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プロフィール
コメント数 497
性別 女性
ホームページ http://kuroneco.livedoor.biz/
年齢 59歳

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21.  さよなら、さよならハリウッド 《ネタバレ》 
相変わらず映像的なクォリティの高さは感じるんですけど、今回のアレンはあまり楽しめませんでした。と、言うのは作中の映画がメチャメチャになって行くのを見るのが苦痛だったのです。アレンなりの皮肉は分かるんです。ハリウッド映画に対しては勿論、ハンドカメラでピンボケで役者の視線をカメラが捉えていないアート系映画に対する皮肉、観客や自分自身に対しての皮肉。けど、大勢の人が程度の差はあれ、やっぱりイイモノを作りたいと一所懸命努力している現場で、監督のアレンは自分の再起の為に目が見えない事を隠して映画を撮り続けるなんて・・。そんな事を気にするのはナンセンスかもしれないし、他ならぬアレンですから百も承知で撮っているんでしょうが、根がマジメなもんで生理的にダメ。どうしても笑えなかったです。ただ、ティア・レオーニはステキでした。話しながらリップを塗ったり、ボクシンググローブで椅子を叩いたりっていう何気ない仕草がチャーミングだったなぁ。ま、アレンは次作の「僕のニューヨークライフ」に期待(その前に「メリンダとメリンダ」か)。前売り買ったけど、よく見たらこれ来年じゃん。ちゃんとなくさず保管できるかしら。
[映画館(字幕)] 6点(2005-06-13 14:29:42)
22.  父、帰る
うええ~。なんでしょうか、この映画は。凄くイヤです。謎だらけのままってのは別にいいけどさ。なんか気に入らないなぁ。あと、チラシとか予告では映像がタルコフスキーを思わせるって書いてあったけど、どこが?全然違うと思う。映像的にはダニー・ボイル系って気がしたけど。
[DVD(字幕)] 5点(2005-06-11 01:54:56)
23.  エレニの旅
今観てきました。凄いです。レビューはアタマ整理してから改めて書きます。観終わって1時間たった今も気を許したら泣き出してしまいそうです。 ///<追記>↑【彦馬】様ご指摘の通りテーマ曲がいつも途中で中断されてしまうのが印象的でした。風に揺れる木の葉のように無力で歴史のうねりに飲み込まれて行く難民の悲劇。登場人物達は人間であり、同時に世界そのものをも表現しているようで、哀しみに沈むこの世界の流す涙が観ている私の胸にも押し寄せ、外に押し流さなければとても耐えられなかったです。難民は今も溢れていて、世界は今も痛みに呻いています。「川の始まり」はどこなのか?・・・この日私は、まさに映画でしか表現できないアートを体験しました。
[映画館(字幕)] 10点(2005-06-10 23:11:21)(良:3票)
24.  スタスキー&ハッチ
アレ?みなさんオリジナル知らない派?私はメチャメチャ好きだった派です。当時はビデオなんてないのでTVから音声だけカセットに録音し、映像は脳内再生したり。放映が夜から昼間に移った時はTV局に「授業中で見られない!元の時間帯に戻してくれ。」と抗議の電話をかけた位です。でもこの映画はあまりオリジナルと比べようと言う気はしなかったですね。時々凄く心を掴む瞬間があるんですが、すぐ見失ってしまう。70年代に対するオマージュ的な意味合いを強めるならもっと徹底的にやって欲しかったなぁ。服装とかやってるけどね、全体的にお上品なんですよ。もっと胡散臭さが欲しい。音楽もそれっぽいけど、本屋とか駅で売ってる1000円のベスト盤みたいだし、フォード・グラン・トリノもピカピカだしさ。大体なんで「ゼブラ3」なの?「ゼブラ6」でしょ!(←いや、別にそれはどうでもいいのだが)確かに「スタハチ」ってこういうノリの番組なんだよね。それを100分にしちゃうと間延びするんだと思う。「鬼平犯科帳」の2時間スペシャルがいつも面白くないように。ただ、ラストにオリジナルのスタハチが出てきた瞬間は血圧急上昇!興奮で泣きそうになりました。見た目はすっかり変わってしまい、スタさんなんかルックス的にはベン・スティラーの方が当時と近いかも。それでもやっぱり彼らこそが、私にとってのスタスキー&ハッチなんだと、旧友に突然再会したかのような感動を覚えました。できればエンドクレジットのバックにはハッチ刑事ことデビッド・ソウルの「やすらぎの季節」を流すくらいの事はして欲しかったな~。
[DVD(字幕)] 5点(2005-06-10 12:02:41)
25.  コタンの口笛
原作は冬の寒い日に、風邪をひいて留守番をしていた小学校4年生の時に読みました。誰もいない家の布団の中で本を読んでいると段々日が暮れてきて、作品の舞台である北海道の寒さやコタンの人々の厳しい暮らしと、実際の寒さや心細さが一体となり鮮明な記憶として私の中に残っています。その時以来の映画としての「コタンの口笛」。↓【STING大好き】様(またお目にかかれてとても嬉しいです!)も指摘されていますが単に声高に差別を叫ぶだけじゃなくて、アイヌの人々の諦めやずるさ、いざとなったら逃げ腰になった事で自らも傷つく校長先生、闘う兄弟達を心の支えにする先生など、さまざまな人々をバランス良く描くことによって要するに問題は「人間」なんだと、誰にしたって誇りを失っちゃいけないんだと納得させられます。私はまだ成瀬映画の初心者なんですけど、今まで観た彼の映画の中でこの作品のラストは、一番厳しくて、寒くて、力強くて、真っ直ぐで、兄弟達の幸福を心から祈らずにはいられないラストシーンでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-08 12:47:14)(良:1票)
26.  ローズマリーの赤ちゃん
さ~て、今日はここで【りく&あん】さんを待ち伏せする事にしよう。来るかな~♪他の部屋に行っちゃうのかな~♪///この映画はオープニングのビル街のシーンから一瞬にして観客を物語に引き込む力があります。ミア・ファローがどんどん神経質になって行く様も実にリアリティがあって、ホラーが苦手な私としては心臓バクバクで最後まで全然目が離せませんでした。多分はたから見たら彼女ちょっとヘンに見えるだろうけど、実際マトモなのは彼女の方じゃないスか。そう思うと何がマトモで何が狂気なんだろう?と背筋が寒くなります。あと↓【かーすけ】さんや【ねこ】さんが指摘されてますが、ミアのファッションがカワイイです。彼女が妊娠前に着ていた縦縞のストンとしたワンピース、同じのを私持ってます(色違いだけど)!ビックリ!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-01 18:06:30)(笑:1票)
27.  バッド・エデュケーション(2004)
私にとっては初アルモドバル作品だったんですけど、どうもピンと来ないと言うか「で?」って思ってしまう作品でしたねぇ。少年時代の神学校における性的虐待が軸になっているのですが、主人公である映画監督のエンリケ(半自伝映画なので、これがアルモドバルでしょう)とイグナシオ(俳優志望の幼なじみ・エンリケの初恋の人)の少年時代の繋がりがあまり描かれていないので、そこから広がって行く部分にどうもリアリティが無い。ミステリィの部分も何だか弱い。美術も確かに良いけど、ハッとする程でもない。とにかく私には何も特別なものが感じられなかった映画でした。でも友人のアルモドバル・ファンは絶賛していたので、この何とも言えない「ダサさ」を楽しめれば良いのかもしれないですね。それにしても男性の方々はゲイに対して拒否反応を示される方が多いっスね。わたしゃストレートですが他人の性的嗜好は別に全然気にならないオンナで良かったスよ~。
[映画館(字幕)] 5点(2005-05-31 13:10:14)
28.  木靴の樹
重厚な純文学を読んでいるような映画。小作人の日々の暮らしを実に丁寧に淡々と描いています。一日中やることが山のようにあるのだなぁとつくづく思いますね。その暮らしは貧しくて厳しくて、実際には日々すり減って行くだけの人生かもしれません。けれど一方で、ただ純粋に「生きる」事以外にも理由を見つけなければ生きて行けない、彼らとは対極にある現代社会の悲しみも同時に感じました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-24 19:32:04)(良:1票)
29.  鶴八鶴次郎(1938)
長谷川一夫と山田五十鈴、紛れもない玄人の迫力があります。近頃の学芸会に毛が生えたか生えねぇかって位の素人臭い役者とはワケが違う。芸ごとの世界が持つ緊張感やおごそかさ、艶っぽさ、或いは厳しさが作品全体を覆っていて独特の格調を醸し出しているのがいいッス。路地の映像なんかもとてもしっとりと美しい。ラストの楽屋での鶴次郎の表情、彼を捉えたアングルなんかがまた堪らなく切ない。くーーーーっ!分かるよ、アンタの気持ち。よっく分かっているよ次郎さん!み、みなまで言うねぇ・・。なので、↓【STING大好き】様ご指摘の通り、飲み屋での説明は無い方がより良かったと私も思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-05-23 15:59:01)(良:1票)
30.  コーヒー&シガレッツ
なんとも言えない気まずい雰囲気に見ているこっちのお尻がムズムズしてくる感じが、ジャームッシュらしくていい。で、画面から居なくなったヤツがまた可笑しいのよ。バイクで来たイギー、ヘンなものひっぱってるから犬に吠えられちゃってるジャック・ホワイト等々の姿を思い浮かべてニヤニヤ。そしてラストエピソードの「Champagine」で流れるマーラーで我々はやっとジャームッシュに許してもらえるのだ(笑)「世界はひとつの共鳴体」か・・。構えたりしないで、心を開いて観たい映画。
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-18 21:29:56)(良:1票)
31.  山の音
【まぶぜたろう】様の素晴らしきレビューの後に何を書けばよいのか・・・。勉強させて頂きました。ありがとうございます。実際の川端康成邸を模写した家のセットなどのキチッとした美しさに見とれつつ、秘書が能面をかぶるシーンの異様さ等にハッとさせられ、悲しい結果にも関わらずラストシーンの広々とした公園の風景がどこか優しくて、そんな映像の美しさを堪能しました。ただ、ストーリーに関しては妊娠や堕胎についての扱いがどうにも居心地が悪くて・・。未読ですが原作に基づくものであり、またそういう時代なんでしょうけど、特にこの作品ではそれが「道具」みたく軽く扱われているように感じられてちょっとひっかかりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-09 16:14:04)
32.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 
題材は固いのに、エンターテイメントとして成り立っているところが素晴らしいです。引用に使えそうな素晴らしい台詞が沢山出て来るのも良い。スミスが「言論の自由」だけを武器にあらゆる妨害工作と闘うシーンは見ている方にも体力を要求しますね。それだけに、疲れ切ったスミスの姿ってのにリアリティがあり、観客も勝利の瞬間を共有する事ができるのではと思うのです。サンダース秘書の「いつまでも皮肉屋じゃつまらない」って台詞が心に残りました。それにしてもこの映画を見て改めて思うけど、アメリカの議会制民主主義にはちゃんと必然性があるんだよな。日本には議会制民主主義って合わないんじゃない?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-27 12:14:12)
33.  石中先生行状記(1950)
人と人の心が通い合う奇跡の瞬間を鮮やかに描いた映画。「仲たがい」で彼氏の秀一と対立、苦情を申し立てるまり子に石中先生が尋ねます。「で、キミは秀一くんの事を愛していないのかね?」 まり子「・・・・」 石中「どうなんだね?」 まり子「愛していますわ」 石中「どのくらい?」 まり子「この位!(と両手を大きく広げる)」。なんだか心揺さぶられるシーンです。それにしても三船敏郎がメチャかっこいいのでビックリ。椿三十郎やなんかのかっこよさと違って、妙にオンナゴコロをくすぐる、イタリア男みたいなのよ。見た後は素直な気持ちになれそうな優しい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-20 14:04:24)(良:2票)
34.  秀子の車掌さん
高峰秀子の笑顔が愛らしい!こんなに可憐で汚れない少女が後々あんな目に会うなんて・・。いや違う、それは別の作品!いい加減にしろ>自分(笑)でも話し方にはこの頃から特徴あるんです。語尾の感じがね。なんとなく彼女の物まねを修得しつつある予感。あまり一般ウケしなさそうですが。小説家先生を踏み切りで見送るシーンなんか凄くステキです。ささやかで人間らしい人々の生活に憧憬を覚えるんですけど、それだけにラストシーンは何とも言えない哀愁があって心に残ります。初夏のそよ風みたいな作品。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-19 12:28:08)(良:1票)
35.  タンタンとトワゾンドール号の神秘
ブレゴや~ん、来たよ~!タンタン・ファンは必見じゃないスかね。キャラが絶妙に似ていてイイっス。はしゃぎますよ。デュポン・デュボンにゃ参りました。そしてなんと言ってもスノーウィー!ぎゃーーーーー!メチャかわいい!ちゃんと演技してます。スノーウィーが出てくる度にきゃーきゃー言ってしまいました。ハドック船長に抱っこされてタンタン運転のバイクに乗ってる所なんて、待ち受け画面に欲しい!ただ、肝心のタンタンはちょっとイメージじゃなかったので減点させてくだされ。すんません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-13 13:02:43)
36.  雄呂血
制作年が古いって事で下駄を履かせる必要もなく面白い映画です。確かに平三郎の行動はちょっとハズれてるけど、我々小市民ってこの映画みたくマスコミやら政治やらに踊らされ易いのでは?「指輪物語」の中でトールキンも言っている。「ホントに悪いヤツってのは一見感じが良さそうだ」と。バンツマを始め役者の表情が豊かで、台詞はないのに気持ちが伝わってきますね。大捕物のアクションも魅せる!その上悲劇的なラストシーンで問題提起をすると言うすばらしい映画。↓なるせ様のおっしゃる通り「運命は残酷」。そして「恋は盲目」。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-13 12:48:48)(良:1票)
37.  帰らざる河
滅茶苦茶なストーリーだし、川下りの映像も確かにショボい。けど、昨今のCGバリバリで、いやーな臭いがする映画よかよっぽど面白い。モンローの歌声は哀愁があって優しくてしんみりする。ラストシーンも洒落てる。こう言う見終わってニコニコしたくなるような映画っていいなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-11 12:38:58)
38.  ジェヴォーダンの獣
冒頭のカンフーシーンからしてタルくて思わず見るの止めようかと思った。衣装とか雰囲気とか俳優はいいんだけどなぁ、なんでそうなるの?「クリムゾン・リバー」でも流れと関係ないカンフーシーンがあったけど、最近の大作フランス映画ってそういうノリなのか。みなさんご指摘ですが肝心の「獣」はショボすぎて失笑。最初の死体はデュシャンの『(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ』っぽかったスね、ってのは考えすぎ?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2005-04-11 12:27:11)
39.  嗤う伊右衛門
うわー、メチャ評判悪いんですね。原作を読んだのは4年位前かな?とても好きな作品で以来京極にハマって暫くは読みあさりました。まあ確かに「いかにも」なやり過ぎ感はあるし、ストーリーも分かりにくいかもしれませんが、私は結構入っちゃって泣きながら見ました。むっとする息苦しい夏の夜、淀んだ重い空気にただよう水の匂いを嗅いだような錯覚を覚える映画。ただ、音楽はヒド過ぎる。宇崎竜童?なんで?京極ものとしては、夏に公開される「姑獲鳥の夏」は果たしていかに・・。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-11 12:11:09)
40.  銀座化粧 《ネタバレ》 
友人の「心の恋人」堀雄二にピンチヒッターとして銀座を案内する田中絹代。おいおい、ヤバイよそりゃ。女は友情よか愛情よ、男をとられちゃうよ。なんて思いながら見ていたら、結局は横から出てきた香川京子にかっさらわれた。ハハハ・・。彼女の方が若くてキレイだもんね、リアルな現実だわ(黒猫40才の現実)。でも田中絹代は今まで自分が生きてきた人生に対する自信があるから、これから先も真っ直ぐ前を見て歩いて行けるんだろうなって思わせる。戦後を乗り越えて復興して行く銀座の活気と、一方でバーにやってくる物売りや流しといったまだまだ古い時代を感じさせる人々。シングルマザーとして生きてて「ちゃんと男を見定めないとダメよ」と口癖のように言いつつ「これぞという男には全身でぶつからなきゃ」と、いざとなったら可愛い女田中絹代(子供との約束もすっぽかし・笑)。そんな時代と女の凛としたエネルギッシュさにこちらの背筋も伸びる作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-08 14:01:07)(笑:3票)
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