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21.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
これは間違いなく満点の大傑作です。とにかく脚本が素晴らしくて映画の基本である優れた脚本の元にシドニー・ルメット監督の演出が冴え渡る。ラストシーン以外はカメラは一切、裁判所の外へは一歩も出ず、12人の陪審員、それぞれの人間性を緊張感たっぷりに描いており、観ていて物凄く引き込まれる。全くと言っていいほど非の内所のない見事なまでの完成度!その構成の見事さはそこらへんの下手くそなアクションものを観るよりもずっと充実した時間を味わうことが出来ます。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-29 19:42:04)
22.  幕末太陽傳 《ネタバレ》 
川島雄三監督の才気溢れる才能が見事に発揮され、古典落語として有名な「居残り佐平次」「芝浜」「品川心中」などのネタを取り入れどこか良き昔のアメリカ映画の喜劇を感じさせるテンポの良さとセンスの良さと主演のフランキー堺の神懸り的な演技とでも言いますか?名演あって見事なまでの作品に仕上がっています。その他脇を固める俳優陣もそれぞれが持ち味を十分に発揮して、観ていて本当に楽しい映画です。それでもってただ楽しいだけでなく哀愁漂う雰囲気いっぱいでいつまでも心に残ります。落語をネタにこれだけの完成度の高い作品を作った川島雄三監督を始め、出演者、脚本家、その他この作品に関わった関係者全員に拍手!文句無しの10点です。それにしてもこの映画の中での芦川いづみも何という可愛さだ!あんなにも可愛い芦川いづみとならわたしゃ一緒に牢屋に閉じ込められても平気でございます。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-05-29 08:25:01)
23.  草の上の昼食(1959)
扱ってるテーマからは想像出来ない不思議な魅力が沢山、詰まっている。人工受精に対する教授の考え、惚れた女性を見る目付き、ルノワール監督の描くドタバタコメディは相変わらず面白い上に出てくる女性が毎度ながら美しく描かれている。美しく描かれているという意味では女性だけでなく、全ての場面、場面の映像の美しさには眼を奪われる。ヒロインが水浴びするシーン、水の色、空の色、流石、一流の画家を父に持つだけはあるルノワール監督、この監督の映画はどの作品を見ても美しい。今作の中では特に赤が印象に残る。絵が動いているかの様な錯覚さえ覚えるのは毎度ながら感心させられれる。この監督の映画、今のところ見た映画、全くもって外れが無い。全作品見たい。
[DVD(字幕)] 9点(2018-12-05 19:42:49)
24.  眼には眼を 《ネタバレ》 
絶望という言葉がこれ程までに感じる。当てはまる映画は無い。それぐらいこの映画には絶望的、極限状態の中で人はどういう行動をするか?考えさせられる。理不尽な復讐の中で人間の絶望に対する意識、考え方、妻を助けてもらえなかったからという理由で妻を助けなかった医師への恨み、親切の様に見せかけてはどんどんと追い詰めていくボルタクの凄まじさ、砂漠を歩き、ひたすら歩き、喉が渇いて水が欲しいという先生へ、水の入ってない水筒を渡したり、井戸があると言って目的地と反対の方へ連れて行ったり、しかも、そこには水など無い。何という復讐の凄まじさ、あの広大な砂漠の中で2人の他には誰も居ない。助けを求めても無駄である。ボルタクに何とかして、目的地であるダマスクの街への行き方を聞き出したものの、その向こうに見える気色は砂漠、砂漠と果てしなく続く景色、ボルタクの高い笑い声の不気味さと空を飛ぶ鷹、全てがこの映画の恐さ、恐怖を表している。もう、ボルタクは死んでしまい、残されたのは自分一人という絶望、人間の絶望への道、凄まじい程の広大な砂漠の景色、正に地獄とはこの事だ!この映画そのものが地獄である。人間の恨みと復讐からは何も生まれないという事を描いた凄い作品!
[DVD(字幕)] 9点(2017-05-24 20:16:14)(良:1票)
25.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
いやあ、凄い!流石はワイルダー監督作品だ!社会に対する皮肉、新聞者の実体、人間のわがままぶりを見事に描いている。洞窟内で死んでいく男の女との終盤戦の攻防、女の首を絞めた後に刺され、それでも最後まで己の信念を貫き通して元の新聞社で倒れるカーク・ダグラスの演技の凄さ、ワイルダー監督、何を撮ってもどんなジャンルの映画を撮っても平均点以上の映画にしてしまうのが凄い。ワイルダー監督の作品の中にあって、知名度の少ない作品ではあるけど、今時の社会派の映画ではなかなか味わえない素晴らしい傑作!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-11-27 20:19:31)(良:1票)
26.  ピーター・パン(1953)
最近、また昔、子供の頃に観ては楽しんだディズニーのアニメ、それも最近のではなくて、昔の作品を見直したりしている。勿論、この「ピーターパン」もそんな中の1本であるが、今、観てもやはり楽しめる。そして、やっぱり大好きな作品であることに変わりはない。ピーターパンとフック船長のやりとりも面白いけど、フック船長とワニとのやりとりは本当に笑えて仕方なく、何度観ても全く飽きることがない。ところでこの映画、山田洋次監督はもしかして?大好きなのかな?と思ってしまいます。タイガーリリーってあの名前は渥美清演じる寅さんと浅丘ルリ子演じる松岡リリーを想像してしまう。もしかしたらこの映画の中のタイガーリリーから頂いたのでは?違うかな?それはそうと、とにかく私はこの映画を観るといつまでも子供の頃の純粋な気持ちというものを大人になっても持ち続けていくことがどれほど素晴らしいことか教えられる気がします。
[DVD(吹替)] 9点(2011-04-19 21:22:11)(良:2票)
27.  ピカソ-天才の秘密 《ネタバレ》 
何?ピカソの映画だと?ただ絵を書いてるだけだろ!と思うかもしれないけど凄いぞ!一瞬足りとも眼が離せない。絵が一つ一つ違って見えてくるその画き方も凄いし、出来上がったかと思ったらその絵がこれまた別の形として現れてくるあたりの凄さ、面白さ、ピカソが描いている所を裏から撮影しているカメラワークの巧みさ、色んな意味で何だか凄い作品を見てしまったような錯覚に陥る。ただ絵を書いているだけなのに何故これほどスリリングなんだ?恐るべし!クルーゾー監督!この監督、全くと言って良いほどハズレがない。しかもどの作品も傑作ばかりだ。これまた凄いドキュメンタリー映画を見てしまった。
[DVD(字幕)] 9点(2011-01-12 22:37:10)
28.  白蛇伝 《ネタバレ》 
日本で初の天然カラーアニメとなる本作!これは凄い。普通、アニメと言うと出てくる人物、動物など皆、違う人が声を担当している。中には一人で二役てのもあるけど、このアニメは一人二役所ではない。ピーター・セラーズもびっくりの男の声は全て森繁久彌、女の声は全て宮城まり子とたった二人で全ての声をこなしている。たった二人の声だけで一本のアニメ映画を完成させている。何と言う凄さ!凄いのは何も声だけではない。今から五十年近くも前の作品なのに、古さを全く感じさせない。昔、子供の頃に観て楽しかった「まんが日本昔話」のような世界観、懐かしくて、だけど、とても新鮮!若い男女の恋物語、底に絡んでくる大勢の動物達のキャラクターも面白くて可愛い。タイトルにある白蛇になってしまっている愛すべき男を助け出そうとする女の優しさ、強力しあう動物達、妖怪だろうが、人間だろうが、動物だろうが、皆、優しい愛情に包まれている。何とも心温まる優しい映画である。このアニメ、間違いなく手塚治虫や藤子不二雄、宮崎駿、いやいや、日本中のアニメ作家、漫画化に大きく影響を与えている。漫画が日本文化であるように、アニメも日本の文化の象徴!絵が動くということの面白さをそれまでは黒白でしか表現できなかったものをカラーという初の試みで見せてくれている。いや、魅せてくれている。このアニメ映画の成功があったからこそ今の日本のアニメがあると言って良いだろう!とにかく素晴らしいアニメの傑作です。それにしても森繁久彌の声はいつ聞いても良いなあ!声だけで直ぐに森繁久彌と解る。俳優としても勿論だけど声優としても素晴らしい。日本映画は本当に惜しい人を失ったと思う。
[DVD(吹替)] 9点(2011-01-08 21:52:53)
29.  人間魚雷回天 《ネタバレ》 
映画の前半で木村功の玉井少尉が叫ぶ、声に出して言う「死ぬのは怖くないのか?」「俺は怖い」というあの場面、戦地で亡くなった被害者の写真をバックにして本心を語る所などは人間の本音の部分、思っていることの全てをぶちまけている。誰だって戦争になんて行きたくもないし、戦争なんて無ければ良いのにと思っていても声には出して言えないのがこの当時の状況であるように感じるし、それは玉井少尉だけでなく、他の人間も皆、同じである。宇津井健の村瀬少尉が亡くなったと思われていたのに、生きて帰ってきたと知った時の仲間の姿には彼ら全員の思いが伝わったからこそ生きてこれたと思えるぐらい仲間への意識、それが戦争という中で生まれる人間としての優しさなのではないだろうか?加藤嘉と岡田英二の二人の会話の中での岡田英二の「戦争は人間が始めたものであり、終わらせるのも人間である」というような台詞がこの映画を通して松林宗恵監督が最も言いたかった部分であるように私には思えた。この岡田英二の言葉こそ時代に関係なく、世界中の人々へと聞かせてやるべきであるように思うし、また、戦争というこのあってはならない中で恋人との悲しき別れと再会のどちらも経験し、だからこそ「俺は死にたくない。戦争は怖い。」と訴える玉井少尉(木村功)の言葉の重みがひしひしと伝わってくる。この映画は戦争映画だけど、恋愛映画でもある。色んな意味で人間の本音、仲間意識、その他人生に対する悲しみもあれば喜びもあるし、だからこそ人は人として大きくなれるのだというそういう力強いメッセージを感じさせられる映画であるし、松林宗恵監督自身が戦争を経験しているからこそここまで描ける作品である。日本人ならいや、世界中の人に一度は見て欲しい映画でもある。
[DVD(邦画)] 9点(2010-08-12 08:44:49)
30.  長い灰色の線 《ネタバレ》 
ジョン・フォード監督と言えば西部劇というのが一般的な意見かもしれないが、こういうヒューマニズム溢れる優しさいっぱいの人間ドラマを撮っても上手い監督である。これはその上手さを見せてくれている素晴らしき映画である。タイロン・パワーが隊長に殴られるシーンをその後、後輩に対して真似しようとして、殴られる下りの可笑しさ、モーリン・オハラとの喧嘩も何故か楽しい。一方で二人が結婚し、子供にも恵まれる。一見、どこにでもあるような普通の生活をと思わせるものの、そうはいかない。戦争により身近な人達も死ぬ。波乱に満ちた一人の男の人生の中に見える優しさ、希望に満ちたラストの大行進、最後に亡くなった人達が現れて一緒に挨拶するシーンには目頭が熱くなり、ジョン・フォード監督らしい人間的な演出で見せてくれる。これほどの傑作なのに、見た人が少ないのかな?たった三人って?もっと多くの人にこの映画の素晴らしさを私は訴えたく書かせてもらうことにした。ジョン・フォード監督の西部劇の中に埋もれてしまっているような気がして何とも残念である。とにかく声に出して言いたい。ジョン・フォード監督が何故、多くの監督に尊敬されるか?映画ファンの間にもファンが多いのか?これを見れば納得するはずである。ジョン・フォード監督だからこそ描ける人間ドラマの傑作!であると共にジョン・フォード監督にしか描けないそんな映画でもある。
[DVD(吹替)] 9点(2009-11-25 21:41:17)(良:1票)
31.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
やったあ!近所のレンタル屋さんには置いてないし、売ってもいないからAmazonで買うことにして、昨日お願いしといたのが今日の夕方に届いた。いや~これは本当に傑作です。既に皆さんのコメントがあまりにも素晴らしいので、これ以上何を書けば良いのやら?とにかくオープニングからこれぞ西部劇ていかにも雰囲気、あまりにもかっこ良くてしかもやたらと哀愁漂うメロディ、そんな素晴らしいメロディが流れる中、空にそびえる白い雲、画面の遠くから画面手前へと沢山の馬に引かれながら馬車に乗ってやってくる男達、大量の牛の群れ、これこれこれです。西部劇てのはこれですよ。煙の立ちこむ中での男達が言葉も言わずに視線だけ交わしている。最初に言葉を発する男、ダンの渋さとかっこ良さ、一見二枚目でどう見ても正義のヒーローぽいこの俳優グレン・フォードに悪役をやらせるというその着目点が良い。そうそう、ぐるぐるさんが書かれているあの場面、良いねえ!酒場でのシーンの女エミーを前に大勢の男達がやって来て酒を飲むシーン、ここでの男達の煙草の吸い方までやたらかっこ良くて、かっこ良い代表と言えばダンの男の優しさ、更にそんなダンを最後は自らの命、危険を承知の上に守って列車へと乗せて消えていくベン、二人(ベンとダンを乗せた汽車、それを見送る奥さんと保安官、そこで空からの大量の雨、まるであの雨が二人のその後の幸せを祈っているような何とも言えない気持ちの良さ、気持ちの良い男二人の友情と女性達の美しさと美しいメロディ、モノクロの画面もこれまた素晴らしい。それにしてもこれほどの傑作なのに私を除いて7人しかコメントがないなんて、勿体無い。もっと多くの方に見て貰い、昨日から関東エリアでは公開中のリメイクを見た人、そうでない人、これから見ようと考えている人達にもみんなに見て欲しい。そして、西部劇の素晴らしさを体験して貰えたらと思う。皆さんのコメントが本当に素晴らしすぎて私にはもう皆さん以上の素晴らしいコメントを書くことが出来ないが、とにかく素晴らしい映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2009-08-09 21:13:53)(良:1票)
32.  旅情(1955) 《ネタバレ》 
中年の男女の話なんて、どこにでもあるような話であるがここまで素晴らしくしているのはデビッド・リーン監督の素晴らしい演出無くして考えられません。赤いベネチアン・グラス、サンマルッコ広場に鳴り渡る楽隊の響きや大きく聳え立つ鐘、スクリーンいっぱいに舞い上がる鳩の群れ、ベニスの美しい町並み、青い海の美しさ、大空に鳴り響く花火の美しさなど、とにかくどの場面も一度見ただけでいつまでも心に残ること間違いなしの美しい映像美があればこそである。前半はジェーン(キャサリン・ヘップバーン)がカメラを手にベニスの町並みを写真に収めるなどして楽しんでいる姿を見て私達も彼女と同じように旅行している気分にさせられる。ところがそんな彼女がサンマルコ劇場で後ろにいた男との出会いから話は変わっていき、しかも、その男のことが気になり、遂にはどうしようもない気持ちになってしまうその心理状況をキャサリン・ヘップバーンは見事な演技力で見せてくれてます。心の微妙な心理状態を表しているかの如く、監督の計算なのか?ジェーンの服装が変わる様子はまるで女性の揺れる気持ちを表しているみたいだし、ラストのあの駅の別れの場面での白いくちなしの花、届きそうで届かない。あと少しという所で手にすることなくレナードとの別れを済ませた後のジェーン(キャサリン・ヘップバーン)のあの晴々として気持ちの良さそうな表情にイタリアに来て良かった。辛いこともあったけど、それよりも楽しかった事の方が多かったと言っているようである。素晴らしいラストといい、タイトルの「旅情」なんてこれまた正しくその名の通りの素晴らしい映画である。恋愛映画の名作と呼ばれる作品の多くは同じイタリアが舞台の「ローマの休日」を代表するように愛した相手の幸せを自分の事よりも考えて自ら身を引くケースが多く、この映画のジェーンもそうです。愛した相手には奥さんがいる。その事をきちんと解っているから別れる事を決意し、ベニスから離れる事を決意して帰っていたのである。そういう品の良さを感じさせる映画を撮れるデビッド・リーン監督は素晴らしい監督である。
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-08-03 22:20:40)(良:1票)
33.  彼奴(きゃつ)を逃すな
こいつは面白い。知り合いからのオススメ映画てことで以前、CSで放送したらしいのを録画してあるというビデオを借りて来て見たけど間違いなく傑作!まずは木村功に志村喬に土屋嘉男に宮口精二、何たるメンバー!この名前を見て真っ先に黒澤明監督の「七人の侍」を思わずにはいられない。そこにきて、津島恵子である。もうどう考えても「七人の侍」しか最初に浮かばない。オープニングの電車に合わせたかっこ良いタイトルの文字、そして物語は前半は犯人の姿が解らない、見えない犯人からの脅迫に怯える恐怖に後半は目の前の犯人がいる中でのどうやって逃げだそうかという緊張感、とにかく最初から最後までダレることなく進むのでハラハラしっぱなし!それにしても、津島恵子の可愛いこと、可愛いこと!この監督、噂には聞いていたけど他にもまだまだ凄い作品が幾つもあるらしい。中でも私は司葉子主演の「その場所に女ありて」が見たい。物凄く見たい。まあ、それはさておき、この映画の緊張感は最近の映画じゃなかなか味わえない本物の映画俳優達による演技合戦と凌ぎ合い、モノクロの画面と汽車の走る瞬間の揺れ動く木造の家だの、そしてこの時代の庶民の暮らしぶりも味わうことも出来て、とても興味深く見る事も出来た。しつこいようだが傑作!傑作!こういう作品こそ多くの方に見て欲しいし、見せてあげたい。DVD化を希望!こんな傑作を眠らせておいては勿体無い。 
[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-22 22:17:11)(良:1票)
34.  流れる 《ネタバレ》 
いや~何たる豪華な顔ぶれだ!山田五十鈴のおかみさん、その娘に高峰秀子って、何つう親子だ!他にも常に控えめな田中絹代に小津監督の作品の常連でもあり、相変わらずぶりな芸達者ぶりを披露している杉村春子にいかにも岡田茉莉子って雰囲気の岡田茉莉子、それは岡田茉莉子に限らず、山田五十鈴も高峰秀子も田中絹代も杉村春子も演技なのか?それとも本人そのものなのか?と思わせるほどの素晴らしさ、そんな素晴らしい演技を引き出す成瀬巳喜男監督の凄さ、芸者の世界に生きる女性達の時代に流されながらも逞しく生きる姿が描かれている。そんなこの映画の本当に凄い所は、芸者の話なのにお座敷のシーンを全く描かずに芸者の世界で生きることがいかに難しく、厳しいかを描いて見せている。本当に凄いことだと思います。川を流れる水の音のような静寂しきった乾いた空気、それこそこの監督の持ち味なのかもしれない。ラストにこれまた水の流れる川を映す。そして、そんな川にまるでこの映画のタイトルの「流れる」のように流れて見える船を映して終わる。終わり方もこれまた成瀬巳喜男監督は本当に余韻を残すことに成功している。やはり凄い映画だ。間違いなく傑作です。
[DVD(邦画)] 9点(2007-11-25 18:30:26)
35.  楢山節考(1958) 《ネタバレ》 
凄い!このリアリズム、恐るべし映画です。全編歌舞伎の世界を思わせる映像美と相成って日本の伝統を感じる音楽に乗せて描かれる何とも恐るべし映画です。この映画の舞台となっている長野県姨捨山、地元なもので勿論、知ってるし、あの山にも登ったこともあるけど、あの山の雰囲気そのものをここまで見事に作り出した素晴らしいセットと映像美に木下恵介監督らしいヒューマニズムとが見事に融合した傑作になっている。まず何よりも田中絹代の演技が本当に恐ろしいほどの凄み、殺気を感じる。この映画の為に本当に歯を抜いてまで望んだというその役者魂にはこれぞ本物の映画俳優としての凄さを見せ付けられた思いでいっぱいです。そんな田中絹代の母を姨捨の山に捨て、雪の降る中、「おっか~」と叫ぶ息子の姿とそれを雪に打たれながら息子との別れをけして、悲しもうとはせずにいる田中絹代、ラスト、今でも実際にある「姨捨の駅」と走る列車を映し出すあの場面には涙が止まらない。これもまた間違いなく木下恵介監督の代表作品であり、そして、日本を代表する傑作間違いなしのとにかく凄い映画です。
[DVD(邦画)] 9点(2007-11-06 22:06:12)(良:1票)
36.  驟雨 《ネタバレ》 
やったあ!これもまたまた観ることが出来た。成瀬作品と溝口作品なら以前、CSで放送した際に全てビデオに録画してあるという親戚に借してもらって、今朝、早くから観たけど、いやあ、笑える。笑える。これも見たいのに、近所のレンタル屋にはない。何故だ?そんなことよりもまずは原節子が上手い。しかも、思い切り笑わせてくれる。姪の香川京子が汽車の中で夫に日本地図を無理やり書かされ、折角書いたのに夫には「キュウリか?」と馬鹿にされたと言われ、それを聞いていた原節子が今にも噴出しそうなのを堪えながら「酷いこと言うわね」ていうシーンがやたら可笑しくて笑い過ぎて涙出てきた。参った。参った。原節子には本当に参った。他にもこの映画でも同じ成瀬監督の「おかあさん」同様、香川京子が可愛い。夫の口調を真似する所のあの可愛さときたら忘れらなくなりそうです。そのぐらい本当に可愛い。二人の女優の演技を見ているだけでもやたら笑えて、清々しい気持ちになれる。その他では男優陣に眼を向けると小林桂樹が抜群に良い味を出している。相変わらずひょうひょうしていて見ていて楽しい。作品全体を包み込む何ともユーモラスな会話とやりとりにまたまた成瀬巳喜男監督にやられた。あぁぁぁ、これもDVDで欲しい。とにかく楽しくて楽しくて、あっという間に終わってしまった気がする。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-01 10:12:19)(良:1票)
37.  青空娘 《ネタバレ》 
若尾文子、若尾文子、一に若尾文子、二に若尾文子、三四が無くて、五に若尾文子です。いやあ、これはとにかく若尾文子に尽きる。話としての面白さや完成度では他に素晴らしいものがあるけれど、若尾文子の魅力が一番描かれているという意味ではこの映画が最高だと思う。こんなにも可愛い若尾文子の前にはどんな男もノックアウト間違いなし!オープニングの若尾文子のセーラー服姿に萌え~!そして、青空の下で元気良く振る舞う若尾文子に萌え~!そんな若尾文子が父と別れたままでいる母親探しの旅に出る途中で色んな人と出会いながら母との再会を得るのだが、あの最後の方で一番、悪いのは父親であるはずなのにただ笑ってるだけの駄目な父親に対してのさよならを言うシーンでの見事なまでのやりとり、私の思ってること、言いたいことをあれだけずばずばと言ってくれるもんだから、たまりません。母を苦しめ、姉や兄など家族をも苦しめている一番駄目な父親への強烈な一言に気分爽快!そして、婚約者との二人で海を眼の前にして「さようなら~青空~」と叫ぶ姿に、正しく青空の元、元気いっぱいな若尾文子の魅力がいっぱい詰まった何とも観ていて本当に気持ちの良い映画!この映画を観るまでは川島雄三監督の「女は二度生まれる」の若尾文子が一番、可愛いと思っていたのに何と言うことだろう!可愛いという意味では文句なくこの映画の若尾文子が一番です。本当にタイトル通りの「青空娘」そんな若尾文子に私は完全にやられてしまいました。これを観ずして、若尾文子を語るなかれ!若尾文子ファンはとにかく必見です。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-11 10:12:49)(良:2票)
38.  わが町(1956) 《ネタバレ》 
東北は青森県生まれの川島雄三監督が大阪の世界をどんな風に描いているのか?どうしても見たくて仕方がなく現在東京では川島雄三監督の映画の特集をしてるのたが、東京まで観に行くことは出来ない。そんな訳で思い切ってDVD購入してしまった。どうしよう?もし、つまらなかったら期待外れに終わったらどうしよう?そんな思いもこの映画を見て完全に消えた。川島雄三監督と言えば奇想天外な作品ばかりで当り外れの激しい事で有名だが、この「わが町」のような心温まる人情劇もきちんと描けるということを見せてくれた。話としてはとても長い時代の物なのにそれを川島雄三監督らしいテンポの良さと時代を読み取る観察力の鋭さでこの時代の風景、雰囲気をきちんと描いている。また登場人物にしても誰一人として疎かにはせず、それでいて、僅か1時間半とい短い時間で描ききっているのも素晴らしい。 主演の辰巳柳太郎は勿論のこと、中でも一人二役の南田洋子の美しいこと。あっ!稲垣浩監督、阪妻主演のあの名作「無法松の一生」が好きな人は楽しめる筈です。この映画を観て大阪が益々好きになった。やはり大阪が舞台の映画は良いねえ!最後のあの場面、プラネタリウムのシーンでの辰巳柳太郎演じる主人公、他吉の死に顔は涙が止まらず!最後の最後まで人情深く熱い男ぶりを見せて死んでいった他吉の姿にこれぞ男の中の男を見たそんな思いでいっぱいになりました。
[DVD(邦画)] 9点(2007-06-24 21:33:42)(良:1票)
39.  貸間あり 《ネタバレ》 
この作品、どうしても観たくてDVD買って観ました。今の所、まだレンタル化されてない。そんなこの作品を観て思ったのは川島雄三監督の作品って、どの作品を観ても、本当に変な奴ばかり出てくる。この作品もそんな変人ばかりの作品ですが、人間の持っている欲望からくる哀しさを徹底して描きつつも、生きることへの喜びとでも言いますか?を川島雄三監督らしいホロリとさせる笑いを描くこの世界!これぞいかにも川島雄三ワールド!爆発の才気溢れる傑作です。大阪の或る町にある一癖も二癖も変わった人物ばかりが住んでいる小さなアパートで起きる人間模様、フランキー堺の名演、小沢昭一の学生に淡島千景の色気、その他とにかく出てくる人物がどいつもこいつも本当に変な奴ばかりで、その変な奴ばかりの世界をこれだけ楽しく描いて見せた川島雄三監督は素晴らしい!この映画の中に何度か出てくる「サヨナラだけが人生だ」というこの台詞があのラストシーンで一気にこれこそ川島雄三監督の世界だ!何と言うのかなあ?本当にこの監督の描く世界は一度、ハマルとやめられないものがあります。それにしても股引き姿にされてまうフランキー堺と変人だらけの中にあって、一際目立つ変人ぶりの小沢昭一の演技は凄い。
[DVD(邦画)] 9点(2006-06-17 20:30:33)
40.  次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 《ネタバレ》 
シリーズ最初から一気にここまで見てきて、感じたことはこのシリーズの一番の活躍、私なりに考えるとMVPは石ではないかと思うわけで、そんな石のことを思って、マキノ監督が石を主役に石のために描いたのがこの作品です。石こと石松演じる森繁久彌の素晴らしい演技、眼の演技、身体全体から伝わってくる熱いもの、シリーズの中で第六作目と並ぶある種、特別な意味合いを持つべき作品だと観ていて感じたこの作品、私はこれがシリーズ最高傑作だと言われる意味が何となく解った気がします。夕顔という名の美しき女性に誘惑されて、おどおどしている石を見ているだけでもなんて楽しいことか!そして、最後のシーンでの決闘シーンで見せる石の全てがここにあり!といった終わり方、「おらあ、死ねねえんだよ~」と叫ぶあの石の表情、マキノ監督が石という人間が最も好きなんだろうなあ!(私も石が一番好きです。男達の中では)ということが解った。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-05-07 10:26:14)(良:1票)
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