21. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
米軍はスゴイ。ゴジラのときもそうだったが、必ず相手を倒す(笑)! もしこれが邦画だったら、自衛隊の攻撃なんかジャックにはかすりもしないところだ。かわいらしくていいお話。 7点(2003-10-15 12:47:37) |
22. コンタクト
映画史上屈指のオープニングだと思う。ナレーションもテロップもなしで、一発で観客に映画の主題を判らせてしまう。正直に「宇宙ヤバイ」と思ってしまう。この比類のないオープニングと、ファースト・コンタクトを捉えるシーン、ワームホールを抜けて宇宙の果てへ飛ばされるシーンはDVDで何度見ても見飽きない。 8点(2003-10-14 12:45:49) |
23. シックス・ストリング・サムライ
Six Strings Samuraiというタイトルをそのまま「シックス・ストリングス・サムライ」と片仮名で気の抜けた和名にしてしまうセンスを疑う。インパクトのある題名なのだから思いっきり直訳で「六弦侍」とか毛筆でぶっとく銘打ったほうがよかったのではないか。それくらいの勇気もなくて何がロックか! 配給会社の怠慢でこの映画の魅力は入り口から損なわれている。それはさておき、劇中に登場するソ連兵がいい。アメリカに核をブッぱなして攻め込んだはいいものの、自分たちもただの浮浪者の集団になってしまったとか、そういうノリが好き。 5点(2003-10-14 12:43:22)(笑:1票) |
24. 未来世紀ブラジル
徹底的に人間性の排除された物語。はっきり言って主人公もロクな奴じゃない。職権を濫用して他人の女性のプライバシーを覗こうと躍起になっているのだから。人を人とも思わない社会の中で、それぞれどうしようもない奴らがうごめく、この上もなくブラックな映画なのだ。過去とも未来とも、どこにあるとも知れない架空の国の、ハイテクとローテクが入り混じった(どちらかというとローテクの比率が多い)世界観は、スチームパンクにも通じた異様さを誇っている(その意味では未来世紀という邦題は成功したとは言いがたい)。テリー・ギリアム監督独特の、観客のケツを蹴っ飛ばしてやろうという映像がふんだんに使われており、ファンにはたまらない映画だ。モンティ・パイソン調のブラックユーモアに隠れがちだが、独特の異彩を放つ画面など、いくらでも掘り下げることのできる名画。個人的に配管工タトルのモデルは任天堂のマリオではないかと考えているのだが…。 9点(2003-10-14 12:42:20) |
25. フルメタル・ジャケット
まずは名高いハートマン軍曹ことリー・アーメイの罵倒、これは必聴。罵倒を一種の話芸として昇華させたのは、アメリカ海兵隊の人類に対する唯一の芸術的貢献といえる。戦争映画にローリングストーンズを使うあたりも、監督の卓越した音楽センスを感じる。ただひとつの欠点は、全編ロケをイギリスで行っている点。ヨーロッパ特有の陰鬱な曇り空の下でのベトナム戦争は、どうにも色が映えないように思える。ところで、この映画にはT女史の字幕が充てられるはずだったが、キューブリック監督がその字幕をチェックしたところ、あまりのひどさに激怒し、以後彼女が二度とキューブリック作品にお声がかかることはなかったというが、本当だろうか。私はさもありなんと思っているが。 8点(2003-10-14 12:39:38) |
26. アマデウス
音楽の都ウィーンを舞台にオーストリア人たちが英語でしゃべる映画。そんなことはどうでもいい。豪華なセット、華麗なる衣装、圧倒的な音楽、非の打ちどころのないシナリオ、完成された演技、こまやかな演出…。直球勝負の正拳突きで、柱どころか建物まで打ち砕いてしまいました、みたいな作品。18世紀の欧州を描いたものとしては「バリー・リンドン」という傑作もあるが、あちらがいわば絵画のような静謐を保っているのに対し、こちらはあくまで映画として脈動し、観客を突き動かそうとする。画面をぼんやりと眺めているだけでも、この映画を作るために注がれた労力のほどが感じられる。「アマデウス」のような作品を、またこの目で見られるのはいつだろうかと考えると、ただ嘆息するしかない。 9点(2003-10-14 12:36:53)(良:1票) |
27. ファイナルファンタジー
まず、CGというものは、カメラ撮影では実現不可能な映像や、多大な労力と費用のかかる映像をコストパフォーマンスよく創るための「手段」だ。人々は、今まで見たことのないような映像に感嘆するのであって、CGという手段に感動するのではない。また、役者をひとり雇えば済む映像を、CGクリエイター百人を雇って作るのは、完全な無駄である。その費用と時間を、他の部分で映画をよりよくするために使ったほうが有益だからだ。そのコストパフォーマンスを含めた映像の追求こそが「技術」なのである。どうやらこの映画の製作者は、無駄に時間と手間をかければ魂が篭ると本気で信じているらしいが、とんでもない間違いだ。そこまでして人間の動きをトレースすることに何の意味があるのか? まず、映画技術としては無意味だろう。では医療技術など、他分野での活用はどうだろうか? 活用するために必要な(システムエンジニアリング的な意味での)ドキュメントは残しているか? おそらく残しちゃいまい。要するに「技術」というものを根本から勘違いしたプロデューサーが、一企業を傾けさせるまで突っ走ってしまったCG集。それがこの映画だ。とにかく憤りを感じるのは、このCG集が日本の映画界に「CGはコストの悪い手段である」という間違ったトラウマを残してしまったことだ。さて、カネも残さなければ技術も残さなかったこの作品、それでも最後に観客を感動させることができれば立つ瀬もあろうものだが、それは点数で明らかにしたい。 0点(2003-10-14 12:34:47)(良:2票) |
28. グラディエーター
CGが映画の技法として当たり前になりつつあった時期の作品。多額の費用と期間を必要とする大群衆のモブ・シーンでその力はいかんなく発揮されており、見所のひとつになっている。歴史的にはいささか荒唐無稽なストーリーだが、まあ何にしろ、ローマの帝位がもともと世襲制ではなかったとか、コンモドゥス帝が自ら剣闘士になって見せるほどの剣闘好きだったとか、コンモドゥス帝の死は一説によると近衛兵の裏切りによるものであったとか、これらは全て事実なのだから、歴史の「異聞」として楽しめる範囲に収まっているだろう。冒頭のマキシマス率いるローマ軍とガリア人の軍勢の激突は迫力たっぷりの戦闘シーンである。大型の弩から放たれる火矢はまるでロケット弾のようだ。ただ、剣を交えての乱闘シーンはカメラが左右に振られすぎて、一体なにが起こっているのか把握しづらかった。ハンディカメラで戦闘を撮った「プライベート・ライアン」の悪い影響だろうか? 6点(2003-10-14 12:33:07) |
29. ニュー・シネマ・パラダイス
「にわか映画好き」を量産した映画、と陰口を叩かれる作品。玄人に言わせると、物語と登場する映画の年代がまるで合っておらず、その過去の名画の数々も、当時のフィルム上映の特徴を備えていない、一発でビデオだとわかるような代物ばかりなのだそうだ。斜めに構えた映画マニアを黙らせることはできなかったが、この作品は観客のノスタルジーという心の琴線を強くかきならす力を持っている。小さいころ失敗をして母親にぶたれた記憶や、恋人との別れなど、古い思い出を回想するのはかさぶたをかきむしる感覚にも似て痛く心地よい。そんな誰しも経験のある感覚こそが、広くこの映画が支持されている理由ではないだろうか。 8点(2003-10-14 12:31:24) |
30. 天使にラブ・ソングを・・・
古い因習にとらわれた舞台に型破りの主人公が乗り込むコメディ、と言えばありきたりだが、修道院にウーピー・ゴールドバーグはインパクトがある。こんな尼僧服の似合わない修道女はいない。そこにミュージカルが加わり、底抜けに明るい映画が出来上がった。家族で楽しむには最適の作品。 7点(2003-10-14 12:30:36) |
31. U・ボート
丁寧なつくりと演出が光る戦争映画の傑作。生活感あふれる潜水艦の内部描写、戦闘の熱気と騒擾、潜水艦特有の閉塞感、戦いの虚しさ等が、恐ろしいほどリアルに描き出されている。時代背景の考証もほぼ完璧レベル。この作品を越える潜水艦映画は今だかつて出現していないし、おそらくこれからも当分、出てこないだろう。もともとテレビシリーズとして製作された作品を、劇場公開用に編集したものであるため、その尺の長さによって版がいろいろと分かれているようだが、その魅力を味わうならばレンタルビデオ店で手軽に借りられる版でも充分なので、ぜひ一見をお勧めしたい。 9点(2003-10-14 12:28:45) |
32. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 最後に工場を去るときの、シンドラーの芝居のかかった叫びがすべてをぶち壊していた。 5点(2003-10-14 12:27:45) |
33. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 これは愛の映画シリーズである。…前作と同じく、監督の原作に対する溢れんばかりの愛情、映画に対する理解と自信が強く感じられる。それを端的に表わしているのが、燃えるエント族がダムの水で自分を消火するシーンだ。実はアイゼンガルドの反撃で火がついてしまうエントというのは、原作にも描かれているシーンで、こちらのエントはそのまま絶命してしまう。これが他のエント族を激怒させ、さらに激しい攻撃を招くことになるのだが、原作を読んでいる多くの人間が、このエントの死には少なからず心を痛める。それをピーター・ジャクソンは映画で救ってしまった! 快哉を叫ばずにはいられない。原作どおり、エントを焼死させるのはたやすいだろうが、あえて原作を越えて、観客が見たいと思うシーンを創造してみせたピーター・ジャクソンの、原作ならびに映画への理解、自信のほどがうかがえる。また、ゴラム(ゴクリ)の二重人格性や、フロドに騙されたことにより更正しかけた性格が再び根暗に戻ってしまう演出は、映画でより強調された点だ。このように、ただ盲目的に原作を映像化するに留まらず、積極的に筆を加え、それがことごとく成功しているというのは、もはやピーター・ジャクソンに霊感が降りているとしか思えない。ひとえに彼の愛のなせる技だろう。それゆえこの三部作は、大いなる愛の映画シリーズなのである。 10点(2003-10-14 12:25:48) |
34. パルプ・フィクション
ヤマなし・オチなしのストーリーを、切り刻むだけで不思議と気になるシナリオに仕立て上げ、妙に目が離せないシーンの連続を演出してみせたタランティーノはすごい。話の筋でドラッグの入手から使用までをスタイリッシュに説明していて、「これはクスリを推奨する映画なのか!?」と、いささか心配になってしまった。しかし見終わった後はドラッグをやろうと思わない。泡ふいてアドレナリンの注射を心臓に突き立てられたくないもんね。「ゼッドは死んだ(ゼッド・デッド)」など、くだらないギャグや駄洒落のオンパレードだが、生きたアメリカ英語の勉強になるかもしれない。お気に入りのキャラクターはトラボルタ演じるギャングのヴィンセント。言わなくていい時に、要らんことを言わずにはいられない性格がいかにもチンピラという感じで良い。7点 8点(2003-10-14 12:24:05) |
35. 戦争のはらわた
その当時公開されていた「死霊のはらわた」に便乗したとはいえ、情けない邦題だ。この映画は第二次世界大戦の東部戦線(独ソ戦)の末期をドイツ軍の視点から描いており、圧倒的な物量の前に後退につぐ後退をかさねる戦線の模様を描いている。マニアにとっては、どんな映画でもやられ役でいいところのないドイツ軍のカッコイイ男っぷりがたまらず、「これぞ真のドイツ軍」と、ほとんど神格化されているのだが、シュタイナー軍曹のような男はやられっぱなしのへたれドイツ軍と同じく幻想に過ぎないということも、あえて知っておきたい。しかしそれを差し引いても、ペキンパー監督の演出は冴え渡っており、戦争映画の古典として作品の名を高らしめている。 8点(2003-10-13 23:56:57) |
36. 遠い空の向こうに
夢多き年頃の少年に見せたい映画だし、そろそろ夢について何かに気づいた大人に見せるには残酷な映画。私は「ロケット」「ノスタルジー」「鉱山町」の大三元を直撃で取られ涙をボロボロ吸い取られてしまった。原作を読むと、ロケットボーイズは4人でなくて6人だったとか、父親とは最後まで和解できなかったとか、映画化に際しての変更点は多々あるのだが、それらがうまく組み合わさってキラキラと輝く宝物のような映画に仕上がっている。マーク・アイシャムのテーマ曲は今だに涙腺のスイッチ。 10点(2003-10-13 23:56:17) |
37. ロッキー
英語で万歳とはエイドリアンであると誤解した小学生を大量生産した罪な映画。 7点(2003-10-13 23:55:13)(笑:16票) |
38. シザーハンズ
可愛らしくて、ちょっと悲しいファンタジー映画。あの博士はエドワードを創ったとき、なんでまたハサミなんぞを手の部品にしたのか。もうちょっとマシなものはなかったのか。そういうツッコミをしてしまう人にはオススメできない。…ていうか、私のことか? 6点(2003-10-13 23:54:43) |
39. タワーリング・インフェルノ
評判どおりの、パニック映画の金字塔。子どものころテレビで見たのが初見だったが、高所恐怖症の身には最初から最後まで金玉が縮み上がりっぱなしだった記憶が…。火を鎮めるために水をドバっと撒いたら、その流れに飲まれて窓から人が落ちてしまうシーンはかなりトラウマになってしまった。それから以後、高層ビルで大きなガラス窓には近づけません。 8点(2003-10-13 23:53:45) |
40. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉
カッコよく作ろうとしている気配が感じられたのが残念。NYの街並みをそのまんまアニメで丸写しするのがセンスのあることとは思えない。 4点(2003-10-13 23:52:50) |