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自己紹介 うどんと映画とマーク・ノップラー。これさえあれば幸せです。

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21.  シルビーの帰郷
少し「カッコーの巣の上で」を意識したつくりです。と言っても、カッコーほど直接的な描写ではありませんが、親切ではあるが排他的な田舎の集落に対する部外者シルビーとその姪たちの葛藤を描いています。ラストのシークエンスまで良く似た流れですが、シルビーという奔放なキャラとカナダの雄大な自然がとてもよくマッチしており、心地よく見ることが出来ました。中でも秘密の森や夜の湖面はとても美しかったです。クリスティーン・ラーチの好演といい、自然に囲まれた湿度の高そうな描写といい、よくまとまった作品だと思いますが、どうしても「カッコーの巣の上で」がチラついてしまい感情移入がしずらい作品となりました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-09 23:44:08)
22.  それでもボクはやってない
被告側の視点に立った話だと理解はしているが、体の中が震えるてくるほど腹の立つ作品でした。駅員に押し込まれるほどの満員電車に乗ったことのある人(大勢いるでしょうが)なら判ると思いますが、故意にしろ過失にしろ何が起きても不思議ではないあの空間は、本当に異常です。もう随分前ですが、ある日の車内で僕の後ろにいたOL風の女性が突然、「いつまでさわっとんじゃ!ボケ!!」と大声でまくし立てたことがありました。当の女性はそれだけ言うと素知らぬ振りをしていたのですが、その女性を取囲む男性陣(6~7人)は僕も含め穏やかではありません。離れている乗客たちは、(どいつやどいつや)という風にこちらを興味深げに覗っています。そして次の瞬間、僕ら男性陣の下ろしていた手がもぞもぞとゆっくり上げらてゆく光景は、緊張感の中の変な可笑しさと(あ~みんな考えるのは同じなんだな)という妙な連帯感を感じた忘れられない体験でした。そんなこともあり、ちょうどTVなどで騒がれていた痴漢犯罪の問題は予備知識としてもっていたので、一方的とはいえこの作品の進め方に異論はありませんし、警察の体質や裁判の在り方に問題があるとは思いますが、裁かれるべきは何が起きてもおかしくないあの通勤ラッシュの殺人的混雑に元凶があるような気がしました。そんな特殊な空間での難しい犯罪だけど、改めてこういうことが起こっていると今一度“傑作”として仕上げ、世に送り出した本作の功績と静かで熱い演技をした役者たちには素直に拍手を送りたいものです。最後に一言いわせて下さい。日本アカデミー賞のバカヤロ~!
[地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 01:42:19)(良:1票)
23.  つぐみ
牧瀬里穂はいい表情してますね~。感情豊かなツグミを見事に演じていたと思います。するどい目で睨みつける表情から一瞬で涙を流すシーンは感心しました。深刻になりそうだなと思ってもコロッと呆気ないくらいの展開を見せたり、まるでツグミの性格のような描写も面白かったです。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-03-01 03:03:11)
24.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
現在と過去を行き来するテーマ性のある話ではあるけれど、現在と過去とのギャップがありすぎて別の人物の物語を見ているようでした。これは幼少期が凄まじ過ぎるのもありますが、いかにも絵の具で書きましたという空に代表される背景セットの質感の違いも大きな要因になっているようです。現在の普通のロケーションに台湾の美しい街並みも織り交ぜるから余計にそう感じます。シリアスなドラマだけにもうちょっと何とかしてほしかったです。執拗な虐待シーンも目一杯暴れてはいるがプロレス的な甘さが目に付くし、どこかでアメとムチというか母の優しさが表現されていなければこのテーマが成立しません。髪をとかすシーンだけでは難しいと思いました。いきなり台湾へ飛んでたり、17才からが描けていなかったり、あげくは娘の忍者ばりの隠密行動といった演出には唖然とすると同時に、脚本にも疑問が残ります。それなりのテーマで望んではみたが、まとめきれずに全てが中途半端に終わったような、ただ原田美枝子だけが際立つ作品でした。
[ビデオ(邦画)] 4点(2008-03-01 00:46:48)
25.  明日、君がいない
大きな流れとしてまず結果を描き、それからそこに行き着くまでの経過を淡々と映してゆくという手法。一つのエピソードの中にも登場する人物ごとに視点を変え、同じエピソードを繰り返す。たしかに、そうすることで相関関係もよく判るし、共有している時間も認識し易い。でもこの作品のテーマに対する犯人探し的な見せ方はよく判らなかった。喪失を描くにしても互いの関係は薄く思えるし、斬新だからやってみたかっただけという気がしてならない。ただ一点、2:37分に起こる出来事を真正面から描ききったことは評価できる。これは描写も含め、演ずるという意味でも目を背けたくなるほどのリアルさがあった。邦題から受けるテーマ性と無機質な原題とのギャップはあるだろうが、全体としてはやっぱり若さが目立つ作品でした。
[DVD(字幕)] 5点(2008-02-09 16:24:49)
26.  洲崎パラダイス 赤信号
洲崎パラダイス 赤信号。もうネーミングの響きがいいですね~。冒頭の洲崎パラダイスの通りに連なる賑やかな店先を、上から見下ろし延々と横移動するシーン。長回しもさることながらエネルギッシュな芝居にも感服。ああ、こんな風に物語は進行するのかと思ったが、ここからが少し違った。本編は洲崎パラダイスの入口手前で進行する。溝口健二は中からこの世界を描いたが、この設定は正直、斬新です。しかしそれからの展開は男と女の愛情のもつれに終始し、前半ほどのインパクトはありませんした。玉ちゃんの扱いも中途半端だし、ラストもね・・。でも背景はおもしろかったですよ。秋葉原(でしたっけ?)の電気街などは賑やかさも建物も壮観でした。それにしてもこの時代は勢いがありますねえ。
[DVD(邦画)] 7点(2008-01-30 00:00:10)
27.  ざわざわ下北沢
まず映像はこの上なく美しい。フィルムの色、光の使い方、構図の取り方とどれも素晴らしい。机に向かい日記をめくる有希のカットなどは絵画のよう。下北沢のどこかノスタルジックで程好くとっちらかった街の風景も愛情をもって切り取られているのがわかる。その反面、物語性が薄いと感じるのも確か。でもそれは、モノローグやモンタージュを多用し、なるたけセリフを排除する俳人のような監督だからそう感じるのだと思う。本作は少女有希が下北沢というフィルターを透して、大人へと成長する物語。ただ表面的な下北沢の魅力を描くのではなく、この時期の人間にとって住み慣れた街や友人というぬるま湯から距離を置くことの大切さも描く。店のテーブルで煙をくゆらす蚊取り線香のカットの後に、「真っ直ぐな蚊取り線香のよう」と自身を評する有希。そして監督は彼女を旅立たせる。いいじゃないですかこの締めくくりは。雰囲気だけではなく、目を凝らせば何かが見えてくる。こんな監督なかなかいませんよ。なのに市川準作品の多くが未だにDVD化されていない。僕には不思議でなりません。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-29 22:58:11)
28.  ゲド戦記
原作未読だが世界観はよかったと思う。質の悪い物や偽物が溢れ、人心は荒び、人が人を売り買いするという虚栄と背徳に満ち変形した社会。この現代をそのまま当てはめたような舞台は面白い。ある意味、製作者側も今の日本や世界の情勢を意識して作ったのではないだろうか。その荒廃した社会を「生と死」という普遍のテーマによって修復しようとする物語も素晴らしい。しかし、これを2時間弱の映画でどう表現しようというのだ?そう見ている途中から感じた。案の定、じっくり作れば面白そうなエピソードも次々に駆け足で通り過ぎてゆく。無理やり2時間に詰め込んでしまっていた。しかも今まで駿作品で見たシーンがあちこちで散見される。画がどうこういうつもりはない。ポートタウンの雰囲気などは好きなほうだ。でもそれは、スタッフが一緒だからというレベルを通り越してオマージュかと思えるほどだった。いくら吾朗作品とはいえ、スタッフは天下のジブリである。何か意図するものでもあるのだろうか・・。わからない。ロードオブザリングという先人があったのにもかかわらず、これだけのテーマ性をもった物語を何故こんなにも中途半端な作品にしてしまったのだろう。作る前にわかっていただろうに・・。次回があるならじっくりとエピソードを書き連ねていってほしいものです。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-23 21:55:18)
29.  田園に死す
イメージとしては面白いと思いましたが、自分探し的なものを延々と見せられただけのような気がしました。それは恐山やイタコといった東北独特な風景を背景にしてはいるが、僕がこの地に抱く恐れにも似た畏れをほとんど感じなかったせいかも知れない。期待していたが結局は何も感じぬまま終わってしまった。本も含め、寺山修二にはあまり縁がなさそうだな。音楽は良かったんだけどね。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-23 01:21:12)
30.  津軽じょんがら節
びょおびょおと吹きすさぶ寒風にしぶきを上げ、次々と打ち寄せる小山のような波。強風に煽られ貝のようにへばりつく村。そんな圧倒的な自然が支配する津軽の風景を、見事なまでに美しい映像で表現しています。だがその反面、ストーリーが少し弱かったように思いました。東京を追われ郷里津軽に逃げ帰った女と男。そんな二人に土地に住む盲目の少女ユキが絡んで物語は進行するのですが、せっかくの気合の入ったタイトルも男と女の情事に終始し、この作品の肝となるはずユキの存在が中途半端になっているように感じました。斎藤真一の唸るような絵。津軽の荒々しくも美しい映像の数々。厳しい自然に対峙する生き方を表したような叩きつける三味線の音。これだけの素晴らしい背景を生かすためにも瞽女(ごぜ)になるとまで宣言したユキの生き様を、津軽三味線を支えた視覚障がい者たちの物語を見せてほしかった気がします。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-23 00:12:28)
31.  エレファント・マン
僕はまた同じ過ちを犯してしまった。それは幼き頃、天神祭りでの出来事と同じ過ちを。その祭りは山の中腹にある神社へ登る道の両脇にたくさんの夜店が出て賑わうのだが、その中ほど辺りにはいつも、見世物小屋がいかがわしい看板と呼込みを餌に黒山の人だかりを作っていた。子供だった僕たちはその看板に驚き、いけないことだと薄々感じながらも興味津々で、いつか入ってやろうと強く思っていた。月日は経ち、中学生になった頃の天神祭りの日にとうとうその小屋に入った。・・・後悔した。猛烈に。八百円払ったのもある。騙されたという気持ちもあった。しかし、それ以上に年配のおじさん、おばさんたちが舞台上で不自由な体を使い、テキパキと芸をこなすその光景に押し潰されてしまった。想像をはるかに超え、それを生業とする人々の現実を叩きつけられた。なのに僕はまた、小屋に入る前と同じ動機で「エレファントマン」を見た。片目の部分に穴を開けた麻袋をかぶりヨロヨロと歩く象人間見たさに。案の定鑑賞後にへこみ、自分のあさましさに嫌気がさしたけど、でも、どんなにメリックという一人の人間の悲しい人生を描こうとも、あの強烈な予告CMやパッケージが物語るように、この作品も現実の、いや作中の見世物小屋の呼び込みと同じ手法を用いたのだ。僕をはじめ人は深海魚をみるように異質なものに興味を示すものではあるけれど、アンタッチャブルな世界を描くのなら、「イレイザーヘッド」のように突っ切るか、はじめからネタバレすべきだったのではないだろうか。ずるいよリンチ監督。
[ビデオ(字幕)] 2点(2008-01-14 14:47:11)
32.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
イメージと違って、なかなか面白かったです。冒頭の100円の伏線の見せ方があざとすぎて幻滅しましたが、それからは展開のテンポもよく、借金取りから逃げるルートを現在と過去とでリンクさせて変化を楽しませてくれたりとチカチカするほど色彩ゆたかな1990年の雰囲気はでてました。まあ都合のいい雑な演出も散見されましたが・・。でもこの時代に代表されるものって、やっぱりディスコなんですかね~。確かにこの時代の酔狂振りをよく表してますもんね。ほんとあの頃は相当異質で、怖いくらいみんな右倣えでしたから。まだ学生だった僕らでさえ、ワンレンだボディコンだと騒いでましたよ。今と違ってケイタイもなく、本やTVでしか情報源はなく、かな~り狭い範囲で思考していたと思いますよ。故にノストラダムスといった類の噂話がまことしやかに伝えられ結構びびってましたもんね。バブルもそういう時代だからこその現象なんでしょうかね・・。あらゆるコンテンツが中身もしらず表面ばかりを見て右往左往していた時代だったような気がします。そう思えばケイタイやネットは広い世界の中に埋没していた個性を引き出す素晴らしく画期的な道具だと再認識したりします。弊害が多いのも確かですがね。話がそれましたが、最後は現実寄りに落としてくれたらもっと良かったんだけど、作りはまとまりがあって良かったと思います。
[地上波(邦画)] 6点(2008-01-13 01:19:26)(良:1票)
33.  追悼のざわめき
いやはや、07年最後の作品にすんごいものを見てしまった。TSUTAYAの新作コーナーに毛色の違うものが置いてるな?と思い裏返してみると、そうそうたる顔ぶれがコメントにて絶賛しているではないか。嫌な予感がしながらもついついレンタル。・・・DVDでよかった。劇場なら途中退席していたかもです。所は大阪府西成区(旧)釜ヶ崎。別名あいりん地区。ディープな大阪の中でも超が付くディープな場所。最近では小さなアパートに数千人、住民登録していたとニュースにもなったあの地です。この地を中心に5年に渡って制作されたそうで、仕事にあぶれた人夫たち(エキストラではありません)がフラフラと行き交う80年代の強烈な臭気を放つ釜ヶ崎(よくカメラまわしたなと思うほど)をバックに白昼夢かと思うほど不可思議な光景が続いてゆく。マネキンに異常な執着を見せる男、小人症の兄妹、高校生?と小学生?の兄妹。主にこの3組が徐々に絡まり物語は進行する。所々、目を見張るほど美しい映像もあるのだが、この3組がどれもこれもえげつない描写を挟むから気が抜けない。まったく先がわからないからハラハラドキドキする。何にも知らない小心者の僕は一時停止や早送り、巻き戻しを駆使しつつなんとか乗り越えたが、相当に覚悟のいる作品だと思う。もう、撮影なんだか決定的瞬間なんだかわけがわからない。小人症の妹役の人なんか普段は相当しっかりとした人(僕の主観ですけど)なんだろうけど、これでもかこれでもかと体を張る。それは恐らく彼女としての女優しての壮絶な演技なんだと思う。そのぐらい圧倒的で凄まじいです。それからはもう僕の口からはよう語りませんが、トラウマ級であることはたしかです。兎に角、強烈な描写と最悪な後味を残すパワー溢れる作品ですが、できうるならば劇場で挑戦することをお勧めします。
[DVD(邦画)] 7点(2008-01-12 20:11:40)
34.  バッドサンタ
なんちゅうサンタだ。もうクリスマス映画としてはクルクルパーマに妙に滑舌のいい坊やの健気さだけで持っている。実はこの坊やが本物のサンタだったなんてオチでも良かったんじゃないか?ふ~まったくなんて晩になんて映画を見たんだろう。今夜も冷えそうだ・・
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-26 01:33:31)
35.  天然コケッコー
小さな田舎町の6人しかいない分校での何でもない話なんだけど、相変わらず人の微妙に揺れ動く心理を表現するのがうまいな~。例えば、膀胱炎になったさっちゃんのエピソード 。主人公の葛藤と後悔から更に、いつもと様子の違ったお姉ちゃんがまた会いにきてくれたと言わんばかりの先手を打ったさっちゃんのきつ~い抱擁のシーン。主人公の感情だけではなく小さな女の子が抱いたであろう感情までをも表現しているところが凄いです。弟や友人への想いもそう。主人公の想いやりはあるが天然なところもよく表現されている。こういった誰しも心の中にある家族や身近なものへの想いと葛藤が、とてもリアルに描き出されている。もうこの監督の作品ならどんなに地味な題材で作っても、その美しい映像も相まって飽きることなく楽しめる気がします。
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-23 02:44:36)
36.  ご挨拶
第1話。これは、バカヤロー系オムニバス作品の一節そのままです。タイトルの含みのある言葉が巻き起こすシニカルなドタバタコメディ。振り回される蟹江敬三が滑稽というだけの作品です。第3話は桃井かおりの初監督作品。不器用で投げやりな女の同窓会の前後で変わる微妙な気持ちを表した作品。個人的には可もなく不可もなくといった感じです。この2作品だけを見るとVHSのレンタルアップ品がAmazonあたりに1円で転がっているのも頷けるのですが、この「ご挨拶」という無名なオムニバス作品に第2話「佳代さん」があるだけで僕にとっては特別な価値を持つこととなる。この第2話は”キオスクのおばさん”と言う、とても地味な題材を主とし、ドキュメンタリーかと見まがうほどリアリティをもって作られています。古い木造アパートに一人生活する中年女性の悲哀とキオスクと部屋を往復する変わらぬ日々にささやかな希望を胸に抱く姿を市川流ともいえる情景を所々に差し込み淡々と映してゆく。高架の走る街の情景。木造アパートの暗い廊下。桜色の提灯。駅へ行き交う人々。キオスクでの仕事ぶりにも徹底したリアリズムが光る。次々にやってくる客を手際よく捌き、そこにいれば起こるであろう出来事を違和感なく演出する。例えば、大勢の客の大量の小銭が出入りするレジのカットの後に、石鹸で手を洗うカット。もうそういった小気味いいばかりの演出の数々に自然と満足度が上がる。そんな変わらぬ日々に小さな変化が起こるのだが、その変化に対する期待、嫉妬、戸惑いといった微かな心象の移り変わりを見事なまでに画で表現する。30分程度の短編だが充実度はかなり高い。そして最後にその心の葛藤を長まわしの“ご挨拶”でまとめ上げる。もう言うことはない。素晴らしいです。 
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-12-03 22:51:11)
37.  ナンバー23
天下無双のコメディー俳優ジム・キャリーが笑いの無い役をやる以上、その笑い以上のものをどうしても求めてしまう。23という数字を妖しく使い、ショッキングな描写も迫力があったが、ストーリー自体が使い古された感がある。やっぱり、シリアスとコメディをほどよくまとめた「トゥルーマンショー」までが許容範囲か。
[映画館(字幕)] 5点(2007-11-24 21:56:06)
38.  レミーのおいしいレストラン
はっきりいってストーリーは相当雑で唐突な描写も多いけど雰囲気と映像はすんごいレベルです。パンやスープの質感もさることながらそのうまそうレベルはハイジにも匹敵する。昼と夜の水面の違い、ステンレスのボールに代表されるCGも圧巻。本当にスゴイ。「ほ~」「へぇ~」「うわぁ~」と驚きっぱなし。料理人の仕草もレミーが料理を作っているときの表情もいきいきしてる。リングイニとの橋のたもとでの打ち解けあいやキスシーンのドラマチックな雰囲気もグッド。ネズミのコックとは突拍子も無いが「どこからでも名コック生まれる」という作中の言葉にも忘れかけていたアメリカンドリームを見せられた気がします。ムッシュ村上を思い起こされるグストーの言葉のように夢がいっぱい詰まった作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-17 14:05:28)(良:1票)
39.  またの日の知華
知華を年齢幅のある4人の役者が演じているため、視覚的な違和感があり、そうすることの意図もよく分からなかった。しかし、知華を透して人々が営んできた生活というミニマムな昭和を見せられたような気がする。全体的には掴みどころの無い話だったが安定感のある映像には見入った。その中でも知華Aのときの鮮やかなコントラストを見せる夜桜と知華Dが青く透明度の高い浅瀬を優雅に引きずられる映像は素晴らしかった。特に後者には映画史に残る美しさがあった。知華Dを演じた桃井かおりの真骨頂を見た気がした。
[DVD(邦画)] 6点(2007-11-13 02:41:00)
40.  あしたの私のつくり方
重たくも柔らかく優しい気配が漂っているのに寒さを感じるほど澄みきった描写に震えた。今ある様々な問題を背伸びせず、長いスパンを違和感なく描ききったことに改めて力量を感じる。いつものように美しく、情感ある映像も素晴らしかった。校内風景を切り取る映像とテレビ電話の映像に若干違和感も憶えたが、まとまりのあるいい映画だと思いました。次回作が待ち遠しいです。
[DVD(邦画)] 8点(2007-11-10 02:48:23)
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