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21.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
本来なら前作で終わるつもりでいたが製作したのには深作欣二監督からのこのシリーズのファンサービスとして作った感が強い。菅原文太が刑務所に入れられ、なかなか出てこなかったり、大友役が宍戸錠に変更していたり、不満もなくは無いがそれでもこのシリーズの完結編に相応しい迫力ある演技合戦、凌ぎ合い、菅原文太と小林旭の二人が意見を言い合うシーンの迫力、松方広樹の相変わらずの目付きの怖ろしさ、金子信雄のスケベジジイぶりも健在だったり、野川由美子に対して、いいケツしとるのお〜、それに対する山城新伍のおっさん、よだれたれとるでえ〜のやり取りの可笑しさ、田中邦衛演じる槙原の死に様、死に様と言えば藤純子の看板に倒れて死んで行く桜木健一の死に様も印象に残る。藤純子の看板に抱かれる様にして死んで行くなんて桜木にとっては最高の死に方ではないだろうか?とにかく色んな意味でこのシリーズは全てにおいて役者の演技、迫力、死に様、昨今の日本映画では味わえない役者で観ることの出来るシリーズだと改めて感じると共に原爆記念日である昭和40年8月6日から始まるのを見て、やはり広島の街=ヤクザの街、仁義なき戦い=広島の街であるというイメージが強く感じられてならない。
[DVD(邦画)] 7点(2019-01-26 21:45:54)(良:1票)
22.  仁義なき戦い 頂上作戦
今回はいよいよ警察が絡んで来て、そこに流れる空気、相変わらず出てくる俳優陣の豪華な顔触れには毎度ながら感心させられる。盛り上がりに関しては前作が最高で、やや落ちる。ただヤクザ社会に於ける厳しさ、仁義なき戦いの名の通りの作品として、また広島のイメージ=ヤクザの街が見た人誰もが感じずにはいられなくなる作品 もう、このシリーズを見てしまうと他のヤクザ映画では物足りない。見る気が失せるぐらいとにかく凄い面子、迫力に圧倒させられます。
[DVD(邦画)] 7点(2019-01-19 18:16:10)
23.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 
シリーズ最高傑作の名に相応しいヤクザ社会における厳しさ、掟が見事に描かれている。金子信雄の嘘泣き、そんな小池信雄に対して許しを得ようと、ゴマをする田中邦衛のセコさ、このシリーズ初登場となる二人、小林旭、加藤武の人間的魅力、他にも渡瀬恒彦、成田三樹夫格好良さ、そして、前作では脇役的形に回った菅原文太が再び主役級としての格好良さを見せてくれる。相変わらず出てくる面子の顔触れ、熱い演技、このシリーズを見てしまったら他のヤクザ映画などアホらしくて見ていられなくなるぐらいの画面から伝わってくるエネルギー、代理戦争の名の通り、ヤクザ同士の組と組の戦いが見られる凄い映画だ。
[DVD(邦画)] 8点(2019-01-09 19:26:53)
24.  男はつらいよ 寅次郎相合い傘 《ネタバレ》 
男はつらいよの全48本ある中でどれが良いかというようなアンケートをするとこの第15作をシリーズナンバーワンに挙げる人が大勢、いる中で私もこの作品を後の17作「寅次郎夕焼け小焼け」とどっちをナンバーワンにしようか迷うぐらいこの作品大好きです。個人的には17作「寅次郎夕焼け小焼け」がベストですが、とにかくこの作品も寅さんシリーズの中でも屈指の傑作になってます。浅丘ルリ子演じるリリーと寅さんにそしてもう一人忘れちゃならないのが船越英二演じる兵藤謙次郎の存在、この三人の友情のドラマが物凄く良いわけで、メロン騒動の話などもこれまた良くて、その他良いシーンが沢山出てきます。雨の中での傘をさしながらの寅さんとリリーの会話は名台詞中の名台詞であり、名シーンの一つである。 そんな素晴らしい名シーン、もう、これだけでこの作品のまた、このシリーズのそして、俳優渥美清、車寅次郎という人物像、その全てがここにある。当然のことながら満点です。
[映画館(邦画)] 10点(2019-01-09 18:53:31)(良:2票)
25.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】 《ネタバレ》 
この映画の最大の見せ場である橋を渡るトラックが揺れる。凄い量の雨、風に揺れる橋、昨今の映画だと全てCGで処理してしまうだろうけど、そうしない映像表現の凄さ、これを見るだけでも大きなスクリーン、映画館で観る価値十分です。森からの脱出シーンの迫力も十分です。一本の映画としてもよく出来ている。ただ、個人的感想を言わせてもらうと、クルーゾー版の方が好きです。あのモノクロの映像からの不気味さ、怖さには敵いません。フリードキン版は見てるけどクルーゾー版は見た事が無い方にもこの作品を切っ掛けにクルーゾー版の方も見てもらえたらクルーゾー版ファンとしては嬉しい。
[映画館(字幕)] 7点(2019-01-09 18:25:54)
26.  仁義なき戦い 広島死闘篇
前作とは打って変わって、別の意味で半端ない熱量が迸る。菅原文太登場までが長い。女性の描き方が今ひとつだったり、それはドラマという意味での女性の描き方です。男臭さ満載の中での梶芽衣子の美しさ、前作には出てこない千葉真一の暴れぷり、成田三樹夫のスーツ姿の格好良さ、北大路欣也に小池朝雄、そして、そして、ヤクザ映画には違和感しかない前田吟がヤクザ映画に出てるという新鮮さと改めてこのシリーズは役者の演技、熱量が今の日本映画には無いものを感じずにはいられません。荒っぽさ、狂気、前作同様仁義なき戦いの名に偽り無し!改めて広島という街の雰囲気、一作目と同じく感じられてならない広島=ヤクザの街というイメージを決定ずかせてしまった作品ではないだろか!
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-28 18:27:26)(良:1票)
27.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
この第5作「望郷編」、私の中では全48作品の中でも上位を入るぐらい大好きです。この作品、単なる喜劇ではありません。勿論、喜劇の形は取っているものの、どこか悲劇ぽい要素も感じる。寅さんの昔、世話になったやくざの親分が危篤と知り、その息子に教えてあげよう、死ぬ前にひと目だけでも会わせたいという寅さんの人情、まさしくこれぞ寅さんの人情味溢れる世界だと思います。そんな寅さんのいつも通りの笑いの場面、特においちゃんやおばちゃん、さくらに博に裏の印刷工場のたこ社長達に真面目に働きたいから何か良い仕事ないかと相談してのその後のやり取りは面白い。
[DVD(字幕)] 10点(2018-12-05 20:33:43)(良:1票)
28.  男はつらいよ 噂の寅次郎 《ネタバレ》 
大好きな寅さんシリーズを語る上で欠かせないのがマドンナである。マドンナの魅力により見る度に好きになり、繰り返し何回も見てしまう作品の一つにこの第22作がある。この後にも出てくるけど大原麗子演じる早苗さんが美しい。後の作品の大原麗子よりこの早苗さんが大好きだ! 「見ちゃいや」「寅さん、私泣きそう」「はい、寅さんに出逢ったこと」「私、寅さん好きよ」とあんなこと言われたら寅さんだけでなく男なら絶対におかしくなるよ。ならない男がいたら連れて来いよ!と言いたくなります。もう、大原麗子、早苗さんに会いたくなるから何度も見てしまう作品なのです。マドンナの魅力だけで繰り返し何回も見てしまうぐらい大好きです。観る度に点数アップしてまう。初めて見た時は6点、それからしばらくして大原麗子の死去の後に見たら7点、もう今の気分は9点です。
[DVD(邦画)] 9点(2018-12-05 20:29:48)(良:2票)
29.  トラック野郎 男一匹桃次郎
何だかキャスティングを見ると西遊記みたいです。夏目雅子がヒロインと言うかマドンナ的感じなんだけど今ひとつの印象しか残らない。他のトラック野郎に比べるとパワー不足。馬鹿馬鹿しさが足りない。それなりに楽しめるけど物足りない。夏目雅子をマドンナでシリーズ映画なら私はどうせなら男はつらいよでのマドンナ夏目雅子が見たかった。あまりにも早い27歳という若さでの死は本当に残念です。山田洋次監督もきっと夏目雅子をマドンナにした寅さん撮りたかったはず。正直この作品は夏目雅子がいたからそれなりに楽しめたけどそうじゃなかったら5点以下ぐらいのレベルでトラック野郎シリーズの中で一番出来が悪いと感じるぐらいの作品です。
[DVD(邦画)] 6点(2018-08-03 22:17:30)(良:1票)
30.  砂の器 《ネタバレ》 
松本清張原作の推理小説を映画化した作品は多くあるけど、その中でも特に素晴らしい完成度の高さと言える作品です。この作品がこれだけ素晴らしい作品になっているのはまずは何と言っても橋本忍と山田洋次の二人の脚色がお見事なことが挙げられる。原作では単なる殺人犯としか思えなかった和賀英良について、この映画では原作では同情出来なかったものの、同情出来る人物として描かれている点を挙げなくてはならないと思う。そんな和賀英良の少年時代の父親、実の父である本浦千代吉との思い出を素晴らしい音楽と素晴らしい風景を混ぜて描くことで、更に見応えのある作品に仕上げている。これは推理小説であるけれど、親と子の家族の物語として一流の映画である。これだけの素晴らしい映画を作り上げた野村芳太郎監督の演出の素晴らしさと俳優の演技も素晴らしい。文句なしの名作として、何度も何度も繰り返し観たくなる作品です。最後に加えるとしてこれだけは絶対に譲れない。言っておかないと気がすまない事!それは和賀英良は誰が何と言おうと加藤剛、加藤剛以外はあり得ない。加藤剛以外の和賀英良など認めません。中居正広など問題外だ。加藤剛さん、大岡越前の貴方も私は好きです。丹波哲郎、緒形拳、更に少しの出番しかないのに一度観たら絶対に忘れられない印象を残す渥美清に皆もう亡くなられてしまいました。加藤剛さんの御冥福を祈りつつ、また繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し観てしまいました。 2018年7月10日更新
[DVD(字幕)] 10点(2018-07-10 21:23:22)(良:2票)
31.  トラック野郎 突撃一番星 《ネタバレ》 
冒頭の夢のシーン、やっぱり観ていてトラック野郎と寅さんは似ている。UFOとの交信と言って自分で交信する為の道具まで使ったり、船旅で会った女とのやり取り、トラック野郎初登場となるせんだみつおに騙されたものの付き合いはじめることになってからの桃さんに男としての本能、惚れた女に対する分かりやすい馬鹿馬鹿しさなど笑わせ所が沢山です。中盤、ややダレ気味であるがそれを補う桃さんの魅力、惚れた女が別の男と結婚しようとしてる。その相手の男が事故により死にそうなのを見て自分のトラックに乗せて病院へ行こうとする姿に菅原文太が演じるからこそ男も惚れる魅力が桃さんにはある。菅原文太が桃さんなのか?桃さんが菅原文太そのものなのか?相変わらずやってることは馬鹿だけどそんな桃さんが私は好きだ。あっ、そうそう、ぐるぐるさんが書いてるけど金子信雄とのやり取りを見て仁義なき戦いを思い出してしまいました。
[DVD(邦画)] 7点(2018-07-08 13:02:41)
32.  仁義なき戦い 《ネタバレ》 
役者の力量、エネルギー、熱い感情等、全て昨今の日本映画にはないものを感じることができる。あの時代だからこそ撮れた映画であって、この顔ぶれだから成り立つ映画でもある。菅原文太のラストの台詞がこの映画を物語っていると言ってもいいぐらい痺れる。山守さん、まだ弾が残っとるがよ。この台詞を真似したい。使いたい。まだやるべき仕事があるのに帰ろうとする先輩に、〇〇さん、まだ仕事は残っとるがよ。と言ってやりたくなることが時々ある。タイトルに偽り無し!正に仁義なき戦いである。ドキュメンタリータッチでのヤクザの戦い、これを観てヤクザに憧れを持つなんてのは間違いであるが故に、ヤクザ社会の恐さ、人としての仁義、更に広島=ヤクザの街、という誤解を招いてしまいそうな作品でもある。
[DVD(邦画)] 7点(2018-07-05 20:26:31)(良:1票)
33.  田園に死す 《ネタバレ》 
始まって直ぐのかくれんぼ、不気味な表情で何も言わない少女、沢山の人達も何を考えているのか分からない不気味さ、恐山の風景のドロドロした映像、顔面真っ白な人達、顔が破けていて誰か分からない写真、沢山の鳴り響く時計、男が女の身体を触ろうとするのを障子の向こうから望く老婆に不気味な表情、空気女、サーカス、その他不気味なまでの笑い声等、何が何だか全く分からない。分からないが故に知りたい。そう思わせる映像の数々、映画が持つ映像表現で見せるこの摩訶不思議な世界観に見入ってしまいます。赤、黄色、緑、青、色の使い方がこれまた不気味さを象徴していて過去と現在、そして未来、人間の中に隠れてる狂気、夢なのか現実なのかという問い掛けを不気味な映像表現で見せる寺山修司の世界は寺山修司自身にしか解らないだろうけど1つ言えることは人は一度は過ちを犯す生き物なのだということ。これはそんな映画だ。最後に馬という言葉を発してはいけないという台詞を聞いて、何て残酷なんだ。競馬ファンにとってこれ程残酷な言葉、台詞はない。
[DVD(邦画)] 8点(2018-04-29 20:25:41)
34.  玄海遊侠伝 破れかぶれ
マキノ映画における勝新は座頭市シリーズの勝新とは違って、人情味溢れる優しさを全面に出している。困ってる人には精一杯尽くす。マキノ映画に出てくる主人公は何時も同じだ。頼まれたら断れない男の人情味を勝新が好演している。作品全体を通してやや湿っぽいものの、マキノ映画に流れるヒューマニズム、女性の描かれ方、安田道代演じるおりんが見せる愛する者に対する哀しさなどは他の監督では撮れない独特な物を感じることができる。最後にもう少し言わせてもらうとマキノ映画の勝新、もっと沢山、見たかった。高倉健とはまた違う勝新にしかないオーラが沢山、見られる作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-03-12 19:24:00)
35.  激動の昭和史 沖縄決戦 《ネタバレ》 
数多くの娯楽映画を撮っている岡本喜八監督による戦争映画、沖縄の歴史を知る上で観て損の無い大作です。いや、正しくは観るべき映画と言うべきかもしれない。戦争に娯楽など無い。良いも悪いもない。丹波哲郎と仲代達矢のやり取り、会話は人間の愚かさを象徴している。それはこの映画の中で描かれている目を覆いたくなる残酷なシーンばかりで、米軍が殺そうとしているわけでもないのに次から次へと自決を図って死んでいく女学生、米軍からの攻撃から逃れて来た老人を追い返した挙げ句にスパイ扱いして狙撃して殺す行為、いずれも愚かな人間の行為である。戦争は人間を狂気へと変えてしまう恐ろしさ、沖縄も沖縄人も同じ日本、同じ日本人なのにまるで別として扱う人々の愚かしさ、岡本喜八監督による喜劇の作品を沢山、撮ってきた監督ならではの狂気、人間の醜い部分を余すところなく描いている凄まじい作品です。何度も言う様に繰り返し観て楽しむ映画ではない。しかし、沖縄の歴史を知る上で同じ日本人である以上、一度は観るべき映画だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-02-13 18:21:11)(良:1票)
36.  離愁(1973) 《ネタバレ》 
ドイツ生まれのユダヤ人女性と恋に落ちる男、二人は戦争により離れ離れになるが数年後に再会、一見どこにでもありそうな話を、単なる恋愛映画ではない大人に恋愛映画として見る事が出来るのは二人の演技、特にユダヤ人女性演じるロミー・シュナイダーの演技力があればこそで、特にラストシーンでの表情、演技が素晴らしい。他にも井戸での脚を洗う場面における色気、大人の女にしか出せない色気に見ていてこれは日本人の女性では出せない色気が充満している。この映画はとにかくロミー・シュナイダーの力が大きい。フランス映画だから出せる女優の演技、ハリウッド映画とは違う戦争が背景にある陰、色んな意味でヨーロッパ的な大人の映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2017-03-20 20:42:04)
37.  大脱獄(1975) 《ネタバレ》 
高倉健の映画を沢山、見ているとどの高倉健もこの人でしか味わえない健さん的な男の魅力に画面に釘付けになります。そんな男が惚れる。憧れる映画スター健さん、作品の内容はどれもこれも似た様な話なのに監督が違うだけで雰囲気がまるで違って見える。マキノ映画や山下耕作監督、加藤泰監督作品とは明らかに別な作品になっている。義理とか人情とは違う健さん、監督が石井輝男監督だからか?網走番外地の様な世界、田中邦衛に騙され、殺人罪の罪となって復讐の為に脱獄して、最後は復讐を成功させるとお決まりの展開の先の見える中で出会う男達の顔ぶれがこの映画の凄いところで、菅原文太との共演、二人の熱い演技、喧嘩のシーンの迫力、迫力と言えば雪の中での列車のシーンは石井輝男監督がアクションの監督としての拘りを感じる事が出来る。この作品を見て改めて高倉健と雪、北海道、列車が本当によく似合う事が分かりました。豪華な顔ぶれの中で小池朝雄の良い人というのも珍しく印象的な人物として忘れる事ができません。荒削りな作品ではあるものの、見所のある作品としてこれもまた健さん映画の代表作の1つだと思うと同時に高倉健と菅原文太の東映映画を代表する共演をもっと観たいと思う気持ちが今まで以上に強まりました。それも今はもう叶いません。惜しい二人を失ってしまった今の日本映画界、こうしてDVDで見る事が出来る事は嬉しく思う。
[DVD(邦画)] 7点(2017-01-12 19:21:47)
38.  最後の特攻隊 《ネタバレ》 
最近の日本の沢山、撮られる戦争物とは違う、色んな意味で考えさせられる真面目で、お涙頂戴的な作品ではない。映画の冒頭に映しだされる東京オリンピック、学生運動、東京裁判等、時代背景をしっかりと描かれている点も評価できる。印象的な台詞、やり取りもこの作品にはある。八代少将の「人間は兵器ではありません」という台詞に込められた想いは人間としての有るべき姿だ。宗形隊長演じる鶴田浩二からの特攻志願する者、しない者に対する問いかけ、「特攻は死を急ぐものではない」という台詞も正しくその通りだと感じる事が出来る。隊長としての任務を全うする鶴田浩二の演技には任侠映画での鶴田浩二同様、この俳優ならではの純粋な心が見る事が出来る。脇を固める俳優の顔ぶれの凄さ、高倉健、若山富三郎、山本麟一、小池朝雄に梅宮辰夫、菅原文太とまるで任侠映画の世界だけど、一人一人の熱い演技もこの作品を単なる戦争物にはしてない力強い作品に仕上げている。劇中に描かれるエピソードも時代背景を見事に捉えている。命の大切さ、戦争ヘ出向く者に対する想い、この作品はそういう想いを嘘偽りなく描いている点も評価したい。吉川の自殺を止めるシーン等は正しく命の大切さの象徴だ!そんな吉川が国の為に、同じ仲間の為に自らの命を捨てるエピソードはこの作品の中でも最も泣ける場面でそれにしても、見ている人も少ないのか?私の他にレビューが一人だけというのは寂しい。やたら、うるさいだけの音楽を馬鹿みたいに流し、大袈裟に泣く、騒ぐ、わざとらしい演技きりの今時の戦争物なんかよりも何倍も良い戦争映画だ。
[DVD(邦画)] 8点(2016-10-16 11:32:20)(良:1票)
39.  銀蝶渡り鳥
梶芽衣子主演による任侠映画である今作品、何となく藤純子主演の任侠シリーズ「緋牡丹博徒」に似た雰囲気を感じる作品になっている。かなり意識した感じが色んな所で見られる。藤純子と共通する格好良い啖呵、振る舞い等、男が惚れる女の姿が最初から最後まで見る事が出来る。新鮮味という意味では欠けるし、悪役の凄味、迫力もそれまで多く撮られてきた任侠映画に比べると弱さもある。そんな弱さを感じながらも見る事が出来たのは梶芽衣子の色気、格好良さあればこそだ。二番煎じみたいな感じがあるからか?緋牡丹シリーズの様にシリーズ化もされず、見ている人も少ないと思われ、そういう意味で不幸な作品です。
[DVD(邦画)] 7点(2016-10-13 21:06:47)
40.  無宿
高倉健と勝新太郎、二人の唯一の共演作品というだけで昔の日本映画ファンならそれだけでも見て損は無いし、見るに値する作品になっている。お互いがお互いの持ち味、魅力を上手く引き出している。二人が並ぶだけで絵になる。今の時代には無い男が男に惚れるそんな健さん事、高倉健と勝新太郎、二人が一人の女を助ける為に力を合わせる。助ける女がこれまた、梶芽衣子であるのだが、この女優の演技、眼の演技に男なら誰しもなんとかしてあげたくなるぐらい魅力的です。梶芽衣子を見ていると一度でいいから渥美清との共演、寅さんシリーズでのマドンナとしての梶芽衣子を見たかったと感じずにはいられなくなります。そんな中で作品の雰囲気がヨーロッパ映画的なのは、あの名作「冒険者」と似ているからで、この作品から伝わる昔の日本映画が持っているヨーロッパ映画と共通する文学的な匂い、そこに私は惹かれます。ラストの余韻も含めこういう映画がもっと見たいと思うし、作られたら良いのにと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2016-10-11 19:37:36)(良:1票)
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