21. ラン・ローラ・ラン
評判がいいので映画館に足を運びました。30年ほど昔、インディーズ映画フェスティバルで「走る」テーマの映画を観た記憶があったために、先入観を持っていたことは事実でした。が、しかし主人公ローラが体全体を使って走る!走る!走る!音楽と映像と色彩が三位一体となって走る!走る!走る!・・その姿を観ていたら、かつてドラマの時間進行が実際の時間で刻まれる数々の映画を思い出しました。時間というより目的を達成するまでの、ゴールするまでの体感映画のように思えました。観ている時は面白かったのですが、映画館を出た後に残ったのはローラが全身を揺らして走る姿のみで、正直なところローラの表情とか共演者の方はほとんど記憶に残りませんでした(すみません)。年齢のせいかなとも思いましたが(中年で若い人についていけないということです)もしかしたら、意図するところをちゃんと観たのかもしれませんね。 5点(2003-05-25 18:06:00) |
22. 追憶(1973)
公開当時、高校生だった私は映画でたくさんの間接体験をしていました。行動が伴わなくても頭ではずいぶんと「生き方」「考え方」を学んでいたように思います。この映画は恋愛経験のない私にもすべてが理解、納得でき感動した(あこがれた?)記憶があります。時代は変わろうとも繰り返される男と女のひとつの形、これは誰にとっても他人事ではないのかもしれません。悲しいかなレッドフォードとバーブラだから絵になるけど現実は・・・・・・・・。恋するバーブラがどんどん可愛くなるのが印象的。あばたもえくぼといったら失礼だけど、カメラのレンズがレッドフォードの視線になっていました。バーブラの視線は一途でしたが・・・・。男と女はどうしてもずれていくものなんですね。ラストシーンの二人の眼差しがお互いの気持ちを悲しいほど物語っているようでした。抱きしめるでもなく、今、ここにいることを確かめ合うようなレッドフォードのいつくしみのしぐさに私は男の鑑を観ました。人生に無駄な物事は何一つないといいますが、年月を重ねるごとに人生そのもがすべての答えを出してくれる。今はそんな気持ちで名シーンとテーマ曲を思い出しています。しばし感涙・・・・・・。 8点(2003-05-22 16:44:19) |
23. ドラゴン怒りの鉄拳
1973年、当時高校生だった私にとってブルースリーとの出会いはその後の人生に影響する大きな衝撃だった。この日本公開第3作(香港主演第2作)は初日に映画館に並んだ記憶があります。当日私は白いTシャツに白いジーンズという服装でした。冒頭ブルースが白の上下で恩師の葬儀に駆けつけるシーンで「おお!同じ白だ!」と(今では笑ってしまいますが)感動していたことを思い出します。そういえば帰りに寄った中華料理店の店員さんもみな白の上下でした。この作品でブルースは中国人としての、武道家としての誇りを真正面から演じています。昔何かの本に、来日の際ブルースがスーツを作ろうとしたところ店員の態度が非常に悪かったためにこの2作目で日本人が悪役になったとありましたが、昔も今も半信半疑です。もしかしたら別の意味があるのかもしれませんが・・。他の主演作品とは異なり道場で多勢相手の格闘シーンがありますが、この時のブルースは狂犬のような凄みがあります。また、この作品は香港に帰省後のブルースが自身の武術ジークンドーを世界に広め、同時に世界に通用するスーパースターとなるためのプロセスとして取り組んだ意味でも重要な作品です。1作目、2作目でブルースは香港を中心にアジアのスターとしての地位を不動にできると確信したはずです。観客に支持されるよう配慮しているせいか、設定当時の中国人になりきっています。アメリカ暮らしで洗練されたセンスは、あえて控えめにしているように観えます。演技力もすばらしいですが、格闘シーンは誰もが初めて目にする本物でした。主演作で死んでしまうのはこの作品だけですが、私には「東洋人としての誇りを失ってはならないが、東洋に偏ってはいけない」というブルースのメッセージに思えます。事実、次の作品でブルースは世界へ飛び出していきます。虎は死して皮を留め、龍(ブルース)は死して名を残しました。世界でスーパースターとなった最初の東洋人、そして武道家です。本物は美しい。 7点(2003-05-20 16:50:59) |
24. プライベート・ライアン
最初の30分が特に凄い!との評判に期待をして映画館に入りました。確かに、冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンは逃げ場のない臨場感がありました。不安、恐怖が色濃く出ている、ぼやけた夢の中のような息苦しい映像は私にとってうなずける光景でした。次第に銃砲の音が遠ざかっていく頃からはスクリーンから息苦しさがなくなっていきますが、これは兵士たちが死に対して感覚麻痺を起こしはじめたように感じました。冒頭のシーンは「生き残った」ではなく「死ななかった」ことを伝えているように思えました。戦争とはそういうものだというメッセージにも聞こえました。確かに戦場では前線であるほど死ぬ確立のほうが高いわけですから、毎日「今日は死ななかった」という言い方が適切なのでしょう。最後まで死ななかった者たちが「生きていく」のは多くの犠牲の上に成り立っていることは事実。苦しいことでしょう。世界中の人々が、死ななかった感謝ではなく生きられた感謝で1日を終えることができるよう望みます。ゆえに戦争は放棄すべき、そんな感想を持ちました。少し間延びしたシーンもありましたが最後の戦闘シーンで手に汗を握らせるための演出なのでしょう。 7点(2003-05-18 18:15:55) |
25. 黄泉がえり
ストーリーはわかりやすく映像もきれいで、テレビドラマでは出せない深みがありました。出演者の方それぞれ熱演ですが山本、寺門のお二人は特に印象的でした。山本さんは「そのまま」で演技じゃないなんて辛口評の人もいますが、「兄ちゃん」とキャッチボールする場面はとても感動しました。兄を亡くしてから心の時間の一部が止まってしまったような山本さんの演技に1点プラスしました。寺門さんは役になりきっており好感が持てました。ライブのシーンは少し長すぎて切迫感が薄れたかも?でも歌はうまいですね。男の子が描いた絵が並べて貼ってあるシーンが心に残っています。 6点(2003-05-17 18:40:37) |
26. 続・男はつらいよ
TVシリーズでは最終回に奄美大島でハブに噛まれてその後がわからない寅次郎(違っていたらすみません)だったので映画化の話は本当に嬉しかったです。劇場映画のシリーズはどれを観てもそれぞれが傑作ですが、この「続・・」は名作とも言われる作品だと思います。マドンナの佐藤オリエを慕う恋心も泣かせますが、寅次郎が産みの母親と再会するくだりは人情ドラマの最高傑作としての名場面です。男は多かれ少なかれ甘えん坊です。母親は心の中で特別な存在なのでしょう。寅次郎に気をつかい「母」という言葉を避けようとして裏目に出る周囲の人たち、味噌のTVコマーシャルはおかしく哀しい。ラスト、母親と一緒にいる寅次郎が目撃されるシーンで映画館にいる男たちは皆目頭を熱くしていました。もちろん、私もです。 7点(2003-05-17 13:52:13) |
27. 真昼の死闘
思い起こせば映画館の切符売り場横にポスターが貼ってあり、イーストウッドはそれまで出演していた西部劇とは少し違う表情をしていました。なるほど、一匹狼クリント・イーストウッドがこの作品ではシスター(修道女)と旅は道連れとなります。シャーリー・マクレーンは御年を感じさせない美しさとエネルギッシュな演技を観せてくれます(いいですねえ)。ラバにまたがり鞭を扱う姿はとても愛らしく、思わず守ってあげたくなります。イーストウッドが関わりたくないのにせずにはおけない気持ちがよくわかりました(?)いつものように葉巻をくわえたイーストウッドは絵になりますが、この作品ではとてもアクティブで表情もやわらかく、長袖シャツをまくった若い姿は西部劇版アクション映画を観ている面白さがあります。葉巻の火でダイナマイトを点火し器用に投げ入れるシーンはかっこいいですよ。ガンマンから刑事へ、まさに中間のイメージ?があります。彼の出演作品のベスト10に入るのではないでしょうか。 7点(2003-05-17 13:20:52) |
28. ラ・マンチャの男
P・オトゥールは舞台出身と聞いていますが、このミュージカル映画では体全体でドンキホーテを演じ、映画の枠を越えて見事に役そのものになりきっています。病床で今一度、騎士道精神をよみがえらせ勇気と誇りをもって立ち上がるドンキホーテ。堂々とした姿の後、マリオネットの糸が切れるように息絶えるシーンは以降の舞台役者たちにも影響を与えたのではないでしょうか。公開当時、高校生だった私はソフィア・ローレンの大ファンで実は彼女目当てで映画館に行ったことは否定できません(同様の方もいらっしゃいましたよね?)。粗末な服を着ているほど女性らしさが際だつ女優さんです。この映画も汚れ役で胸元が大きく開いたブラウスを着ていますが、いやらしさよりも母性的な女性らしさが漂い、まとわりつく男たちはみんな乳幼児のように甘えて見えます。アルドンサ役としてソフィアは舞台女優にひけをとらぬほど見事に歌い演じています。存在そのものにインパクトを感じます。P・オトゥール以上に、この作品以降のアルドンサを演じる女優さんへ影響を与えたと思います(松たか子しかり)。年齢を感じさせないソフィアのバイタリティと美しさ、愛らしさにプラス2点で計8点。 8点(2003-05-16 16:17:22)(良:1票) |
29. 北京の55日
公開当時、小学生だった私はチャールトン・へストンが頼れる男そのものに見えましたね。戦いながら城塞の坂を上って行くシーンは画用紙に描いた記憶があります。サントラレコードに収録されていた北京の55日マーチ(曲名が違っているかもしれません。すみません)で各国の国歌がアレンジされて演奏されますが、最後の最後に君が代が妙な旋律で流れるのが気に入ってました。余談ですがブラザースフォー(ビジーフォーじゃないですよ)の歌う北京の55日やアラモ(ジョン・ウェイン主演)、良かったなあ。 7点(2003-05-15 13:33:27) |
30. 昨日・今日・明日
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの3部作オムニバス・コメディ。ソフィアファンの私にとって「土臭い」イメージも素敵なのですが、この作品のようにバイタリティあふれる演技とともに可愛らしさ、母性、気取った表情があるともうそれだけで嬉しくなってしまいます。イタリアのコメディは艶話が多いのですがソフィアが演じると嫌味が無くていいですね。と思うのは私のひいき目でしょうか?妊娠していると刑罰を受けないという法律から絶え間なく子作りに励むソフィアはとても元気で、いやらしさがありません。神学生を惑わす売春婦でありながら恥じらいあるストリップをする姿は何ともユーモラス。・・・結局はひいき目ですね(すみません)。鉄格子から夫マルチェロの呼ぶ声に応えるソフィア、いいですねえ。 6点(2003-05-15 13:13:54) |
31. ジョニーは戦場へ行った
当時、中学生だった私は映画好きの兄に連れられて観にいきました。映画館に入場する前から「さすがダルトン(当時はドルトンと発音していました)・トランボ!60歳過ぎて初監督作品!」などと興奮していたのを覚えています。もし自分がジョニーだったら・・と考えると悲しく、また恐ろしくなった記憶があります。戦争という狂気により無残な姿となってしまったジョニー。意思表示は頭を僅かに動かすモールス信号だけ。しかも、それが伝わっているのかさえも明確には自覚できないのかもしれない。五感で残っているものは僅かだ。それも不完全な形で。そう、生きているのか死んでいるのかさえ自分ではわからない状態なのかもしれない。30年以上経った今、映画を回想してふと思うのは「ジョニーの気持ちは本当のところ誰もわからない。なった者にしかわからない。つまりはどんな場合でも相手の気持ちは相手にしかわからない。だからこそ相手を尊重しなくてはいけない。すべての人間は、命は尊重されなくてはいけない。ましてや戦争のような狂気に人間が、命が巻き込まれることは許されない」ということです。この30年の間にも戦争はくりかえし起きています。今もジョニーはいるのでしょうか。 8点(2003-05-15 12:35:09) |
32. 遊星からの物体X
映画館の座席で恐怖に体をこわばらせた経験は何回かありますが、この作品もその一つです。ドキドキした映画は結構ありますが恐怖シーンが記憶に残っているという意味ではベスト10に入ります(順位は付けられないですが・・・)。映画を観にいった日の体調や気分にも影響されるとは思いますが、この映画の犬のシーンや血液検査、心臓マッサージのシーンなどは恥ずかしいですが中年になった今でも恐怖として鮮明に記憶しています。50年代60年代の映画に観る恐怖シーンもショッキングですが、想像し得る悪夢を映像化したような作品としては異色でした。残念ですが、恐怖のあまりラストの(ネタばれ)は気が付きませんでした。今度ビデオで観直そうと思っています。ありがとうございます。 7点(2003-05-14 18:36:18) |
33. レッド・サン
公開時、中学生だった私は友人と観にいったのですが何でも感動してしまう年齢だったためか、ラストシーンの電線を見て目頭が少し熱くなってしまいました。忠義心は西部劇の中では「男気」になるのかななどと勝手に納得していました。男の世界といえばマンダム=ブロンソンですが、この作品でもさりげなくウェットな部分を見せています。アラン・ドロンはちょっとかわいそうかも。世界の三船はこれぞ「サムライ」を演じておりしっかりと三つ巴に描かれているのがうれしかった記憶があります。最近、テレビ番組の秘境探検シーンでこの映画のテーマ曲が使われていました。懐かしくなり簡単Reviewに投稿させて戴きました。 7点(2003-05-14 18:00:40) |
34. ある愛の詩(1970)
当時、中学生だった私は素直に感動してしまった。愛する人のために生きることが自分の生きがい。そのように見えた。いつの時代でも恋愛には世代のギャップがある。わかり合おうとしても十分ではない。当然だろう。たとえば貧しさを貧しさと感じないのは恋愛に喜びと果てしない夢があるからだ。どんな形にせよ恋愛が人を成長させることは事実であり、こればかりは親も友人も介入できないし代わることもできない。ただ実体験のみがすべての答えなのだろう。この一瞬、ジェニーを楽しませようと見事なスケートをするオリヴァー。思いを伝えるジェニー。一生懸命であることは後悔を越える力をも生む。フランシス・レイの音楽は永遠を奏でているようにも聞こえる。時代は変わっても「二人でいれば何も怖くない。それだけで幸福」という恋愛感情は変わらないのだろう。打算的な恋愛、かけひきの恋愛、ゲームのような恋愛、そして常識をものさしにした恋愛はいくら経験を重ねても本当の自分の成長にはならない。残るのは後悔だけなのだろう。あれから30年以上経ちましたがラブストーリーの原点として、今でも名作の一本だと思っています。 7点(2003-05-13 17:48:57) |
35. エイリアン
今まで40年映画館のスクリーンを通してさまざまな間接体験をしてきました。印象的な映像が何気ない毎日の生活の中で記憶によみがえります。涙したり、せつなくなったり、勇気がわいてきたり、心が温かくなったりとさまざまです。ショッキングという意味ではこの映画はベスト10に入ります。顔にへばりつく異生物や食事中にエイリアンが現れるシーンなどは、記憶から消えることはないでしょう。宇宙船という逃げ場のない閉塞感、圧迫感、緊張感、不安感は映画館の座席にいる私の体をもこわばらせました。映画だとわかっているのに未知のリアルさがありシリーズの新作はついつい観てしまいましたが、この1作目は別格だと思います。「ALIEN」とタイトルが出るシーンからそれまでのSFホラーとは「異物」を感じました。これからもスクリーン上の体験を楽しみにしています。21世紀のエイリアンはどのようなものでしょう。 8点(2003-05-13 16:41:48) |
36. スター・ウォーズ
リアルタイムで観た3部作ですが。この記念すべき第1作の頃は正直なところ高校時代に観たブルース・リーの影響をまともに受けていたので「話題作を観た。面白かった」の域を越えてはいませんでした。つまりはマニア、フリークにまではならなかったのです。ただし映画が観た人のその後の人生に影響することがある、という事実はよくわかりますし後年「エピソード1」公開にあたり「スターウォーズってどういうの?キッズウォーみたいの?」という、知らない世代に対してまるでマニアの気持ちを代弁するように熱く語る自分に、やはり時代を代表する傑作だったのだと改めて認識しました。他の方々も書いていらっしゃいますが有名なテーマ曲とともに始まるオープニングは本当にわくわくします(最近は前置きが長い映画が多いのでかえって新鮮です)。スペースファンタジーとしてSFアドベンチャーとして、また人間ドラマとしても楽しめます。正統なファミリー向けの寓話ともいえるでしょう。あれから20数年たった現在、スクリーン上の光と電子音がゲームを始め私たちの生活の中にあたりまえのように存在していることもこの映画の影響なのかもしれませんね。 7点(2003-05-08 14:38:31) |
37. TOKYO EYES
映画館もおしゃれで観始める前から何となく楽しかった記憶があります。若いお客さんが多く照明がおちるまでは少し居心地が・・でも、まっ、いいかという感じでした。あくまで自然な演出、というのでしょうか。演技というよりも日常を自然な視点で映している感じでした。何も予定のない午後、オープンカフェでお茶を飲みながらぼんやりと見ている景色の中でちょっと目を引くカッコいい若い男女。そんな印象の映画でした。武田真治は瞬間を瞬間を自由な風になって流れていくように映っていました。大人と子供、正気と狂気、善と悪、嘘と真実・・比較されるすべてのものごとの境界線を自由に吹きぬけていました。私の目にはそのように映りました。武田真治、いい役者さんでありアーティストですね。 6点(2003-05-06 14:51:00) |
38. スリーパーズ
正直なところブラピとデ・ニーロを観たくて映画館に入りました。幼少期のトラウマを扱った作品は多いですが、映画を観終った後に席を立つ気になれずに続けてもう一度観ました。大人になっても心の中で停止している年齢がその後の人生を不安な現実感のないものとしてしまうことは非常によくあると思います。自分が今、ここにいるのは事実でも頭の中は心の中は「あのとき」を見続けている、感じ続けている。その苦しみから解放されたいと思っていた彼らが選んだのは復讐、というよりも「わかってほしい。解放されたい」という切なる願いだったのでしょう。少年時代の気持ちが暗くなるほどの描写は、彼らが毎日の生活の中で無意識にあるいはフラッシュバックのように五感に六感に受けている悪夢なのでしょう。ラストに語られる、ブラピが独り静かに人生を過ごしたというくだりは2回目に観たときに「解放」と感じられました。それでようやく席を立つことができました。 7点(2003-05-06 14:12:47) |
39. レッド・ブロンクス
ブルースリーファンの私にとって彼以外クンフースターは眼中に入らなかった。私が若かったせいもあると思うが、ブルースの求道的な姿は唯一絶対のものとして神格化されたのだ。スクリーンと実像が一緒だった。ブルースの格闘シーンはノンフィクションだと信じていた(いる)。そんな中ジャッキーはかろうじて私の許容範囲だった。彼のコミカルな演技には京劇が重なることもあるが、昔はそれがあまり好きではなかった。現代劇、刑事になっても彼はコミカルな演技を見せる。キャラクターといってしまえばそれまでだが、正直もったいないと感じる時もあった。あまり期待せずに映画館に入ったことは事実だった。ところがこの作品で彼のアクションを望遠で撮っているシーンがある。その時の彼の表情がとてもいいのだ。ケガをしたそうだが、彼は危険な冒険をやってのけてうんざりする顔がとてもいいのだ。他の作品でも時折観ることができるがとてもいい。こんなことを言ったら彼は照れて、おどけて見せるのだろう。ストーリーはそれほどでもないが彼の表情に惹かれる作品として点数を入れました。 5点(2003-05-05 18:20:41) |
40. シティーハンター(1993)
漫画のアニメーション化、実写映画化いずれにしても似て異なもので楽しみ方はそれぞれ違うとは思いますが、ジャッキーチェン主演ということで初めから冴羽りょうとは切り離して観た記憶があります。京劇風の超人的なアクションが観られればと軽い気持ちで映画館に入りましたが何と!ブルースリーが観られただけで、それだけでもう満足でした。予想もしていませんでしたから!。ブルースの新作が観られない事実=他の香港映画では満足できない現実、となっていました。ブルースがきっかけとなった香港映画ですが、私が許容できるのはジャッキー作品のいくつかとジョイウォンくらいでした。あれから10年たった今、覚えているのはブルースのシーンだけです(すみません)。ジャッキーには申し訳ないですが彼の代表作にはならないかも。この映画ならではの斬新な体の動き(アクション)が少なかったかな?それでも点数はすべて彼の頑張りへ。 4点(2003-05-05 17:42:40) |