21. ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀
ゾンビ好きなので、作中のゾンビが走らず、喋らず、考えなければ、もうそれだけでかなり満足してしまう部分はあるのだけど、そういった部分を除いても、突っ込みを入れずに最後まで鑑賞できる数少ないゾンビ映画だと思う。オリジナルより良い部分もある。ゾンビの食事シーンやゾンビ狩りをするシーン、そしてホラー映画で女性が取り乱す場面が嫌いな自分にとって、強い女主人公という設定が何よりも良い。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-01 22:30:38) |
22. ランド・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビ三原則「走らない、喋らない、考えない」を打ち立てた張本人であるロメロ監督が、年月を経て自ら禁を犯す暴挙に出た最新作。ゾンビの魅力はこの三原則に全て凝縮されていると信じている自分にとって、学習し、感情を持ったゾンビなんぞ不要なのである。 それは置いても、ゾンビの怖さは効果音で驚かすオバケ屋敷的なものではなく、ヨタヨタと集団で蠢く中にあるのではなかったか。 加えてテーマが陳腐すぎる。ゾンビ映画に政治的、社会的なアレコレなどは絡めなくてよいのだ。絡めてもよいけど、ゾンビが魅力的であるのが大前提ではなかったのか。 と無茶苦茶書いてはみたものの、それはやはり偉大なる監督に対する期待からであって、スラム街の少年や花火に見惚れるゾンビやら、心奪われるシーンは沢山あった。 次作は原点に立ち返るということなので、もちろん期待していますロメロ監督。 [映画館(字幕)] 5点(2007-01-01 00:00:36) |
23. ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生
《ネタバレ》 ゾンビ三原則「走らない、喋らない、考えない」の原点。自分だったら、こうすれば、と妄想が膨らんで膨らんで破裂してしまう不朽の名作。黒人やか弱い女性を主人公にするあたりにロメロ監督の主張があるのだろうけど、はっきり言ってそんなもんはどうでもよいのである。無数のゾンビがヨタヨタと阿呆みたいに歩いているだけで大満足。ゾンビが好きだ。 [地上波(字幕)] 10点(2006-12-29 21:37:16) |
24. 死霊のえじき
《ネタバレ》 他のところでも再三書いているが、ゾンビ三原則に「走らない、喋らない、考えない」がある。この作品は、その大原則を打ち立てたロメロ自ら禁を犯そうとする序章。ではあるが、それは例外的な扱われ方だったので、子供心にほっとした記憶がある。一片の救いもない、真に怖いゾンビ映画。 それにしてもゾンビって暗闇よりも陽光の下で映えますね。映えるってヘンか。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-29 00:05:10) |
25. ソナチネ(1993)
小学生だった頃、怖かった。ちっとも暑そうに見えない夏。入ることを拒むような海。のっぺりとした青空。平坦な風景。生気の感じられない登場人物。マイナーコードの旋律。作品自体が墓標であるかのように思えて怖かった。 十年以上経った今、むしろ落ち着いて鑑賞することができるのは、たぶん様々なことを諦め、自らの墓標の形もおおよそ分かってきたからであって、それはたぶん悲しいことなのだろう。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-29 00:00:58) |
26. 悪魔のいけにえ
《ネタバレ》 「テキサス・チェーンソー」、「テキサス・チェーンソー・ビギニング」と立て続けにリメイクされたが、やはり到底届かないのだ。あの、朝日をバックにレザーフェイスが襲いかかる、最高にいかれたラストシーン。狂気が漲っていて、奇跡的なアンバランス加減で満ちた本作は、今の時代ではもはや作ることができないだろう。キチガイ万歳。 [地上波(字幕)] 9点(2006-12-28 23:58:17) |
27. ドーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビがヨタヨタとしか歩けないのは、死後の筋肉がどうのという医学的な理由付け以上に、何とか逃げることができそう、という想像の余地を与えてくれるからである。少なくとも僕はそう信じている。だからこそ各々の頭の中で無数のゾンビストーリーが生まれ、果てしない妄想に浸る楽しみがあるのだ。 その意味で、これはリメイクですらない。ターミネーター並みにダッシュする超人的なゾンビを目にした我々の思考は停止し、単に画面を追うだけの身となってしまうのだ。ストーリーやキャラクターが魅力的なだけに、その致命傷が目立って目立ってしょうがない。 [DVD(字幕)] 5点(2006-12-28 23:52:15) |
28. ドッグヴィル
《ネタバレ》 たしかに下手な偽善よりは露悪の方が良い。この映画における様々な露悪は一つ一つでは理解できるし、ラストは積み上げた露悪を焼き尽くすあの壮絶なカタルシス以外ありえなかった。だけれど納得できない。なぜかと考えるに、そもそもこの監督自体が好きではないのだと気づいた。こういう考え方をして、それを映画に撮り、他人に披露する、そういう人間が僕は嫌いだ。と、これでは映画のレビューになっていないけれど、映画を撮るのが人間である以上、それはしょうがないじゃないか。 [DVD(字幕)] 0点(2006-12-27 18:02:50)(良:1票) |
29. サンゲリア
《ネタバレ》 ゾンビの三原則というものがある。走らない、喋らない、考えない、この三つである。これを満たしていなければ、そもそもゾンビ映画ではない。ロメロの最新作を観て落胆した人が多かったのは、この原則を作ったロメロ自身によって原則が打ち破られたからだと思う。その意味で、これは正しくゾンビ映画である。唖然とするほど適当なシーンも多いけど、ゾンビの怖さの本質を捉えた数少ない作品だと感じた。最後の最後、街中をゾンビが蠢くシーンが素晴らしい。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-27 17:59:29) |
30. PiCNiC(1994)
「リリイ・シュシュのすべて」もそうだけど、画面に散りばめられた断片が素晴らしい。コントラストの高すぎる空。風に揺れるシーツ。夕焼けの突堤。塀の上を延々と歩く姿。どこかで見たことがあるような、どこにもないような光景。ノスタルジーに浸るための映像。その手段としての映画。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-26 12:58:13)(良:1票) |
31. HANA-BI
《ネタバレ》 花火は刹那に散る。けれど人が散るのは簡単ではない。生きている限り、しがらみとか世間とか、そういったものが厭でも周りを取り囲む。そういうモノゴトから少しずつ離れていく主人公の姿が、悲しくて、うらやましかった。 最後の銃声は、あれは花火を打ち上げた音だったのかもしれない。 [ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-26 12:54:10)(良:2票) |
32. ゾンビ/ディレクターズカット完全版
《ネタバレ》 一体何度観ただろうか。自分だったなら、もしもこうだったなら、そんな妄想を何百回繰り返しただろうか。デパート内をヨタヨタと阿呆みたいに蠢くゾンビの姿は、とてつもない恐怖でもあるし、滑稽でもあり、時に悲哀すら感じさせて、同じくらい阿呆だった中学生の僕を完璧に打ちのめした。喜怒哀楽すべてが詰まった奇跡的な映画。 [ビデオ(吹替)] 10点(2006-12-24 20:14:34) |
33. あの夏、いちばん静かな海。
《ネタバレ》 北野監督本人も言ってるように、人は本来ほとんど喋らない。映画だからといってやたらと饒舌になる必要は全くないわけで、静かな映画、という感想はやはり的外れになるんだろう。 エンドロールが終わっても響いている波の音に聞き惚れ、二人が歩く姿にただただ見とれた。 [ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-22 20:59:06) |
34. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ロメロの名作群を観た人は、「ゾンビの動きを真似すれば、ひょっとしたら襲われないんじゃないか? でもまあ、そんなことないよなあ」などと薄らぼんやり思ったりするのだけど、この映画では主人公たちが愚直なほど誠実にそれを実行する。 全編がゾンビへの愛に満ち溢れていて、でもゾンビへの愛って何だろう、そもそも自分にとってゾンビとは何だろう、そんなゾンビに対する自分の立ち位置の確認をも要求する快作ゾンビ映画。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-22 20:57:06) |
35. ラストデイズ(2005)
《ネタバレ》 余計な台詞ばかり長々喋る映画が多いなか、この映画はダントツで静かだ。これだけ主人公が意味のある言葉を発しない映画は他に「あの夏、いちばん静かな海」くらいだろう。 爪弾かれる曲も鳥肌が立つくらい良いのだけど、やはり森がゆれる音、川が流れる音、夜の闇の中から響く音など、この映画に流れる自然の音に感心した。 [映画館(字幕)] 9点(2006-12-22 20:53:44) |
36. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 この監督は、頭の悪い女が死ぬところを撮りたかっただけではないか。妄想の世界に生き、周りを翻弄し、母性愛という名の押し付けをする。そういう頭の悪い女が愚かしく死ぬまでを撮った。そう受け取った。こういう人間が死ぬのは一向に構わないのだけど、それを個別に長時間に渡って鑑賞するという行為に意味を見出せない。 [DVD(字幕)] 0点(2006-12-22 18:14:57)(笑:1票) (良:3票) |
37. 死霊の盆踊り
《ネタバレ》 邦題を考えた人の勝利だと思う。突っ込む気力もない。アタマ狂ってる。作った人間、出演した人間、皆死ぬべきである。DVDでデラックス版なんてものを発売しようと企画した人間は白痴だ。死んだ方が良い。そして、この映画とも呼べないゴミについて人生の貴重な時間を消費してレビューしている人間が一番オカシイ。俺か。 [DVD(字幕)] 0点(2006-12-21 18:50:00)(笑:5票) |
38. シベリア超特急
これも才能なんだろうなあ。 [DVD(字幕)] 0点(2006-12-21 18:48:21)(笑:2票) |
39. CUBE
映画を観る人は登場人物に自分を重ね合わせる。自分ならどうするか。何を考えるか。何を信じるか。自分の現在、過去、未来と照らし合わせ、鑑賞する。そもそも映画とは、そのためにあるのかもしれない。 この映画が他の映画と一線を画するのは、その点。イマジネーションを喚起する無限大の閉塞。そのために創造された状況。 [ビデオ(字幕)] 10点(2006-12-21 18:46:46) |
40. 死の王
人が死ぬところを延々と映し出す、ただそれだけの映画なのだけれども、どうしようもなく惹きこまれた。 音楽がとても美しくて、映像も汚くないため、アート的な映画という見方もできるが、僕は他人の葬式に出席している感覚を持った。それか、完全自殺マニュアルを読んでいるときのあの感じ。 無機質な、自分とは全く関係のない誰かの死。そして自分が死ぬとき、全くの他人からはこういう風に無感情で見られるのだという死。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-21 18:43:24) |