21. 肉体の門(1964)
《ネタバレ》 先に『河内カルメン』から観てしまったのですが、製作年とはテレコ!てなモンでアッチはモノクロなのにコッチは極彩色!だモンですから、コントラスト的に(観るのが後になった)今作の方が更に一層眩い…みたいな感覚では居りましたすね。尤も、お目当ての野川由美子自体は逆に、モノクロの方が(物理的に美的だったかどーかで言えば)より美しかったとも思いますケドも。とは言え、お話と、それを織りなすキャラクターの「凄み」みたいなモノに関して、ソコはどーしよーもなくコッチが上回るとは思うので一応評価の上下は明確に付けておこうかと。何つーか身も蓋も無く、ココからロマンポルノに繋がっていったんだなァ…とは(やはり)思われてしまいます、が、その意味では中盤以降の緊縛シーン×2のクオリティとゆーのは、ワリとロマンポルノ結構観たゾ!て自負のある私の感覚からしても、正に原点にして至高!みたいなド級の出来だったとしか思われませんですね。実にこう~~~上手いコト諸々を「隠してる」とゆーか、一方でそれでも尚このレベルまでに(随所に渡って)画的な美しさに(勿論の)妖艶さも兼備して…とゆーのは、やはり唯々「凄腕」だとしか言い様がねーな…と思ってしまいます。『殺しの烙印』以前の作品を正直追っかけれてない(⇒否、避けていた)のですケド、ゆるゆる全部観てゆこうかと思いました。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-09-07 01:37:30) |
22. エイリアン:ロムルス
《ネタバレ》 いや、面白かったですよ。極めて重厚&本格的かつ細部まで行き届いた完成度の高い作品だったと素直に思いますよ。つくり自体は、第一作のリメイク(or 技術的アップデート)とゆーか、SFにもホラーにもアクションにもマジ本気!みたいな、でも各々やっぱ非常にしっかりしたつくりでバランスも悪くなくって、重ね重ね全然楽しく観終われたって感覚は120%確実にあるのですよね。 でもまた、私が観てきたトコロでは、冒頭から丁度三分の一ずつ⇒序盤がSF・中盤がホラー・終盤がアクションの大盛上がり…みたいな感じだったと思えてますケドも+で再度ドレも全然十二分に仕上がり切った感じでもありますケドも、まず前半のSFはちょっと「クラシカルな」とゆーかメカニック諸々の感じがキチンと第一作準拠で(私なんかだと)凄く「懐かしい」ってな質感で⇒だからコレ逆に第一作を観てない若い人とかだと下手するとSFに見えないんじゃね?みたいな感じでもあるのですよね。んで中盤以降のホラーの部分も、予告編とか観た感じだととにかくメッチャ怖そう=ホラーが実はメイン!てその意味でも第一作準拠なのがコンセプトって作品なのかと思ってたのですケド(監督もフェデ・アルバレスなワケだし)コレも確かに高度にホラーに仕上がっては居るモノのココは率直にソコまで怖くなかった⇒何故ならやっぱその「正体がバレてる」からだよな~としか思えなかったってのも(再び)正直な感覚ではありますかね。お話の中身自体も、流石にキョウビちょっとシンプル過ぎる=捻りが無さ過ぎるって感じでもあり、個人的には前半だけなら(低く付けて)ギリ6点になっちゃうかな…みたいな感覚ではあったんすわ(実は)。 しかし、終盤はアクションがどんどん派手になってゆく+でオーラスには再び一発少~し意外性のあるホラーシーンが入ってくる⇒その辺には完成度のみならず比較的高度なユニークさ(=第一作には無かったモノ)も見て取るコトが出来た…とは思えたので、評価自体はかなり持ち直して全体で8点を付けたいな…と考えるトコロまでには至ったのですね。ただ、ソコでね~~~物凄~く迷っちゃったとゆーか、結論を言っちゃうとじゃあコレ「一作目とドッチが上?」てコトに尽きるんすよね。。その辺を重々鑑みて、結局のトコロ私は今作にこの評点を付けるものなのであります⇒言っちゃあ、私の中では8点なのがⅠで9点なのがⅡなんですよ(ソコに関しては、私の信念は最早恐らく未来永劫揺るがないんすよ)。この後、スグにⅠを再見して、答え合わせをしようと思ってるトコロです。以上。 [映画館(字幕)] 7点(2024-09-06 23:41:10) |
23. きみの色
《ネタバレ》 お話自体は実に普遍的な青春映画ですね(「きみは何色か」はそのまま「きみは何者か」でしょーから)。かつ、その中で感情の起伏やストーリーの抑揚とゆーのはかなり振れ幅小さくて、諸々と実にゆるやかに彼・彼女らは季節を巡ってゆく…という感じだと思いますし、その語り口としてもまた諸々を決して語り過ぎるコトもない…という感じでもありますね。繊細な映画だと思います。ただ個人的には、そのお話=描かれるモノ自体についても、確かに繊細な質感ながらも最後まで観ると実に見事に繋がってったジャン…とは思えてまして、青春映画としてもシンプルにごく非常に優れた作品だったと思います(⇒自分が何者かを知るべき人に、勧めるとしたら現時点で第一候補になり得る…かとも)。 重ねて、特に前半は(+その後も終盤手前位までは)、例の「何を描くか」よりは「どう描くか」の方に遥かに寄ってっている…て方の作品かとは思えて居たのですケド(⇒上で書いたとおりその認識は最後まで観たら好ましく覆されもしたのですケド)、とは言え圧巻なのはやはりその表現のクオリティ=画と色遣いの端的な素晴らしさ、に在るのだとは思われます。アニメ映画を逐一追っかけている身ではないモノの、最近ってこのレベルがスタンダードなのですか?と、ちょっと信じ難いな~て眼で終始観入ってしまって居ましたね。どのショットも、ど~見ても監督のこだわりとゆーか美学とゆーか今までに貯め込んだ蘊蓄とゆーか、選び抜いた・磨き上げたって感覚がひしひしと感じられる様な見事なる「一幅の画」ばかりだった様に思えて居ります。傑作かと。 [映画館(邦画)] 9点(2024-09-05 21:51:19) |
24. サユリ
《ネタバレ》 小耳に挟まる巷の噂どおり、シンプルで純粋なホラーとは到底言い難い様な作品ですね。でも、ポジティブな言い方をするならフツーに「色々な味が楽しめる」というシンプルな良作品だとも思うのです。ホラー、コメディ、そして醜悪なグロテスク…他にもまた、友情や青春や、家族やその他諸々の間に生じる「愛と言うべきナニか」(⇒或いはもう少し下世話に、連綿たる「生命の営み」とでも言うべきナニか)等々と………誤解を恐れずに言えば、またまたそれ等は、実に「そーいう味しかしないモノ」として半ば無造作に作中に放り込まれている、と思ったりもするのですよね。ちょうど、料理でゆーたら、砂糖とケチャップとマヨネーズと焼肉のタレと刻みニンニクを使いたいダケ使って(百貫デブが)調味した…みたいな感じに思えるんだよな~と。しかし、時にその、ハナから「調和」を目指さない、全てにおける「やり過ぎ感」とゆーのが逆に奇跡的に調和をもたらして、そして既存の評価軸の限界値すらを突破してゆく…みたいな現象がこの世界では稀に発生するとは思っておりまして、今作も恐らくその手の映画=私が個人的には「ラーメン二郎みたいな」と形容しているソレなのではねーか、と思ったりなんかはしておりますね。私の中では、ホラージャンルであれば尚更に、この手の映画の金字塔として永遠に君臨しているのは彼の『ブレインデッド』だと信じて已まないのですケド、再び、私としては、今作は実に見事にあの名作と比較し得るという域に達した秀作だ、と思います。映画館で是非。 しかし、評価としては(実は)已むに已まれず1点落としておりまして、その理由はごくシンプルに、一つダケ残念ながら、ごく個人的に極めてちょっと「嫌いな」食材・調味料が含まれて居た、からなのですよね。。父親の所業……いや、コレもコレとて確かに、実に確実に「そーいう味」をもたらすモノだとは思うのです。しかし、重ねてごく個人的に、私はこの食材が大嫌い⇒否、シンプルに「安易に映画に使って欲しくない」という急所的なヤツなのですよ(⇒いくら、求めるその味を100%の確度で出せるって代物…だとしても)。ソコは少しダケ残念に思われましたかね。 ただ、コレも巷の噂のとおり、エンタメとしては十二分に優れた作品だと思います(⇒対象となる視聴者の層は決して広くはないとは思えども)。今作を以て、白石監督はたぶん更に売れに売れてゆくのでしょーね。ただ個人的には、監督はもう少し早く、あの『貞子vs伽椰子』を以て(今作のこの感じで)売れるハズだった…と思われて仕方が無かったりもします。だからむしろ、コレで売れたら次は『貞子vs伽椰子2』をごく今作みたいな感じで撮ってくんねーかな、な~んて思ったり思わなかったりもして…(また可愛い女優さん2人ゴージャスに主演に起用して貰っちゃって…) [映画館(邦画)] 7点(2024-09-02 22:19:15) |
25. 女優霊(1996)
《ネタバレ》 懐かしいすね。もう30年位昔の作品になるかと思いますが、私が初めて観たのは20年ちょっと前の深夜映画の枠でしたか。今作や、あと『らせん』とかも、真夜中にボンヤリ観る分にはちょっと不気味でちょっと怖くて、所謂「寝物語」的なホラーとしては当時ごく非常に楽しめたと言いますか、ソコは今今に再見しても、やはり多少の「不条理」な味わいが好い感じに作用してる…なぞとも思われるトコロですね。 正直、コレが私のホラーの原風景…(⇒少なくともJホラーに関しては)とゆーか、映像の質感も前述の不条理みも、ワリとこーいうのが嫌いじゃなかったから観始めたんだよ、とゆーのが(今なお)私の非常に根っこのトコロに在る様な気はするのです。ただ、今作に関しては久し振りに観直すと、そのホラー演出というトコロについては、まず諸々の音・音楽の感じは(やっぱ)少し安っぽい様な気がする…とゆーのと(⇒コレって高橋洋さんが絡んでるホラーを観るたび毎回思われてる気もする…)、また特にオーラス付近のラスボスお化けの感じは、もっと昔の「怪談」系映画のそれ⇒例えばそれこそ『怪談』の岸惠子の雪女、みたいだな~と思ったりします。そこら辺にはまた「時代」というモノを感じてみちゃったりもしますし、んでそのコト自体もまた更に更に、自分自身のノスタルジィをくすぐって已まない様な気もする…とも言えますね。 とは言え、そもそも今作、Wikiの記述を見るまでもなく、特に前半は思いっ切り青春映画的なつくりを擁しているのですよね(⇒だからまた更に、ノスタルジィなのは当り前…なのかとも)。しかし、最大の問題点はむしろソコに在る…とゆーか、結論的には(二本柱的な)青春映画としても&ホラーとしても、やや中途半端かな…と思ってしまうのです。ソコは、中編だから敢えて(その2つに)ケリを付けなかったとゆーよりは⇔ケリが上手く付けられそーになかったから中編でも止む無し…みたいな方の見え方により近い気がしてしまうのですよね(少なくとも、私個人における・個人的な見え方としては)。結論、上で述べた個人的な感傷の諸々を差っ引いても尚、全く全然悪くはない方のクラシック和ホラーだとは思うのですケドも、それはあくまで「小品」としての評価であって、だから佳作ではあれど秀作・傑作とは見做し難い…とゆーのが最終的な評価になるのですね。機会が在れば全然、観ても損はしないかな…とは思いますケドね。 [DVD(邦画)] 6点(2024-09-02 00:53:41) |
26. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
《ネタバレ》 1のレビューにも書きましたが、ココまで来るとかな~り「エヴァ」風味が増すな…とゆーか、まあ影響が無かったとゆーのは少々無理っぽい…みたいな感じではありますかね。ただ、それでもこの最終作は(私の感覚の中の怪獣映画としては)少しダケ「暗すぎる」とゆーのが言いたいコトの80%位になっちゃってますかね。取分け、前田愛ちゃんに係るナニもかもが暗くて辛くて湿っぽすぎると思うのですよ。あんなにカワイイのに⇒否、あんなに高度な「カワイイ系」のルックスだからこそ、ごくシンプルに暗い顔が似合わない・映えないのだよな~と、観てる間ソレばっかり考えてしまってました。マジでホントに、最後の最後で一瞬ダケしか「デレない」って始末なモノで…(コレも今回調べたら、例の「ツンデレ」って言葉が出始めたのは今作のちょっと後のコトらしーのですケドね…) 他、1作目と比べるとガメラの容貌自体もエラく凶悪になってるのとかだって、別に無理に気にしたりはしないですケド、でもちょっと「セコい」な…みたいな感覚でないコトもないかな~とは思ってしまいます。世界観自体は(個人的には一貫して)かなり好みな方のレベルのヤツではあるので、今回観直しても(三作目だって)全然面白く観れるジャン!とは再び思ったのですケドね⇒今作のみがやや突出して評価低いのは、コレもあくまで個人的なコトですが少~しアンフェアかな…という感覚では居ます。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-08-26 23:15:19) |
27. ガメラ2 レギオン襲来
《ネタバレ》 1より2の方が評価が高いのは、第一に物語の密度が高くてテンポや疾走感が優っていたと思われたコトですね。第二に、一方で話の辻褄もまずまず整っていて(+だが決して整いすぎても居ない…ケド、ソコも件の「質感」という意味ではむしろ好ましく感じられて)今今にも大人の鑑賞にも耐える…と思われたトコロですかね。プラス第三に、レギオンがガメラより単純にかなり「強い」というコト⇒それをどう倒すか…というトコロのアイデアも、作中の世界観・三部作全体の流れの中に上手く乗せられていたと思ったコトですね(少なくとも、あくまで青少年向けの範疇から逸脱せずにごく分り易いのが好い、と)。1作目(福岡)に引き続き、日本の地方都市(札幌&仙台)にフォーカスしたトコロも地味にポイントが高いです。札幌にはこないだ旅行で初めて行ってきちゃったので、今更ながらに感傷もひとしおでしたし。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-08-26 23:04:25) |
28. ガメラ 大怪獣空中決戦
《ネタバレ》 今を去るコト30年前、95・96年辺りって、この手の「男の子向けコンテンツ」の分野に関しては個人的にヒジョーに思い出深い頃合いだったのでして、この平成ガメラは(実は)当時タイムリーに映画館で観てたってワケではなかったと思いますが、特撮だととにかく『ウルトラマンティガ』にドハマりしてた時分でしたし(⇒実はそのちょっと前から『ウルトラマングレート』にもだいぶハマってた)何より『エヴァンゲリオン』が社会現象になってたのもこの時期だったですからね。三部作をいま観直すと、まずはやっぱこの『ガメラ』もその辺の作品群とは「質感として」かなり似通ってるよな~とゆーのが如実に感じられるのと、他方で昨今の『シン・ゴジラ』『ゴジラ-1.0』なんかと比べてみてもこのジャンルの作品における「発展の方向性」とゆーのには再び何か強烈に一貫したモノを感じるな~というトコロでもありますね。正に、平成期のゴジラとさっき挙げた2作品のちょうど「中間」だと言うべきシリアスさ・大人向けっぽさだと言いましょーか、んでソレこそが個人的にはこの三部作で一番好ましく思われる部分(=質感)だと言っても好いのであります(完全にノスタルジックそのモノなのでして)。先に結論を申し上げると、三部作の評価順としては2⇒1⇒3だ…とゆーのは確定として、各々を何点にするか=ベースが何点か、については相当に迷ったトコロなのですが⇒やっぱ心置きなく高めに寄せておきます。観直してみても素直に面白かったですよね。 「発展の方向性」が一貫している…とゆーのは、また個人的には「観る側」に原因を求めるのが自然かな…と(以前から)思ったりもしていたのですケド(有り体に言えば、少子化のせい?な~んて)、あくまで可能性の一つとして、また実は「つくる側」に原因を求めるコトも出来るのではないか…なぞとも今回思い直したりしました。金子修介監督は1955年生まれで、やはり子供の頃は怪獣小僧だった…とのコトで、だから『ウルトラマン』の方をタイムリーに観てた子供が大人になって、その記憶を掘り起こして+その時点で「自分が観たいモノとして」質感を調整してつくったからこーなった…というコトなのではねーかな、と(⇒ソコが、樋口真嗣さんだと10年位ズレてるから、起点が『帰ってきたウルトラマン』で平成ゴジラとかガンダムとかも経てのモノになって…と)。そーいうのって他にも例えば、スプラッタが昨今はどんどんどんどん過激になっていかざるを得ないコトなんかともリンクする様な気もしていて、ソレはまたこのジャンルにおいても、この『シン・ゴジラ』が流行ってから30年位も経った後って、一体どんな怪獣映画がつくられているんだろう?みたいな、ソコは楽しみでもあり(ある種)不安でも…みたいな感覚では(いまいま)居りますよね。その不安が残念にも現実になってしまった暁には、でも、私はきっと『シン・ゴジラ』ではなく、やはりこの三部作に戻って来るのだろう…とは思って已まれないトコロで居ります。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-08-26 22:51:46) |
29. フォールガイ
《ネタバレ》 アカデミー賞にもスタント部門が増えるかも知れない…みたいなハナシもずっと続いてる昨今ですし、今年なんかはこないだ『ライド・オン』なんてヤツもあったので、今作ももう少しソッチ方面のドラマの部分がウェイト大きい作品なのかと思ったのですケド、結論的にはごくシンプルな娯楽アクション大作(with ラブコメ)みたいな作品でしたすね⇒実は80年代に元ネタが存在するリブート映画ってコトらしく。コレまた、夏の娯楽映画にはピッタリなヤツかと思いますし、私は今回は4DXで観たのですケド、劇中で撮られてる映画『メタルストーム』が半分『マッドマックス』みたいなヤツなので(⇒コレも実は同名の80年代映画が実在するみたいですがソッチは知らない…)その面にしても特に終盤はワリと悪くなかったですかね⇒元は十分取れたかと。 ただ、結果的にごくシンプルなアクション映画だってワリには、終盤手前くらいまでは思ったよりお話の方が取っ散らかってるな…(ちょっと無駄に複雑だな…)みたいな感覚もありましたですね。その分、終盤が(逆に)ヒジョーに爽快で好かった…とも言えますが、やっぱ結局こんな単純な話なんだったら(全体の尺自体も)もう少し削ぎ落とした方が…みたいなコトでもあります。しかし重ねて、アクションは全体的に高水準&個人的にも好みな方(この題材なんで流石にCGに頼ってない=スタントパーソン頼みなアナログなシーンも多かったって感覚)だったと思いますし、もう一点、ラブコメ的にも、エミリー・ブラントは(最近のイメージ通りの男勝りで毅然としたサマも素晴らしいのですが)ソレでも随所でメッチャクチャ「可愛かった」んすよね(健気で)。女性だともう一人、あの(極悪)女プロデューサーも、たぶん知らない女優さんですがミョ~に存在感あって好かったと思いました。観るなら映画館で。 [映画館(字幕)] 7点(2024-08-18 13:58:35) |
30. この街に心揺れて
《ネタバレ》 台湾映画のシリーズなのですが、系統としては恋愛映画(⇒人と人の「縁」がテーマ?だとか)で、テレビ映画と劇場公開映画の混ぜこぜでもあるよーで(大まかな質感としても)テレビドラマの方に寄ってる…みたいな感じではありますね。たぶんアラフォー?な男女の穏やかな恋愛&人生模様とゆーか、劇中で度々発せられる「マイペース」の至上主義みたいな実にスローペースなお話ではありましたでしょーかね。私の観た感じとしては、またミョ~に、台湾の中でも「レトロ」なとゆーか、大正浪漫みたいなレンガ造りとかのお洒落なロケ場所が連発される感じなんかは、スローテンポと相まって非常に心地好く観てゆけた…て感覚には繋がっています。かつ、私自身が主人公二人とはそこそこ同年代…みたいなトコロでもあるので、お話の根本的な部分にはまずまず共感も可能だったかな…て感覚もありますね。 しかし、映画としては如何せん、ちょっとスロー&平坦に過ぎるかな…という感覚もまま有ったコトと、あと主人公の女性のキャラの方がちょっと苦手なヤツだったコト(ごく個人的に)を考慮すると、この位の評価になるかな…と思います。技術的には特に、尺がもうチョイ短ければ…という感覚もありますかね。 [DVD(字幕)] 5点(2024-08-11 08:23:07) |
31. SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
《ネタバレ》 大まかに言うと、非常に社会的な影響の大きかった一つの事件の舞台裏を描く…という作品かとは思いますが、個人的な感覚としては更に、劇映画とドキュメンタリのド狭間に在る…とでもゆーか、少なくとも劇映画的な単純化や分り易い抑揚・盛り上げ(下げ)を施すコトよりは確実に、事実を事実のママに伝えようという意識の方が高い様に思われると言いましょーかね。他方でその意味ではやはり、全体としてごく淡々と進んでゆくなって感覚とか、前提知識が無いとやや分り難い箇所ってのが散見される様な感じってのも覚えられたのが事実ではありますね。 とは言え、まずは個人的には(シンプルにイチ映画=社会派サスペンスとしても)非常に面白く・興味深く観れた(とゆーかシンプルに非常に勉強になった)という感想では在りますし、あと、ドキュメンタリ的に登場人物を描く中でも、特に実際に証言をした被害者の方々のインタビューシーン(+ソコに於いて発露された彼女らの感情・人間性)こそが、今作が最も描き出したかった=世に知らしめたかったモノなのではないかという感覚も(まま)大いに在ったのですね。その意味では、実際のソレらとゆーのは今後決して広く世に行き渡る様なモノではない中で、再現映像としての本作と、そして原作となった書籍が記録として永遠に残るコトそのものが、まずはこの映画の根本的な価値なのだとも思いますし、その上で、キャリー・マリガン&ゾーイ・カザンをはじめとした(そーいったモノを実際に再現する)女優陣の演技というモノも、総じてその目的に果たし得るだけの優れたモノだったかと思います。やはり一点プラスしておきます。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-08-10 17:34:32) |
32. ダンサー イン Paris
《ネタバレ》 内容自体は、極めて非常に典型的なる「挫折からの立ち直り・カムバック」系の青春映画で、主人公はダンサーの女性ってヤツです。バレエを頑張ってたケド怪我をしてしまって⇒コンテンポラリーダンスの面白さに目覚める…的なトコロで、その筋書き自体ですらも探せば一作品くらい全く同じって映画もあんじゃネ?みたいなヤツかなと。プラス、フランス映画ってコトで芸術性&モダンな雰囲気とかって方面の諸々は確かにどれも高度ではあるのですケド、それでも(悪い意味での)気取った感じ・近寄り難さマデは(やや珍しく)あんまし無くって、個人的には正直「フランス映画っぽくねーな…」てレベルで素直に観易いって方の映画だったって感覚も在ります。 ただし、やはり芸術家の若者を描いた青春映画(フランス産)ってコトで、前述どおりやっぱし描かれる「芸術そのもの」のクオリティには拘り捲っている…とゆーのが、結局のトコロは今作の作品全体としてのオーソドックス且つユニークなる「ウリ」というコトなのかとは思います。今作はまず、女優さんにダンスを仕込んでる…というヤツではなくって(逆に)ガチのモノホンのプロバレリーナに演技に挑戦してもらってる…(+バレエのみならずコンテンポラリーダンスにしても、実はその道の超一流がクオリティをつくり込んでいる…)という方の作品なのですね。だから、そのダンスの出来ってのは確かに相当に凄いってモノには見えます(⇒私、そっちの方面にそんなに詳しくねーので、完全には理解できてないかも知れませんケドも)。冒頭にはバレエ&オーラスにコンテンポラリーダンスをかなりの長尺で思いっ切り配していて、前述どおり確かにソコには非常な観応えが在ったと思いましたよ。全体的な観易さに加えて、その部分のクオリティの(ある種の)分り易さも含めて、意外に広くオススメし易いという作品に思えます。再度、シンプルにポジティブに楽しく観れるって方の作品なのは確実かと思いますので、お好きなら是非。 [DVD(字幕)] 7点(2024-08-10 01:36:17) |
33. シャーク・ド・フランス
《ネタバレ》 実は、最近のサメ映画には「サメが(あんまり)出て来ない」という系統がある様に思えてまして、とは言えそーいうのって基本的には変化球的な受け狙い=コメディとしての仕掛け、であるコトが多いとは思うのですね。今作は、いちおうコメディではあると思うのですが(⇒とゆーかコメディだって聞いてたのですが)実際に観てみるとド直球にそーいう感じでもなくって、寧ろもうチョイ「志」が在るとゆーか彼の『ジョーズ』を思いっ切りオマージュしつつ(⇒特に真ん中チョイ過ぎまでは、マイナーチェンジは在れどもメインプロットは完全に同一ながら)ソレをより純粋なる主人公の「人間の物語」として再構築した…みたいなモノに思えたのですよね(⇒だから今作に関しては、サメが大して出て来ない…のはもはや必然なのだ、と)。 今作の成功は、その「志」の高さも然るコトながら、ソコにマリナ・フォイスという非常に優れた俳優さんを充てられた、というコトに尽きるかと思います。こないだ『ヴィーガンズ・ハム』を観た時にも何とな~く感じたコトではありましたが、元々はコメディエンヌ…という人らしいのですケドそーいうの関係無く実に素晴らしい女優さんですね!(⇒もうすぐ多分、天下取れそうな気がしますよね)。思えばやや低俗にも思える邦題とか・単にコメディだとかって前評判の辺りを総じて抜いてしまって少し背筋を正して観て頂きたい…とすら思います⇒ただしそーすると、ちょっと逆に『ジョーズ』に寄せ過ぎた(意外性に乏しい)クライマックス辺りが、思ったよりも締まらなかったかな…みたいな感覚も少なからず覚えられてはしまうのですケドも……(ソコだけはチョイ物足りない……) [DVD(字幕)] 6点(2024-08-10 01:31:44) |
34. あのコはだぁれ?
《ネタバレ》 毎度全く事前情報を入れて行ってないので、今度もまた何事か…と思ったら例の去年の(ちょっと評判好くて金儲けになったであろう)『ミンナのウタ』の焼き直しなのですよね。その前作は、もはや剽窃と言って好い様な嘗てのJホラーのパッチワーク的な作品で、だから(極めて月並ではあれど)お話には分り易く筋が通っていたと思ってます。で今作は、中盤は(また)ま~んまソイツを語り直してるダケなのでして、ただしソレを挟む序盤&終盤が非常に不可解なシュールレアリスム・ホラー的な代物ではあり、その辺は寧ろ監督の『忌怪島』の方に近い様な質感だったかと思います⇒色々と、ま~た性懲りも無く同じ様なコトをしでかしてんな~~と。。 まァ、とは言え、私の大嫌いな(『忌怪島』準拠の)安っぽい意味不明ぶりについても、序盤の描写のソレに関しては終盤で一応回収されるとも言えますし、終盤も(私個人としてはやはり)チンプンカンプンに近い支離滅裂…ながらもソッチはオーラスの不可解な(ちょい)バッド・エンドに向けては比較的巧く繋げられていたかな…とも思えるので、再び個人的には(少なくとも)『忌怪島』よりは多少マシかな…とまでは余裕で思えるって感じですね。プラス、それこそ『犬鳴村』以来の怪奇!と言うよりは珍妙!なるホラー描写の出来とて、今作に関してはまあまあブキミな感じのモノも散見されて⇒人に依っては「怖い!」と思って観るコトも可能なのではないか…という程度のホラー的クオリティだったかとは思うのですね。ただ、私自身は『ミンナのウタ』の時から正直そーだったのですケド、結構「紙一重だな…」という感覚では居るのでして、特にあの母親が突然叫び出す様なシーンに関しては、怖い!と思うよりは正直どれも笑えてしまうって有様なのですよね(鼻で)。結論、個人的には明確に『ミンナのウタ』よりは下⇔『忌怪島』よりは上、という感じかと思います。私の評点も思いがけずピッタリとハマって非常に好かったと思います(⇒『ミンナのウタ』は今作と同じ評点ですが、アッチはもう一点加えるか迷った…とは当時も明言してますので)。以上。 [映画館(邦画)] 4点(2024-08-05 22:53:29) |
35. ツイスターズ
《ネタバレ》 題材がスゴく似てるってダケで、本編続編とかでは全くねーのですケドも、そもそも前作って個人的にはかなり好きな方の映画だったのですよね(かなり大昔に観たダケなのですケド、今確認するとあんまし評価高くなくて少し驚き)。ただ、記憶を掘り起こして比べてみると、今作は率直にだいぶ娯楽系寄りだとゆーか、前作ってミッション自体は(ワリとフツーに在り得そーな)観測機器を竜巻直下に置く、というそこそこリアルなモノだった…一方で、今作って途中からはデカい竜巻を(文字通り)「消す」みたいな、いくらナンでもまだ無理だろ!みたいな荒唐無稽な話になってくのですよね。その、映画の「質感」的なトコロは第一に結構違うかな…みたいな感覚ではあります⇒個人的には正直、ディザスター映画とゆーよりは(最近のシリアス要素多めな)怪獣映画の方に近い気もする。 ただ、娯楽寄りなので娯楽用にだったら(当然)より楽しめる!というコトだとも思いますし、映像自体もかなり頑張ってた方かな~と素直に思えました(⇒終盤は予想外にかなりデーハーで好かった)。主人公は『ザリガニの鳴くところ』のあの子ですが、彼女も終始非常に魅力的でしたし、彼女のお話自体も(有り勝ちなモノではありますが)感情移入はし易い・ごく手堅いモノであったと思いますし、周囲の人々の成り行きも含めて終わり方も至極爽やかでした。結論的には夏の娯楽映画としては超・有用だと思いましたよね。んでもう一つ、ゆーてディザスター系というコトで、ソコには(寧ろ)いま現在だからこそミョ~に共感できてしまったとゆーか、竜巻で街が瓦礫と化した…みたいなシーンでは(不覚にも)私もちょっと涙ぐんでしまったりもして、「自然って怖いね…」というもっと根本的なトコロにも共感できたのは一つ、単なる娯楽を少し越えたトコロの映画鑑賞の面白みだったかな…という気もします。評点はかなり迷って(結局低めに寄せましたが)この位にしておきます。結構オススメ。 [映画館(字幕)] 7点(2024-08-03 00:34:00) |
36. 前科者
《ネタバレ》 ちょっと惜しいな~とゆーか、全体的にややチープな感じが否めません。取って付けた様な動機&偶然の再会、みたいなのばっかとゆーか、でも聞けば漫画原作のドラマが先に在って⇒その番外編(後日談)という建付けのヤツってコトなのですね。なので、結局のトコロやっぱしドラマを観てから観るべき映画…だったのかも知れないと思いました(個人的には特に、有村架純ちゃんのキャラクターの掘下げとかには甘さとゆーか物足りなさを大いに感じてしまったので)。 その分、映画だけでも楽しめる様に…て目的が在ったからこそ、全体的な構成としても思ったよりも思いっ切りサスペンス色強めに仕上げられて居る…というコトなのでしょーかね。だケド(だから)また尚更に、ドラマとしては薄味で&重ね重ねサスペンスとしてもちょっとチープ=二時間サスペンスレベルの脚本の出来、という感じなのがド正直なトコロで……でも一方、キャストの演技のクオリティは率直に高かったとも思うのですよね。素直に有村架純ちゃんのハマり様は中々だったと思いますし、森田剛さんも相変わらず「ココまで振り切れるか…」という感じが満々で、あと個人的にはもう一人、マキタスポーツさんなんて正にこーいう役の為に生まれて来た!みたいなドハマり振りだったと思うのですね(再び)。その辺も含めて、実に評価が悩ましい…という作品ではありましたよね。 ソコで一点、時節がら、やるせない事件も起こったコトで「保護司」というモノに対する興味が(このタイミングで)無かったか?と言われれば、ソレは完全に嘘になってしまうのでして、映画とは関係無しに⇔(とは言え)今作を観てみたトコロでも、ソコに対しては唯々、敬意を払って頭を下げ続ける気ィしか起きねーな…と思うのですね。まァ~~~私なぞは、ナニがどう転んでも永遠に務まる気がしねーな…としか思えず…(再度、今作を観てもそうとしか思われず…)迷ったのですが、それら一切合財を含めて、いったんこの評価とさせて下さい⇒観て好かったか・そうでなかったかと言われれば、たぶん前者かなと。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-08-02 20:22:04) |
37. ドラキュラ デメテル号最期の航海
《ネタバレ》 かなりの長期間に渡って温められ続けた企画…だってコトらしいのですケド、端的にその理由は、想定される「コスパの悪さ」にあったのではねーかな…と(まずは)思われてしまいますかね。第一に、原作どおりにやったら当然「歴史もの」ホラーみたいなコトに為らざるを得ませんし、何よりほぼ全編で「船の上」を舞台にするしか選択肢も無いのですし。モチロン、その上でも、そーいった費用高を補って余りある抜群に面白い脚本が目の前に仕上がっている…とゆーなら話は別なのでしょーケドも、観終わっての結論を先にバラしてしまうのならば、多分そーではなかった…としか言えないって始末なのでございまして…… とは言え、私も(何とか最後まで観切るってーと)マ~~ソコっまでメッチャクチャにポンコツってワケでも(ギリ)ねーかな~~~位には思える程度の重厚な(方の)ホラーだったかな、とも思われますし(⇒前述どおり結局そこそこカネは使ってそーな質感だしで)、そもそもが超の付く名作怪奇小説の映画化で⇒だから根本的にはフツーに相っ当に「恐ろしい話」だとは思われるのですね。ただね~~特に前の半分は如何せん余りにも「状況がガッチガチに固定的=自由度が皆無」みたいな感じでもあって、とにかく「想定外」が一つも起こらない…てのが実に超・退屈な空気感を醸してしまってましたよね。それでも、半分過ぎ位からは映像的にもかなりショッキングな描写が無くもなかったですし、クライマックスは(少しダケ)想定外な展開にも為っていったりもして、だから後半は前半よりは多少好かったかな、とは思うのですケドね。 ただし、もう一点どーにも解せないとゆーか意味不明なのが、例のドラキュラ伯爵のビジュアルなのですよ。別に、怖さが全然無いってワケじゃあない…のですケドも、なんちゅーか『魔界村』のレッドアーリマーみたいな系統のバケモンとゆーか、とりあえず「高貴さ」みたいなモノが全く感じられない(雑魚めの)モンスターにしか見えんのですよね。私なんかそーすると「コレ吸血鬼映画なん?」とどーしたって思ってしまうのは否めませんし、その感覚って結構(逆に残念ながら)共有可能なモノだとも信じて已まれませんですね(彼の伝説の名作『吸血鬼ノスフェラトゥ』を何故にココまで無視出来んのかェ?と)。まあ、オーラスの描写の為にも、ドラキュラをごく自然に「飛び回らせ」たかったのかな…てなコト(なダケ)にも思えちゃったりはするのですケドね。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-30 20:02:29) |
38. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
《ネタバレ》 告白すると、少なくとも六割がたはスカヨハ目当てで観に行きましたよ。しかし、コレが中々に当たってたとゆーか、ちょっと前までの「ブラック・ウィドウ」を大いに彷彿とさせられる「女傑」的なキャラだとゆーか、日本人的な感覚からすると(ド初っ端でセコく変装してる感じなんかからしても)正に「峰不二子」的なちょいアウトロー的&ファム・ファタール的なま~たドンピシャなる役柄なのですよね。チャニング・テイタムも結構コメディに親和性高いコト(⇒思えばこないだも『ザ・ロストシティ』とか出てたし)も含めて、今作って(コレも意外に)ジャンルとしては結構純然たるラブ&コメディって感じだったのですケド、それでも全然フツーにかなり面白く観終われたって感覚は確実にありますよね。お好きなら是非。 ただし……一方で今作、感覚的にはまたドンピシャで完全にブロックバスター級って感じの(メッチャ金掛かってそーな)大作級の面構えを擁して居るのですよ。ケドも重ねて、中身はフツーにラブコメでかつ、ソコに所謂アポロ計画に係る「陰謀論」みたいなモノも織り交ぜての「アイデア」とゆーのは持ち込まれて居るのですケド+そーいうのも踏まえてかなり整った全体の流れとゆーのを備えても居るのですケド、逆にそれ等がやや整い「過ぎて」いて余りにも予想外とかアップダウンに欠けている…みたいな感覚も(また確実に)在りましたのよね⇒んで加えて結構尺も長いし。有り体に言えば、こ~んな重厚長大ハイコストで撮る映画な~んか?とは、少なからず思わざるには居られない…みたいな。特に終盤のクライマックスの緊張感みたいなモノが余りにも薄っぺらかったコトを勘案して(全然フツーに楽しめたとは思えども)評価としてはこの位にしておきます。個人的には正に、カウチポテトにこそピッタリと嵌る様な作品かな~と。。 [映画館(字幕)] 6点(2024-07-22 21:00:49)(良:1票) |
39. 花椒の味
《ネタバレ》 根っこのトコロでは、ゆーてまぁベタな…とゆーか(=少なくとも「観たコト無い」って話ではねーかと)、でも火鍋がコンセプトって話なワリにも語り口が絶妙にまろやかだった…みたいな気もしては居りますね⇒諸々と、中々に奥ゆかしい質感・空気感であったのではねーかと。なので、描かれる「好ましきモノ」のそれぞれ自体は、確かにままオーソドックスかな…とは思えども、その奥ゆかしさ故に「コレでも喰っとけドーン!」みたいな明白で明透けで月並な表現にまでは決して為ってなかった…とも思えて居りまして、当然に外国映画であるコトも相まって少なからずユニークさも感じつつ、ちょっと意外な感じでシンプルに面白く観れたという気がしてます。再度、個人的には実に思いがけず超心地好かったのは確かなので、オススメ出来るか否かと言われれば確実に前者です。是非々々。 またやはり、社会構造や文化・風習などかなり似通っている(⇒ナンなら更に似通って来ている)…とは思えど、しかし絶妙に本邦とは異なる部分も(まだまだ)其処彼処に在る…のではありまして、そーいうのも=そーいうのを再発見できるのも、映画の面白みとしては中々だったと思うのですね。あと、主演は女優さん三人とゆーコトになるのですが、三名とも個性的かつフツーに魅力的なのもモチロン好いのですケド、どーでも好いコトかも知れませんがまた三人揃って(観てる間は)年齢が好く分からなかった…とゆーのが、個人的には(それすらも)ちょっと面白く感じて観れてましたよね⇒実は、後で調べてややビックリ!みたいな。好く「欧米人はアジア人の年齢がよく分からない⇔逆もまた然り」とか「ナンだカンだやっぱし日本人と韓国人と中国人は見るダケで区別できる」的な、私も未だに理由が分からないその辺りのコト…がまたココでも起こっていたのかな~なんて思ったりもします。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-19 13:48:56) |
40. はざまに生きる、春
《ネタバレ》 誤解を全く恐れずに言えばやはり、非常に独特なある種の「居辛さ」とゆーのがまずまず全編に行き渡っている…という映画ではあります。ただ、それは今作がまた、ごくマジメな・真摯な映画であったコトのそのものと、そして主演の宮沢氷魚さんの役作りも相当にしっかりみっちり仕上がっていた…というコトの証左であるとも思うのですね。詳細は伏せますが私自身の非常に身近な経験からも、だいぶ特徴を捉えたという演技に仕上がっている…という実感はありました(⇒台詞自体のみならず、喋り方の抑揚や所作の感じなども)。 再度、比較的真摯にこのテーマを取り扱うという社会的=問題提起的な質感を全編で擁している中で、やはりその「避けて通れない」様なエピソード・シチュエーションを幾つか描き込んでゆくトコロなどには、オーソドックスさ(或いは多少の月並な感じ)も覚えられるのですよね。しかし、類似作品(⇒私が観たものだと『シンプル・シモン』とか『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』なんか)と比べても、今作は(映画としての)ストーリーのメイン部分が恋愛ものであるという、ソコには(それ自体に)まま意外性が在ったとも思われますし、加えてその「恋愛映画としての展開」自体にも思いがけず意外な・意表を突く様な部分が在ったとも思えていて、その辺に関してはシンプルに映画として少なからず面白みが多く在ったとも思われるのですよね。 冒頭に述べたとおり、やはり少し「居心地が悪い」様な箇所が在るのは確かにそうなのですケド、一方で(特に恋愛映画としては)その面においてちょっとキツい様なシーンは(却って)バランシングとしてマイルドに描かれていた様な気もして居ますし、全体としてもソコまでハッキリと諸々の「白黒」を付けずにまろやかに描き切っていた…という風にも思えるのですよね。その辺のバランス感覚や前述の「恋愛映画としての意外さ」も踏まえると、個人的には映画としては十二分に面白く+興味を沢山持って心地好く観終わるコトが出来たとも感じるのです。ただ、他方で、本来のその社会的なテーマの部分については、更にもう少し突っ込んで具体的な議論や(或いは)批判をしてゆくことも当たり前に可能だとは思われる(⇒逆にある意味、そういったコトが可能であるというレベルの質感&完成度だ、というコトでもある)のですケドも、いったんソコに係るアドバンスドな議論は脇に置いた上で、あくまで私としては、その面を含めても、凡そ全編を通してごく好ましい方の質感がつくり込まれていた…とは思っております⇒なので、一点プラスしておきます。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-19 13:46:45) |