381. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
この話は仰天ニュースのようなテレビ番組で繰り返し扱われていたので、私にとって内容は目新しいものではありませんでした。結構面白かったのは、この話自体がそもそも面白いからなのか、監督と豪華俳優陣の力量によるものなのか、おそらく両方なのでしょう。詐欺師は嘘をつき続けなければならないゆえに孤独であり、やはり孤独な刑事との不思議な心の交流を、トム・ハンクスとレオナルド・ディカプリオがうまく演じている点がよかったです。また、パイロットの制服を着ていたり、医者や弁護士だというだけで信じきってしまう、人間心理の単純さの描写も面白かったです。クリストファー・ウォーケンに好感を持っていない人もいるようですが、私は「デッド・ゾーン」の哀しさを思い出し、切ない思いでこの映画の彼の演技を見ました。マーティン・シーンの役はあまり重要ではないのに、こんな大物がやるのかと驚きました。総合的に見て、面白いけど、心に残るには何かが足りないので7点です。 7点(2004-08-29 18:11:33) |
382. マネキン
いろいろ批判したい点はあるけど、そういう小うるさいことを一切言わずに楽しむのが、この映画の正しい見方だと感じました。楽しくて明るい気持ちにさせてくれる映画です。 7点(2004-08-20 21:45:33) |
383. 野のユリ
皆さんの評価が非常に高いので驚きました。私は名作と期待して見たのですが、あまりにもどうということのないストーリーに拍子抜けしました。あの院長といったら、手間賃を払う気もないのに、その点をごまかしてスミスを雇い、手間賃の話になると英語はわからないと言い出し、レンガがないと仕事にならないと言うと、「私は遠くの国から来たんだ。それに比べればレンガがないことなんて何だ」と逆ギレし、人をただ働きさせながら決して礼を言わず、いつも傲慢な命令口調。あの院長は私の目には精神異常にしか見えず、寒気がしました。なぜスミスが無償で教会建設をする気になったのかの理由もいまひとつわかりませんでした。みんなもなぜ手伝う気になったのでしょう。途中で業者の人が言っていたように、次は学校、次は病院と、院長の狂信的野望は果てしないのです。下手に手伝ったりすると、神の奇跡が起きたとか言って調子に乗って、次から次へと要求し続けるはずです。 6点(2004-08-14 21:53:02)(良:1票) |
384. おばあちゃんの家
状況設定が明らかになった段階で、「ストーリーはこういうふうに展開するだろうな」と予想がつき、そのとおりに何のひねりもなく進んでいきます。いいお話だし、いい映画と思いますが、意外性がないので私にはこの点数が限界です。冬ソナで見た韓国は、田舎でもこの映画ほど田舎じゃなかったので、韓国でもこんなところがあるんだと驚きました。また、サンウ少年がソウルから持ち込んだガーナチョコレートを食べていたり、あの田舎町でチョコパイが当たり前のように売られているのを見て、韓国内でのロッテ製品の普及度がコカコーラ並みであることを知りました。ロッテ恐るべし。 7点(2004-08-08 18:58:45) |
385. スパイダーマン(2002)
《ネタバレ》 主人公は頭はいいけどダサいいじめられっ子だったが、ある日スーパースパイダーにかまれて超人的能力を得て大活躍し、長年片思いだった女性からも思いを寄せられる。というあまりにも単純なストーリーが好きになれません。私としては、頭はいいけどダサいいじめられっ子が、自分なりの方法で人生を切り開いていくような映画が好きです。そのほうが現実的ですから。また、スーパースパイダーにかまれたことにより遺伝子に異変が起きたわけですから、超人的能力を得る一方で、ときにものすごい痛みや吐き気に苦しむとかいうような副作用でもあれば、面白いのに、あまりにも能天気なストーリーです。アメリカ人はこういう単純な話が好きなのでしょう。でも、こういうものと割り切って見れば、それなりに楽しめます。クリフ・ロバートソンが年寄りになっていて驚きました。かわいそうな役でしたが、いい叔父さんを演じていましたね。スパイダーマンって、高校を出たばかりの若者なんだとびっくり。バットマンもスーパーマンもウルトラマンも、もう少し大人がやっていたので、意外でした。その若さのわりに、力に責任が伴うという重い課題を負っている点は新しいなと思いました。正義のために戦っているのに、憎まれてしまう展開は見ていてつらかったです。ラストも意外でした。もうちょっと自分勝手に生きてもいいのに、なぜそんなに正義を守ることに燃えているのかがわかりませんでした。ほかにも謎が多く、次回作に続くのだなあと思いました。トビー・マグワイアという俳優をこの映画で初めて知りましたが、なんだか見るたびに川平慈英を思い出してしまって気が散りました。 6点(2004-07-11 21:03:34) |
386. ヘルハウス
《ネタバレ》 この映画が作られて30年もたっちゃったので、もう古典ですね。古典の有名映画を見ると、「名作って言われてるけど、今見るとどうってことないな」と思うことも多いのですが、この映画の場合、その古さがかえっていい味になっています。全編に緊迫感が漂っているのもいいですね。私の大好きなロディ・マクドウォールが活躍するのもうれしい。ただ、ロディ・マクドウォール演ずるフィッシャーが、途中までは当たらず障らずでとりあえず生きてヘルハウスを出ることしか考えていなかったのに、なぜ途中から使命感に燃えたのかがわかりにくかったです。 8点(2004-07-10 19:21:12) |
387. 白い巨塔
《ネタバレ》 ほかの方々も書いているように、あの長編小説を2時間半にまとめた結果、あらすじの紹介にとどまっており、内容に深みがない。展開が早いので、TVドラマで筋を知っていなかったら、ついていくのが大変だったと思う。今見るとたしかに古いが、当時はこれでも画期的だったのだろう。新しいTVドラマでは、「浪速大学なのになぜ西田敏行以外は関西弁をしゃべらないのか」と毎週思っていましたが、この映画では不自然ながらも関西弁が使われていたので少し納得。でもラストが後味悪かったです。 6点(2004-07-08 15:34:22) |
388. 運命の女(2002)
《ネタバレ》 ダイアン・レインとリチャード・ギアの共演ということで期待した見たが、ストーリーが三流でがっくり。映画の中で、オリヴィエ・マルティネス演ずる浮気相手のことを、女友達がセクシーだと言っているシーンもありましたし、このサイトの感想でも同じようなこと書いている人がいますが、私の目には、虫酸の走るエロ男にしか見えません。ダイアン・レイン演ずるコニーは何不自由ない生活をしていて、リチャード・ギア演ずる夫は完璧なのに、なんであんな最低男との浮気に走るのか理解できませんでした。仮に、夫が妻を女として見ないとか、仕事中毒で家庭をかえりみないとかの不満が1つでもあれば、平凡ではあるが、納得できる作品になったのに。後半のサスペンスとしての展開も実におそまつ。 5点(2004-07-07 22:14:52) |
389. ターミネーター3
《ネタバレ》 偉大なるマンネリ。「水戸黄門はストーリーがいつも同じで安心して見ていられる」と思う人にオススメします。物がたくさん壊れて、さぞかしお金がかかっただろうなと思うけど、旧作に比べて迫力と深み不足のB級作品。ほかの方々も書いているようにニック・スタールがしょぼい。ちょっと新しいかなと思ったのは、最後のほうでシュワちゃんがプログラムを改変されてしまい、当初の任務と、改変されたプログラムの指示との間で、苦悩??するシーン。でもそれもあっさり解決されちゃってがっかり。それにしても、なんで敵は10年に1回しか来ないのか? 本当にジョン・コナーを抹殺したければ、毎日来てもいいし、1回に100人くらい来てもいいし、もっと大昔にさかのぼってもいいのに。答-->そんなことしてたら映画にならないから。そう思うとバカバカしくなります。 6点(2004-06-28 15:21:01) |
390. かくも長き不在
私はフランス映画はよく理解できないことが多いのであまり見ないのですが、このサイトで評価が高かったので見ました。でもやっぱり肌に合いませんでした。前半はストーリーが進むようで進まなくてものすごく退屈、後半はストーリーが少し進みますが、曖昧模糊としていてすっきりしませんでした。虚学図書之介さんと同じように私も修行不足かもしれません。平均点下げてごめんなさい。 5点(2004-06-06 16:11:47)(良:1票) |
391. カンパニー・マン
《ネタバレ》 ストーリーについていくのが大変でした。主人公が今は誰の側に立っているのか、主人公の本当の味方は誰なのか、わけがわからなくなりました。最後は「爽快な終わり方でしょ。どうだどうだ」といった感じの映像でしたが、私はあまり爽快感は感じず、このあとも何かあるんじゃないか、いくらなんでもこれで終わりじゃないだろう、と思いながら、目を皿のようにしてエンドロールを見つめていたのですが、結局なにもなく、え~これでホントに終わりなのぉと思いました。 6点(2004-05-28 18:37:26)(良:1票) |
392. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
私はロビン・ウィリアムズが生理的に受け付けないのですが、この映画の彼はわりと抑え目の演技だったので、拒否感を感じずに見られました。特に、亡き妻への思いを語る場面では、人を愛するとはどういうことかをしみじみと感じさせてくれ、この映画の中で私が一番じ~んときたシーンでした。(でも、この手の役にロビン・ウィリアムズというのは月並みなキャスティングに思えます。オスカー受賞のようですが。) それ以外のシーンは、可もなく不可もなし。内容はごもっともなんですが、小学校の道徳の教科書を読んだときのような物足りなさを感じる、何の意外性も驚きもないストーリーでした。あと、主人公があの友達連中とだけはうまくやっていけた理由がよくわかりませんでした。あのゴロツキっぽい友達と熱い友情を築けているということは、ひとを信頼し、欠点を許して受け入れることができるということなので、あの主人公の性格設定と矛盾しているように思えました。 7点(2004-05-28 14:53:20) |
393. ビッグ
いいかげんな社会保障番号書いて就職したら、そんな人はいないってことがすぐにバレるんじゃないの等々、いろいろツッコミたくなる点が多いですが、そもそも「大人にして」という願いが移動遊園地の機械で叶えられるという設定自体が荒唐無稽ですから、いちいち細かい点に目くじら立てずに見ようと決めたら、結構楽しく見られました。あと、この映画よりも後に作られた「未来は今」という映画と一部似たストーリー展開がありました。「未来は今」はいろいろな映画のパロディっぽいつくりだったので、「ビッグ」のパロディでもあったのでしょうか。 7点(2004-05-28 14:42:15) |
394. ハリー・ポッターと秘密の部屋
みなさん、点数からいですね~。私は子供向けだと割り切って、深く考えずに見たせいか、そこそこ楽しめました。私は原作がそもそも底が浅い作品だと思っているので、あの本の映画化だったら、まあこんなもんじゃないでしょうか。やすたろさんが書いていらっしゃるように、原作未読だとちょっとつらいかもしれませんね。ケネス・ブラナーがあんなアホ役でちょっと気の毒。 7点(2004-05-22 22:48:56) |
395. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 想像してみてください。もしあなたが、不労所得があって遊んで暮らしており、責任感が欠如したハンサムな独身中年男だとします。ふとしたことから、精神的にちょっとおかしいシングルマザーの自殺現場に遭遇してしまいます。その母親の息子は奇妙な行動をするせいで学校ではいじめられっ子で、その子が、自分の母親とあなたをくっつけようと企んで、あなたを尾行したり、あなたの電話番号を調べて電話をかけてきたり、あなたが追い払っても追い払ってもしつこく家に押しかけてきたとします。この映画の話だと思って聞かずに、自分の身に起こったこととして考えてください。あなたは身震いするほどの恐怖を感じませんか。私は感じます。この映画は、前提からしておかしい。ありえません。私がヒュー・グラントだったら、警察に連絡するでしょう。また、ヒュー・グラントほどハンサムな男が遊んで暮らせる金を持っていたら、セックスの相手に不自由するはずがありません。ヒュー・グラントは俳優としては好きですが、この映画の配役としてはおかしいのでは。不労所得があるけど、ブ男で、セックスの相手に不自由するなら、もう少し納得して見られたかも。また、前半に数多くの不愉快になる場面(善意で靴を買ってあげたのに誤解される場面など)があり、数々の不愉快な思いをこらえ続けないと最後まで見られない映画です。また、主人公の妹が、結婚して子供を持つ「当たり前の暮らし」を兄にも押しつけようとするのも見ていて不愉快です。人には多様な生き方があります。彼女のいう「当たり前の暮らし」を心から望んでいてもどうしてもかなわない人だって、この映画を見るはずです。そんな人が彼女のセリフを聞いたとき、どんな思いがするかを考えてこの映画を作ったのでしょうか。 5点(2004-05-10 15:31:27)(良:2票) |
396. クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡
おもしろいことはおもしろいけど、わざわざ時間を割いて見るほどのものでもない。雑誌の連載は読んだことないけど、テレビアニメは時間が短いから集中力が途切れずに見られて特に面白く感じるのでしょうか。これだけ長くて、ストーリーもありきたりなので、やっと見終わったという気持ちです。クレしんの映画は大人も楽しめるとかいう評判があるので、変に期待したのがいけなかったのでしょうか。 5点(2004-05-06 22:25:48) |
397. クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
私はクレヨンしんちゃんが好きですが、この映画はあまり面白いと思いませんでした。このサイトで皆さんの評価を見て期待しすぎたせいかもしれません。ギャグはそこそこ面白いけど、腹を抱えて爆笑するほどおかしいシーンは無かったです。ストーリーもありきたりだし、"こどもだまし"だと思います。 5点(2004-05-05 18:05:17) |
398. ふたり(1991)
《ネタバレ》 つらくて、悲しくて、暗い、でもなぜか好き。そんな作品です。10年ぶりくらいに見てみたら、やっぱり同じ思いを感じました。でも今見てみると、実加の母役の富司純子がいつも和服を着ていて、しおらしく立ち居振る舞っていたり、実加の親友の真子が、老舗旅館の娘とはいえ、普段着でも和服を着ているのが時代錯誤に見えました。日本情緒を出すための演出だったのか、当時の尾道では普通のことだったのか。私は石田ひかりよりずっと年上ですが、私の母親世代でもあの母親みたいな人はいませんでした。(原作はわかりませんが)実加の家は普通のサラリーマン家庭という設定で、歌舞伎役者の家ではないのだから、富司純子の演技が浮いて見えました。今回見直してみて、実加に意地悪をする演劇部員が島崎和歌子だったことに気づき、彼女にもこんな若い頃が...と感じました。みなさんと同じように「草の想い」という曲が大好きです。映画を見終わる頃にはすっかり耳になじんだメロディですが、最後に久石譲さんと大林監督のデュエットバージョンが流れると、その悲しい歌い方にあらためて強いショックを受けました。若くして不慮の死をとげた千津子の無念さが乗り移ったような悲しさに、胸がはりさける思いがしました。このデュエットバージョンが嫌いという人もいるようですが、私はこのバージョンが一番好きです。でもつらすぎて、何度も聞くことはできません。 8点(2004-04-28 23:26:40)(良:1票) |
399. イングリッシュ・ペイシェント
《ネタバレ》 ジュリエット・ビノシュ演じるハナの物語を中心に見たかった。アルマシーとキャサリンの話は、つまらないったらありゃしません。また、ヤケドする前のアルマシーはどこか精神異常的な雰囲気を漂わせていて、私には寒けがするほど気持ち悪く見え、キャサリンは落ち度のない夫がありながら、なんでこんなキモい男との愛欲に溺れていくのか、そこのところがどうも説明不足のように思えます。 5点(2004-04-18 13:16:09) |
400. ボウリング・フォー・コロンバイン
《ネタバレ》 日本のテレビで"ドキュメンタリー"番組を見ると、ドキュメンタリーといいながらかなり叙情的な内容が多いように思いますが、この映画はアメリカでの銃犯罪の多発について、データを示し、関係者にインタビューをとり、仮説を検証し、行動を起こし、しつこいくらいに問題を追求しています。本来、ドキュメンタリーってこうあるべきなのかと思いました。そんな内容なので、字幕の量がすごく、目の悪い私にはつらかったのですが、引き込まれるように見てしまいました。日本では、アメリカのニュース、映画、TVドラマが、ほかの国のものよりもはるかに多く見ることができるので、外国経験の乏しい私は、あれが"欧米諸国"の姿なのかと思っていましたが、この映画を見て、アメリカがかなり特殊な国であることがわかりました。そして、なぜあんなに戦争をするのかもわかる気がしてきました。深く考えずにアメリカに追従するおバカな日本の政治家に対して、私たち個人が冷静に異議を唱えるべきであると思いました。 9点(2004-04-05 09:54:51)(良:1票) |