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プロフィール
コメント数 1497
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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21.  迷霊怪談集 《ネタバレ》 
如何にもアジアンなホラー作品。本邦の怪談話に通じるテイストを備えつつ、香港やインドネシア、タイなどの東南アジア圏のホラーの色彩も強く感じられます。雰囲気は結構好きです。  ただし、さほど恐くはないし、目を背けたくなるような残虐描写もあまりない。寧ろ、かなり入り組んだストーリーで、よく考えないと解りにくい部分も多々あるような。そのあたりは、ストレート直球的な欧米系ホラーと大きく異なるように思えます。  三つのお話それぞれに共通するのは、じわじわと迫って来る悲劇性。一話目は美に執着し過ぎてしまった女優。二話目はマジシャンを目指した結果悲劇に心を蝕まれてしまった父子。三話目は突如幸せな暮らしを奪われた少女。それぞれに決して抜け出すことが叶わない深い悲しみに彩られた物語。やりきれないものがありますね。  強いて残念な点と言えば、二話目と三話目が同様の仕掛けになっているところでしょうか。そこはもうひと工夫欲しかったところです。それと、全体の進行役的な冒頭とエンディングに登場するエピソードは少しばかり軽かったかも。ホラーあるある的なラストは、中身の三つのお話に今ひとつそぐわないような気がします。三話を際立たせるための一つの手法なのかも知れませんが。  コロナ禍後のベトナムで大ヒットしたというホラー・アンソロジー。邦画ホラーがお好きな方にはお勧めかも知れません。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-24 15:35:38)
22.  カメラのための振付けの研究 《ネタバレ》 
これは「映画」なのか?それとも「実験的映像」なのか?あるいはタイトル通り実践的な映像であって、教材または習作と理解すべきなのか?評価点を献上するには不向きな作品のように思えます。  先の大戦の末期、終戦の年に製作された作品。アメリカでは戦火激しいその時代に、このような実験的な作品さえ製作していたのか、製作する余裕があったのかと思うと、単にモノクロの懐かしく素朴な作品ということではなく、アメリカ国内が平和だったことの象徴的な作品、あるいは、かのくにの国内における平和のみを意識させてくれる作品と思わざるを得ない。そんな一本でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-10-21 23:38:43)
23.  通夜のまえに 《ネタバレ》 
主人公は自殺した同級生の自他ともに認める一番の親友。だったはずなのに、帰郷してみれば親友が結婚していたことさえも知らない。集まった同級生たちが知っていることも知らない。何故、自分には話してくれなかったのか?郷里を出てからも電話で互いのことを話し合っていたはずなのに。死が齎した現実の発露。困惑し戸惑う彼だったが、それ以上に混乱している遺族や同級生たち。彼は事態を収めるべく咄嗟にある嘘をつく。  そんな感じに纏めると一人の青年の死を契機として詳らかにされていく家族関係や人間関係の綻び、そして虚像をテーマにした作品かなとも思えるのですが、基本コメディータッチなのが少々気になりました。  否、少々じゃないです、大いに気になりました。何だか「死」と「死の齎したもの」が軽いんです。人の「死」やそれに伴う葬儀を扱った作品は少なからずあります。そして、中にはコメディ要素で彩られたヒット作もありますし、その場合は「死」というものを面白おかしく扱ったりデフォルメしたりして、「死」だからって暗くなる必要なんてない、誰にだって訪れることなのだ、という感じに製作されていたりします。ただし、明るく軽く「死」について語っていたとしても、どこか一線を踏み外すことがないよう考え抜かれているように思えます。そこが本作は違う。そう思えるのです。  遺された者の歪な関係性を直接的になり過ぎず描きたかったのか?それともシンプルに「死」を笑い飛ばしたかったのか?主人公が一所懸命に造る極彩色のトーテムポールが妙に悲しかったです。コメディのハズレっぷりはマイナス要因。3点献上です。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-10-21 23:06:19)
24.  全部ゲームのせい 《ネタバレ》 
何だか冒頭から波長が合わないというか…思えばドイツのコメディ作品て観たことがあったっけか?そもそも少なめのドイツ発コメディ作品。ドイツ映画と言うと社会派ドラマであれアクションであれホラーであれ、硬派で重厚な作品ばかりが思い浮かび、「コメディあったの?」と言うぐらいに記憶が曖昧です。多分、ほぼ観ていないと思います。  台詞も仕草も肝心のストーリー展開も、何かこうスッと入って来ないのです。独特の雰囲気と流れがあって、一つひとつのギャグと言うかジョークと言うか、それがどうして可笑しいのか解るには解るんだけれど素直に笑いに結び付かない感じ。これはもう感性に合わないとしか言いようがないです。 当然の如く登場人物に全く感情移入出来ず、観終わってしまえば最新の六角形ラケットを手にした全裸卓球だけが記憶に残っている状況。  決して面白くないのではないと思うのです。ただ、自分には合わない。あ、それって面白くないってことですね。3点献上です。
[インターネット(字幕)] 3点(2024-10-21 22:23:09)
25.  そのままの君で
僅か11分半の尺の中に込められた思い。ちょっと個人的に過ぎるのかも。世代も違えば生まれ育った土地も違う。何もかもが異なる若者の心象風景に感情移入するのは土台無理。と言うか、作り手からも求められてはいないのかも知れません。  とは言え、何十年も前に自分にもあった(ような気がする)感覚が呼び覚まされくすぐられる11分半ではありました。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-10-19 10:52:35)
26.  バーバリアン 《ネタバレ》 
ノンストップ何でもありクリーチャー大暴れ風ホラー、とでも言いましょうか、既に皆さんの中にご意見もありますように前半は良くとも後半はまるで別世界の如き展開になり、これは評価が分かれても仕方ないですね。てか、後半で評価を落としても止むを得ずと言ったところです。  前半で怪しげな青年を登場させて好青年ぶりを大々的に披露し警戒心高めの彼女も心を許したあたりでは、「こいつヤバいだろ。絶対やらかすだろ。」みたいな鉄板的変態サスペンスホラーを予感させ、閉じ込められた彼女は謎の地下室を発見し、何とか逃げ出すも今度は彼が単独でそこに入って行った挙句彼女に助けを求めるなんてのは意外性も何もない定番的な展開ながらハラハラドキドキ。ところがサスペンスホラーかと思いきや謎の怪物風の女が登場し惨劇が…。そして画面暗転。次の瞬間には40年前の明るく美しい街の風景と育児用品を買い求める謎の男が登場、そして件の家。ここまでは丁寧な作りで良かったです。若干80年代にしてはクルマが古いですが。  後半、一気に雰囲気の変わるノー天気男の登場で作品テイストが別物に。ところが彼は件の家のオーナーで、突如それを売らざるを得ない境遇になっていくという予想もしなかった展開で強引に前半とリンクしていく訳ですね。そこから後は再び変態サイコサスペンス的なエッセンスも交えつつ謎の怪力母性愛女が暴れるという構造。確かに前半との落差ありです。が、強引ではあるものの辻褄は合わせてあり、変態男が生み出した悲劇の怪物の悲しい物語として幕を閉じる。うん、こう書いてみると悪くないかも。  正直なところ「んなワケねーだろ!」とか「行かないって!普通そこ入らないって!」などなどツッコミ入れながら結構楽しんで鑑賞しました。個人的満足感は高めの作品。作品の散らかり具合に合わせてレビューも散らかってしまいましたが、理詰めで鑑賞するには向かないものの、7点は献上したい作品でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-10-19 00:13:17)
27.  落下の解剖学 《ネタバレ》 
他にもご意見がありますとおり、私も予告編を見てサスペンス、あるいはミステリーの佳作と思って期待していました。もっともカンヌのパルムドールというところでそりゃ違うなという予感も並走していましたが。  夫の謎の転落死に係る法廷劇を中心に語られる本作。本作だけ見てフランスの法廷はなんと無秩序?!と決めつけてはいけないと解っていても、一歩間違えばコメディになりかねない揚げ足取りと口喧嘩の応酬。それはそれで楽しめましたが、次第に何だかドロドロの離婚裁判みたいな感じで夫が転落死していることが蚊帳の外みたくなってしまう瞬間まであったりして。録音データと再現フィルム?の場面の緊迫感には凄まじいものがありましたけれど。  結局、これまた既にご意見がありますが、「羅生門」の如く登場人物によって異なる見解が語られ、フランス語と英語が入り混じる中でのコミュニケーション不全も挿し込まれ、敢えて歪な演出と展開(大人と子どもの逆転と言うか、もっとも俯瞰、達観していたのは飼い犬と言うか)をもって語られる家族の日常と非日常を描いたヒューマンドラマといった印象でした。  奥さんの浮気相手は同性。冒頭登場する取材者とのやり取りも同性愛的な雰囲気が込められている。その設定って必要だったんだろうか?交通事故で息子が背負った視覚障害という設定って必要だったんだろうか?そのあたりを挿し込むことによる長尺化って必要だったんだろうか?いろいろと疑問もあり、控えめに6点献上としておきます。  追記1 作品中ダニエルが奏でる「アストゥリアス」は、個人的にはギターアレンジとして大好きな楽曲。ダニエルの心情を表現するのに効果的に使われていて好印象でした。エンディングのピアノ曲も然り。冒頭、夫が鳴らしている大音量の楽曲もまた然り。音楽性については秀逸と思いました。  追記2 スヌープがアスピリンを与えられて仮死状態の如くなっているシーン。どうやって撮影したのか?かなり演技力の高いワンちゃんだとは思いつつ、あの目の演技までは無理なのでは?と思うと痛々しくて堪らなかったです。目はCG?
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-18 09:40:10)
28.  待つには遠すぎた初恋 《ネタバレ》 
わずか12分という尺の中に深いテーマが語られています。一見すると多様性という観点から描かれたラブストーリー風ではありますが、言語の違いで伝わらない思いに同性愛を重ね合わせて描くことで、ラブストーリーに限ることのない人と人とのコミュニケーションの多様性について語っているように思えました。  ショートストーリーならではの観る者の感性に委ねる作品と受け止めつつ、長編化もありかな?と感じた佳作でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-10-16 21:53:04)
29.  図書館戦争 《ネタバレ》 
封切り当時は正直言って全く興味がなかった作品だったのですが、とあるきっかけで鑑賞。原作未読、既存アニメ作品は未見です。なので、なんとなくの事前知識から純粋に近未来SF&ちょっぴりラブコメ作品として鑑賞しました。  荒唐無稽タイプの近未来SFとしては、シチュエーションは興味深いし(もしかしたら社会派作品という期待)、戦争ごっこと評される戦闘シーンもなかなかに凝ってるし(戦略的にはかなり無謀)、観ているうちに結構ハマったアクション娯楽作品ではありました。  が、なんともどっちつかずと言うか、近未来SFとして理不尽で不条理な世の中での混乱ぶりを描くのに徹している訳でもなく、ダブル主演の岡田さんと榮倉さんのラブストーリーに徹している訳でもなく、中途半端感は否めない流れ。あくまでも軽いノリの作品ですよ、と言われてしまえばそれまでなんですが、実際ドンパチやって負傷者や死者も出てしまっていることを考えれば決してライトなテイストでもなく、そういう意味でもどっちつかずな感を拭えないままに観終わってしまいました。  岡田さんのアクションが流石でしたしカッコ良かったこと(チビはないだろ!)、榮倉さんの女子隊員ユニフォームがミニスカなのが今時いいのかよってこと(何かにつけて足が見えるように演出したかったの?と言いたくなる)、超個人的には10年前の西田さんが可愛いこと(今でも素敵です)が印象に残った作品でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-10-15 00:00:47)
30.  アイミタガイ
原作未読で試写会にて鑑賞しました。封切り前なのでネタバレなしで感想のみ書かせていただきます。  キャスティングの妙ですね。ヒロインを始めとして、一人ひとりの出演者がそれぞれの役の機微を丁寧に演じ上げていることによって、作品中に描かれている以上に物語の背景が浮かび上がって来る感じ。  公式サイトのあらすじにもありますように、ヒロインを軸として人と人との繋がりが描かれていく物語ですが、全ての出演者がヒロイン同様に軸となっていく構成で、それぞれに感情移入出来る感涙の物語でした。
[試写会(邦画)] 8点(2024-10-09 16:08:26)
31.  パラメディック -闇の救急救命士- 《ネタバレ》 
なんとも恐いと言うか愚かと言うか、おぞましき物語ですね。ストーカーここに極まれりといった感じ。  ただ、よくよく考えると結構無理がありますね。車イスにやっと慣れて来た彼が、神出鬼没に行動していくらスレンダーとは言え彼女をベッドまで運んで拘束したりして、どんだけ時間かけてんだろう?みたいなアリエネー感は多々ありますし、野暮なことを言えばそもそもどうやって生活維持(経済面や家事雑事等々)してんだ?みたいに。  終盤、いくら正当防衛だとしても重要容疑者の彼女があっさり殺人犯の彼の病室に入れて、しかも引き取りを許可されるというあり得ない設定。結構啞然モノですが、結末に繋げて締めるには致し方ないと言ったところでしょうね。  救急救命士としてのスキルやコネを超利己的な犯罪に使いまくるという、日々必死に活動している救急隊員に対して極めて失礼な作品ではありますが、ラストの主客逆転の恐ろしさに意外性と爽快感も感じたりして甘めの6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-09 15:52:09)
32.  告白 コンフェッション 《ネタバレ》 
大学在学中の悲劇を共有し親友として生きて来た浅井とジヨン。でも待てよ?そもそも何故ジヨンはさゆりを殺そうとした?横恋慕とは言え愛していたのでは?彼女に馬鹿にされたと思ったから?衝動的な殺意にまで及ぶ感情?また、その一方で、浅井は恋人のさゆりの死をどうやって受け止めてどうやって克服したのかをジヨン以外の周囲にどのように理解されていた?17年前の事故の在りようと言うか顛末が今ひとつスッキリ入って来なかったです。  ところが一転、終盤の浅井の告白によって全てが腑に落ちます。二人の男の二つの告白。命を諦めた瞬間に一人が封印を剥がし、それによってもう一人の封印も剝がれていく。緊張感溢れる展開と演出は見応え十分でした。空想の産物とは言え、ジヨンのシャイニングばりの錯乱ぶりには鬼気迫るものがあります。二階と一階での鬼ごっこ&かくれんぼ状態はちょっと可笑しかったですけれど。  短い尺にみっしりと納まったサスペンスとミステリー。いろいろな作品を観て来た後では意外性には欠けましたが(特に浅井の告白)、短い尺でキッチリ纏められた佳作に7点献上します。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-10-09 15:37:20)
33.  ヘル・ディセント 《ネタバレ》 
ナチスとか旧ソ連とかを持ち出した秘密の研究施設という設定はかなり使い古されている感が否めませんし、それが地下施設というのも定番。恐ろしい研究からマッドサイエンティストが作り出した怪物、というのも同じく定番ですね。  ただし、本作は地下から逃げ出すことが出来ないままに一人ずつ犠牲になっていき、最後は主人公と怪物の一騎打ち!みたいな定番スタイルではなく、一旦は襲われて負傷しつつも地上に脱出し、新たな仲間たちとともに地上戦を繰り広げる。そして、僅かな戦力となっても怪物の撃滅のために再び地下へと攻め入る、という3回戦マッチ的な展開はスリリングで緊張感が途切れることなく楽しめました。お約束的ではあるものの、きちんと人間ドラマが盛り込まれているところも好感です。6点よりの5点を献上します
[インターネット(字幕)] 5点(2024-10-09 15:12:39)
34.  私を殺さないで 《ネタバレ》 
不慮の死を遂げた女性が、蘇生した後は不死身の体と戦闘能力を身に着けたものの、その維持のためには生きた人間を食いつないでいかなければならないというお話。ゾンビのようでいて確かな人格は保っているのでバンパイアのようでもあるヒロイン。しかも、彼女のような存在は数多く、その存在の抹殺を図る秘密結社まで登場するという、何だか既視感に溢れるとともにテーマ性が今ひとつ不明な作品。  そして、ゾンビ作品的グロさとバンパイア作品的なエロさを存分に兼ね備えている作品でもあります。特にエロさの部分は結構強めで、ヒロイン役のアリーチェ・パガーニさんが惜しげもなく晒す美しい裸体と、イケメン扱いながら賛同しかねる彼氏(イタリア人との審美眼の相違か?)とのセックスシーンばかりが印象に残りました。アリーチェさんのことは良く知りませんが、この手の演出のある作品に多数出演しているのでしょうか?そうでなければ何故この作品で所謂「体当たり演技」を受けたのか理解に苦しむところです。  エンディングは、ヒロイン生き残りました、さてこれからどうなるのでしょう?的で、シリーズもののパイロット版風な結末です。シリーズ化されたのかは知りませんが、何故ヒロインのような存在が生まれるのか?何故それを根絶させようとする勢力が存在するのか?といった物語の根幹部分が明かされないままで今ひとつ製作意図が解らない作品。とは言え、スリリングな展開とおどろおどろしい色彩で退屈することなく鑑賞は出来ましたので4点献上が妥当かなと思った次第です。  ちなみに、タイトルは私には理解出来ませんでした。深い意味があるのでしょうか?本作からは読み取れませんでした。
[インターネット(字幕)] 4点(2024-10-09 14:54:00)
35.  ゾンビ・サステナブル 《ネタバレ》 
前作は強烈なインパクトをもった異色のゾンビ作品でした。本作についても全く同様の視点でゾンビを描いています。  ポイントのひとつはゾンビが放つガスをエネルギー資源として活用していること。なので、邦題の「サステナブル」は何を今更といった感があります。相変わらずユニークで楽しいアイディアではありますが。  そしてポイントのもうひとつは、感染してハイブリット化するとゾンビを意のままに操れるようになること。これもある意味「サステナブル」ですね。死者(正確には感染者?)であっても再利用して戦力にする。既視感がないでもありませんがこれまた相変わらずユニークです。  もっとも、予告編でドカーンと出ていた「SDG's」は、真面目に取り組んでいる人たちからは怒られそうな気がしますが…。  結局、マッドサイエンティストは気付いてしまったわけですね。ゾンビ化を防ぐのではなくゾンビを再利用して(操って)こそ、この荒廃した世界を生き抜き支配する最良の選択なのだと。そのあたりを若干過大評価すれば、今まさに世紀末化しつつある世界に対する警鐘となるべきテーマ性を有した作品、と言えなくもないような気がしますが、やはりそれは過大評価とも思えたりして。  前作ほどの強烈なインパクトはなく焼き直し感は否めませんが、スピーディで容赦ない展開と短めの尺によって、本作も大いに楽しめた次第です。6点献上します。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-07 23:53:08)
36.  座る女 《ネタバレ》 
かなりの低予算と思われ、特殊効果を殆ど使うことなく一軒の日本家屋(千葉県内のようです)を舞台に撮り上げた作品。はっきりと目の前に居続ける幽霊(最後まで観てからよくよく考えれば死蝋化した死体と思われるのだけれど、移動するのだからやっぱ幽霊?)という発想は新しいかも。しかも、それを警察に通報することもなく、かと言って学術的に研究することもなく、ただ見世物にしようとする(モーリスにしてみれば研究資金を得るための収益事業と考えていた節はあるけれど、それだって歪んだ発想)というのも新しいかも。豪華キャストに頼ることもなく日本ロケ敢行、というのも新しいかも。つまりは、B級ホラー的テイストながらも見るべき点はいろいろある作品、と言って良いのではないかと。  シンプルに纏めれば、行方の知れない家族の帰りを待ち続け、祈りを捧げるうちに絶命した霊能者の怨念の物語。悪霊や悪魔が登場する洋画ホラーではなく邦画ホラー的アプローチ(かなり邦画の影響を受けているようにも思えますが)に徹した作りは好感が持てます。が、どうにもチープ。意欲作とは思うのですが、仮令低予算でももう少し丁寧な作り込みが欲しかったところです。決して称賛は出来ないまでも、興味を抱かせてくれた異色のホラーに甘めの5点献上です。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-10-01 17:57:25)
37.  AWAKE アウェイク(2021) 《ネタバレ》 
人間本当に一睡もしないと3日ももたないのか~。脳が腫れてしまうのか~。それにしても辛そう。 このお母さん、元軍人だけあって強靭な肉体と強靭な精神で突然の難局に適切かつ迅速に対処…出来ないんだ~。最強ヒロインって訳じゃないんだな。まぁ、実際にこんなことが突然起きたら誰だってパニくるだろうし、混乱の極みから判断もミスるだろうな~。しかも眠れてないし。  などと、冒頭から我ながら意外にも作品世界に入り込んでしまいました。  電力喪失と睡眠不能の原因については、ほぼ触れずに物語は進んでいきます。そのあたりの潔さは好感。家族の物語としてのテーマを殆ど掘り下げないところにも好感。短めの尺で一気に展開していくためには重要と思われるところさえも削ぎ落したのは正解に思えました。  (この後は超ネタバレ) 強いて言うならば、未来への希望に繋がるだろうとは思えるものの、娘の睡眠能力維持は仮死状態からの蘇生と判明し?(推測し?)瀕死の母親を水に沈める兄妹って、仮令確信があったってそんなん出来る?一般人の青年と少女が?てか、人類を救う手段がそれ?みたいな感がして、強力な力技で締めたのは、そもそもの異常事態の原因を曖昧にしたから無理無理纏めちゃったのでは?と思えてしまいました。  とは言え、奇抜な設定とスリリングな展開は見応えあり。迷いつつ7点に近い6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-01 17:23:23)
38.  君への誓い 《ネタバレ》 
実話を元にした、と聞かされると中盤過ぎまでの展開はあまりに切なく悲しいです。事故の前までのラブラブ度から一気に赤の他人へと突き落とされる感覚。平常心を保つのはキツイですね。そのあたりの二人の感情の移ろい加減が上手く表現されていて、いつの間にやら感情移入していました。  本当の愛を得るためのハードルだったのか?あまりにトントン拍子に恋に落ちたツケが来た?そんなこともないでしょうけれど、さらりと語られる後日談で現実の二人がその後幸せな人生を歩んでいると聞かされ、エンドロールまで感情移入が続いていた私としてはホッとして胸をなでおろした次第です。  幾分性善説的に過ぎる感もありますが心温まる良作、7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-10-01 00:37:56)
39.  ビューティー・インサイド 《ネタバレ》 
以前から気になっていた作品をやっと鑑賞。アマプラ、残り20時間切ってました。  いや~、ヤラレました。この奇想天外なファンタジーをファンタジーじゃないかの如く真正面から叩き込まれては、ホラーやサイコサスペンスやサメ映画が好物なくせにラブコメやお子ちゃま向けアニメで涙腺を崩壊させてしまう私はひとたまりもありませんでした。しかもヒロインがストライクゾーンにピンポイントでド真ん中。もう何も語らずして10点献上したいぐらいです。  とは言え少しは中身の感想を。ファンタジックなラブコメのスタイルで作られた本作品。けれども至極全うに大真面目に作られている作品。人間の本質、愛の本質に変化球と見せかけて大上段から切り込んでいる、ある意味硬派な作品とも言えそうです。  そもそも姿形は観る者が想起するもの。他者は勿論のこと鏡に映せば本人でさえ同じこと。例えば私が面と向かって見ている丸顔で浅黒い肌の男性がいたとして、同じ場にいる友人が同じように見ているかどうか。もしかしたら細面で色白な男性に見えているかも知れない。流石に性別や人種まで違って見えることはないとしても(否、あるかも知れないけれど)、同じに見えているかどうかは誰にも証明出来ないでしょう。もっと単純に、同じ赤い色のクルマを見ていたとして、私の見ている赤色が同時にそのクルマを見ている他人の見ている赤色と全く同じと誰が言えましょうか?極端な話、私が赤と思っている色は他人には私の定義するところの白に見えているのかも知れない訳で、色をコードで認識したところで結果は同じ。突き詰めれば自分自身にしか判らないわけで(否、自分だって解ってないかも)、見た目に普遍性などないに等しい、と常々思ってたりします。  と、少々勝手に屁理屈を捏ねさせていただきましたが、毎日変わる姿形に囚われている限りは混乱し疲弊し愛など育めないでしょうけれど、本質をもって受け入れればそこには純粋な愛しかないのだ、といったテーマ性を感じた訳です。  現実的に考えてしまうとあちらこちらに無理があるのは止む無し。そもそもの設定に超無理があるのだからこの際細かなことには目を瞑るべきですね。エンドロールでのダブルハッピーエンドは、同時に二人の未来も示唆しているトリプルハッピーエンド。繰り返しになりますが、これはヤラレました。満点献上です。
[インターネット(字幕)] 10点(2024-09-30 00:05:09)
40.  ワン・モア・タイム ~あの日、あの時、あの私~ 《ネタバレ》 
全体的に色遣いが華やか。アメリアの18歳ファッション(女友だちも含めて)とか部屋とかパーティー会場だとか、所謂サイケと言うか2002年っぽくないな~、もうひと昔ふた昔前の色かな?と言うイメージですけれど、当時のスウェーデンってこんな感じだったのでしょうかね?  クルマに轢かれたショックでタイムスリップ&ループという仕掛けは目新しくないですし、何度も何度もやり直してもそこから抜け出せないというのも定番的。ただし、やり直せば結果は変わる(必ずしも良くはならない)んですけどね。それでも抜け出せない。じゃ、一体どうすれば?  割と早めに彼女は気付くんですけどね、幼馴染のフィオナの存在に。けれども正解は得られない。てか、自ら正解を遠ざけてるって感じ。その辺の二人の駆け引き的な部分がちょっとしっくり来なかった感じはします。もどかしいと言うか。ま、そこんところが本作の肝ですのでササっと進んじゃいけないのは解りますけれど。  誰だって後悔してることはいくつもあると思う(自分と他人を一緒にするなと言われそうですが)のです。肝心なのは自分中心の、自分にとって良くなることだけを考えた後悔ではなく、キチンと大切な人と向き合って、その人の身になって自らを戒めねばばいかんのだよ、ということなのでしょう。そんな当たり前のことを改めて指し示している作品だと思いました。  ラスト、アメリアとフィオナに芽生えた(思い出した?或いは気付いた?)のは真の友情なのかそれとも恋心なのか。傑作青春映画、ラブコメ作品とまでは言いませんが、観終わってみて思わずホロっとさせられる佳作でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-09-29 14:12:17)
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