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 > ザ・チャンバラ さん
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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  グレート・ウォリアーズ/欲望の剣 《ネタバレ》 
奪われたお姫様を王子様が救い出す物語。そんな古典的な題材であっても、バーホーベンの手にかかるとグログロバイオレンスに早変わりします。「中世なんてメルヘンの世界じゃなかったんだぜ!」という御大の熱い主張がビンビン伝わってくる120分。毎度のことながら、この強烈な作家性には敬意を覚えます。 誘拐されたお姫様は古城に幽閉(無傷で)…なんてことが現実にあるわけなくて、本作のお姫様は容赦なく輪姦されます。そのお姫様もお姫様で、貞操を守ろうと必死で抵抗するのかと思いきや、賊の首領に積極的に接近し、身の安全を確保しようとします。これを悪女の振る舞いと見ることもできますが、お姫様のメンタリティなんてそんなものでしょう。彼女達には自由恋愛などなく、家が決めた相手であれば、どんなにキモかろうが、おっさんだろうが、そこに嫁ぐしかない運命にありました。本作のシチュエーションにおいては、アグネスもまた最も高く売れる相手に対してわが身を売った。それだけなのです。こうした、本作の突き詰められたリアリティには感心します。 描写はグロの極みをいきます。頭をカチ割られた尼さんがおっぱい(ついでに陰毛も)丸出しでもんどりうったり、王子様とお姫様が腐乱死体の下で永遠の愛を誓い合ったり、王女様が輪姦される場面では、腰の動きに合わせて少年が太鼓をトコトコ叩くといういやらしい演出が入ったりと、いちいち神経を逆撫でするバーホーベンの過剰演出は、史上最高レベルに達しています。 さらに、その上をいくほど過激なのが、極限状態で露わになる人間性の醜さで、当初は美男美女だった王子様とお姫様の人相がどんどん悪くなっていきます。偶然起こったことを手前勝手に解釈し、悪事を正当化するという信仰の問題点や、その信仰を自分の目的のために利用する人間が現れるなど、本作の指摘は多岐に及び、かつ、深いです。 そんな業にまみれた物語でありながらも、主要登場人物は一人も死なず、それぞれがあるべき場所へ戻っていくというラストには妙な爽快感がありましたが、これには、続く『ロボコップ』にも通じるバーホーベンの人生哲学を感じました。『ロボコップ』では数人の悪党が成敗されただけで、オムニ社という巨悪はほぼ無傷で生き残ったし、マーフィの人権問題も有耶無耶にされたまま終わりました。結局のところ、物事は解決しないまま終わるのだということがバーホーベンの人生観のようです。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2004-07-14 16:35:20)
22.  スペースバンパイア
これって日曜洋画劇場で頻繁に放送されてましたよね。いい時代です。日曜洋画劇場って1ヶ月以上前から予告を流すんですけど、当時中学生の私は、予告の時点で見たくて見たくて仕方ありませんでした。だって、主演女優がずっと全裸の映画なんてありえませんよ。しかも予告のナレーションが「バンパイアによる地球侵略」とかって煽るもんで、裸に地球侵略だなんて、中坊にとっては夢のような映画でしたね。というよりも、青少年の妄想を完璧に形にしてくれた映画です。惑星ソラリスです。ディズニーランドよりも夢があります。サンクス淀長。で、本編ですけど、これが面白いんですよ。裸の嬉しさよりも、映画の面白さにひかれちゃいました。とくに後半のパニック描写がすばらしく、「これはエライものを見てるぞ」って思いましたね。しかも締めはちゃんと裸。わかってらっしゃる!
8点(2004-07-14 13:16:30)(笑:2票)
23.  ゴジラVSビオランテ
「ガメラ大怪獣空中戦」の登場以来「やっぱりあれはヒドかったんだ」と再認識され続けるゴジラですが、「ビオランテ」だけはガメラに負けていません。ゴジラはシリーズ中もっともかっこよく、対するビオランテの造詣も非常に素晴らしい。人間方にも魅力があるのがいいですね。私的には高嶋政伸をはじめてかっこいいと思いました。そして何より、構成がよく出来た映画です。シリーズ中、はじめて合理的に動く自衛隊が作品のテンポを整えており、おかげでゴジラの存在感が際立っています。これぞ「ガメラ」に先駆ける怪獣映画の傑作であり、エメリッヒにも見せてやりたい仕上がりです。
8点(2004-07-08 17:54:34)
24.  リーサル・ウェポン
シリーズで本当に好きなのはこれだけです。渋いキャラ設定、地に足のついたアクション、そして意外と丹念に捜査していることなど、刑事アクションとしてよく仕上がっています。ただひたすら撃ちまくるという「コマンドー」や「ランボー」スタイルの時代にあって、あくまで命中率を重視したガンアクションもいいですね。リッグスが打撃系ではなく関節系を得意とするおかげで、格闘シーンにも妙な説得力があります。なんですが、「2」以降になるとバカアクション化。銃をひたすら撃ちまくり、得意のマーシャルアーツも「カンフー」と大雑把な呼ばれ方をする始末。リッグスの性格は明るくなり、その一方で大作化で死人の数は増えていくわけで、ある意味もっとアブなくなってると思います。
8点(2004-07-08 15:53:22)(良:1票)
25.  男たちの挽歌
これぞ男のバイブルです。栄光、転落、裏切り、友情、憎悪、反撃、まさに男らしさの見本市。万全の体調でお楽しみください。個人的には、若い頃のチョウ・ユンファが劇団ひとりにそっくりなのがハマりましたね。
8点(2004-06-17 01:55:33)
26.  危険な情事 《ネタバレ》 
1987年に公開されたすべての映画の中で世界興収がもっとも高かった作品なのですが、R指定の不倫映画が世界的な大ヒット作になるなど前代未聞の事態。公開当時の空気を知らない私としては「これは一体どうしたことか」と思ったのですが、実際に本編を鑑賞してみると、確かに本作はそれだけの実力のある作品だと感じました。 セクシャルな題材を得意とするエイドリアン・ラインの演出は絶好調。ダンとアレックスの出会いから不倫に至るまでの序盤の流れは王道のラブストーリーとして撮られているし、アレックスがちょっとずつ面倒臭くなっていく中盤のいや~な緊張感や、アレックスが完全に常軌を逸した終盤のショック描写など、そのパートごとに必要な色をきちっと出せています。 また、ストーカーが社会問題化する前に制作された作品ながら、アレックスの人となりもよく出来ています。基本的には常識をわきまえた普通の人間なのだが、ダンに関係することとなると感情がすべての理性的な判断を押さえ込んでしまい、自分自身でも制御が利かなくなってしまう。そして、そんな不安定な状態でしばらくいる内に理性が感情に従属するようになり、衝動的な嫌がらせが計画的な犯行へと転じていくという症状の経過が実にリアルなのです。ドラマはやや荒唐無稽な着地点を迎えるものの、アレックスのキャラクターの作りが良いおかげでリアリティが棄損する一歩手前のところで踏みとどまっているし、その描写の緻密さから社会啓蒙的な意味合いもある作品だと感じました。 難を言えば、性欲の塊にしか見えないマイケル・ダグラスでは、家庭一筋の善良な男に魔が差したという話が成立していないことでしょうか。本作は、遊び慣れていない男が遊び相手のチョイスを間違え、遊び方を間違え(避妊を怠ったり、言っちゃいけない場面で相手を本気にさせる言葉を言ったり)、また遊びの終わらせ方を間違えてドツボにハマる物語でもあり、そのためには真面目一徹みたいなイメージの俳優の方がドラマを具現化できたはずなのですが、マイケル・ダグラスではその点が表現できていません。実は本作はブライアン・デ・パルマが監督する予定だったものの、デ・パルマはダグラスを外さなければ自分が降りると主張。プロデューサーはダグラスを支持して監督がエイドリアン・ラインに交代したという経緯があるのですが、確かにデ・パルマの見立ての方が正しかったように思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-06-18 18:44:42)
27.  背徳の囁き 《ネタバレ》 
劇場公開当初からさほど高い評価を受けた形跡がなく、今では映画史に完全に埋もれた感のある作品ですが、汚職警官ものとしてはなかなかよくできた作品だと思います。制作された時期がかなり前なので現在の目で見ると展開の鈍重さ等が多少気になるものの、そうした欠点には目をつむれるほど主題部分は良くできていました。 リチャード・ギアにとって初の悪役ということですが、当て書きかと思うほどギアとデニス・ペックの相性が良く、ギアが本来持つ清廉なイメージとうまく混ざり合うことでペックの多面性がうまく表現されています。「子供を持てばすべてが変わる」という彼のセリフが象徴的なのですが、本来面倒見の良いペックが低い年収で生活苦にある仲間や後輩たちに割の良いアルバイト先を紹介しているうちに、闇の仕事の総元締めみたいになっていったという経緯が推測されます。出発点に悪意はないが、仲間や家族の生活を丸ごと背負うようになったことで、悪の道から外れることが許されなくなった同情すべき背景を持つ悪党として描かれているのです。 他方、アンディ・ガルシア演じるレイモンド・アヴィラは一応正義の側に立っているものの、背負うものを持たない者ゆえの薄っぺらさのある人物として描かれています。こちらもまた、若手の有望株として絵に描いたような正義漢を多く演じていた当時のアンディ・ガルシアのパブリックイメージをうまくひっくり返したキャラクターとなっており、演者とキャラクターとの間での化学反応が起こっています。 アヴィラはキャリアウーマン(死後)の奥さんとのダブルインカムである上に子供も持っておらず、経済的には満たされた生活を送っています。また仲間たちとの交流も少ないためノンキャリアの警察官たちの切実な現状が見えていません。そんなアヴィラですが、ペックからの心理的な揺さぶりを受けると醜態をさらしたことからも伺える通り、彼は根っからの正義漢ではなく、清濁併せ呑まねばならない場面に遭遇したことがない人物が教科書的な正義を唱えているだけという描き方となっています。 結局、ペックもアヴィラも何かしらが欠けた人物であり、どちらが正しいのかについて、監督は答えを出していません。勝ったのはアヴィラだったが、ペックの悪事が暴かれたことで彼の家族や世話していた警察官たちの人生は大きく狂ってしまったはずで、果たしてそのことが正義の執行と言えるのかは疑問です。ペックは尻尾を掴まれかけたために逸脱した行動をとったものの、それ以前の彼は堅気に迷惑をかけない範囲内でうまくやっており、彼が生み出していた均衡を許しておくこともひとつの正義だったのではないかと思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-06-18 18:41:09)
28.  アンタッチャブル
デヴィッド・マメットによるキレのあるセリフ、持ち前のクセの強い演出を封印して王道の娯楽に徹したデ・パルマの意外な引き出しの多さ、重量級のベテラン俳優と当時伸び盛りだった若手俳優を組ませて化学反応を起こさせたキャスティングの妙と、あらゆる要素がうまく機能した教科書的な娯楽作だと思います。 特にケヴィン・コスナー起用は神がかっており、赴任時の挨拶で初めて顔を見せた瞬間から神々しいまでの爽やかさで、男の私でも目がハートになってしまいました。エリオット・ネス役についてはミッキー・ローク、ドン・ジョンソン、ジャック・ニコルソンに断られた後にケヴィン・コスナーが抜擢されたという経緯があり、デ・パルマは無名のコスナーの起用を渋っていたという話もありますが、その爽やかさなルックスと、コネリーやデ・ニーロとも互角に渡り合う堂々たる存在感で、この大作の顔をしっかりと務めています。スター誕生の瞬間がここまではっきりと映し出された映画は珍しいのではないでしょうか。  ただし、現在の目で見ると多少の難も見つかります。「娯楽作は2時間以内に収めるべし」という不文律があった時代に制作されたためか、本来はボリュームのある内容がかなりコンパクトに詰め込まれており、展開が異常に早くてカポネ逮捕までトントン拍子で行ったように見えてしまっています。 また、せっかく4人で特捜隊を組織したのに設定上あったと思われる役割分担が本筋に反映されておらず、チーム戦としての面白さが追及されていません。 ・ネス:全体戦略の立案。部下が上げてきた作戦を実行に移すかどうかの意思決定。 ・マローン:具体的な作戦の立案。コネと経験を活かした情報収集。 ・ストーン:切り込み隊長。高い戦闘スキルで前線に立つ。 ・ウォレス:ブレーン。立件に向けた証拠の整備。 各キャラクターの得意分野はざっとこんな感じなのですが、ストーンの射撃スキルが活かされる場面が駅での銃撃戦しかなかったり、ウォレスの会計知識に至っては活用される場面が一切なく(カポネ逮捕の理由が脱税という史実とは異なり、暗号化された賄賂の記録を解読できる証人の争奪戦が映画の争点)、途中からは普通に戦闘に参加するようになったりと、キャラクターの動かし方がどうもうまくありません。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-06-15 18:15:56)
29.  レインマン 《ネタバレ》 
昨日まで存在すら知らされていなかった兄に親の金融資産をすべて持って行かれ、さらにはチャーリーが触ればマジギレされていた父親の愛車で運転を教わっていたというレイモンドの思い出話に、チャーリーは憤ります。それは、アテにしていた遺産を相続できないという現実問題に加えて、父親との関係が悪かったチャーリーにとって、自分が得られなかった親の愛情がレイモンドに注がれていたのではないかという嫉妬心によるものですが、物語の後半において、二人は似た境遇であったことが明かされます。元々、レイモンドは実家で育てられていたものの、チャーリーの誕生により幼い弟を傷つける恐れが発生したことから、病院へと隔離されました。弟すらその存在を知らなかったという事実が示す通り、レイモンドという人物は半ば葬り去られており、父親が遺産のすべてを彼に相続させたのも、レイモンドが人生を終えるまでの面倒を赤の他人に見させるための前払金としての意味合いが強いものでした。二人とも、親から捨てられた子供だったのです。 その事実が判明して以降、レイモンドに対するチャーリーの態度が一気に軟化します。この辺りの導線の作り方は見事なものだと感心したのですが、一方でクライマックスは感動の押しつけが酷すぎて、少々うんざりさせられました。あれだけ自己中だったチャーリーが兄弟愛とヒューマニズムに目覚め、兄を引き取りたいと言って医者とケンカをするのですが、さすがにこれはやりすぎ。私にも自閉症の親戚がいるので多少は現実が見えていますが、自閉症患者と過ごしてあのような感情に至ることはまずありません。自閉症を患う身内がいると本当に大変で、愛情とか愛着以前の問題として、家族全員の日常生活に大きな支障が生じます。 当初の構想ではダスティン・ホフマンがチャーリー役で、ロバート・デ・ニーロかジャック・ニコルソンをレイモンド役にと考えられていたようなのですが(それはそれで見たいかも)、紆余曲折あってトム・クルーズが参加したことから、新境地開拓に挑むベテラン俳優と伸び盛りのアイドルスターの共演作となり、作品に幅ができました。怒鳴ってばかりで不快感を抱かれかねないチャーリーも、トムが演じたおかげでギリギリ観客から受け入れられる人物となっているし、現在あらためて見返すと、オスカーを受賞したホフマンよりもトムの活躍の方が目を引きました。
[DVD(吹替)] 7点(2015-08-11 01:39:42)
30.  刑事ニコ/法の死角 《ネタバレ》 
本作以前に映画への出演記録はまったくなく、舞台やテレビの経験もない。端役やエキストラとして見切れていたという目撃情報すら一切なく、エンタメ業界とは何の縁もなかった男が(武術指導として撮影現場に出入りはしていたようなのですが)いきなり一枚看板でデビュー。デビュー間もなくから大役を任されるということは、マーロン・ブランドやトム・クルーズらごく限られた実力者のみに与えられる栄誉なのですが、セガールに対する扱いはそのレベルに留まっていませんでした。メジャースタジオが直接製作する企画のコントロールまでを許されており、さらには、彼自身による原案の脚色には『エイリアン』『トータル・リコール』で知られるロナルド・シャゼットが、監督にはチャック・ノリスの最高傑作とも言われる『野獣捜査線』を撮ったアンドリュー・デイビスが雇われるという鉄壁のサポート体制が敷かれており、ハリウッド史上、後にも先にも例のない特別待遇で迎えられていたのです。。。 そんな本作ですが、良くも悪くもセガールの大物ぶりが発揮された内容となっています。映画への出演経験のない人間とは思えない程の落ち着きや存在感はさすがのものだし、圧倒的に強くて負ける気がしないという抜群の安定感もこの頃からです。以後四半世紀以上に渡る俳優としてのパブリックイメージを本作1本で作り上げてみせたという実績は驚異的としか言いようがなく、セガールのセルフプロデュース能力の高さは評価せざるを得ないのですが、同時に、ファン以外には受け入れ難い、個性的すぎる作品となっていることもまた事実。デビュー作なのだから、もっと王道に寄せてもよかったのではないかと思います。。。 本作の脚本はなかなかの出来です。シカゴの下町でCIAの陰謀を暴くという荒唐無稽な内容ながら、謎の振り方やネタ明かしがうまいので、思わず引き込まれてしまう面白さがあるのです。特に、主人公が追われる身となり、孤立無援の中で真相に辿り着こうとする後半の展開には適度なスリルが宿っており、一流脚本家を雇ってきたことの成果は確実に現れています。セガール自身も本作の出来に満足したのか、この脚本は以降のセガール作品のテンプレートとなり、特に『沈黙の戦艦』以前の初期セガール作品は、どれがどれだか区別が付かない程にこの内容を流用したものとなっています(本作以降の3作品をすべて全米1位にした実績はさすがですが)。
[地上波(吹替)] 7点(2014-02-09 03:21:58)
31.  普通の人々
二人の息子のうち、可愛がっていた方が死んでしまった家族の物語。兄の死や弟の自殺未遂といった映画的に美味しい部分は敢えて省略し、一家が平穏を取り戻そうとしている部分にスポットを当てるという、なかなか斬新な構成となっています。『ペーパームーン』で高い評価を獲得し、後には『スパイダーマン』シリーズを手掛けるアルヴィン・サージェントによる脚色が素晴らしく、本来はドラマティックではない物語が、非常にドラマティックな内容として描かれています。何が素晴らしいって、それまで機嫌良くしていた人間がさっと冷めていく瞬間であったり、何となく保たれていた日常の均衡が崩れる時の気まずさであったりというものが、抜群の臨場感をもって描かれているのです。例えば、祖父母も交えて家族写真を撮る場面。みんな勝手なことばかりを言って会話はまるで噛み合っていないのですが、それでも全員が笑顔で機嫌良く振舞うことで、場の空気は平穏に保たれていました。しかし、イライラを募らせた次男が怒鳴り声をあげたことで一瞬にして全員が凍りつき、「この場を何とか取り繕わなきゃ」と思っても適切な言葉が浮かんでこないという、あの場面の何とも言えない気まずさ。あるいは、冒頭の朝食の場面。母親が作った朝食を子供が食べないというありふれた場面なのですが、本作の母親は「食べないのなら捨てる」と言って、出来たてのフレンチトーストを流しに捨ててしまいます。この数十秒のやり取りで、この母親がキ○ガイだということが観客にはっきりと伝わる仕組みになっているのです。本作にはこの手の的確な描写が多く、ディティールの面で非常に成功した映画だと言えます。。。 レッドフォードは初監督ながら、地に足のついた演出でこの脚本を映像化しています。また、自身が俳優であるためか役者の動かし方もよく心得ていて、エキセントリックな役柄ばかりを演じてきたドナルド・サザーランドに気の弱い父親役を、有名なコメディアンであるメアリー・タイラー・ムーアに神経質な母親役を、演技歴の浅いティモシー・ハットンに繊細な次男役をやらせるという奇抜なキャスティングながら、各々から生涯ベストとも言える名演技を引き出しています。ただし、地に足がつき過ぎて一つ一つの場面が妙に長かった点は、本作の数少ない欠点。今回DVDで見たオリジナル版よりも、正味90分に編集された地上波放映版の方が面白く感じられました。
[DVD(吹替)] 7点(2013-06-19 01:39:47)(良:1票)
32.  バットマン(1989)
10数年ぶりの鑑賞でしたが、ヒーローを現実世界に引きずり出そうとする最近のアメコミ映画にすっかり慣れてしまっていたので、コミックの世界の完全再現にこだわった本作にはかえって新鮮さを感じさせられました。この映画がすごいのは、わざわざ説明をしなくてもすべてが自然に成り立っているということ。ジョーカーが毒入り化粧品や毒ガス散布でゴッサム市民を虐殺しようとするトンデモない話なのですが、その動機や目的は一切語られません。悪人であるジョーカーと舞台となるゴッサムシティが完璧に作り込まれているので、もはや悪事の理由を説明する必要すらないのです。背景や理由をくどくどと説明するブライアン・シンガーやクリストファー・ノーランの映画とはまるで違い、画だけで観客を納得させる構造になっている点には感心しました。。。 だからといってこの脚本が頭空っぽというわけではなく、目に見えない設定部分は徹底的に理詰めで考えられています。例えばバットマンの設定。仮面をかぶって犯罪者をこらしめて回る大富豪などマトモな人間であるはずがないので、常人を装いつつも激しい凶暴性を内包した狂人という設定としています。この映画のブルース・ウェインはノーラン版と違って社会正義を一言も口にせず、己の暴力衝動を充たすために犯罪者をターゲットにしていることが明確化されています。恋人ヴィッキーに正体を明かす場面は象徴的で、彼はバットマンであることを誇ることはなく、「やめようにもやめられないんだ」とあたかも悪い中毒のようにヒーローとしての自分を語ります。バットマンの働きに感謝したり、その活躍を応援したりするゴッサム市民が一人も登場しないのも意図的な演出でしょう。。。 以上、本作が図抜けた映画であることは認めるのですが、娯楽作としてはそれほど楽しめないことが難点。バットマン・ヴィッキー・ジョーカーの三角関係が物語の核となるのですが、生粋のオタクで恋愛に不慣れなティム・バートンがこの部分をまったく扱えていません。さらにはアクション演出ももたついており、スリルや迫力をまったく感じさせない見せ場が連続します。もうちょっと引き締まっていれば見違えるような傑作になったかもしれないだけに、本作製作時点のバートンの未熟さを残念に思います。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-20 01:10:31)
33.  ミシシッピー・バーニング
アラン・パーカーの映画作りは相変わらずお上手で、この映画も社会派作品でありながらハラハラと手に汗握りながら楽しむことができます。「社会問題を誰でもわかる娯楽映画にしてみんなに啓蒙する」ということはハリウッドのお家芸ですが、本作はそんなハリウッド伝統の良心作に仕上がっていて、文句なしに面白い映画だと評価できます。。。ただし製作者に自覚があるのかないのか、同時にアメリカ人の無神経さも出てしまっています。ロバート・ケネディの命を受けたFBI捜査官が南部の田舎町に現れ、救世主の如く黒人を救う物語なのですが、悪いことは南部の田舎者に押し付け、自分達は正義と平等を愛する美しき精神の持ち主ですと言わんばかりの姿勢。「差別はあった。でも悪いのは偏狭な田舎者で、大多数の白人は善人ですよ。ほらこの通り、僕達は差別主義者をこらしめるよ」という居直りのような映画だなぁという印象を持ちました。なんせ、KKKを演じているのがブラッド・ダーリフにマイケル・ルーカーにリー・アーメイですよ。「悪人です!」と言わんばかりの面々。差別問題ってそんな単純な問題じゃないでしょ。
[DVD(吹替)] 7点(2010-11-27 22:16:24)(良:1票)
34.  プラトーン 《ネタバレ》 
さすがは従軍経験者が作った作品だけあって、他の戦争映画とは説得力が違います。ジャングルの行軍で脱水症状を起こしたり、アリにたかられたり、雨の中で寝たりと、実際の現場を知ってる人間ならではの描写がこの映画を支えています。また、「強い北ベトナム軍」がきちんと描かれていることにも感心します。従来のベトナム戦争映画においては、負け戦だったはずなのになぜかアメリカ軍はベラボーに強く、一方で北ベトナム軍はヤラレ役に徹していました。そして、「アメリカは力では勝っていたが、メンタルで勝てなかった」と結論付けるのがお決まりのパターン。アメリカ人にとってのベトナム戦争の認識とは、自分の命も省みず突っ込んでくるアジア人の狂気に近い真剣さに勝てなかったというものであり、キューブリックですら、その認識に縛られた作品を作っていました。一方本作では、アメリカ兵達が強気なのは戦闘員のいない村を襲った時だけで、北ベトナム正規軍がやってくると聞けばビビりまくり、戦場ではパニックを起こしてボロ負けします。アメリカは神出鬼没のゲリラに負けたのでも、アジア人の野蛮なまでの狂気に負けたのでもなく、正規軍同士の戦いで負けたという、恐らくは史実に忠実な描写がなされています。このような切り口のベトナム戦争映画は現在に至るまで本作が唯一となっており、これも当事者として現場に立ち会っていたストーンならではの視点なのでしょう。残念だったのは、味方同士が私怨で殺し合うという展開が極端すぎて、全体から浮いてしまったことでしょうか。本作はストーンの思惑をも超えるほどリアリティの面で成功しており、そのため、戦場における殺人というショッキングな展開がいかにも作りもの臭くなっているのです。味方として与えるべき支援を与えず、嫌いなやつを見殺しにしたくらいの展開の方が調度良かったのではないでしょうか。また、比較的低予算で製作されたため銃のエフェクトがチャチなのも残念でした。こちらも、実際にアジアのジャングルで撮影した他の場面のビジュアルが良すぎたために、弱点が際立ってしまったという印象です。
[DVD(吹替)] 7点(2010-02-06 17:57:01)(良:2票)
35.  コマンドー
四半世紀にも渡って毎年テレビで放送され続け、細かい筋まで全部知ってるのに毎回見てしまうという麻薬のような映画です。そして、そんな人気作の割にビデオ屋では絶対に貸し出し中になっていないという不思議な映画でもあります。。。サイボーグという設定すら必要ないと州知事の底知れぬ素質を見抜いたジョエル・シルバーはさすがの慧眼で、本作は頭から尻尾まで州知事の魅力満載です。丸太を担いでの登場からすでに千両役者ぶりを発揮。タイトルバックではアイスクリームを味わう州知事、鹿にエサをやる州知事、川釣りを楽しむ州知事、プールで馬鹿笑いをする州知事と、他の映画ではなかなか味わえない州知事の姿を堪能できます。本編では設定について軽い説明が入ると、その後は州知事がひたすら暴れまわるという素直な仕上がりになっていて大変好感が持てます。その暴れっぷりについても、十数人の警官相手に格闘して余裕で勝ったり、車のシートをいとも簡単にもぎ取ったり、悪役を電話ボックスごと投げ飛ばしたりと、スタローンやヴァン・ダムでは成立しない、州知事だからこその見せ場が続きます。本作を作った人たちはキャメロン以上に州知事のポテンシャルを理解していたんだなぁと感心します。島での戦闘の前には、流れ的にまったく不要であるにも関わらず州知事はビキニ姿を披露。股間に目が釘付けなのです。ガシャッ、ガシャッと装備を身につけるかっこよすぎるシーン(今ではアクション映画の定番ですが、これをはじめてやったのは本作ではないでしょうか?)に続き、重装備でいよいよ乗り込む場面には「待ってました!」と声をかけたくなります(重装備で茂みから現れる様は、花見の場所取りみたいでしたが)。この辺りの盛り上がりは、アクション映画としての本作の正しさを証明しています。いかに大勢の敵を相手にしても絶対に弾が当たらない、これも州知事の魅力でしょう。もはや人徳すら感じさせます。州知事の相手となるベネットもまた素晴らしく、「タイマンで決着をつけようぜ」と素手の対決に持ち込もうとする州知事の挑発に顔をくしゃくしゃにして心揺れ、「じ、銃なんか必要ないもん!」と強がるオーバーアクトぶりは隠れた見せ場なのです。。。なお、本作の続編への出演を州知事は断ってしまったのですが、その企画が流れに流れて「ダイハード」となったのはアクション映画史上のちょっといい話です。
[地上波(吹替)] 7点(2009-10-11 23:05:00)(笑:2票) (良:1票)
36.  コナン・ザ・グレート
「レイダース」とほぼ同額、「ET」の約2倍の製作費が投入された超大作なのですが、ジョン・ミリアスとオリバー・ストーンが自由にやった結果、血と裸と小難しいセリフに溢れた、ヒットするとは到底思えない作品となっています(DVDのメイキングでは、興行的に成功しなかったにも関わらず、2人ともこの映画について満足げな顔をしています)。当時のラウレンティスは、「エレファントマン」がヒットしただけのデビッド・リンチに洒落にならない額の製作費を与え、これまた暗くグロテスクな「砂の惑星」を作らせており、プロデューサーとして観客に受ける映画を作る気があったのかと不思議になるような仕事をしています。そのような「管理不行届き」の現場で製作されただけあって、本作は娯楽作として成功しているとは言いづらいものの、他に類を見ないようなクセの強い仕上がりとなっており、面白くはないが見応えのある作品にはなっています。コナン少年の村が侵略を受ける序盤からすでに暴力はフルスロットルで、女も年寄りも皆殺しにされるわ、コナンの目の前で母親が首を飛ばされるわと惨い描写が続きます。その後も、奴隷としてのコナンの成長は悲惨極まりないわ、剣闘士となってからも人間扱い受けないわと、鬱になるようなお話が続きますが、こうした容赦のなさが殺伐とした世界観の表現に役立っています。セット教の巨大神殿やかなりの人数のエキストラ、凝りに凝った小道具や衣装など、お金をかけるべきところにタップリ資金を投入することで、世界観の構築がより強固なものとなっています。また、黒澤明をリスペクトするミリアスだけあって、チャンバラの迫力も他の映画とは一線を画すものとなっています。ダンスのような美しいだけの非現実的な殺陣ではなく、重量感や痛みを伴った戦いが展開されるのです。終盤の決戦に至ってははまんま「七人の侍」なのですが、さらに少数の味方で大勢の敵を迎え撃つというウェスタンの要素も加わり、なかなか燃えさせる見せ場となっています。願わくば監督経験の少ないミリアスではなく、娯楽についてもっと小慣れた人物が監督を引き受けていれば、それなりの佳作になっていたかもしれません。
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-15 01:28:57)
37.  ロックアップ(1989)
中古レーザーディスクが100円で叩き売りされてたので、思わず里親になってしまいました。『待ってたぜ!スタローン」とデカデカと書かれ、帯には名作「大脱走」よろしく数百人の囚人が脱獄しているイラスト(本筋とはまったく無関係)が入っているという素晴らしいデザインのジャケットにまずしびれてしまいました。さらにジャケットの裏には、刑務所めがけてイナヅマが走り大爆発が起こっているという景気のいいイラスト(本筋とはまったく無関係)もあるのですが、一方本編は目立ったアクションシーンもない実に地味な仕上がり。くちびるひん曲げて「ウォー!」と叫びながらマシンガンを乱射していた当時のスタさん作品の中では異色なほど質素な仕上がりで、スタファンだった私も小学校の時に一度見たきりでほとんど印象に残っていませんでした。同時期の「デッドフォール」は子供心に大好きだったんですけどね。でもあらためて見ると、当時なんでもありが許されていたスタさん作品において、本作はきちんと起承転結もあって映画として成立しているように思います。ま、あくまで80年代のスタ作品中ではという評価ではありますが、コブラやオーバー・ザ・トップなどを思えばちゃんと出来てるなと。刑務所仲間と友情を育んだり、刑務所長へのイライラが極みに達していくあたりなど、きちんと感情移入して見ることができました。ダイ・ハードや逃亡者(ハリソン・フォード版)なども手掛けたジェブ・スチュアートが脚本で加わっている功績でしょうが、スタさんならではの人間味が本作の泥臭さにはよく合ってると思います。インディ・ジョーンズやトップガンがとっくに公開されていた80年代末なのに演出や編集のセンスがやたら古いようにも思いましたが、それはそれで現在の鑑賞においては味としても感じられるし。筋肉に支配されていた80年代末には、こういうのも大作として上映されてカップルも見に来てたんだなぁと思うと、なかなか素敵な時代じゃないかと先輩方をうらやましく思います。デートでスタさんの映画を堂々と見に行けた時代があったなんて奇跡じゃないですか。スネークフライトをひとりで見に行っている自分を思うにつけ、自分は生まれる時代を間違えたなと思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-03-25 04:03:36)(笑:1票)
38.  天国の門 《ネタバレ》 
すごい力作だと思うんですけど、天国どころか地獄のように長い。ひとつひとつのシーンが異様なまでに長いんです。それもそのはずと言うか、この映画はすべてにおいてリアリティーにこだわり抜いたために、何もかもを見せたいという衝動にかられたんだと思います。序盤に出てくる駅ひとつにしたって、アメリカ中を探して見つけ出した年代物の機関車をモンタナまで運び、線路を敷き、駅を建設して撮影したわけですから、そりゃじっくり見せたいでしょ。荒野の雰囲気を出すために画面には常に塵や煙が舞っていますが、それにしたって計算されたかのような動きを見せるし、撮影は基本的に自然光。キューブリックにゃ負けとれんってわけですね。映画はいかにウソをつくかの勝負で、バカ正直にセットを丸々作ったり、わざわざ自然光のみにこだわることもないだろう、なんてことはこの際言いますまい。映画会社をひとつ潰したほどのこだわりなんて、見てて楽しいし。演技派揃いの渋い俳優陣もよかったのですが、画面をさらうような美男美女がいないってあたりもリアリティーのうちなんでしょうか。そしてエラ役のイザベル・ユベールさんは景気よく脱ぎまくってましたが、そのわりにスタイルの方がアレなのもリアリティーの一種でしょうか。なんてことを言いつつ、実は佳境に入るまでは話にのめり込んでたんですよ。だって金持ちが農民を虐殺しに来るという題材の時点で男気を燃えさせますよ。仲間割れする農民をまとめつつ保安官が戦いを挑むんだろう、その時にはエラに説得されたウォーケンも加勢に来て重要な役割を果たすんだろう、そしてクライマックスでは片方が死んで三角関係も丸く収まる、なんてアツイ展開を想像しながら見てたんですけど、佳境に入るとすごい展開に。決戦を前にしてウォーケンはアッサリ死に、一方保安官はフラれたショックで保安官を辞めるとゴネ出し、結局農民達は自発的に闘いを挑みます。おいおい、俺の燃える展開は?って感じですよ。しかもアクションにしたってカタルシスがまったくなし。リアリティーを残しつつでも、もっとかっこよく撮れたでしょうに。そして最後は大宮サティのカート野郎さん同様、あんまりピンときませんでした。「で?」って感じです。クライマックスに向けてもっと盛り上げてくれれば、西部劇の決定版になった映画かもしれないんですけどね。少なくとも監督はそのつもりで撮ってたんでしょうけど。
7点(2004-09-20 07:52:15)(良:1票)
39.  インナースペース
DVDをお持ちの方は、ぜひ吹き替えでご覧下さい。オリジナル俳優と声優の相性は正直「?」ですが、気の抜けたようなセリフ回しが非常に作品にマッチしてて笑わせます。最初に感じる違和感をガマンすれば、作品を2倍楽しめるはずです。とくにマーチン・ショートの吹き替えが下らなすぎて最高です。ただし、「ナンミョーホーレンゲーキョー」だけは英語でリピートを。そして肝心の本編ですが、全体を覆うユルイ空気が非常に心地よい映画です。スピルバーグってネームバリューに惑わされて、なにかスゴイものを期待してはいけません。80年代特有の、なんとも言えないヌルさ加減が魅力なのです。
7点(2004-08-31 01:16:00)(良:1票)
40.  レポマン
一応、みなさんの平均である7点をつけたんですけど、実はこの映画には点数が付けられません。というのもDVDが最悪だったからです。この映画は今まで見たことがなく、ようやくDVD化ということで楽しみに買ったんですけど、字幕のヒドさ加減がすさまじいものでした。この字幕は映画をちゃんと見て翻訳したものではなく、英語版の字幕をそのまんま日本語訳しただけの代物だったんです。「レポマン」の魅力はオフビートなノリなので、そのセンスを字幕でも伝わるように翻訳するのは通常の映画以上に難しい作業のはずなのに、それをあからさまな手抜きをしてしまうなんて・・・。同じくアレックス・コックスの「ウォーカー」の字幕も同様で、ユニバーサルのDVDはちょいヒドいです。初回限定とか言ってた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のBOXを何度も増産するし。そういえばフォックスも初回限定だったはずのDVDを「アルティメット版」と箱を変えて商売しますよね。これって詐欺に当たらないんですか?
7点(2004-06-05 16:13:29)
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