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21.  時計じかけのオレンジ
やはり生理的に受け付けられなかった。エロ・グロ・ナンセンスこそアナキズムの昇華と考えてるのか、さらにそこをシニカルにみてるのか。どっちにしてもキューブリック作品の負の部分、エグいくせにひ弱な感じはやはり合わないですね。そこまで嫌な思いをして映画の背景を探る努力を観客にもとめてもね。学生とかならともかく嫌な現実をみながら生活している社会人にはね。
[DVD(字幕)] 1点(2018-06-03 19:02:26)(良:1票)
22.  砂の器 《ネタバレ》 
 左派の先生が強い高校に通っていた関係もあり、学校で映画館を貸し切り、すでに名画の域に入っていたこの映画を30年ほど前に鑑賞。反抗期の男子高校生として最初は「たるい映画だな」という感じでしたが、中盤以降のめり込み、クライマックスには不覚にも涙が止まりませんでした。以来、松竹がネタに窮してリバイバル上映するたびに見に行き、もう10回近く映画館でみています。  確かに何人かの方のレビューにあるように、筋は粗く穴は多いです。映画館売店前の記念写真とか、新聞コラムの紙片とか。しかし、松本清張の小説にはそういうのが多く、初期の短編などは数行で事件があれよあれよと解決するものもあり、仕方がないでしょう。  やはり、最後の1時間の捜査会議、放浪回想、コンサートの同時進行の演出の巧みさ。丹波先生の思い入れたっぷりの演説、主題曲の放浪シーンにぴったりあった旋律、加藤剛の思いつめた表情、本当に患者としか思えない加藤嘉の演技など、何度見返しても飽きません。昔は丹波演説を暗記までしていました。同じくこの映画のフアンの竹中直人さんが昔よくやっていた丹波・加藤嘉の掛け合いものまねも好きで、それをさらに真似していました。昔は森田健作刑事の目線でみていましたが、自分自身も年をとり、当時の丹波刑事の心境に近いものになってきていて、あらゆる世代が楽しめると思います。(しかし、丹波・森田コンビってその後のお2人の生き様をみるとすごい組み合わせですね)  
[映画館(邦画)] 10点(2018-06-02 22:59:15)(良:2票)
23.  セーラー服と機関銃
中学生のときに友人と映画館で観ました。超満員の中、前座映像で柳澤慎吾氏率いるひろ子親衛隊(ひょうたん3銃士とかなんとか)が歌う応援歌が流れ、場内はすでに熱気に包まれていました。ただ、少年心にも「このストーリーはちょっと変だな」と思っていましたが。。。数年前にDVDで見返してびっくり。大フアンで憧れの的だった薬師丸さんはこの時期、どうみてもクラス1の美少女という設定は厳しく(直前まで大学受験生活だったので仕方ないが、ちょっとむくんだ感じ)、甲高い声でわめく痛い女の子にしかみえず、筋も日活の晩年のような内容。「はあ」という印象。青春時代とは錯覚の連続なんだなあ。
[映画館(邦画)] 3点(2018-06-02 22:34:12)
24.  白昼の死角
 高木彬光の原作は金融ピカレスク小説としては出色の作品。文庫本だとかなり分厚いのですが、一気に読めました。手形のパクリ、株の信用売買などなど、現在にもつながるような内容で、実に巧妙に詳細に手口が表現され、夢中になった記憶があります。  封切り当時はまだ子供でダウンタウンブギウギバンドの主題歌は耳に残っているのですが未見で、中年になってやっとDVDで視聴。しかし、、、大筋は原作は追ってるものの、醍醐味である金融犯罪部分は薄っぺらく、Vシネマばりのアクションが続くのみ。せっかくの俳優陣を揃えたのにがっかりでした。例えるなら「白い巨塔」を手術の血しぶき部分のみ映画化したような感じ。村川監督は好きなのですが、この人はおそらく会社組織や金融の知識や興味がほとんどないのではと。「蘇る金狼」なども、アクションは面白くいい映画なのですが、会社組織の描き方があまりに荒唐無稽でした。  映画公開時にテレビシリーズでやった渡瀬恒彦、山本圭出演のドラマの方がよかったなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2018-06-02 22:21:51)
25.  金融腐蝕列島[呪縛]
封切り時に映画館でみました。こういう企業や銀行が舞台の映画は邦画ではあまりなかったので、食い入るようにみました。役所広司、仲代達矢、佐藤慶など重厚な布陣で、当時は金融と関わる仕事をしていて日比谷公園界隈はうろうろしていたのですが、中身もあまり違和感はありませんでした。この監督のその後の作品の自己陶酔的な表現も薄く、楽しめました。ただ、映画館ではあえてセリフがささやくような小ささで聞こえづらかったのが難か(おそらく自然な演出を狙ったのだろうが、DVDで再見したときは通常の音声レベルでした)。また、ラストはやや拍子抜けなのですが、これは原作もそんな感じなので仕方ないでしょう。
[映画館(邦画)] 9点(2018-06-02 22:10:15)
26.  影武者 《ネタバレ》 
制作の過程をめぐっていろいろと議論はあるが、やはり名作のひとつに挙げられるだろう。 われわれ日本人は、特に長谷川等伯筆のダルマのような信玄の肖像画が教科書段階から脳に刷り込まれているため、仲代の信玄像はどうもしっくりこないのは確か。 だが、そういった先入観を抜きに、自分を欧米人と思って観ると(笑)、物語、映像美、ダイナミズム、どれをとってもやはり重厚な逸品だ。ただ、、、やはり仲代には信玄公は演じられても、泥棒の影武者は違和感があった。彼が演じると、豪放な泥棒というより、知能犯、詐欺犯に思えてしまうんだよな。ここは、勝新、あるいは本来は三船だろう。 それと、この映画で一番好きだった場面。影武者が隊列を前に激を入れて、調子に乗って落馬してしまうシーンが、実は仲代ではなく本当にエキストラが演じていたことを土屋嘉男さんのエッセイであとから知ってショックだった。仲代がこんな演技ができるのかと関心していたからだ。とはいえ、そこまで監督のトータルな演出だったとすると9点。
[映画館(邦画)] 9点(2018-06-02 21:18:14)
27.  ダメおやじ 《ネタバレ》 
原作やアニメは結構好きなんですけど、これは似て非なるものです。特にノイローゼになった主人公の妄想?での妻からの虐待ぶりがすさまじく、なんというか名匠野村芳太郎監督の心の闇を見たような思いです。ラストで家族は北海道の最果てに転勤にでかけて行くのですが、「向こうでがんばろう」的なハッピーエンドにもかかわらず、現地での陰惨な末路が想像できるようでした。
[DVD(邦画)] 5点(2018-04-15 21:06:15)
28.  2001年宇宙の旅
はいはいSF映画の金字塔ね。コンピュータの叛乱ってやつ? んでもってキューブリックね、ほいほい。俺「時計じかけ」も「フルメタル」も好きじゃなんだよね。 と、長い間ずーーと観なかったのを後悔しました。終盤の描写は賛否や解釈の差はあるでしょうが、とにかく映像が素晴らしい。宇宙空間の凛とした静けさがひしひしと伝わり、CGではない本物っぽさを感じます。俳優がほとんど無名の人たちだったのも、リアリティがありました。
[映画館(字幕)] 8点(2018-04-02 20:25:13)
29.  ラストマン・スタンディング
おっ黒澤明だ!ウォルター・ヒルだ!んでもって当時人気絶頂のブルース・ウィリス 主演!! と期待していったら、共倒れだった印象。主人公が用心棒に比べるとなんかせこい。
[映画館(字幕)] 5点(2018-04-02 20:19:46)
30.  ハンニバル(2001)
名作「羊たちの沈黙」の続編に期待してみるも、結果は、、、うげー見るんじゃなかった。前作が凄惨なシーンはあえてきちんと見せずに人の想像力で恐怖を駆り立てた秀作だったのに対し、こちらはモログロ。特に最終シーンは、見るんじゃなかったと後悔しました。前作のファンは猟奇そのものが好きなんじゃなくて、猟奇的な人物の行動や心理を楽しんでるのよ。それとジュリアン・ムーアのような薄幸な顔の人がクラリスを演じると救いがない。ジョディ・フォスターだから良かったのに。
[映画館(字幕)] 1点(2018-04-02 20:12:45)
31.  ユメ十夜
えーと。松尾ズズキ「運慶」と市川崑「和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると…」以外ははっきりいって酷い内容。漱石ファンの人は見るのをおすすめしません。それぞれの監督は他の作品は素晴らしい方も多いのですが、短編なのにどうしてこう長ったらしい独りよがりな作品になるのか。
[DVD(邦画)] 1点(2018-04-02 20:06:18)
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