていなかったんですが、近頃BSの放送で再見したら、これが泣ける、泣ける。70年以上も前に作られた映画の物語がこんなにも身につまされるなんて! まあ、私もこの主人公と同じくらいの年代の子どもを三人抱え、似たような経済状況(失業こそしていませんが家計は火の車っす)。いやが上にも感情移入してしまうさあ。 下↓の方もおっしゃってますが、真ん中の娘の病気が治って無事退院してきたのはいいけれど、タンスの中の着物は入院費用を支払うのに売っぱらってもぬけの殻。でも、家族みんなで朗らかに(?!)手遊びをするシーンは、成瀬の『はたらく一家』のラストシーンと並ぶ、「素晴らしき哉、家族!」な感動的なシーンでございましたよ。 この頃の小津の作品は、戦後の完璧な作品群と比べるとどこかぎこちないのですが、新しい映画を志向する才能豊かな若い作家特有の情熱が画面から溢れ出ているので、それだけでも観ていてウキウキワクワク楽しくなってしまいます。あ~あ、オイラも生まれてくるのが五十年遅かったよな。 10点(2004-04-03 13:42:11) |
25. さらば愛しき女よ
「僕は、正しいことを発見できた場合は、正義の味方です。それが分からないときは、負け犬の味方になります。」(ロス・マクドナルド) 追記:この頃、私は、何が正しいことなのか、皆目分からなくなってしまいましたよ。 10点(2004-02-16 21:33:54) |
26. 燃えよドラゴン
私は、小学生の時、この映画のブルース・リーのセリフから、映画の観方を教わりました。「考えるな 感じるんだ」 10点(2004-02-12 21:12:17)(良:2票) |
27. プロジェクトA
最近気づいたんですけど、ジャッキー・チェンの映画の最後に付いているNGシーン集って、「自分は天才なんかじゃあ、ないんです。こんなにも痛い目に遭って苦労を重ねても たったこれだけのことしか皆さんにお見せ出来なかったんです」っていう懺悔なんだと思ったら、止めどなく涙が溢れ出てきました。 10点(2004-01-24 15:56:25)(良:1票) |
28. 明日に向って撃て!
「この映画は何だ?」「夢の塊さ」 10点(2004-01-24 15:51:08)(良:2票) |
29. パピヨン(1973)
「何事も諦めちゃあいけない」ってことをこの映画から教えてもらいました。 10点(2004-01-24 15:49:13) |
30. ワイルドバンチ
唄いも踊りもしないが、これは男泣かせのミュージカルだ! 任侠映画とも言う。 10点(2004-01-24 15:46:48)(良:3票) |
31. 雨に唄えば
一流芸人による一流芸人のための映画賛歌! 10点(2004-01-24 15:44:53) |
32. 鴛鴦歌合戦
♪さて、さて、さて、この映画、めちゃ、めちゃ、おもしろござりますう♪ 10点(2003-12-27 20:10:21)(笑:1票) (良:1票) |
33. 浪人街(1957)
やっぱ、マキノっしょ! 追記:大好きなマキノを論ずるだなんて野暮な愛し方は オイラ今の今まで 只の一度だってしたこたぁ ありゃしないんだぜ! ねえ、まぶぜさん 10点(2003-12-27 20:08:26) |
34. 昭和残侠伝 死んで貰います
マキノだ、ワッショイ! 雅裕だ、ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! 「血だねえ」 10点(2003-12-27 20:07:18)(笑:1票) |
35. 泥棒成金
何度観ても、グレース・ケリーの眩い美しさにばかりに、いつも目を奪われてしまうので、ストーリーはてんで記憶にございません。ところで、犯人って一体誰でしたっけ? 10点(2003-12-16 18:17:18)(笑:1票) |
36. 気狂いピエロ
「恋」なんて理路整然としたもんじゃあ、ない。恋に落ちてしまえば人は皆訳が分からなくなる。あの娘の心も己の心も、みんな。それが片思いとなれば、なおさらだ。恋は、人から驚喜=狂気を産みだし、人を詩=死へと導いていく。次章、絶望、地獄の季節。逝ってしまった空と海だけが蒼く、眩しすぎる ←くーっ、自分で書いてて、鳥肌立ってきたよ。四十過ぎたおっさんの書くセリフじゃないね。ただ、オイラが言いたかったのは、これはヒッチコックの『めまい』と並ぶ、恋愛映画の「不滅の傑作」ってことだな。 03/02/05追記:ゴダールって、その時々の己の心の有り様を忠実にフィルムに投影してきた人だと僕は思う。だから、時にははしゃいで見えたり、時には憂鬱に見えたりと結構極端なところが、特に若い頃の作品には感じられるから、観客は余計に戸惑うのかもしれない。それから、「分からない」ってことは「つまらない」ってことではないと思う。むしろ、誰もが分かりきったことをただ見せられても退屈なだけだ。 この世の中は、まだまだ理不尽さと不可解さに満ちている。 それを恐れることなく、その中に潜む真実を求めて、ひとり敢然と分け入っていくゴダールの姿は、いつも僕に勇気と感動をもたらしてくれている。ブラボー、ゴダール、ブラボー! 10点(2003-12-16 17:49:27)(良:6票) |
37. 彼岸花
『彼岸花』という「映画」の楽しみ方って何だろう? 「映える」。例えば、画面奥の玄関口に置かれた真っ白な陶磁の花瓶や、いつも部屋のどこかに配置されている真っ赤に塗られたやかんやラジオなどの小道具のさりげない存在感を、さらには、襖に映し出される(見えない)庭の池の揺らめく反射など小津独特のこだわりの空間を楽しむことではないか? 「画く」。例えば、これら隅々まで目の行き届いた色彩豊かな空間において、男たちは、酒やタバコを手に、座敷あるいは会社や飲み屋の椅子にどっかりと腰を下ろし、手前勝手な理屈と淋しき本音をぼそぼそと口にするしかまるで能がない。これに対し、女たちは、感情を露にし、早口でまくし立てるだけでは飽き足らず、画面の手前から奥へと配置された廊下を小走りに嬉々として行き来する(その優美で艶やかな躍動感!)。そんな男と女の関係のアイロニカルな転倒を楽しむことではないか? しかし、なぜ、本作には原節子が出てこないのだ? その謎を解明する楽しみだけでも、本作は、最低3回は観返すことが出来る。ああ、小津の映画って、楽しくて奥が深いよなあ。←などと調子に乗って書いていたら、今夜の『秋刀魚の味』の放映を観逃してしまったよ!なんてこったい。 10点(2003-12-11 20:28:27)(良:2票) |
38. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 初見は、高校生の時(例によって課外授業をサボって)、テアトル東京のシネスコ大スクリーンだった。そりゃあ腰が抜けるくらいめちゃくちゃ感動したもんさ。でも、何度か観直すと飽きるんだよね、残念ながら。それでも、猿人が投げた骨がくるくると宙を舞って、宇宙船に早変わりなんてシーンは、今観ても新鮮だと思う。まあパン・アメリカン社はつぶれち舞ったけど...(寒)。あと、猿人や月面や最後の方に出てくるあの黒くて細長い物体は、習字に使う墨にしか見えなくて困る。で、一番気になるのはラストシーンのあの巨大な丸い透明な物体にくるまった赤ん坊。地球にどんどん接近していくところで終わるのだけれど、地上じゃあ、スゲー騒ぎだろうなあ、あんなの近づいてきた日にゃあ。でも、オイラもちょびっと見てみたい気もする。 7点(2003-12-08 22:01:47)(笑:4票) |
39. 美女と野獣(1946)
コクトーのこの作品は、詩情豊かなファンタジー映画の極みとも言えるものだが、ちょっと違った視点からひとこと。当時大西洋の向こう側(アメリカ)では、『市民ケーン』の撮影監督グレッグ・トーランドによるパンフォーカスが盛隆を極めているというのに、本作の撮影担当だったアンリ・アルカンは、あえてこの流れに拮抗するかのように緩やかな移動撮影に加えてピン送りを多用し、フレームに入ってきた対象にいちいち律儀にピントを合わせていくのであった。いやあ、フランス人って意地っ張りだなあと思うんだけれども、これが、どちらかと言うとまったりとしたこの作品に独特の緊張感を与えていて、粋なのだよ。 10点(2003-12-08 21:12:45) |
40. 木と市長と文化会館/または七つの偶然
《ネタバレ》 まぶぜたろうさん↓は、フォードとホークスとルビッチとヒッチコックをステアでなくシェイクするとロメールというカクテルができるとたぶん言いたいのだろうけど(ちがいます?)、もちろん、ルノワールやロッセリーニといったヨーロッパ映画の伝統的なエッセンスが基本になってるからこそできる芸当なのだと思う。市長と少女がベンチで交わす会話のシーンなんて、もう、これを味わえただけでも、ずーっと映画観てきて良かったなあって思っちゃうくらい絶妙っすよ! 実はさ、これ女房と初めて観た映画なんだよ。今は亡き六本木シネ・ヴィヴァンで。ロメールに感謝。 10点(2003-12-08 20:55:48) |