21. 七人の侍
《ネタバレ》 2013/5/9、この名作をついに拝見。 すごいハードルが上がりすぎたのもあるが、全然面白くなかった。てか早く終われと思いながら見てた…。 約3時間半と長い事も知ってたし、最後の決戦が見所だと知ってたので、必ず結末までは見ようと思ってたが、早送りしたくなるくらいに退屈でした…。 笑えるシーンもいっぱいあってよかったんですよ。菊千代が馬に乗れないシーンとか、勝四が志乃と寝た翌日に勘兵衛がみんなの緊張をほぐそうとして言うセリフとか。ただ、何せ長い…。 あとは、これが低評価の最大の要因だが、昔の音声技術なのでしょうがないのだろうけど、とにかくセリフが聞き取りづら過ぎる…。こもってて何を言ってるかさっぱり分からんから、話にも入っていけない。ストーリーと関係ないところで本当に残念だが、これでは高評価のつけようがない。 P.S. 休憩がちゃんとDVDにも丸々5分入ってたのが、昔っぽくてしみじみできた場面でした。 [DVD(邦画)] 3点(2013-05-09 23:04:43) |
22. ジャッキー・ブラウン
《ネタバレ》 タランティーノ作品にしては、普通のアメリカ映画的な枠に収まっちゃっていたかなあ。何か起承転結のある物語を一つ見たなあって感じしかしなかったのだけど。 クレジットに「タランティーノ」ってなかったら、本当にただのアメリカ映画ですよ。 あとはデニーロが、何かコーエン兄弟作品に出てきそうなダメ男キャラで扱われてたのが個人的にはちと残念。 タランティーノの映画って必ず昔の映画のサンプルがあるとは知っていたけど、僕は口が裂けてもシネフィルなんて言えるほど映画鑑賞本数こなしてないので、いっつも元ネタに気づいてのニヤニヤ感が僕には共有できなくて悔しかったのですが、今回初めて気づけました。タクシードライバーのトラヴィスが銃を撃つ練習をするシーンですね。しかし、こんなダメンズ役を渡されたデニーロは、あのオマージュシーンをどんな思いで見ていたのでしょうか…笑。 結局ジャッキーは誰を騙し、誰との計画が本当なのか!?少なからずハラハラしながら見てましたが、最終的にはあっけなく終わっちゃいましたね。 でも最後の匂わせるラストはよかったです。行こうと思うけど一緒に行かない描写で終わる…。果たしてマックスはこのあとジャッキーを追いかけるのか…。いつものタランティーノのスカっとする感じではなく、おおっと余韻に浸らせるタイプの終わり方でした。 もう一回みたいとは正直思えなかったけど、また見る機会があったら、まあ見てもいいかなって感じの一本でした。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-24 00:17:57)(良:1票) |
23. ジャンゴ 繋がれざる者
《ネタバレ》 何かプロットが前回のイングロと似てるなあって思いました。 差別を受けた主人公が復讐を企てるが、敵がキレ者でなかなかうまく事が運ばず、でも最後にドカーン!!とブッ殺しまくる!! という事で、僕は前回のイングロの方が衝撃がすごくて、これは3部作にせよ、似てるのうって思ってしまいました。 でも始まりで流れる音楽から何かもう異様にテンションが高揚しましたっ!! いわゆる会話での緊張感が今回もやっぱりすごい。見てるこっちがもじもじしながら手汗ベチョベチョになる感じ笑。 個人的には、タランティーノ率いる鉱山の従業員を騙してブッ殺した後、白馬に乗って復讐へ行く…、彼は再び「unchained」となり、復讐しに行くのだった…!! これでエンドロールでも十分だったと思いますけどね。その後物語として、しっかりみんなブッ殺しちゃうのかー、って思いました。ある種ハッピーエンドですよね。 とてもハラハラドキドキして楽しめたのですが、さすがに「長い!」と思ってしまったので…。8点でフィニッシュです。 [映画館(字幕)] 8点(2013-04-23 23:48:19) |
24. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 ひさびさにぶっ飛んだ!!パルプフィクションやレザボアに比べると、幾分ハラハラアクション的な要素が強く、持ち味のシュールさが鳴りを潜めてるけど、その緊迫感がじーっと溜まって溜まって、ついに沸点を迎えて大爆発ってとこですげーこっちもドキドキしてアドレナリンがマックスになるんです。見終わった後はめっちゃ疲れましたよ笑。 ランダ大佐もとにかく手強く、ショシャナしかりブラピの計画を見破ったり、なかなか思い通りに進ませてくれない。でもそれ故の最後の映画館爆破はしてやったり!って感じでした。 何かタイトルにもなっている「イングロリアスバスターズ」の大暴れがあまりなく、ショシャナの復讐の方がメインでしたよね。ちょっとストーリーのまとめ方はもう少し何とかできた気もしますけどね。 最後のセリフ「今までの最高傑作だな」は、タランティーノが本作の事を言っているんだろう、というのが大方の意見ですね。よほど自分でも手応えがあったのでしょう。 僕はパルプやレザボアの方がすきですが、こいつも確かに最高に面白い一本でした。 [DVD(字幕)] 10点(2013-04-23 00:55:21)(良:1票) |
25. 悪人
《ネタバレ》 孤独を抱えた者同士の、決して幸せになる事のない切な過ぎる物語でした。 要は「世間的には悪人」でも善の心は持ってるし、逆もしかり。人間はそんな単純じゃなく、誰しもが双方の側面を持ってるって事ですかね。 妻夫木さんはいい演技してました。何か影を抱えてるというか楽しくなさそうなあの暗い感じ…。タクシードライバーのトラビスみたいなあの感じですね。 ただ他で群を抜いてよかったのは、満島ひかりさんの、死後橋の上でお父さんが(幻覚だけど)話しかけるシーン。あの時の何も喋らずに見せる表情が絶妙なんですよね。 でもやっぱり何よりラストカットの妻夫木アップが最高に泣ける。微笑みの中に涙を浮かべて何かを感じているシーン、取り返しのつかない事をした後に知ってしまった心から人を愛する気持ち…。それをずっと続けて行く事は無理だという事も同時に悟りながら…。この表情だけで切なさにグワーっと感情移入されられ、思わず泣いてしまいました。 2時間強とちと長めの尺でしたが、一つの物語をちゃんと見たなあって感じでそこそこ見応えはあったのかなと。 P.S. イカの目にクローズアップって…、どうなの?笑 [DVD(邦画)] 8点(2013-03-24 21:50:12) |
26. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 まず全体的に説明不足すぎ!いきなりクラスメイトと仲良くなって、いきなりルームメイトと仲良くなって(これはのちのちの展開的にいいんだけど)、いきなり生徒はナッシュを好きになって、結婚して…、って感じで、どのエピソードにも理由の描写がなさすぎます。まあ一人の人生物語を2時間で描くという方が無理があるんですけどね。 しかし、実はあいつやこいつが○○だったってのはビックリしました。DVDだったんで2回見ましたけど、確かにシックスセンスみたいに色々な描写がちゃんとそのようになってました。 まあでもまさにアメリカ映画的な演出はどうしても僕は好きになれません。ストリングスを多用した壮大な音楽とか、感動させる気満々のクサイ演出(ボールペンのくだり、ラストのスピーチ)とか。何でご丁寧に一人一人順番に思わせぶりにペンを置きに来るのでしょうか笑。 正直後半は「早く終わらないかなあ」と思いながら見ていたので、やはり僕に合う映画ではなかったです。アメリカ映画残念!! [DVD(邦画)] 5点(2013-03-24 20:42:25) |
27. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 いやー相変わらず吉田大八監督は裏切らない。どの作品も見終わった後すげー!!ってなる。 ラスト手前で「ある真実」が明かされるのだが、その一つ前の段階で、頭が混乱するんです。これはデビットリンチ作品なのか!?と笑 そして「ある真実」を示された後の衝撃…。全ての点と点が線となりつながった時、言いようのない哀しみや辛さが襲ってきます。そして同時に取り巻く人々の破天荒でどうしようもないと思っていた行動が、あたたかく優しい行動であった事に気づきます。 それでも最後、(空想の)デートを楽しんでいた「女の子」は、我が子の声でフッと現実に戻り、「母」としてふんわりとした優しい笑顔を見せます。 彼女はこれからも心の傷は完全に癒える事はなく、時にはどうしても彼に会いたくなりデートをしてしまうでしょう。それでも彼女は「母」として、辛い現実を周りの(みんなも強くはないが)あたたかいみんなに支えられながら乗り越え、何とか前を向き生きていけるでしょう。僕はそう信じてやみません。 [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 22:46:07)(良:1票) |
28. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
《ネタバレ》 吉田大八監督デビュー作にして完璧に近い作り! サトエリは残念ながらあまり演技がうまいとは思わなかったが、それが逆に澄伽とリンクしてハマり役でした笑。ただ、あの抜群のスタイル(背も高くて脚も腕も細くて長い、くびれもあるのに爆乳)なら勘違いするのも当然、ましてや腹違いの兄だってそりゃ抱きたくなりますよ笑。 てか待子みたいな女って周りにいますよね。正直かなり嫌いなタイプです笑。ドヂで要領悪くて何でも一生懸命だけどうまくいかない…。ずっと一緒にいたら腹立ちますよ笑。 一人残された彼女はこれからどうしていくのか、まあ寂しさ抱えつつも精一杯ニコニコして生きていくのかな。そう考えるとやっぱり不憫だなあとは思います。 まあ何にせよ永作博美はやっぱ演技うまい。この役はめっちゃ演技してるって感じにならざるを得ないが(オーバーなほど待子のキャラが明確)、それでも違和感はなかったので。 清深役の子は根暗キャラの為わざとダサい格好でしたが、風呂での素顔でべっぴんなのがバレました。和製トリンドルと言えるほどの美人ですよ笑。物語的にはもうちょいかわいくない子の方がよかった気が。まあ演技は自然さはなく演技をしているなって印象。 兄ちゃんは澄伽に弱味を握られてる為強く怒れず、しかもついに清深にバレ、耐えられず自殺w もうその話だけで情けなくて、死ぬ寸前の虚脱表情はなぜか僕には爆笑ポイントw ラストは僕にとっては: 文通は実は清深でした→漫画調の画面になって澄伽が清深を刺す→清深「これでいいんだ…」→漫画の中で「おわり」と表示される。ここでエンドロールが来たら完璧でした。 その後ナイフが実はおもちゃでしたってのは伏線が効いてるからいいけど、その後扇風機が動いたとか、姉妹のケンカとか、最後に清深が澄伽を描く時ホラー調でなく普通に綺麗に描くとか…、たっぷり詰め込みすぎですよねw 漫画調シーンからエンドロールまで10分もありましたから、何とか削ぎ落とせなかったものでしょうか。 あと実はこの映画は細部へのこだわりもすごい。澄伽の目標の上京資金が100万で(てか同級生相手に売春なんかするかね!!)、清深のコンクール賞金も奇しくも100万だったり。何回見返しても、その度に新たな伏線など、発見がある。これも作りこまれてる証拠。 何度も見れる作品という意味でも、素晴らしい一本です!! 限りなく10点に近い8点!! [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 21:24:24) |
29. 告白(2010)
《ネタバレ》 音楽とかが仰々しくて気に障ったのと、爆破のシーンのCGとかは、盛り上げようとしすぎでサムいですね。というかあのやりすぎ演出は僕の肌に合わなかった。もっと淡々と冷酷に追い詰めていく方が怖さが際立つと思うんだけどなあ。しかも爆破のシーン長すぎだって!!その後修哉を生徒がみんなで丸く囲むのも…。現実じゃありえないでしょ。 ていうか全体的に演出が過剰。いわゆる「悪」の書き方がデフォルメしすぎでクドい。 あとは少年Bの告白のところだけ、いきなりコメディタッチな描き方(ボヨ~ンみたいな効果音とか)にしたの何あれ? 完全にここだけ浮いてますよ。はっきし言って製作側のセンスを疑います笑。 悪い事ばかり並べちゃいましたが、ドキドキしながら見進めていき、最後にピークがあったので見終わった後は素直におーすげー!!と思いました。僕はテンションのピークを最後に持ってきてほしいタイプの人間なので。 ラストの「なーんてね」の一言、シビれますよね。見てよかったです。 P.S.てか松たか子、やっぱ演技うますぎ!!! [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 17:20:30) |
30. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 まず一点。問題提起の為とはいえ、道理に反しているという意味での「悪」の描き方がデフォルメしすぎでは?もしくは実態は本当にここまで不条理なのだろうか。ただこのようにハッキリ描く事で観客は(ある種洗脳チックかもしれないが)映画の伝えたいベクトルと同じ方を向き、苛立ちなどを共有する事となります。 しかし2時間強の中で色ーんな問題を提起してますね。(早く処理したいという理由だけでの)警察の取調べでの自白強要、どうせ勝てないからと示談を進める弁護士、警察にさっさと身柄を渡したい駅員、裁判官が途中で変わる(しかもそれにより傍聴人への対応が違う)、出世の為に有罪に仕立てる検察官…。 そしてそれらだけでなく、被害者の大変さも一応提示されてはいる。被害を受けただけで苦痛なのに、法廷という場で追い込まれるような質問をされる辛さ(時間的拘束ももちろん、わずか15歳が大人から攻め込まれるきつさは想像を超えるだろう)。時間も経ってるわけだし思い出そうにも記憶だって曖昧になるよねそりゃ。ただ、そんな曖昧の記憶の中、思い込みだけで後ろの青年を犯人と決め付けた事により99%その人が有罪になるという、「被害者の申告が絶対的な事実となってしまう」問題、つまり被害者の落ち度については、触れ方が弱かったですかね。 ちなみに、僕は何十回と裁判傍聴に行った事がありますが、細部の再現まで完璧でした。僕も帽子を取りなさいと注意をされましたから笑。 あとは役所広司の演技が神すぎる!!こんな弁護士ホントにいましたもん。自然すぎて演技という感じがしない。素晴らしすぎる俳優さんだと思いました。 とにかく引き込み方が分かりやすく見応えのある2時間強ではありました。結果が最後まで気になる進め方のおかげかな。ちょっとプロパガンダチックな匂いがするので鵜呑みにしすぎるのは健全じゃないとも思いましたが。 ただ、この映画を見て色々現状の裁判には問題があるよなと認識はできても、結局一市民はなす術なし、という結論に落ち着いちゃいますよね。恐ろしや満員電車、僕ら男にできる事は疑われないように両手をしっかり挙げるか時差通勤をするかしかないですね。正義のはずの司法は業務的に案件をこなすのみで冤罪から市民を守ってくれるわけではない。自分の身は自分で守るしかないのが実態だという事が本作から改めて学べました。 [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 17:04:04)(良:1票) |
31. アイデン&ティティ
《ネタバレ》 何か映像作品としてダメな点が目立ったなあ。クドカン脚本って事でもっと笑いをはさんで来るのかと勝手に期待してたら全然それもなかったし。 まず最初にインタビュー入れるのは何なんでしょう。普通と違う事をしたかったんですかね。単純に意味がないと思いました。 僕は原作を知らないから何とも言えないけど、ストーリー自体が根本的に面白くないよね。 あとは演出が個人的に苦手。 終盤中島がボーカルとして初ライブした後、彼女と公園で会話するんだけど、わざわざ彼女が少し前を歩いて振り向いてから二人の話が始まるみたいなお決まりの演出…。あんな事現実でしますか?クサいなって思っちゃいます。 そして麻生久美子の演技が超棒読みで大根なのはわざと?それとも10年前はこんなにも下手だったのか?どちらにせよ今のはっちゃけた演技の方が彼女の持ち味が活かせてると思いますね。 ディランの声がハーモニカを吹くと字幕で表示されるってのも、全然いい演出とは思わなかったですね。なのにそれが最後ちょっと喋ったとか…、ボケのつもりでしょうか、はぁ?って思いました。 中島の心情をいちいちナレーションするのも何かダサいなあって思うし、中盤で雨の中チャリで爆走するのも…、そんなステレオタイプな青春って…。そのシーンの映像もちゃちくて、低予算だったのかなあって勘繰ってしまうほど。 峯田という素材を活かせなかった駄作と思います。演出の観点では監督の技量不足とも思えるが、やっぱりストーリーそのものがいいものじゃない事が問題だろうか…。 [DVD(邦画)] 5点(2013-01-06 18:25:49) |
32. ファーゴ
《ネタバレ》 それにしても出てくる男という男が全てまあなんて使えないダメ男ばかりだこと…。最たる奴は駐車場で「いやあでも規則ですから」と言ってマニュアル通りにしか働けないあいつ。あの半笑い加減とか見てるこっちが本当に腹たちましたもん!! 真面目に真っ直ぐ働いてる婦長さんを尻目に、アホ男どもは勝手にドタバタして勝手に人生台無しにしてましたね。てかほとんど死んでるし。 そこそこ楽しめた映画でした。誰かにまた見ようと言われたら全然オッケーって感じです。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-26 00:25:03) |
33. バートン・フィンク
《ネタバレ》 これってコーエン兄弟がハリウッドから言われてムカついた事を主人公に投影させてるだけなんじゃないですか?かく言う私もあの社長が作らせようとしてるB級映画みたいなテイストの映画は大嫌いな人間ですが笑。 まあ映画評論家たちにウケそうな感じはしますよね。いかにユニークな切り口でこの映画を語るかによって評論家も腕を試される事になるのでしょう笑。 でもこういうのってあえて伏線を回収しないでおけば、鑑賞者が勝手に深読みしてくれるから楽ですよね。確かに説明的に提示しすぎるのもナメんなって言いたくなるし。 それにしても意味不明映画でした。逆説的に言うと、「小市民」である一般鑑賞者は、「イカサマ師」であるコーエンのこの映画を分かる必要なんかないわ!ってとこでしょうか。評論家は色々絶賛するんでしょうけど、こんなん意味不明すぎてしゃあないわ。 正直理解できなかったってのもあって印象は悪いけど、2時間弱と長いわけでもないし、もう一回観てみたい気もするなあって映画でした。ハリウッドへの批判は私も大賛成ですので。 あと、廊下が真っ直ぐ~の構図は「シャイニング」へのオマージュでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-25 23:50:19) |
34. ルディ/涙のウイニング・ラン
《ネタバレ》 やっぱ実話ものってダメですわ…。実話だって知ってて見てしまうと、途中なかなか大学に編入できなくても、なかなかレギュラーになれなくても、最後はなれるんでしょ?ってストーリーの結末が見通せちゃうからね。何かいきなり荷物担いで大学に行って「どうしても入りたいんです!!」とかいきなり警備員に言うとことか、熱意ってそういう事なの?ちょっと熱すぎてウザかったかな。とは言いつつも、分かっていても最後数十秒でもグラウンドに立てた時はちょっとウッと来ましたね。映画のメッセージとして「夢に向かってあきらめないで努力すれば報われる」っていうのはやっぱりいいことだと思います。でも映画の作品としての完成度は正直、…ですね。ストリングスの壮大な音楽もやたらアメリカ的でウザいし(これは俺の好き嫌いの問題だけど)、練習がどんだけ辛いかとか、体格の差がどれだけハンデになってるのかとかが描かれてないのは残念かなあ。 あとは最後の試合の前に選手たちがコーチに「ルディが出れないならユニフォーム脱ぎます」みたいに言うシーンが、ご丁寧に一人一人順番にコーチの部屋に入っていくんだけど、そんな演出クサすぎますよ。ちょっとお遊戯みたいでシラけました。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-22 22:51:56)(良:1票) |
35. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 「高校」というコミュニティ内のリアルをエグすぎるくらいに描き出している。賛否両論になるのも当然で、鑑賞者が高校生当時に人気のランクにおいてどんな立ち位置だったかによってまさに本作品の感じ方は違ってくるからだ。 ちなみに桐島らしき男の描写は2回あるだけ。 しかし、僕がそこそこの公立共学高校に通ってた事もあり、本当にイタイくらいにリアルに感じましたね。まさにこの映画の描写が僕の高校の縮図(勢力図)そのものでした。なのでやたらツボりました。(何気に剣道部も体育会ながら下層として描かれているのが皮肉) まあこの話の核は「一見華やかに見える人も実は悩みを抱えてるし、華やかでない人も実はその人なりに一生懸命自分のしたい事に取り組んでいる。誰しもが何かを抱えながらも、この辛い現実を生きていかねばならない」ってとこですかね。 非華やか組は自分の熱中できる事が明確ながらも、自分の限界に気づき自分を卑下したり、中心メンバーにやはり若干の嫉妬心も持っている。華やか組も「桐島」というスターとつるむ事でしか実は自分のステータスを保てておらず、その存在が消える事で自分の「軸」のなさをまざまざと気づかされ、苛立つ事しか出来ない。 ただ、かすみだけが中立で全てにうまく立ち回ることができていて、悩んでる描写がないんですよね。全て俯瞰して見れていて、一番精神的に大人でした。(悪く言えば腹黒い?) あとは結局ラストの宏樹が全てでしょう。何にも本気じゃない自分、クラスの隅っこのオタク映画部の方がずっとしっかり生きているじゃないか、という事に気づきました。そんな中、夜遅くまでライトの下で愚直に練習を続ける野球部の描写が素晴らしい。 まあ思春期の悩みを描いているだけと言えばそれまでなんですけどね。あまりにありのままを描きだしてるもんだから、何か胸の内を真っ正面からこじあけられてる感じで結構複雑な気持ちにもなった。 ちなみにラストの桐島が電話に出ないシーンの解釈、「桐島は誰も眼中になかった」ってのはどうでしょうか。県選抜に選ばれたのに退部したのは受験の為で(竜汰の台詞)バレー部はハナから眼中にない(梨紗の台詞)、というか梨紗はもちろん宏樹も眼中にない。(彼女からの連絡もシカト、親友なのに相談せず退部、最後の電話も出ない)あの上位ランクの宏樹でさえ足元に及ばない、それほど圧倒的な最上層に君臨している…。 いかがでしょうか? [映画館(邦画)] 10点(2012-10-22 00:30:04) |
36. アザーズ
《ネタバレ》 大オチ!って触れ込みを意識しすぎてハードルが上がったせいで、全然大した事なかったじゃんって着地となってしまいました。鈍感な僕でも途中でオチに気づいちゃったし。あと演出がまさにアメリカ映画的な怖がらせ方なのももういいよって感じで受けつけられなかったな。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-21 22:05:38) |
37. 青春デンデケデケデケ
《ネタバレ》 素直に最初から最後まで楽しく見れました。てか良くないと思った点が一つもない。今まで見てきた映画を振り返ってみると、それってなかなか珍しくて素晴らしい事ですよね。 まあ、かと言ってめちゃめちゃ面白いわけでは確かにない笑。でもほのぼのとしていて非常に良かったですね。 あと、けっこう遊びを入れてきてるんだけど、(例えば突然出演者がカメラ目線で説明を加えたり、シーンの切り替わりがぶつ切りだったり)それらがすんなり入ってくるんですよね。全然奇をてらってる感じがしなくて、嫌味らしくない。それが映画にとってすごくいいスパイスになってると思いましたね。 僕もバンドを始めて10年以上たちますが、初めてギターを手にしてアンプから音を出した時のドキドキ、メンバーと初めて音を合わせた時の高揚感を思い出して、共感できたのもこの映画を楽しめた要因と思います。とてもいい映画でした。 [DVD(邦画)] 8点(2012-10-21 00:13:57) |
38. モテキ
《ネタバレ》 普通にコメディとしてクスっと笑えるとこがいっぱいあってよかったですよ。でも冷静に振り返って見ると、それくらいですかねえ。あとは音楽がよかったとか? まず、最初に主人公が刺されるシーン、あれいる??ストーリーに何の関連もないし、これぞ蛇足です。未公開シーンとしてDVD特典にでもすれば十分です。 でも一番言いたいのは、実際主人公モテてはいないじゃんってとこです。4人の女性から次々にホレられてモテまくり…みたいなストーリーかと思ってたら、麻生久美子扮する重たい女にしかホレられてはいないですよね。真木よう子に至っては主人公の事をバカにしているだけじゃないですか!!あと仲里依紗のくだりも朝起きたら隣で寝てただけだし、やっぱりモテちゃいねーよ。とってつけたように短いエピソードだし、完成作見て仲里依紗は「私の役ストーリーと関係ないし出演時間短いし、全然意味ないじゃん」って思ったはずですよ笑。 みゆきの思わせぶりな態度は分かっててもやっぱり「殺人級」ですね。もうこれ以上振り回すな!ってこっちが見てて思いました笑。こりゃ大概の男は狂いますよ笑。 あとるみ子のエピソードも何か不思議でした。一途に想い続けてたのにあんなに酷いフラれ方して(しかもセカンド童貞男に!)、ヤケになったのか、失恋した女性は抱きやすいとの噂は本当なのか、モテ男墨さんと寝て、その朝に一人で牛丼食ってしかもお代わりしてスッキリ!ってどうなの?そんなもんなの?女性ってそんなに立ち直り早いの?一般女性にこの描写に共感するか聞いてみたいものです。 しかしラストは何だったんでしょう。あまりに意味不明(というかみゆきの心情が理解不能)すぎて、これは幸世の妄想なのかと錯覚してしまったほどです。というのは、360度回るカメラワークに金子ノブアキが映ってないし、森の中なのにミラーボールが回ってたり。そしたら「物語はちと不安定、DEATH!!」で映画は終了。何だそりゃ、女心もちと不安定ってか。説明不足というかみゆきの転換の理由が分からな過ぎます。 まあ長澤まさみが殺人級にかわいかったのは間違いないし、俺もそれだけが目当てで見たのだが、それはあくまで長澤まさみがかわいいというだけで…。映画の出来とは別の良さです。 まあ見終わった時に退屈感とか不快感はなかったし、所々笑えたので8点でフィニッシュで。 P.S.俺も「俺のS○X正確だったでしょ?」って言ってみてぇ笑 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-16 22:16:13) |
39. 下妻物語
《ネタバレ》 いやーなかなか良かったですね。とにかく深キョンのかわいさにヤられました。随所に笑えるところもあったし。 ただ腑に落ちない点も結構ありましたねえ。 まず、終盤(というかド頭でも出てくるけど)で軽トラに跳ねられるシーンはいらんでしょ。最後まで見て振り返ってもやっぱり必要性がない。結局無傷でイチゴの所行くんだからただの不要なエピソードだよ。特に最初のはちょっと変わった事入れとこうみたいな小手先の笑い感があって無駄です。 あとこれは個人的だけど、コメディとしてクスクス笑える感じで最後まで行って欲しかったので、クサい演出がすごく気に障りましたね。イチゴが失恋して泣く時のバックに悲しげなピアノが流れるのとか、最後バイクに跨った二人が笑い出す所とか、生理的にダメなシーンでした。 でもそれよりも何よりも言いたい事は、桃子がブチ切れるシーンで、関西弁でしばくぞ!みたいな事を突然豹変した感じで言うんですけど、そん時「あ、そうかこいつ尼崎出身だった!ヤンキーの街で育ったからこういう言葉知ってんだ、ばあちゃんも父ちゃんもヤンキー出身だし。今から関西弁でまくし立てるんだろうなあ」って思ってたら、関西弁は最初の一言だけじゃん。これは絶対ダメでしょ!せっかく関西育ち&普段はブリっ子喋りっていうフリが効いてて、その桃子が豹変するって場面なんだから、オール関西弁でいかなきゃ絶対にダメですよ。しかもそん時の深キョンの台詞がなんか棒読み。ブチ切れの演技しきれてないじゃんって感じでサムかったです。一番迫力を求められるシーンなのに。その点矢沢心は違和感なくレディース役やれてましたね。演技って感じがしなくてとても自然でした。 まあ総論すると、深キョンのかわいさに500点ってとこですかね笑。エンドロールで一瞬特攻服着てるとこがあったけど、そっちもめっちゃかわいいからたまらない。 いらないとことか残念なとこもあったけど、最初から最後まで楽しんで見れたし、見てよかったと思ったので8点でフィニッシュです。 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-16 17:02:51) |
40. イージー・ライダー
《ネタバレ》 何か正直イメージビデオ見たいな感じでしたねえ笑。基本ハードロックをBGMに走ってるだけです笑。 てかやっぱ俺ジャックニコルソン好きだわー。あの人の安定感ったらまじすごい。安心して映画を楽しめる。強い酒飲んだ時に脇をウイ!ってやんのが何の意味か分かんないけど何かこっちまで楽しくなっちゃうんだよな。 でもすごい無惨な殺され方しちゃいましたね、しかもかなり唐突に。 それからもすごい展開でした。いきなりラリりまくって、いきなり2人とも殺されました笑。しかも最後の一発はドーーンとド派手だったねえ。何じゃこの展開、と思った瞬間エンドロールになったので思わず吹きました笑。何だかんだでラリってるシーン(というか映像)はけっこう好きだけどね。こっちまでトリップしそう。 まあかっこいい映画だなって表面的には分かったくらいで、あまり腑に落ちなかったですね。これから先もう一回見てまで腑に落とそうとは思わなかったけど笑。 [DVD(字幕)] 5点(2012-06-06 23:08:25) |