4081. アメリ
アメリ自体が全然可愛くない(見た目も中身も)のが大きな難点。各場面も、思いつきでつなげたような感じで、一貫性がないので、見ていて退屈。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-03-31 02:56:00) |
4082. シンドラーのリスト
「リスト」をタイトルにしていながら、そのリスト作業が出てくるのはごく一瞬。それに向けて、シンドラーとゲートの対照軸を中心としながら、一つ一つのシーンを地道に積み重ねているのが素晴らしい。中心の2人すら、作品の中では突出した脚光を浴びることはなく、あくまでも全体の進行の中で、無数の登場人物と一体となって描かれる。だから、この作品は、当時の「世界」を明確に写実化したものとして、大きな説得力を有するのである。そして、さらにインパクトを残しているのが、重量感と立体感あふれるモノクロの映像、とりわけ光と影の使い方と、ジョン・ウィリアムスの気品に満ちた音楽。3時間半があっという間。 [DVD(字幕)] 9点(2005-03-30 03:32:27) |
4083. ガーゴイル(2001)
台詞を極力落とした趣向は面白かったが(全部について必然性があるかどうかは疑問ではあるが)、肝心の内容が何をやっているのかさっぱり理解できなかった。 2点(2005-03-29 01:34:32) |
4084. バットマン(1989)
想像と違った暗くじめじめした雰囲気、ヒーローとは思えないバットマンの弱さに、最初見たときは面食らったが、実はそういうところに味があるんですね。確かに、ただ強いだけでは逆にありがちで面白くないかも。プリンスの挿入曲群に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2005-03-28 01:47:09) |
4085. メン・イン・ブラック2
やはり、ビジョンも必然性もない続編は駄目ということですね。最初からトミー・リーとウィル・スミスが単純に大活躍だったらまだ面白かったのだろうけど、前作のラストで変な締め方をしてしまったため、余計な回り道をしている。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2005-03-28 00:14:48) |
4086. ギャング・オブ・ニューヨーク
《ネタバレ》 数回見てやっと名作だと分かりました。レオは父の敵を討つはずでありながら、手間取ったり逡巡したりしてなかなか前に進まない。スーパースター的な活躍を全然しない。凄くリアリティがあります。デイ=ルイスは、単なる敵役のボスではなく、レオを父の代わりのような暖かさで包んでいる気配がある。キャメロンも、この作品では珍しく立ち位置を把握した的確な演技を行っている。登場人物の造形に一筋縄ではいかない味わいがあります。そして、脇役も含めて、それらの人物の行動が、これまで意外にふれられることのなかったNYという街の生まれていく経過を一体となって表現しています。最初は単なるヤンキーの喧嘩(文字通りだ)だったのが、利権と結びついてマフィアの原型のようになり、それが最終的に国家権力によって制圧される、その構造が徐々に浮かび上がってくるのです。米版キャッチの"America Was Born In The Streets."が見事にこの映画の本質を表しています。それを具現化したのが、当時の街の全体風景を執念で再現してしまった美術陣であり、この頑張りも称賛されるべきでしょう。2時間40分があっという間。 [DVD(字幕)] 8点(2005-03-27 00:46:17) |
4087. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
《ネタバレ》 内容的には無難な出来だが、結局は「単なる続編」という以外の何物でもなく、作品としての独立した価値が感じられない。ヒュー・グラントの出番が少ない上にやる気が感じられないのも気になる。恋敵が実は・・・の場面も、大事なところなのだから、もう少し引っ張ってほしかった。あと、タイの留置所の場面も、重たすぎて作品の雰囲気に合わないので、あそこまで長くない方がよかったと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2005-03-26 23:06:58) |
4088. ウィロー
前半の説明部分は少々かったるかったが、中盤以降の行け行けの盛り上がりはなかなかだった。ところどころに挿入されるコメディチックな部分も面白かった。しかし、ヴァル・キルマーの演技がまともに見えてしまうほどの主演の彼の大根ぶりは、何とかならなかったのか。 5点(2005-03-24 02:09:04) |
4089. バトルフィールド・アース
《ネタバレ》 人間様を容赦なく奴隷扱いして、どこまでも解放してくれない、被虐趣味の極致のような作品です。はっきりいってアホな内容なんですが、アホもここまで金かけて徹底すれば立派です。そんな中で、トラボルタの異様に楽しそうな表情が不気味。君はもしかして、内心では自分以外の人間はみんなゴミだとか思ってはいないか。●ところでこの作品、ラストで中途半端にトラボルタとウィテカーが生き残っています。まさかまさかとは思うが、もしかして、続編とか作るつもりだったんじゃないだろうな・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2005-03-22 02:12:00)(笑:1票) |
4090. ハイ・フィデリティ
ストーリーはあってないようなものですが、とにかく主人公のオタク人格の表現が楽しい。カメラ目線をこれだけ全面展開して、しかもそれがずばり成功している作品って、ほかにはないのでは?こういう主人公は、見ているだけで楽しいのだから、話の筋なんかは割とどうでもいいのです。それと、ジャック・ブラックのはまり役ぶりには大笑い。こういう中古盤屋の店員は、現実にも、たくさん存在します。オタク万歳! [ブルーレイ(字幕)] 7点(2005-03-22 00:42:10) |
4091. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 ハッピーエンドなはずなのに、全体がすべて切なさともの悲しさに満ちているという不思議な作品。ただそれは、一度は関係が破綻して相手の記憶の抹消までを望んでいながら、それでも心の奥底では互いに相手を求め続けているという人間の大いなる矛盾と非論理性を、あるがままの状態で誠実に描写した制作者の真摯な姿勢によるものであろう。脳内探求の部分では、過去と現在、回想と現実を容赦なく同時に進行させ、人の記憶の不規則性・不連続性を的確に映像化しているため(これは凄いことだと思う)、見る側にとっても、本当に主人公とともに脳内を歩んでいるような緊張感を強いられる。そして、このような難しい世界で存分に持てる能力を発揮したジム・キャリーとウィンスレットの底力は、実に素晴らしかったと思う。 [映画館(字幕)] 9点(2005-03-21 21:38:26)(良:1票) |
4092. 理想の結婚
興味を引く設定ではあるのに、登場人物の人格造形が全然できていないので、見ていて非常につまらない。ジュリアン・ムーアの不細工メイクにもがっかり。ケイト・ブランシェットの麗しきお姿についてのみ、見た意味があった。 3点(2005-03-21 01:55:23) |
4093. ウインドトーカーズ
自らの侵略・虐殺の対象だったナバホ族に対して、日本人という第三者の敵を持ち出して仲間意識をでっち上げ、そのどさくさに紛れて過去の歴史はうやむやにしてしまうという、WASPの自己中心性を凝縮して象徴したかのような作品。戦闘シーンも、ダラダラ続くだけで緊張感がない上に両方の兵とも弱すぎて、見所が皆無。 0点(2005-03-21 01:49:41) |
4094. アドベンチャー・ファミリー
山奥に引っ越した家族が動物たちと戯れていますというだけの内容で、話としては全然面白くないが、動物たちに(単なる動作ではなく)きちんと「演技」をさせている点だけは評価したい。なお、子供2人がぎゃーぎゃーうるさいだけで、少しも可愛くないのが難点。 4点(2005-03-19 04:29:41) |
4095. シビル・アクション
法廷での派手なやりとりを避けて堅実な描写をしているのは好感が持てるが、実際に主人公がやっていることは滅茶苦茶だし、勝手に和解を蹴ってくる(恐らく、依頼者への意思確認もしていないと思う)なんて、懲戒処分ものです。最後の大事な部分があっさりナレーションですまされているのも、消化不良。 4点(2005-03-15 02:18:52) |
4096. ルームメイト(1992)
《ネタバレ》 アリーの側に着目するとあまりのどんくささに苛々するのだが、へディの側から見ると、ある種の切なさが漂ってくる。ただ、前半は日常生活の枠内でいろいろ心理の綾が重なって面白かったのに、グラハムとサムを途中で退場させてしまったのが失敗で、最後の肉弾戦なんて「いつまでやるの?」と思ってしまった。J・J・リーの脱ぎっぷりの良さに+1点。●で、原作も読んだのですが、いろんな印象的なシーンが実は映画オリジナルであることが分かりました(原作はむしろ心理描写に重点があります)。というわけで、重層的に奥行き深く理解できた気がするので、さらに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2005-03-14 02:07:11) |
4097. インソムニア
スリリングさもなければ意外性も際立った人格描写もなく、わざわざ映画にするほどの内容とはまったく思えないのですが。一番強力な一瞬が、スワンクの「もう10時よ。・・・夜の」というのでは、やはりまずいでしょう。 [DVD(字幕)] 4点(2005-03-14 01:56:46) |
4098. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
何か、登場人物全員が自分で自分の首を絞めているようにしか見えないんですが。そもそも、この話によって何を表現したかったのかも分からない。ロビン・ウィリアムスも、生々しい生活感がなさすぎて(本来、それが彼の長所なのだが)、この種の話には合っていない。ゲットーの中でボケやオチを期待させてどうする。 2点(2005-03-13 01:58:32) |
4099. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 最初に見たときは終始イライラさせられただけだったのだが、オチを知ってから見た方が楽しめる。脇役の自然な登場と自然な退場、そしてわずかな登場でもきちんと個性があるのが見事。また、適度に外の光景が挿入されるのも上手いアクセントになっている。作品としては、脚本上のひねりが巧くできているだけで、それ以外の拡がりはないといえばないのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2005-03-13 01:53:43) |
4100. センターステージ
《ネタバレ》 バレエシーンや練習のシーンをふんだんに入れているのは見る側のニーズをよく理解しているが、その中でも、それなりの数の登場人物を巧く整理していると思う。ただ、演出サイドに無断で主役を変更ってのは、いくら何でもありえません。芸術としても納得のいかないものになってしまうし、運営面からも大きなトラブルになります。舞台製作の上ではクーデターにも等しい行為で、それだけで(話を受けた方も)入団云々など全部飛ぶほどの暴挙です。せめて、女性コーチの方はこっそり聞いていて知っていた、くらいにするべきでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-03-12 04:12:05)(良:1票) |