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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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381.  告白(2010) 《ネタバレ》 
この悪意満載の映画には正直、興奮した。結末どころか中身が全部わかっている以上、映画になったときに期待するのはどの辺まで小説のアイデアを拝借してまるで違うものが作られているかということだが、ここまで同じ話なのにここまで面白く、映像や音の威力というものの神髄を見たかのようだった。  後味が悪いことや、倫理観が壊れてしまうような感覚、自分が知っている子供世界との差異へのたじろぎのような不快感は、すでに全く同じような原作の感想を方々で見ている。この作品が持つ不快感というのは明らかに作り込まれた不愉快であり、人造であるが、自然と作品の主張であるかのように存在感がある。  人工物であるという、隙のようなものがある種の箱庭感、安心感を醸すのだがこの作品に神経を逆なでされた人たちは、策略に乗せられても現実世界をもう一度認識することで強い不快感を顕わにする。それはこの作品の中で広がるいやな世界を否定することで現実世界の安心感を確かめたということだと思う。  しかし、これほどの不快感を人に与える暴力的なお話であるというところに私は何とも言えない魅力を感じてしまう。原作のもつ人に煩累を植え付ける暴力性を否定する書評やレビューが自然と、その嫌悪感の虜になった人たちの評価を浮き上がらせる。なんというか巧妙な心理操作がたまらない。心地よささえ感じてしまった。  松たか子がなぜかすんごい美人に見えて、吸い込まれるように感情移入してしまう。言い逃れする余地を存分に残し、最後には仕返しのためなら無差別に殺してみせる。実行犯を仕立て上げておきながらなお、すべてを失っている彼女は、真実が露見したら自殺するから良いもんね位の軽い薄ら笑いを浮かべた。「私が命の重さとか言っちゃって面白かった?ケケケ」的な確信的な薄ら笑い。が、なぜかすんごい爽快感だった。なんだこのザマーミロという爽快感。  なんかオレ変なんだろうなきっと。
[映画館(邦画)] 9点(2010-06-13 01:09:44)
382.  レッド・オクトーバーを追え! 《ネタバレ》 
ジャックライアンなんだが、ショーン・コネリーが完全に喰ってる。  商用インターネットが存在しない時代。潜水艦がリアルに恐ろしい存在だった時代。その時代の国家間、私人間のつばぜり合いが巧妙にストーリーを構築し、多少ザルなプロットも意識させないで見ることが出来る佳作だと思う。  同時に潜水艦の戦闘のおもしろさをリアル映像にすると言うのを実に見事にやってのけ、アクション映画としても一級。  そのメインキャラクターをショーン・コネリーが演じているというのが何ともよく解らなかった。ワタシの中では愛すべき英国のオッチョコチョイでアホなスパイを演じる、大ファンの大根役者のショーン・コネリーがこういうシリアスで良い役をやっているとものすごい違和感とともにものすごい、なんていうか「イィヤッホウ!」てな気持ちになるのはなぜか。わかんないけど。  薔薇の名前とかアンタッチャブルを観るともう心躍っちゃうんだよなあ。ショーン・コネリーが大好きなんだな。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-06-06 18:30:49)
383.  コブラ 《ネタバレ》 
ああもうむっちゃくちゃ。これは金払っては観られないだろうなぁとか、放送されていると必ず観てしまったりする映画。  この映画のどこにそんな魅力があるのかさっぱり解らないんだけど、子どもの頃はとにかくこれとかゴリラとか、子供心にスタローンとかシュワルツェネッガーの中でも出来損ないだなって解ってたけどなんか観て、「うわぁ」とか言ってる。でも観ちゃうわけだ。  やっぱりあれかなぁ。絶対行きたくないような荒涼とした外国観っていうのが妙に引きつけるんだろうか。いったいどこの国なんだって位メチャクチャなんだけど、なんか良いんだなこれが。
[地上波(吹替)] 5点(2010-06-06 18:19:34)
384.  デブの自動車屋 《ネタバレ》 
正直ドリフみたいな楽しみ方以外がよく解らんのですが、こういう昔の映像は心が躍る。 こうやって絵が動いて、演者が夢中で駆け回り、一生懸命作られて、さらに100年近くたってこうやって楽しんでいる自分がいるわけ。  もう感動。それだけで嬉しいのです。
[インターネット(字幕)] 5点(2010-06-06 18:14:54)
385.  アメリカン・フライヤーズ
いつだったか。子どもの頃深夜にやっていたのをビデオに録って観た。当時ケビンコスナーのあの味わいが好きでいろいろと観てみたが、なんだかんだ言って大作指向の作品よりもこういったチョットいい話的小品の方が好きだった。  この作品の自転車で爽快に繰り広げられるサワヤカバトル的な描写は実に迫力満点で、それだけでも観てよかった的感激があるが、やっぱり可もなく不可も無くなストーリーと相まって安心して最後まで観ることが出来る。  また観たいなぁとか思ってDVDを探してみるが、見つからなくて残念な作品の一つ。
[地上波(字幕)] 6点(2010-06-06 18:09:13)
386.  ホワイトハンター ブラックハート 《ネタバレ》 
イーストウッドらしいハリウッドらしくない秀作。イーストウッドの小説的な匂いを出す映画群の中には2,3年の周期的にさらに文学的な雰囲気を発する作品がある。この作品はまさにそのタイプで、これら作品は作中の人物誰かに共感や感情の移入をしなければヨーロッパの文芸作品以上の苦痛な時間が待っている。  本作では感情移入のための劇場的なテクニックは排され、人物像や心理描写と言った文字媒体的技巧が主に使われている。ここにあるのは映像媒体の情報を受け取って感じさせられることからの楽しみではなく、情報を読み取りそこから感想を構築して行く作業でありこれをしないと何も心に浮かばない。しかし映像は何もしなくても進んでしまうがために、それを意識させないぎりぎりのところで、映像的なフォーカスが組み合わされている。  集中力をそがないその配分は、おそらく偶然のものではなく計算されたものだろう。あたかも場当たり的に作られているかの様な作中の映画撮影は、確信的な巧妙な計算のうちに作り出され、それら技術的な組み合わせはあまりアメリカ映画的とは言えない配分ではないだろうか。  ともすればヤマオチ意味なしにすら感じられるこの映画が撮られたのは90年。カンヌでは85年のペイルライダー、88年のバード、本作とイーストウッドは文芸調作品で立て続けにパルムドールにノミネートされ、この頃すでにヨーロッパでは絶大な支持基盤を得ている。技術やキャリアにおいてはすでに絶頂期を迎えており、今後こういったハリウッド的な味を持たない映画を撮り続けるのは難しいのではないだろうかとさえ当時の人たちは思っただろう。  しかし、20年たっても2,3年周期で文学性と完成度の高い作品を作り続け、ハリウッド映画を見に来た客を煙に巻き続ける。アジア、アメリカ、ヨーロッパと全く違った印象を持たれているであろうことが実に面白い。
[DVD(吹替)] 8点(2010-06-06 17:48:39)
387.  イントゥ・ザ・サン
公開当時、セガール様がテレビに結構出ていたきがする。で、この映画が凄いんですよってなことを盛んに宣伝していた。CDまで出してたような気が。で、曰く「セガールが日本で暴れまくる」ってなもんだったと記憶しているが、ここまでアピールしておきながらあんまり暴れない。無念。  セガール様は暴れてなんぼでしょう。合気道でバキバキ暴れてなんぼです。剣道の達人なのもわかりますが、セガール拳が見たかったのに、あんまり見れない。あーあ。  オッチョコチョイな完成度は意外と好きだったりする。
[DVD(吹替)] 5点(2010-05-23 17:00:20)
388.  子猫物語
この嗜虐性は中国とかのヤツと同じヤツ。
[地上波(邦画)] 1点(2010-05-22 16:01:32)
389.  マディソン郡の橋 《ネタバレ》 
大昔、これが公開された当時スゴい反響だったらしいことは何となく記憶のものすごく奥の方にある。ちょっと昔これをDVDで見たときにそんなことを思い出した。  主人公とフランチェスカの微妙な関係を首をかしげながら観る一方で、なんかいい話かもと思う気がしないでもなかった。年を取って、いろいろなものが生活に不可分に確固として存在するなか。こんなことの一つでも起こったのなら、きっとその想いにも逡巡しながら、その後を、それまでと少しだけ違う考えをもってる自分に気づいて生きていくんだろうな、と思わされる。  黙っていればきっとそれくらいは悪いことじゃないのかもしれないが、本能的になんか許せない気も。そういう塩梅が実に巧妙。実は原作小説を翻訳で読んでしまったため、その表現の異様さに思わずなんなんだこの教科書ガイドみたいな小説は。と、感じてもいたのだがイーストウッドの作った映画は文章とは関係のない美しさと、受け手にゆだねる倫理観の揺れがハリウッド映画との異質感を伴って作り込まれていた。  冒頭と最後の彼女の家族の挿入が現実感へ引き戻してくれる。やっぱりこの絵空事のようなお話は絵空事なんだ。そりゃそうだ、良いわけがない。そんな気もするけど、やっぱりあの年齢になったときに日常に蔓延する寂しさを少しだけ忘れられたらという願いを持ってしまった人を責めることも出来ないかな。なんて言う気持ちにもさせる。  肉親を捨てて願望を取ったがため、罪にまみれるか。願望を取らなかったがためにむなしさに囚われるか。この映画の良さは、そこで受け手を惑わせなかったところ。前者であれば普通の主婦が最後の時を冷静には過ごせない。家族にそっと遺灰をまいてもらえた選択を出来たことは正解だったのだろう。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-22 14:58:45)(良:1票)
390.  ターミネーター 《ネタバレ》 
面白い。箱庭的で閉鎖的な世界をそう感じさせない程々のリアリティと、そうは言っても取り除きようのない脅威が迫り来る息苦しさを終始感じさせる閉塞感の構築が信じられないほどうまくいっている。スゴい。  タイムトラベルものとして、時間軸の整理がおおざっぱなのは昔の映画ならでは。ループの解決を図らなくても、ラブストーリーとしての運命性を感じさせる描写の方が強くて全体の完成度に影響がない。このあたりは偶然なのかもしれないけど、良い。  それから寓意や人生訓が特に入っていないのは後味がスッキリしている。
[地上波(吹替)] 8点(2010-05-20 23:54:42)
391.  2012(2009) 《ネタバレ》 
面白い。すんごいCGにご満悦。ここまでくるともう笑っちゃう。確かに「100回死んどるわ」「なんで当んないんだよゲラゲラ」「主役からはぐれるな!死ぬぞ!」とかムッチャクチャなんだけど面白いなこれ。  30分もたたないうちに破滅が始まって、いったいどうやってあと2時間驚き続けるんだオレは?って思ったら意外とあっさり2時間驚いていた。いや、凄いです。  次回作でこれを超えなくちゃならんエメリッヒ監督はエラいもんを作ったなと。敬礼であります。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-05-17 01:30:46)
392.  ネバーセイ・ネバーアゲイン 《ネタバレ》 
サンダーボール作戦を80年代に作り直した。それ以上でもそれ以下でもない本作は、やっぱ007以外の何者でもない。異様に陳腐なガジェットとかアホきわまりない敵、何回死んでてもおかしくないボンドらしいボンドなど。007味あふれる頭の悪い映画だ。  それだけに、これを観るといかに007が007という文字が入っているだけで保護されるのかという証明にもなってるように思う。だって007ってこんな感じだよいつも。チープでアホで性欲が強い間抜けな秘密工作員それが007なのだ!テレビのプロモはなぜいつもそんなに迫真のスパイもの扱いするのか。007に失礼だ。  そして、大根役者丸出しの007が帰ってくる。同年のオクトパシーの方が明らかに面白いなどサンダーボール作戦を忠実にリメイクしてるあたりが実に007的で良いではないか。それでも私は出来の悪さまで忠実に再現してしまうオッチョコチョイな007も大好きなのである。
[地上波(吹替)] 5点(2010-05-17 00:19:31)(良:1票)
393.  グリーン・ゾーン 《ネタバレ》 
面白い。非常に面白い。なんかそれっぽい疑問をフィクションで投げかけることで、受け手の自尊心を満足させるハリウッドの巧さはこう言うところにある。実際は当時の報道を思い返すとそんなだったっけ?とすぐ気づく。  本作のカット、凄い。隊内のフォーメーションを上手に切り取った見せ方に痺れた。市街地の兵がそれぞれ役割をもって描かれる様は圧巻。もっと速く、もっと速くという欲求に極限まで応えるカメラワークに大満足だ。  また、GPSやヘリコプターを使った作戦も非常に見応えがあり、地上部隊と空からの連携がゾクゾクする。終盤のカットの速さはもっと速くという欲求を超えて、何が何だか分からないほどのスピードで(位置関係や追撃プロットはたぶん破綻してないと思われるが、確信犯的演出的破綻は有るかもしれない)、何度でも観たくなる中毒性がある。なんつう面白さか。久しぶりにゴリッと凄いアクションを観た。  他方、イラクにまつわることや、イラク戦争に関することはこの映画的にはあまり触れられていないかも。劇中のサスペンス的な創作や変に正義や巨悪を演じるアメリカを信じてしまう人が出ないかと心配になりもした。ネット上では日本語の湾岸戦争の情報は、日本教職員組合的というか、アメリカが悪でイラクが純真な世界という解釈をさせたがる結構過激な文章が多くて、参照すると変な方に思考が誘導される。日本語で読む人には他国の情報を入手できないだろう、という悪意の入った主観的な文章がちらほら見受けられる。  これはこの映画とそれほど関係のないところだけど、何となく日本に長くつきまとう問題ではないかと思う。っていうのも映画の感想とは関係のないことか。
[映画館(字幕)] 8点(2010-05-16 02:59:21)
394.  落下の王国 《ネタバレ》 
面白かった。物語を物語の中の人物に語らせるのはかなりの力量が必要だと思うが、軽やかにやってみせるあたりにそれを感じる。  悪意を原動力に作られた心地よいロイのお話に、少女だけでなく不覚にも観ている私まで思わずワクワクしてしまう。その心地よい都合の良さともったいぶらされ感に確かに続きが観たくなる。その計算された陳腐さは妙に後を引く。  ところが中盤以降、ロイの心が病むことでその心地よさは徐々になくなり融通の効かなさを感じさせる。とうとうロイが現実に対して折れてしまうと、すべてが破綻する。それは、そこにあるロイの願望がロイ自身の、心からの望みであることに気がついてしまうと言うことだった。  しかし、生きようというかすかな思いが彼とその物語の結末を文字通りの終わりから、少しだけ押しとどめた。その後、不可避な現実にどのように折り合いを付けていったのはは分からないが、本人も知らずのうちに寓意を込めたその物語はときには幼稚に、ときには陳腐に、ときには他愛のない空想にも映ることだろう。しかしそれは美しい映像をまとった紛れもない冒険であり心躍る物語だ。ちょっぴり厳しいエールがのっかった物語は彼の心をギリギリ踏みとどまらせた。  映画の中のキャラクタが映画の中で物語の中のキャラクタを演じ、見ている私はその映画の中に入りこんでその話をせがんだ一人になったように感じることが出来た。見終わって、アレキサンドリアと一緒にさんざん励ました自分の背筋がちょっとだけ伸びたような気がした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-13 23:31:47)
395.  タイタンの戦い(2010) 《ネタバレ》 
こりゃあそこそこ面白いぞ。  わかるわかる。個人的な思い込みと変な決意より大事なこと。それを捨てれば丸く収まるならさっさと捨てちゃえば?と、かなり人間くさい。人間くささが神話っぽかったりする。ならいいか。  旧作のペルセウスの冒険っぽさは、完全にどこにもない。どこにもない良さもあるかな、と思わせるCGの迫力には大変満足感がある。やっぱ劇場で観るCGはたまらん。BDで観るCGはそのくっきりさが効果をスポイルすることもしばしばだが、劇場は良いなぁやっぱり。  ストーリーとか、描写とか。そういうものは神話と同じでどうでも良いのかもしれない。誰が何して。主役が立っていて。融通きかなくて。ちょっと教訓があったりして。そういう意味ではなるほど神話。が、神話を知らない初見の人が観たら原典でも創作でもどっちでもわかりゃしないんだろうな、とか思った。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-11 22:32:53)
396.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
もしかして、国の偉い人がこの映画の中の人たちくらいバカだったらどうしよう。すんごく笑えるかもね。っていう感じの軽いクスクス感が秀逸。  64年って言うとベトナムで民主主義が圧されている戦況ではないだろうか。ベトナムの脆弱性と共産圏の思想から作りだした世論に、アメリカ軍に軍事行動を極端に制限させ、結果アメリカ人が作りだした自制がしばらくアメリカ人を殺し続けることになる。  当時のベトナムでは共産圏と民主主義のせめぎ合いは、結局数年後に攻撃制限をやめたアメリカにより徹底的に北ベトナムを蹂躙することで終結する。アメリカとしての軍事行動は圧倒的な勝利でベトナムを制圧し、民主主義を守った構図であった。しかし、アメリカの撤退後再介入をさせなかった当時の世論は北ベトナムの再整備を許し共産主義による迅速なベトナム全土の武力統治を許してしまう。それを以てアメリカの敗北として悲壮感と軍への憎悪を自己陶酔の肴として重宝してしまう社会が作られてしまった。  この映画はそういった流れへのサブリミナル効果的に作用したのではないだろうか。目にした情報を信じるほか無い当時としては、このアホなアメリカ人というのを国家の一面として多分にすり込まれてしまったというのは無い話ではないかもしれない。そういう、ほんのブラックジョークのつもりで作られた映画が一人歩きし、平和を訴えたりとか無邪気に冷戦を批判してみせたりという主張にまで発展してしまうのは残念だが、古今東西を問わず人は千差万別だといわざるを得ない。  絶対この映画自体は単なるブラックジョークのたぐいで、映画としての完成度を真摯に追求した結果であると思う。けど、この映画を見て大まじめに平和を祈念する人を非難はできない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-09 16:39:07)
397.  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer 《ネタバレ》 
世紀末に不条理な物を一つ撮っておきたかった的な、至極個人的な野望が集まった的な。ケイゾク作った人たちの記念撮影に近い的な。  そう、当時金払って見に行きそうだった。危ねぇ。
[ビデオ(邦画)] 2点(2010-05-09 01:26:23)
398.  ジュピターの雷鳴 《ネタバレ》 
ゼウスの雷霆をおもしろおかしく表現しているのだろう。当時の舞台にこういうのがあったんだろうか。20世紀の初めの人たちはきっとこれを物珍しく楽しく鑑賞したのではないか。  メリエスの敷いた、舞台劇をトリックで映像に置き換えるという線路をひた走ると現代のドラマチックで人の心をふるわせる数々の映画に帰着するのだろう。  とかなんとか言ってみたけど、今の人が見てもぜんっぜん面白くない。映像的な価値があるなぁー(棒読み)。で、良いんだと思う。
[インターネット(字幕)] 4点(2010-05-09 01:04:15)
399.  エクソシスト 《ネタバレ》 
なかなか面白い。  アメリカ人には薄気味悪いという概念が無く、そういった怖さは伝わりにくい。というようなことを他の映画の解説か何かで読んだが、この映画も十二分に薄気味悪いではないか。なんだかよく分からない恐ろしげな存在が、超常的な徴をいろいろなところに残す事実は登場人物だけでなく、受け手にも十分な恐怖感を与える。  痛そうな行為やメイキャップ自体など、飛び道具も出てはくるが結局正体が分からないという、なんだかんだ言って卑怯な手にはまんまと最後まで怖がらされてしまった。この古典的でB級な「正体が分からない怖さ」というやり口はあまり好きではない。結局上手な着地点を最後まで考えつかなかった(かはじめから考えていない)という、作り手の戦術的退却が最も上手くいきすぎているのが癪に障る映画ではあるがそこが逆に気に入っているポイントでもある。  そのためにこの映画以降、作者が懸命に創り出した恐怖の具体を「恐怖の正体が分かっちゃったら怖くない」とか、「画面に出してしまったらありがたみが無くなる」とかいう論調が出現した事が伺える。それを言ってる評論家の比較対象がどうもこの映画であろう事が匂うからだ。しかし常識的に考えると、正体を明らかにした上でどのように帰結するか、具現化や登場をしてしまった上でどう展開するかしないか。という部分が物語としての技量の重点であろうから、そこを隠したまま雰囲気だけでおもいおもいに想像させるというのはちょっとずるい。  ずるいが巧いから成立する。だからよく言われる「それが結局あかされないから怖いのだ」というのは違うと思う。怖がらせる技量が飛び抜けて巧いということがこの映画の核心であり、だからインターネットが無かった時代に死ぬほど怖かったのである。
[地上波(吹替)] 8点(2010-05-08 23:04:18)
400.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
大変面白かった。  視覚効果の出来はさすがに09年の映画と言うべきか。目で感じる緊迫感を非常に巧く表現している。ちょっと10年前くらいだと各映画会社が渾身で放つ超大作がこういうリアルさだったと思うが、21世紀の映画は凄い。21世紀という言葉がしっくりくる。(パラマウントだが)  旧シリーズはいくつか見ているが、実はスタートレックはあまり好みではなかった。潜水艦や軍艦の中央司令室的な設定は非常に好きだが、メカのデザインがどうにも好きになれず何となくのめり込めないで居た。もちろんスポックの耳にも違和感を禁じ得なかった。  しかし、子供の頃にみたスタートレックと本作。ぱっと見メカの基本的なフォルムはあまり変わらないし、スポックに至ってはよりいっそうバルカン人らしさが際立つメイクである。にもかかわらず魅力的に映った。どうやら好みがここ十年くらいで変わっているらしいことに気づいた。子供の頃大好きだった米陸軍的なスクウェアな兵器デザインよりも、そこに非現実的なオーガニックなイメージを含んだ架空兵器の方に嗜好が移っている。エンタープライズ号はど真ん中だ。微妙に人間ぽくないバルカン人も全然オーケー。  この映画で一番のハードルであった、メカニック的に取っつきにくい部分が全く解消されたため勇んで観てみると、面白い。スタートレック的な指揮や危機管理の妙といった部分はやや控えめだが、それが逆にわかりやすいスピード感を生んでいる。スタートレック初心者には心地よい味だった。  主要人物は初期シリーズと同一だが、その初期シリーズを覚えていないため全く印象を持たない状態で観ることになる。しかしそういった層をメインターゲットにしているらしくあまりスタートレック然としない、キャラ立ちしすぎない造形でまとめられ各キャラの意志の強さをメインに表現されている点が実に巧かった。旧来のファンにはもしかしたら異様に映るのかもしれないが、良くできた話だったと思う。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-08 22:29:25)
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