21. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 これは見る人によっていろいろと解釈が変わりそうな映画ですね。 物語全般としてはベンの特異な運命にスポットが当てられていますが、彼の人生に関わった人たちももれなく運命に翻弄されているわけで、誰も定められた運命からは逃れる事は出来ず、その結果から誰もが「もし時間を巻き戻すことが出来たら」、と考える、ということではないでしょうか。 ラストシーンもハリケーンの接近で、病院内の皆の関心がハリケーンに向いて慌ただしくなっている中で、デイジーがひっそりと息を引き取りますが、物語の最後の最後でもう一人の主人公とも言えるデイジーが蚊帳の外に放り出されているようで、彼女の人生もまた、誰かに影響を与える「運命」の一コマに過ぎなかった、というような印象を受けました。 キャロラインや、病院の職員や患者達も、あの時、あのハリケーンが迫る病院にいたのが必然ならば、あの後無事だったのかわかりませんし明言もされていませんしね。そこに来てあの倉庫に打ち捨てられた左回りの時計が水没するシーンでジ・エンドですから・・・ 私自身も10万人に一人とかの病に罹ってもう云十年になり、運命というものについてよく考えます。なかなかに興味深い内容でございました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-24 15:02:02)(良:1票) |
22. 恋愛小説家
こういう欠点だらけの人間同士がお互いを認め合って、ジワジワと仲良くなったり、ジワジワと惹かれ合う映画は好きですね~。 いい映画だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-21 23:27:23) |
23. ケンタウロス/宇宙からの脱出
《ネタバレ》 一応、SFサスペンスってことなんでしょうけど、詰まるところ、トラブルが起こった所為で地球に帰還するまで20年掛かる宇宙船から、さっさと地球に帰りたいがためにクルーが一人乗り(笑)の小型シャトルを奪い合うという、バトルロワイアルです。主役のリチャード・ノートンを筆頭に脇役の面々もプロフェッサー・タナカやジェフ・イマダといった80年代のB級アクションでおなじみの顔ぶれが出演していますが、映画の出来はZ級でした。あ、プロレスラーの故ビッグ・ジョン・スタッドも出てましたね。奪い合うって言ってもホントに文字通りで、無茶苦茶チープなハリボテセットの中でユルユルのカンフーアクションが展開するのを延々と見せられるだけなんですね・・・ この頃の宇宙もののB級SFは猫も杓子も「エイリアン」のパクリでしたが、宇宙船の中で人間同士の肉弾戦が展開するというのはかなり異色だったという印象はありました。 [ビデオ(字幕)] 0点(2022-11-15 22:56:20) |
24. 僕のワンダフル・ジャーニー
前作同様、細かいエピソードの積み重ねで、そのエピソードの一つ一つも大して面白くないです。只、前作と合わせて観るとそれだけ登場人物たちの情報量が増えてくるので、親近感が沸いてきて一番最後まで観ればそれなりのカタルシスは得られました。前作と一気に鑑賞することをお勧めします。 [地上波(吹替)] 5点(2022-11-06 11:04:07)(良:2票) |
25. カクテル
よくコントで過ぎ去った時代を殊更強調して再現することで笑いにするという手法がありますが、この映画も今観るとなんだかコントみたいでした。 でも80年代の映画のストーリー運びってこうだったかもしれませんね。確かに当時は話題になっていたのは事実ですし、時代を写す一本ということで。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-11-02 15:47:21) |
26. 僕のワンダフル・ライフ
尺が短めなので余計にそう思えたのかしれませんが、全体的に消化不良というか中途半端な印象を受けました。 原作は未読なので何とも言えませんが、なんだかダイジェスト版みたいでしたね。 只、人と犬とは会話が出来ないだけに、人間が知らないだけで、もしかしたらこういうことが起こっているのかもしれないという気にはなれました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-11-01 15:01:59) |
27. フットルース
今観ると居心地が悪いような80年代のノリが逆に味わい深いですね。サントラは言わずもがな、何気にこの映画って現代人が忘れ去ってしまった大切なことがいろいろと詰まっているような気がします。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-25 22:55:12) |
28. “それ”がいる森
《ネタバレ》 これは・・・「劇場版 USO!?ジャパン」ですか?ホント全てに於いて稚拙な映画ですね。宇宙人ものがやりたかったにしても幾らでも別の切り口があったと思います。肝心の宇宙人も見た目がグレイタイプで補食のギミックが特殊っていうのも、意外性を持たせようとしたのかもしれませんが、90年代あたりにハリウッドのC級映画で何本も見た気がします。恐らく、作り手も最初から本気ではなく、宣伝効果で思わず劇場で見てしまった人が「騙された~~~って」っていうところまでがセットのエンターテインメントなんでしょうね・・・そうだとしても最早そういうのも古いですが。 [映画館(邦画)] 2点(2022-10-01 22:13:58) |
29. 竜とそばかすの姫
叩き上げのアニメーターにして、監督の名前で集客出来るポジションにいる細田守監督ですが、やはり毎度々話の内容が薄くて浅いですね・・・ 私自身には理解できませんが、細田氏の作品は大衆を引き付けるパワーがあるのは違いないと思いますので、監督本人が原作や脚本に関わらない方がもっと高い評価が得られるのではないでしょうか? [地上波(邦画)] 3点(2022-09-26 15:02:47)(良:1票) |
30. ウォーターワールド
《ネタバレ》 違うんですよ。この映画は駄作と言われて久しいですけど、1979年にポストアポカリプスの元祖、「マッドマックス」が世に出てから散々作られまくった「なんちゃってマッドマックス」の一編に過ぎないんです。それをどこでどう間違ったのか当時の大スターであるケヴィン・コスナーが製作、主演したことによって、この手の映画はまず見ない層の興味を悪戯に引いてしまった・・・結果として惨敗、酷評の嵐となったのは皆さんご存じの通り。 個人的には当時のケヴィン・コスナーが出演しそうな種類の映画とはとても思えないのですが、実はこういうの好きだったんでしょうね(笑)自分で製作までしちゃってるし。ウケないのは最初からわかりそうなものなのでプロデューサーとしては失格だと思います。 デヴィッド・トゥーヒーの脚本も、彼の他の作品でもよくやっているマカロニ・ウェスタンを下敷きにしたようなもので、流れ者のアウトローが反目しながらも仲間と共に困難を解決して、独り去っていくという、古臭いものです。そして何より問題なのはこの映画に100億円掛けたようには到底見えないことでしょうね。 因みに私はケヴィン・コスナーはどちらかと言えばキライです。でも、実際の映画の出来は全く持って〝普通〟だと思います。特筆すべきところもないですけど、これより酷い映画は山とあるので、駄作というほどでもないと思います。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-08-09 00:24:40) |
31. 御法度
《ネタバレ》 大島渚監督の遺作ですが、何というか、テーマと言い、スケールの小ささ(誉め言葉です)と言い、映画全体を覆うザラついた空気と言い、デヴィット・クローネンバーグの映画を見ている様でした。 キャストはビッグ・ネームばかりなので、そこがまたアンバランスというか・・・ 最近は関西圏でしかほとんどお見掛けしなくなったトミーズ雅なんかほとんど主役だし。 観客を置いてけぼりにする演出と、過剰なまでに説明的な部分が混在し、とても不思議な印象で、内容としてもそこまで面白くないんですけど、トータルでは脳裏に残る映画だったと思います。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-03 09:36:20) |
32. トイ・ストーリー4
《ネタバレ》 ぷははっ 完全に今までのシリーズを壊しにかかって来てますね。全体的にネガティブな要素が増えてどことなくダークな雰囲気になってるというか。何しろフォーキーの口癖が「ぼくはゴミだぁ~」ですから(笑) わかりにくい例え方ですけど、「エイリアン3」をリアルタイムで見たときと同じようなザラつきを覚えました。 でもこの居心地の悪い、「観客が望んでない感」も嫌いではないです。ウケが悪そうなダッキーとバニーのブラックな妄想とか。 ボニーの態度やウッディの最後の決断などが、日本の多くの観客から拒絶されたようですが、人(オモチャも)の考え方が永久不変ではないという見方をすれば何となく感慨も湧いて来るというものです(そうか???)。 この様子だと"5"でアウトローと化したウッディとボーの活躍が見られるということでしょうね。ヤレヤレ。 [地上波(吹替)] 4点(2022-07-06 09:44:03) |
33. 7月4日に生まれて
《ネタバレ》 反戦映画というよりは、アメリカ人の信仰や愛国心といった呪縛についてのストーリーですね。 幼少のころから知らず知らずに愛国心を植え付けられ、兵士として戦場に赴くことが美徳であると何の疑いもなく信じて大人になって、いざ出兵して戦場を目の当たりにしてみると・・・ 信じていたことが全て嘘であったことに気付かされたうえ、身体の自由まで奪われる。それでも自身が自ら戦争に参加した事実を否定することもできないという。本当に死んだのと同じような気持ちなんじゃないですかね。 映画として面白いかと言われると微妙ですけど、いろいろと考えさせられる見応えのある作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-07-05 11:12:49) |
34. ロビン・フッド(1991・ケビン・レイノルズ監督作品)
実に30年ぶりに再鑑賞しました。 当時の私はあまり直球ストレートな映画は苦手で、ケビン・コスナーも苦手だったんですけど、レンタルビデオ屋に行ったときにレンタルしたい映画がなくて、手ぶらで帰るのも嫌だったのでこのロビン・フッドを借りたのでした。 そのときの感想は、正直ノリも合わなかったし、超が付くほどツマラナイと思いました。 そして時は流れ、その間にCG塗れの史劇大作とかも散々見て、今回の再鑑賞となったわけですが、これがなかなか面白く感じました。 考証も結構適当だし、アクションも緩い。広く知られているロビン・フッドの物語を人気だったケビン・コスナーを主演に迎えてオーソドックスに映画化したに過ぎないのですが、娯楽映画って寧ろこのくらいの力の抜け加減が丁度いいのかもしれないですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-05 22:38:51) |
35. エイリアンズ(1980)
《ネタバレ》 リドリー・スコットのエイリアン(79)のイタリア製パクリ映画なんですけど、正直、内容はよく理解できないです(笑) まず、宇宙飛行士が宇宙から持ち帰ったらしい謎の物体がそこらに転がっているというのが意味不明ですし、それを拾ってリュックに入れたまま洞窟探検に出かけた若者達が、洞窟内で物体に身体を浸食されてサバイバルを余儀なくされるというストーリー展開が、いくら何でも行き当たりばったり過ぎます。 物語終盤では一応、洞窟の外での展開が用意されていますが、洞窟の惨劇を生き延びたヒロインが洞窟の外に出てみると、街は既にエイリアンにやられて人っ子一人いなくなっていた、というありがちなもので、ヒロインがシルエットしか見えないエイリアンにボーリング場の中で追い回されたりしてバッド・エンドです。 かなり酷い内容ですが、なぜか海外ではそれなりにファンが付いているのか、バキバキの高画質のブルーレイや、デジタルリマスターされた高音質のサントラCDが発売されています。 特にグイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスによるサントラ盤は、本編未使用の自作自演のカントリーミュージックがたっぷり収録されており、ホントにこの映画、何から何までよくわかりません。 [ビデオ(字幕)] 2点(2022-03-16 10:35:17) |
36. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 本当に月並な感想ですが、「天才は常に孤独」という訳ですね・・・ ラスト、みんなで証拠を焼き払うシーンはしみじみしました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-14 20:25:35) |
37. マーリー/世界一おバカな犬が教えてくれたこと
主役がマーリーなので当然といえば当然なのですが、夫婦を取り巻く環境の変化や子供の成長などの人間側のドラマが非常におざなりに見えてしまい、何と言うか「とある夫婦(家族)と飼い犬のダイジェスト」を見せられているような印象でした。エッセイが原作で実話ベースとのことで決して内容そのものを否定はしませんが、マーリーと家族の関わりをもっとじっくりと描いて映画としての面白さを追求して欲しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-11-29 22:58:35) |
38. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
《ネタバレ》 モスラ、キングギドラ、ラドンまでもがハリウッド版に登場すること自体、以前は100%叶わないと思っていたことなので、日本のKAIJYU達が最新の映像技術で蘇ったことには大きな感慨がありました。 しかし、ストーリーがとてもチープで、折角のお祭りもイマイチ盛り上がりに欠けたというのが正直な感想です。 肝心の主役のゴジラの影が薄かったり、モスラの存在も中途半端過ぎです。オキシジェンデストロイヤーの登場や芹沢博士の自己犠牲が余りに唐突だったり、他の何だかよくわからないオリジナル怪獣たちもあれなら無理に出す必然性がなかったように思います。 と、文句ばかりですが映画の完成度とは別に、細かい小ネタの数々を見るに、作り手の本家ゴジラシリーズへの愛は本物だということは十分に伝わりました。 悲しいかな本国日本では人前でゴジラについて熱く語ろうものならドン引きされるような土壌があるのに、それを世界のゴジラファンの為に170億も掛けて映像化してくれたことにホント頭が下がります。 [地上波(吹替)] 5点(2021-06-04 10:31:43) |
39. エイリアン・ゾンビ(1987)
《ネタバレ》 今でこそ「エイリアン~」とか「~オブ・ザ・デッド」とか適当な邦題がついて日本に紹介されているクズ映画は掃いて捨てる程ありますが、80年代後半というと、レンタルビデオブームの真っただ中であり、「エイリアン・ゾンビ」なんてタイトルがついてると、とんでもなくコワイ映画なんやろな~とか思って借りてしまう訳ですよ。ジャケットのジョージ・ケネディもまるで主演のようでしたし。 でも実際中身を見てみると、その辺の裏山みたいなロケ地でゴリラの着ぐるみ(エイリアン?)がウロウロするだけで、ゾンビも本作ではエイリアンに使役される只の労働力なのでやはりウロウロしているだけでした。ジョージ・ケネディもすぐ死にますし・・・ さらにクライマックスに登場するラスボスのエイリアンは予算の関係でしょう、胸から下がドラム缶に入っているという意味不明ぶりで、まるで鬼のコスプレをしたおっさんが半身浴しているようにしか見えませんでした。当然、その場から動けないので死ぬほど弱いです。 ・・・とは言え、こういった映画はまさに一期一会、需要などあるハズもないので世に出て時間が経過すればするほど見るのが難しくなります。それによしんば見てしまったとて、見たことすら忘れてしまう人がほとんどでしょうし。そう言った意味では当時この映像体験をしたことは貴重だったと言えなくもありません。 [ビデオ(字幕)] 1点(2021-05-31 11:27:05) |
40. ジオストーム
人間ドラマもサスペンスもややチープではありますが、娯楽大作だし細かいことは言いっこなしということで。 暇つぶしに見るには十分です。 只、肝心の異常気象によるパニックが思っていたよりずっと地味で、もっとハジけてもよかったかなと思いました。 最近のアンディ・ガルシアは仕事選ばなくなりましたよね? [地上波(吹替)] 4点(2021-05-18 21:21:52) |