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コメント数 1707
性別 男性
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21.  首(2023)
<原作未読>多くの作家を惹きつけてやまない「本能寺の変」。北野武監督はボーイズ、、ではないおじさんたちのラブを盛り込んで愛憎劇として一連の出来事を描いた。それ自体には良いも悪いもないんだけど、映画としては盛り上がりに欠けた印象だ。ここが山というところがないし、群像劇が陥りがちな散漫なストーリー、大河ドラマへのアンチテーゼとした人物設定もイマイチ嵌まらなかった。合戦シーンにしてもお金をかけたのは分かるが、どちらに感情移入するでもないんで高揚感の類は得られないし、無駄にグロいにもどうかと…。秀吉、秀長、官兵衛のアドリブっぽいやりとりでクスリと笑えたり、首というタイトルを回収したラストなど良かった点も思い出されないわけではないが、採点としてはこんなところでご勘弁を。
[映画館(邦画)] 5点(2023-11-24 21:38:59)
22.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
時代を戦後間もない頃に設定した理由について山崎監督は単純にゴジラに似合うという他に、武器も満足に無い中でどうやって立ち向かうかが面白く、また怖さにも繋がると述べた。これが功を奏していて一発目の放射熱線を見たときの絶望感たるや凄まじいものがあった。「これ倒すの無理じゃん…」っていう。ネタバレになってしまうが、この時代設定はもう一つ、命を粗末にしすぎた過去との決別というドラマも生んでいる。生まれ変わった新時代を生きることが英霊への慰めだ。共感できる結末に安堵。さて映像だが、戦闘機が出てくれば「永遠の0」を、戦艦が出てくれば「アルキメデスの大戦」を思い出した。日本のVFXを牽引してきた山崎組の集大成ともいえるような迫力ある映像にお馴染みの音楽や効果音が添えられ「新しいけど懐かしい」そんな感覚に浸れた。米国産ゴジラも全然悪くないけど、本家の誇りを感じさせたマイナスワン、申し分ない出来であった。
[映画館(邦画)] 8点(2023-11-07 18:45:24)(良:1票)
23.  Winny
最後に金子氏本人の映像が出てきて、なるほどあのキャラクターは結構寄せていたのだなとわかる。(映画だけで判断すれば)逮捕はいわば警察の陰謀のようなもので、厳しい裁判を戦いながらも、朗らかでオタク気質で天然っぽくもある主人公の人柄が映画を柔らかくしていた印象がある。なので緊迫感みたいなものは薄くなってしまったのだが、自分はこの裁判の結果も知らなかったこともあり、最後まで興味を失わず観ることができた。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-10-21 19:02:11)
24.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
<原作未読>からゆきさんなるものは知らなかった。この映画が無ければ一生知らずじまいだったろうと思う。そういう意味では意義ある映画だった。日本は貧しい国だったせいか、婦女子の人身売買が20世紀に入っても続いてしまった。近年まで尾を引いた慰安婦問題もこの延長線上の話で女性の人権を軽視してきたことによる因果応報、自業自得といった面は認めざるを得ない。この映画の主人公含め、力強く生きた女性が多かったと推察するが、帰国後に後ろ指を指されては墓も日本に背を向けてしまう…。同じ過ちが繰り返されるとは思っていないが、彼女たちの存在を記憶にとどめておくことはきっと大切なことなのだろう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-10-16 19:45:29)
25.  ある男
<原作未読>日本アカデミー賞8冠ほか華々しい受賞歴を誇る作品。丁寧な作りに好感を持って観ていたのだが、終わってみればなんだか物足りない。登場人物に小見浦憲男というのがいて柄本明の怪演もあり、やたら期待値を上げてくるんだけど別に衝撃の展開が待っているわけではなく…。あの人結局何だったんだろう。そういう映画じゃないと言えばそれまでなんだけど。これからも提起し続けなければならない問題を扱っている点は賞に相応しいと言えるし、演者も手堅い。悪い映画ではないのだが、いかんせん地味だった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-09-29 18:41:33)
26.  ミステリと言う勿れ
<原作未読、TVシリーズは全話視聴済み>名家の遺産相続争いに"バイト"で関わることになった久能整。相続候補者たちの間で醜い争いが繰り広げられるのかと思いきや、狩集家で代々受け継がれてきたある秘密が物語の核心となってくる。すべての始まりである鬼の話はおどろおどろしく、明治初期~昭和中期くらいだと真実味もギリギリ保たれていてゾクゾクできた。それが現代でも…ってなるとやはり弱くなってしまうが、確信犯の怖さみたいなものは感じられた。映画化でも妙に肩肘張ることなく、ドラマファンを喜ばせることに重点を置いた作り。フジ繋がりでいえば「ガリレオ」シリーズなどがあるが、こちら「ミステリ」も映画化成功例の一つに数えられそうだ。
[映画館(邦画)] 7点(2023-09-17 19:32:59)
27.  母性
<原作未読>いやはや。。。これに共感できる人ってほとんどいないんじゃないだろうか。だけど、映画としてつまらないかって言われるとそういう訳でもなく、変な人たちの変な言動をそれなりに興味を持って観ていたような気がする。母視点、娘視点から同じ出来事を描いてみるとかエンタメ性もあり退屈はしなかった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-09-13 21:02:15)
28.  サイダーのように言葉が湧き上がる
SNS時代ならではの繋がりを描いていて、時代を映した作品となっている。コミュニケーションが苦手なチェリーと、前歯がコンプレックスでマスクを外せないでいるスマイルが、それぞれ殻を破っていく成長の物語。ハッピーエンドには違いないが、主張しすぎるほどに鮮やかな作画とは反対にストーリーは控えめで時に暗くもあって、楽しかったという印象はあまりない。俳句に興味が無いのも一因だろうか。
[地上波(邦画)] 6点(2023-08-29 21:30:51)
29.  リボルバー・リリー
<原作未読>行定監督が撮った初のアクション映画とのこと。だからという訳でもないだろうが、リアリティが無く、カタルシスも得られず、なかなか厳しい出来であった。あそこまで行くと小曾根百合とその一派が凄いのか、陸軍が酷すぎるのか分からなくなるが、いずれにしても醒めた目で見てしまったのは確かだ。綾瀬はるかは役に説得力を持たせるため体作りをしてアクションも頑張ったと思うが、脇においては疑問を感じざるを得ない役者もおり、この点でもよろしくなかった。
[映画館(邦画)] 5点(2023-08-13 18:00:52)
30.  沈黙のパレード 《ネタバレ》 
<原作未読>「真夏の方程式」以上「容疑者Xの献身」以下かなと。草薙は真実よりも程よいところに着地させたい。でも湯川はそうじゃない。二人は一時対立することになるが、今回は真実を暴くことで救われる面が多いため、落ち着くところに落ち着いた印象。単体であれば6点だが、TVシリーズから15年に渡る歴史があることでなんとなくありがたみも感じるため7点ということに。また5年後くらいになにか作ってほしいな。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-08-02 20:03:05)
31.  キングダム 運命の炎 《ネタバレ》 
<原作未読>相変わらず邦画のレベルを超越した大スケールの戦争が描かれている。王騎の下で修業を積んだ信が100人を率いる将らしく、立派に、頼もしくなっていたのは感慨深い。構成的には紫夏で一旦クライマックスを迎え、いよいよ趙との決戦だが、1、2とは異なり次回作への繋ぎという印象が強いため一映画としての評価は芳しくないかもしない。でも無理に詰め込むよりはこちらの方がベターだろうか。4を楽しみに待つ日々が今日始まった。
[映画館(邦画)] 8点(2023-07-28 23:03:26)
32.  MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 《ネタバレ》 
低予算・小規模公開ながら口コミで話題となった邦画の一つ。タイトルに「このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」とあるが、ほんとのところは気づかせても終わらない。同じ一週間を繰り返しているという非現実的なことを信じさせるよりも難しかった"あること"。それを成し遂げるためみんなが結束していく。お仕事ムービーといえば同じ年にハケンアニメ!が公開され、賞レースを賑わせていたが、こちらも全然負けていない快作だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-07-27 22:35:21)
33.  ザリガニの鳴くところ
<原作未読>面白かった。チェイスの死をめぐる裁判と、非常に特殊な環境で育った主人公の恋愛模様。濃密な2時間だったように思う。絵に描いたような悪人もいれば、真逆の善人もいる、さらには基本的には善人だけどある意味諸悪の根源になっちゃった男もいて、人生いろいろ、男もいろいろ状態。オチは想定内だが、過程を十分に楽しめたからこの点数。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-19 21:40:17)
34.  線は、僕を描く
<原作未読>これほど美しいエンドロールはそうそうあるものじゃない。水墨画は中国発だが日本にも深く根付いているため、あえて和の文化と表現するが、それらが詰まったこの映画はストーリー云々より映像で魅せてくれたと思う。で、そのストーリーも目新しさ等はないが、とくに悪い人も出てこず、ゆったり観ることができ、それなりに良い時間だったかなとは思っている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-07-02 23:14:47)
35.  水は海に向かって流れる
<原作未読>叔父さん家から学校に通わせてもらうことになった高校生の直達だが、そこはシェアハウスで、しかも同居人に父の不倫相手の娘がいた、という漫画のような(漫画なんだけど)設定で、この二人をメインに物語は展開する。軽いコメディでもあり、ここでくすりと笑えるかどうかだけど、自分はまあまあ笑えたかな。榊さんのお料理シーンとかシュールな感じが好きだった。ただし広瀬すずはこの役をやるにはやや若かった感もなくはない。相手役を任された大西利空は現役だから当たり前なんだけど、ちゃんと高校生らしくて良かった。そのほか脇を固めたベテラン陣は安心感をもたらしてくれた。とくにダメ親父を演じた北村有起哉の素晴らしいことよ。親子二代で名優の一例だ。
[映画館(邦画)] 7点(2023-06-21 23:00:13)
36.  テルマ&ルイーズ
追われる身になったとはいえ、息が詰まるような日常から解放されて人が変わっていくテルマが印象的。程よくユーモアが散りばめられた会話劇、ロードムービーとしても楽しいし、二人の友情にもグッとくる。そして映画史に残ると言われるラストシーンはやはり格別。ブラピはここから始まったという点含め語り継がれる映画の一つだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-12 21:01:19)
37.  ただ、君を愛してる
<原作未読>宮崎あおい可愛いな~。そしてキスシーン(&写真)の美しいことよ。しかし、この映画は2006年当時に観た人と、それ以降に観た人ではだんだん印象が違ってくるかもしれない、とも思った。こののち、宮崎あおいには良いことも悪いこともたくさんあって、あることないこと書かれもした。それら一切を忘れ去って観るのはなかなか難しい。無論、作品や里中静流というキャラクターに罪はないのだが、映画も場合によっては賞味期限があるということを若干感じてしまった。今はこの点数は限界。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-06 23:31:41)
38.  流浪の月 《ネタバレ》 
<原作未読>良くも悪くも衝撃作。思い込みって残酷だ…。自分自身、「心優しいロリコン」の物語として観ていたわけで、正直すまなかった。今後二人はどうなっていくんだろう? 想像もつかないが、この余韻は映画の醍醐味の一つであると思う。広瀬すず、松坂桃李、横浜流星と、監督は売れっ子俳優たちにそれぞれ難しい課題を与えたが、三人はしっかり応えてみせた。更紗の少女時代を演じた白鳥玉季のキャスティングも違和感がなく、よくぞ見つけてきたという感じ。「パラサイト」の撮影監督を迎えて撮られた映像も美しく、とくに更紗に笑顔が戻った"気持ちの良い朝"は素晴らしいシーンだった。見応えある150分、力作には違いない。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-05-28 22:18:02)
39.  銀河鉄道の父
<原作未読>映画を観て泣きたい!という人の期待にはある程度応えてくれるであろう作品。自分はそういうタイプではないから演出が若干過剰に感じたりもした。それとエンディング曲がイマイチ合わなかったなー。ラストシーンは良かったのに。
[映画館(邦画)] 6点(2023-05-11 22:30:13)
40.  モガディシュ 脱出までの14日間
内戦が激化していく1990年ごろのソマリアはモガディシュを再現するためモロッコに乗り込み、製作費240億ウォンをかけて撮影したようだが、「よくその程度で済んだな」と思うほど大作感があった。演者のレベルも高い。とくにハン大使、リム大使を演じた二人のおじさん俳優は素晴らしかったなあ。ストーリーもほぼ実話ということで、文句の付け所もないのだが、強いて言うならイタリア大使館への道のりでやりすぎ感が出てしまったのは少々残念(実際どうだったかは知らないけど)。フィクションなら全然良いんだけど、実話ものはこの辺りのバランスが難しい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-02 19:02:06)
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