381. アメリカン・ギャングスター
《ネタバレ》 監督はリドリー・スコット、キャストはデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターを起用し、万全の態勢で制作されたと言っても過言ではない。ギャング映画好きのツボを押さえた骨太な構成で、良い映画のお手本を観ているかのようだ。長さも全く気にならない。ただし、強烈なインパクトに欠けるのも確かだ。エピソードや場面の一つ一つに「意味」が充満している「ゴッドファーザー」等の傑作と比べると、やはり見劣りしてしまう。フランク、リッチーのキャラクターについては、よく理解できたが、脇役の魅力が伝わってこない。悪役のトルーポ刑事が辛うじて味を出しているが、フランクの家族については、一定の存在感を出している母親を除いて、妻も弟も背景の一部になってしまっている。リッチーの離婚係争も本筋とはほとんど関係ないところで進行してしまう。実話だからしょうがないと割り切ってしまえばそれまでだが、これでは7点以上はつけられない。主役2人の好演(取調室での掛け合いは見事!)が光るだけに残念だ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-31 21:46:33) |
382. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 やっちゃったー!というのが鑑賞後の感想。「ギャング・オブ・ニューヨーク」を思い出した。雰囲気がすごい似てて。 これは、ダニエル・デイ・ルイスの怪演を観るべき映画でしょう!特に、ラストの迫力なんて誰にも出来るもんじゃない。ジャック・ニコルソン並みに怖い。 この映画が残念なのは、他に見るべき部分が無いってこと。ストーリーがあまりにもスカスカすぎる。雰囲気だけで話が進行するし、息子と父親の関係性や神父と彼らの関係性もさっぱり。人と人の化学反応を僅かなシーンだけで描こうとするからこうなる。絵的に美しいシーン、キャストの好演など観るべきところはあるのだが、十分に活かされていない。ダニエル・デイ・ルイスが絡むとこうなってしまうのか。彼の実力に製作側が魅せられて、彼の宣伝フィルムを撮ったみたいになってしまっている。主演男優賞は納得だが、これでは共演者がかわいそうだ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-27 23:44:29) |
383. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 前日に「カジノ・ロワイヤル」を再鑑賞し、万全の状態で臨んだ。相変わらずの凝ったオープニングで、期待も膨らむ。前作はトランプをモチーフにしていて、カラフルで華やかだったから、個人的には前作の方が好み。でも、今作の砂をモチーフにした造形もすごく良かった。 初めから怒涛のアクションシーンが炸裂するつくりも、前作と共通している点でしょう。今回は壮絶なカーチェイスで幕を開け、そこからイタリアのシエナで追いかけっこ。前作はボンドの特性を披露する見事なアクションシーンだったのに対し、今作はそこまで意識はされておらず、残念だった。ボーンシリーズ以降、メジャーになったカットバック多用型の(個人的には好みだが、何が起こっているかわかりにくいという意見もある)アクションシーンだった。 ただし、その後の展開はアクションのつぎはぎのような印象が否めず、大満足とはいかなかった。ストーリーも一本調子で変化に欠ける。ボスキャラのマチュー・アマルリックも少し貧弱で線が細い。総合的な印象としては、前作の方が良かったが、映画館で観れば、十分楽しめるレベルだと思う。 今作がシリーズの中で果たす役割としては、①敵の「組織」はかなり大規模であることが明らかになったと言うことと②ボンドが過去の思いをふっきり、スパイとして一応の完成形に到達したということだろう。次作では、ボンドの温かさと冷たさをどう出していくかが難しくなったと思う。スパイに成りきったボンドが、あまり人情味を出してもおかしいし、かと言って目的のためには手段を選ばず、誰彼かまわず利用する冷酷なマシーンと化していても、支持は得られないだろう。次作のボンドの人物造形に課されるハードルがぐんと増した気がする。 意外だったのは、前作よりもアクションシーンの比重が増していたこと。監督の人選などから、もっとドラマ性を高める方向に持っていくのかと思っていたが、良い意味でも悪い意味でも裏切られた。 [映画館(字幕)] 7点(2009-01-25 18:18:17) |
384. シリアナ
《ネタバレ》 7点の判断基準は「他人に薦められなくもない」ということなのですが、はっきり言ってこの映画は、他人に薦められません。「トラフィック」に輪をかけてストーリーが複雑な上に、徹底的に説明を省略するものだから、置いていかれる人が多数でしょう。私も細かい部分も含めると把握しきれているかどうか。。。しかし、こういう陰謀モノの話は基本的に好きですし、キャストもいい仕事していますし、話の流れも嫌いではありませんから、7点は与えたいところです。確かにいくらなんでも観客を突き放し過ぎという皆さんのご意見には頷くしかありませんが。 話の中で疑問に思ったところが、2点あって、ホワイティングはボブをハメようとするんですけど、そんなまどろっこしいことをする前に消したほうが早かったのではないかと。自宅に侵入されたのは、少しお粗末でしたね。FBIの動きの方が早くて間に合わなかったということなのかな。もう1点は、最後のボブの動きをなぜCIA、FBIが止めなかったのかということ。目をつけられていても、普通に国外に出られるものなんでしょうか?以上2点がちょっと気になりましたが、頭の体操には良い映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 01:08:16) |
385. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
《ネタバレ》 クールなオープニングに加え、けっこうハードなバイオレンスシーンで、冒頭から圧倒される。今までとは違うんだぞ!という監督の心意気を示し、観客の意識を引き締めてくれる演出が心憎い。引き続いて、マダガスカルでのチェイスシーンもド迫力の中で、新しいボンドのパーソナリティーを無駄なく説明しており、監督の手腕を感じる。 メインがポーカー勝負ということもあり、盛り上げ方は難しかったようで、ストーリーの中盤はアクション映画とは最早呼べないような状況になっており、確かに少しダレる。しかし、ホテルのバスルームのシーン等、ドラマ性を高めるシーンは増えており、作品の出来としては、全く見劣りしない。ラスト、泣けるし。 昔のボンドに郷愁を感じられる方も多いようだが、特に思い入れの無い僕にとっては、今作のボーンシリーズ風のボンドで全く問題なし。むしろ、ダニエル・クレイグはすごくセクシーだと思う。「かっこ良さ」の基準も変わってきていて、現代は、やはりこういう人間味のあるキャラクターがウケるのではないか。あえて、下品な表現をすれば、ボンド・ガールをとっかえひっかえで良いのか?という話だろう。女性の地位が向上してきた、時代の要請に合った方針転換であり、好ましいと思う。エヴァ・グリーンがハマリ役というのもありますが、「モノを言う」女性が相手役と言うのも良いと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-24 22:04:46)(良:1票) |
386. ワールド・オブ・ライズ
《ネタバレ》 これはまたガツンと来る映画でした。リドリー・スコットの面目躍如といった感じでしょうか。ストーリーはほぼ1本に収斂されており、単調と言えないことも無いのですが、骨太なストーリー展開がそれを補って余りあります。主役の2人+マーク・ストロングがいい演技をするものだから、映画に文字通り引き込まれました。 話の内容はさておき、この映画で最も面白かったのは、やはり上記の三者の関係性でしょう。会社で言えば、本社と現場と取引先でしょうか。この三者の虚々実々のやり取りにはシビれました。あくまでも正論をふりかざす本社、誠実さを要求する取引先、間で苦慮するのは現場なんですねえ。普通のビジネスと違うのは、バランスの取り方で死ぬか生きるかが決まるということ。ストーリーの内容よりも、ヒリつくような緊張感をもった三者の関係性こそが、この映画のキモではないかと感じました。 強烈な印象を残す!というわけではありませんが、高いエンタテイメント性を保ちつつ、リアリティとフィクションの絶妙な隙間を描ききった佳作と言えるでしょう。 ラストのディカプリオの眼の演技もいい!ちょっと偉そうかもしれませんが、何て言うか、いい俳優になったなあと感動しました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-01-17 22:33:36)(良:3票) |
387. チェ 28歳の革命
《ネタバレ》 。「カストロとゲバラがキューバ革命を起こし、バティスタ政権を打倒した」とか、ピッグス湾事件の顛末程度は知っている状態で鑑賞。 伝記映画というのはこうなってしまうものなのかもしれないが、ドラマ性、エンターテイメント性を全く無視した作りなのには若干閉口した。ゲバラがアルゼンチン人だったとは知らず、少し驚いたが、彼がなぜ共産主義に傾倒したのか等については一切語られないため、もどかしい感じもする。全体的に、(恐らくあえて)ストーリーの焦点を散漫にし、ゲバラの人生全体を捉えようとしているため、基礎知識が十分でない人にとっては、更に苦痛な2時間となるだろう。 ただし、ドキュメンタリータッチの撮り方はなかなかイカしてるし、デル・トロの演技力には改めて惚れ直したので、通常ならば4点のところを5点としておく。次回作も劇場で観ようという動機付けにはなった。恐らく次回作の方が面白いはずだし、そうしてもらわないと困る。 [映画館(字幕)] 5点(2009-01-12 00:54:19) |
388. ブラインドネス
《ネタバレ》 予想通りと言うべきか、酷評の連続だが、私は、監督の意欲と映画化が難しいテーマを料理している点を評価して、6点としたい。「シティ・オブ・ゴッド」、「ナイロビの蜂」と傑作を連発しているメイレレス監督の新作ともなれば、期待するなというほうが無理な話で、私もご多分に漏れず、半年前から公開を心待ちにしていた。残念ながら、以前の二作で見られたストーリーの躍動感・リアル感は感じられなかったし、語りたいテーマが多すぎて、若干とっ散らかってしまった印象も受ける。また、日本公開時は日本語の部分は字幕をはずしたほうが良かったような気がする。しかし、この映画を制作した監督の意図・目的を考えるとなかなか興味深い。 本作を見て印象に残るのは、人間のエゴ、そして体制への順応性である。前者については、既に多くの方が論じていらっしゃるので、ここでは後者を取り上げたい。第3病棟の王に対するまさに「盲目的な」服従について、リアリティが無いと判断する方もいらっしゃるようだが、私はそうではなくて、これこそ人間ではないかと思うのだ。たとえチャチな拳銃一丁にせよ、相手には武器があるし、更には感染前から盲人だった者もいる。最終的には数で相手を抑えられるかもしれないが、数人の犠牲は避けられないはずだ。ましてや目が見えず、パニックになっている状況下で、立ち上がることを選択できる人間は非常に少ないだろう。また、目が見えている女にしても、戦争状態ならいざ知らず、なかなか意識的に独りで人を殺そうと決心するのは困難だったろうと思う。殺人に至るまでの女の心理を描いた演技は見事で、ジュリアン・ムーアの演技力を再確認できた。 また、本作では監督の構図に対するこだわりが随所に読み取れた。特にレイプによって死に至った女性を運ぶ女性たちのシーンや豪雨のシーンには感動した。実に美しい。 本作が次につながる映画であることは間違いない。次回作ではどう来るのか?非常に楽しみだ。 最後に一つ。映画の筋について、重大な事実誤認を犯して、レビューを書くレビュワーの方が稀にいらっしゃるのが非常に残念だ。この映画に関する一部のレビューも例外ではない。自戒の意味もこめて、あえて一言言わせていただく。 [映画館(字幕)] 6点(2008-12-27 18:06:39) |
389. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 いや、ねえ、途中まではいいんですよ。よく何を言いたいか分からない撮り方は少し鼻につきますが、他人を信用せず、誰にも心を開かない鈴子の自己開示が少しずつ進んでいく、と。分かります。もっとエキセントリックなキャラクターだったり、過剰な演出が入るのかと思っていたけれど、それは良い意味で裏切られました。 でも、最後で全てが台無しになっちゃった。まさに「とってつけたような」展開でがっかり。中島君の心情が全くもって理解できない。鈴子が来た時に、「君がいなくなっちゃうのが嫌だった」と一言言えばいいだけじゃないですか。ましてや鈴子は超がつくほど倹約家なんだから、あんなに金をせびられれば、愛想尽かすのも当たり前じゃないですか。いくら、物静かで奥ゆかしい人だとしても、どういう経緯で、そういう作戦を取るに至ったのかが一切説明されていない状況下では、全く中島君に共感できません。「走り出すぞ、走り出すぞ、ほら、走り出した」。ホームセンターのシーンにはちょっと笑っちゃいました。 蒼井優の魅力を引き出すことには十分すぎるほど成功していますが、この脚本にはがっかりです。いや、ほんとに。乳時雨さんのレビューに激しく同意いたします。 [映画館(邦画)] 4点(2008-10-13 23:59:36) |
390. JSA
ソン・ガンホ!すごい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-12 23:33:58) |
391. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 観た後、感極まって言葉が出なかった。ここしばらく低迷していた(個人的に)ジブリ作品の中で、突き抜けた快作だ!訴えるテーマが多すぎて焦点が散漫になっていた上に、そのテーマも陳腐で説教臭く感じていた「もののけ」以降の悪い流れを完全に断ち切ってくれた。本作は子供向けの作品と言われ、作者自身もそう評しているようだが、それの何が悪かろう。アニメは本来子供が楽しむべきもの(と私は思う)。その子供を置いていってしまった感がある近年の作品に比べ、本作の芸術性、エンターテイメント性は高く評されてしかるべきだ。月が近づこうが、カンブリア紀の生物がよみがえろうが関係ねえといわんばかりの説明の不在、終盤の畳み掛け、全てが素晴らしい。そう、最早この世界に説明は必要ない。感じるか感じないかそれだけだ。 改めて、宮崎駿という人は怖ろしい人だと思った。子育てと仕事の両立、老人ホーム、環境破壊、探せば色々なテーマが転がっている。だが、それは相手にしない。考えたければ考えろ。それだけのことだ。それよりも観る者すべてを圧倒する色彩美、躍動感!これを表現できるのはアニメを措いて他にない。 劇場にいた子供たちの明るい笑い声。それが本作の魅力全てを物語っている。良いものを観せていただいて、ありがとうございました!帽子を脱いで一礼。 [映画館(邦画)] 9点(2008-10-12 22:31:00)(良:2票) |
392. イル・ポスティーノ
《ネタバレ》 まさに風光明媚を絵に描いたようなイタリア南部の島の映像を背景に、そこで友情を育むマリオとネルーダの関係性が繊細なタッチで描かれている。マリオ役の人の演技は本当にうまいと思った。感情を出しにくい内気で無骨な男の心の動きを、抑制された演技で見事に表現している。また、「詩」という表現方法の魅力も存分に楽しめた。言葉とは本当に美しいものだ。これといった事件も起きない日常を切り取った温かい雰囲気の映画で、誰にでも勧めやすい内容になっている。 ただし、最後にマリオを殺すのは安易過ぎる。再会するも、インテリと労働者の気持ちのすれ違いみたいなものを感じるというような展開だったら、もっと切なくて興味深い内容になっていただろうに。泣けるのは確かなんだが、話に必然性が無く、そこが残念に感じざるを得ない。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-05 21:40:05) |
393. 未来世紀ブラジル
製作された時に観たら、映像・設定の先進性に感激したのかもしれないが、今となっては、だいぶ手垢のついたテーマであり、正直物足りない気がした。ただし、ところどころの、いかにもイギリスな感じの小ネタには笑えた。二転三転する妄想世界も盛り上がる。とはいえ、ここまで荒唐無稽な脚本だと、途中から観るのがしんどくなるのも確か。まあ、よくそれを映像でカバーして、最後まで魅せてくれるという褒め方もできるが…。 そもそもこの筋に対して、何でこの主題歌なのか?その時点でぶっとんでる(笑)。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-05 21:21:53) |
394. 裸の銃を持つ男
どこまでも真面目なドレビン警部にやられた。個人的にはもっとシュールなほうが好みだけれど、「人に勧めやすい笑える映画」という点では今のところ最高。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-24 23:09:41) |
395. ラットレース
素直に笑えるいい映画でした。後に残るものは特にありませんが、爽やかですね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-09-24 23:04:11) |
396. 河内山宗俊
《ネタバレ》 お~と~こだった~ら~♪と思わず口ずさんでしまいそうになるほど、河内山宗俊の、あまりにも渋い侠ぶりには、ただただひれ伏すしかありません。他のレビュワーさん方が挙げていらっしゃるとおり、名シーンばかりで、恐ろしいくらいです。 ただし、僕は断然「丹下左膳」派ですね。なぜなら、これはとんでもない悲劇だから。個人的にこういうコミカルな話が暗転していくのは非常に苦手です。「何でそうなるの!?」という話の展開があまりにも悲しく、観終わった後、憮然としてしまいました。。。 最後に。原節子、めっちゃかわいいですね。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-12 00:22:52) |
397. シティ・オブ・メン
「シティ・オブ・ゴッド」の圧倒的な迫力は無いが、ギャングがはびこるブラジルのスラムの日常をナチュラルに切り取った映画と考えれば、それなりの作品に仕上がっている。「ゴッド」と異なり、バイオレンス映画ではないので、それを期待して観に行った人はちょっと違和感を感じるかもしれないが。いわゆるロミジュリ的な恋愛あり、親子の愛憎あり、親友とのいざこざありで物語的には盛り上げ要素満載なのだが、いまいち中途半端な印象も受けた。ただし、「ゴッド」に引き続き、俳優陣の自然な演技はお見事。汗の臭いまでも漂ってきそうなリアル感が息づくブラジル映画はこれからも目が離せない。 [映画館(字幕)] 6点(2008-09-12 00:12:09)(良:1票) |
398. アパートメント(1996)
新感覚ラブストーリー~ミステリー仕立て~といった感じだが、プロットの練りこみが半端じゃないだけに、チープには堕していない。2度続けて観る気は起こらなかったので、1度しか観ていないが、正直、細かいところまで頭の中で再構成するのは無理だった。ただ、なんとなく見ても十分おしゃれだし、イケてる映画を観たという満足感は強い。とにかく、美男美女が右往左往するし、撮り方もセクシーなので、ただもう耽美的に映像を楽しみたい!という方にもお勧め。僕としては、比較的苦手なタイプだが、うまく作れているので、最後まで飽きなかった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-11 23:47:08) |
399. コーカサスの虜
《ネタバレ》 地味ながら、戦争のもたらす数奇な出会いと別れの悲しみをきちんと描いている作品。サーシャとの絆、ジーナとの絆、ハッサンとの絆、チェチェン人との絆。どれも、戦争のおかげで芽生えたもの。そして、全て消え行く運命にあるもの。 ラストの攻撃ヘリは村を攻撃しに行くものなんでしょうね。何とも哀しくやるせない。過剰な演出を排した素朴な演技が余計に悲しみを増幅させます。レビューを書いているとまた泣きたくなります。 [DVD(字幕)] 7点(2008-08-11 01:22:55)(良:1票) |
400. ダークナイト(2008)
バットマンシリーズはバートン版への愛着が強いため、この点数になってしまうが、これは紛れも無く傑作だ。バットマン=アメリカ、ジョーカー=テロ組織と考えれば、テロの続発に対するアメリカの苦悩が透けて見える。 愉快犯・信念犯は防ぎようが無い。彼らテロリストが跳梁跋扈する中で、アメリカはどうすればいいのか?これがこの映画の紛れもないテーマだ。暴力に対しては、暴力で対抗するほか無い。だが、果たしてそれでいいのか?バットマンの苦悩はそのまま今のアメリカのそれにつながる。 優れた社会派作品であり、大人向けの映画。ヒース・レジャーの演技には、個人的には満点をつけたい。合掌。 [映画館(字幕)] 8点(2008-08-10 00:30:58)(良:1票) |