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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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421.  レッド・ドラゴン(2002)
マイケル・マン、ジョナサン・デミ、リドリー・スコットと来てブレット・ラトナーには正直「?」だったのですが、案の定作品からは深みが失われ、良くも悪くも娯楽作となっていました。この映画の悪いところは、前作にあったような怖さがなくなっていること。レクターも普通のおじさんになってたし、ダラハイドからは恐怖を感じませんでした。常識や損得を越えて何をしでかすかわからない恐怖がサイコサスペンスのキモだと思うので、その点はかなり不満。やっぱりレイフ・ファインズがサイコを演じたのが悪かったんだと思います。誰もが顔を知っていて、しかも男前の彼では、「何をしでかすか」な怖さが出ません。無名で、しかも「そりゃ盲目の人にしか愛されないだろ」ってくらいブサイクな人が演じれてば、その狂気を十分に表現できたと思います。リドリー・スコットがえらかったのはその点で、ゲイリー・オールドマンを特殊メイクでメタメタにしたのは大正解でした。一方良かった点は、娯楽作としてかなりバランスのいい映画となっていること。盛り上げるタイミングがいいし、謎解きも混乱なく無難にこなしていて、「うまくまとめていくなぁ」と感心しながら見ました。豪華キャストの配置もよくて、とくにハーベイ・カイテルは存在感抜群、画面に映るだけで文鎮のように話をしっかりと引きとめていました。単品として見れば十分に面白い映画だと思います。
7点(2004-09-04 16:04:13)
422.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
勝手に不幸へと突き進んでいくバカ女。どうやって感情移入しろと言うんだ?あと、映画館でしゃべるな!
1点(2004-09-04 02:15:58)(良:1票)
423.  Deep Love アユの物語 劇場版
頭の悪い映画。こういうのを恥ずかしげもなく作れる人間ってのはステキだと思います。
1点(2004-09-04 02:01:06)
424.  アンダーカバー・ブラザー
雰囲気と言い、笑いと言い、「オースティン・パワーズ」の完コピでしたね。とはいえ、こちらの設定の方が数倍バカバカしいわけですけど。マイク・マイヤーズの屈折したナルシシズムが気になった「オースティン・パワーズ」に対して、こちらは素直に楽しめたし。とにかくアンダーカバー・ブラザーのキャラ設定が最高すぎです。アフロにやたらこだわるってのがいいですね。銃で撃たれても、真っ先に気にするのは命よりもアフロだし。そういう細かい部分で笑かしてくれるだなんて、やっぱりいいコメディーなんですよ。ただ残念だったのは、DVDに吹き替えがついてなかったこと。吹き替えがあればこの3倍は笑えたと思います。
6点(2004-09-04 01:46:35)
425.  ハルク
正直、展開がちんたらしてて面白い映画ではありませんでした。しかしVFXは非常に素晴らしかったです。ただ技術レベルがすごいというだけでなく、細かいところにまでトンチが利いていて、実に凝った映像になってるんですね。「GODZILLA」や「スパイダーマン」と比較しても、ハルク大暴れの圧倒的なボリュームや密度にはまったく及びません。というのもこの映画、VFXにはものすごい準備期間があったんです。ユニバーサルの目玉企画として期待されていた映画版ハルクは、製作開始どころかメンバーすら決まっていない98年の段階でVFXのテストに2000万ドルを注ぎ込んでおり、映像が段違いなのは当たり前。しかしその準備期間があだとなってる場面もいくつかあって、ハルクがピョンピョン跳び跳ねるシーンは完全にやりすぎだし、ニック・ノルティが電気や水とまで融合するシーンに至っては理解不能でした。脚本レベルでも「練りすぎ」というのが私の印象です。登場人物たちの抱える苦悩はしっかり描かれているし、人物同士の関係もよく整理されていて混乱を起こしていないのはさすがで、こうして振り返って見ると「実はいい映画だったの?」などと思うのですが、ただし練りすぎたせいで、頭で理解させる部分では成功していても、アクション映画としての高揚感が決定的に欠落してるんですね。もっと素直に作ってくれれば、十分に面白い映画になったと思います。
5点(2004-09-02 17:20:09)(良:1票)
426.  パーフェクト ストーム
漁師の自業自得、なんてことは思わないんですけど、やっぱりメリハリのない話のせいでかなり退屈しました。後半は荒れ狂う波とジョージ・クルーニーが叫ぶ顔ばかりでしたからね。海ばかりの画面は単調になることはわかってるんだから、本当に力を入れるべきはドラマパートだったんです。なんとしても漁師たちには助かって欲しいと思えるように仕向けるべきだったんですけど、基本的にこの映画はSFX頼み。そりゃ退屈しますよ。とはいえ、「その日、地球がゆがんだ」という大げさにも程がある宣伝コピーには燃えました。
4点(2004-09-01 16:27:24)
427.  リディック 《ネタバレ》 
ここでのすんごい酷評ぶりに、「ものすごいヒドイ映画なんだろうな。でも罪は憎んでも映画だけは憎むまいね」と思いながら見に行ったのですが、見終わってビックリ。ものすごく気に入ってしまいました。今年のベストにも本気で選んでしまいそうです。あの重っ苦しい世界観が私にはピッタリ来たんですね。世界観に付随する美術デザインも最高で、展開がどうのとかってよりも、ひとつひとつの場面に食い入るように見入ってしまいました。とくにネクロモンガーの神殿兼宇宙船のあの仰々しさが最高です。マザーシップから戦闘機がバラバラと分離していくシーンには大興奮。未来のくせにローテクってのも大変OK。だって惑星間を移動してる連中がローソク使ってるんですよ。そんな夢のビジュアルが2時間に渡って展開されましたから、「トリプルX2よりもワイルドスピード2よりもこれがやりたかっただなんて、ヴィン・ディーゼル、あんたは男子の鑑だ」と感謝の念でいっぱいでしたね。多くの方が指摘されてる通り、これは「砂の惑星」です。あれもほとんどの人に嫌われた映画ですから、これも相当に客を選ぶ映画ですね。ちなみに私は「ブレードランナー」より「砂の惑星」というセンスの人間です。ただし完璧に神話だった「砂の惑星」に対し、こちらのお話は「ドラゴンボールZ」。フューリア族=サイヤ人、ロード・マーシャル=フリーザ、リディック=カカロットってところです。勝手な世界観に基づいて話される冒頭ナレーションの意味不明ぶり、ヘリオス惑星、フューリア族などかっこいいんだかダサいんだかなネーミングセンス。どれも私の心を捉えました。イマムはえらい坊さんに出世し、ジャックも立派なヤンキーに成長。しかしどちらもあっけなく死ぬのがこの映画のいいところ。そしてラスト、リディックは偶然にもネクロモンガーの王位を手にしますが、普通の映画ではその権力を利用して悪の軍団を解散させるなり、悪い連中を捕まえたりするもんです。しかしリディックはちゃっかり王座に居座り、クライマックスでは銅像にまでなってました。こういう不敵な所がまたいいのです。絶対に続編はないでしょうけど、でもこの2時間でお腹いっぱいになりました。とりあえず9点をつけておきますが、DVDで見返してもアラが気にならなかった場合は、10点に昇格する可能性もあります。そんなお気に入り映画。
9点(2004-08-31 22:21:00)(笑:2票) (良:2票)
428.  ドリフト(2001)
壮絶なアクションはかっこよかったのですが、編集がむちゃくちゃで訳のわからないシーンが多かったのがものすごく残念。肝心のアクションで誰が何をやってるのかがよくわからず、せっかくの素晴らしいシーンが台無しに。「もうちょいちゃんとしてくれたら~」と、ストレスの貯まる鑑賞でした。もちろんそれは「惜しい」の裏返しなわけですけど。
4点(2004-08-31 04:40:10)
429.  マレーナ
思春期男子の心理をここまで克明に描いた映画って他にはないでしょ。女性のみなさま笑ってやってください。12歳くらいの男子ってのはあんなもんなんです。異性に死ぬほど興味があるのに、な~んにもできずにひたすら妄想に浸ると。なので、主人公の少年が徹底的に傍観者に徹したのは大正解。普通の映画なら、少年はマレーナに近付こうとするもんです。必死で思いを打ち明けようとするんだけど、子供だからと言って相手にされずに落ち込んだり、何かの事件をきっかけにマレーナと親しくなったり。普通の映画だったらそういう流れにするはずです。しかしこの映画においては、少年はマレーナに知られてすらいないわけです。そんな状況において、少しでも相手のことを知るだけで嫉妬や妄想にかられたり、道ですれ違うだけでドキドキしたりと、これぞ現実のリアリティー!中1の頃、中3の先輩に憧れてしょうがなかったみたいな感覚、「あの先輩には彼氏がいるってウワサなのに、それにひきかえ俺は授業中に情けなくウンコをガマンしてる単なるバカだ」的な少年の無力感が完璧に再現されています。こんな気持ちを味わえる映画なんて、他にはどこにもありませんよ。ジュゼッペおじさん、あんたうますぎ!そして、この少年の行動力がまた笑わせてくれるわけです。パンツかぶって寝るくだりなんて、腹抱えて笑いましたね。それでいて、後半ではキッチリと現実の重みを突きつけてきます。この辺りのバランスもいいと思いました。少年の成長物語としては、これ以上ないくらいの傑作だと思います。それからそれから、性に目覚めた息子に女を与えてくれるだなんて、イタリアのお父さんはわかっておいでだ。
8点(2004-08-31 04:22:22)(笑:1票) (良:3票)
430.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
「ロード・オブ・ザ・リング」という作品自体が、「ゴッドファーザー」と双璧をなす映画史上のツインタワーだと思います。やっぱりこのシリーズはすごい。というか完璧。面白いとか、映像がすごいとか言うさらに上の次元、つまり傑作としてのとてつもない風格を持ってるんですね。ワンカット見ただけですごい映画だとわかってしまいます。そんな中での「二つの塔」ですが、私はとくにセオデン王がお気に入りです。おなじみ、シリーズいちの武闘派キングです。セリフがいちいち文章風で、とにかくかっこいいことを言うんですよ。「血よ燃えろ、怒りと共に敵を滅ぼす!赤い夜明けが来る!」ですからね。かっこよすぎです。SEEでは、前作に引き続いてボロミアの復権がうれしい限りです。ていうか、なんでこんな大事なシーンをカットしたんだよぉって思います。これがあるかないかでボロミアの印象がかなり違う上に、「王の帰還」でのデネソールとファラミアの関係にまで影響が出ます。監督はボロミアが嫌いなんでしょうか?その他の復活シーンは話のメインには関わらないほのぼの系が中心なんですけど、やはり作品の印象をより深くしてくれます。そして、贅を尽くした吹き替えの出来が最高。SEE、吹き替え、これを味わわずして「ロード・オブ・ザ・リング」は語れません。
10点(2004-08-20 13:41:43)
431.  ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
最高クラスの娯楽性、芸術性を併せ持ち、しかも荘厳な風格まで持ったのが真の映画だと思うんですけど、それって「ゴッドファーザー」と、そしてこの「ロード・オブ・ザ・リング」くらいしか歴史上存在しないような気がします。それほどのスーパー傑作なわけですが、このSEEはもんのすごいことになってます。こちらを見てしまうと、映画館で興奮したものは不完全版と呼ばざるをえません。なによりボロミアの復権がうれしいですね。劇場版では肝心なシーンがカットされ、さらに日本語字幕でもめちゃくちゃにされてしまい、ほぼ悪役扱いだったボロミア。しかしこのSEEを見ると、そのあまりに人間臭いキャラクターに共感せずにはいられません。彼は人間としての強さと弱さの両面を見せ、それゆえに感動させるのです。とくに、指輪の魔力に溺れたことを悔い、獅子奮迅の活躍を見せる最後のバトルはたまりません。あれこそ男です。どこか超越したアラゴルンよりも、私はボロミアの方が好きですね。人間の弱さや邪悪な面を嫌い、人間に対して極端な不信感を持つアラゴルンですが、そんな彼を変えたのもボロミアでした。SEEではふたりの友情がよりしっかりと描かれており、特にラストでは、ボロミアの死をきっかけにアラゴルンが人間の王になる決意をしたことがわかります。そして、このDVD版の吹き替えの出来もすさまじいものがありました。本当に完璧な吹き替えで、このDVDは9800円の価値は十分すぎるほどあります。こんなありがたいバージョンが世間のほとんどの人の目には触れないんですよね。映画ファンやってて本当によかったっす。10点といわず、12点くらい献上したい気持ちです。
10点(2004-08-20 13:38:22)(良:2票)
432.  パール・ハーバー
親友同士の男に二股をかけた挙句、生まれてきた子供に死んだ方の男の名前をつけるという、史上稀に見るすばらしいラブストーリーでした。これで泣けたって人は、大変ないい人だと思います。オレオレ詐欺とかに引っかからないように注意しましょう。そして主人公いわく、「日本への空襲は軍事施設に限定された」そうです。映画って勉強になるなぁ~。「インデペンデンス・デイ」を見た宇宙人の気持ちが理解できる映画でした。
1点(2004-08-17 03:03:55)(笑:6票) (良:3票)
433.  リベリオン
ばればれの「マトリックス」フォロワーであるにも関わらず、そんな二番煎じ感をピュアなハートで乗り切ってみせた、これぞ男子必見の傑作です。ありきたりな未来、トンチの利いた展開もなし、その上つっこみ所満載と、脚本レベルでは滑りまくってるわけですが、やっぱりガンカタですよ。これ以外には語るべきものはありません。ただひたすらガンカタがかっこいい、それだけで9点あげちゃいます。その他の要素は、すべてガンカタで見栄を切るためのお膳立てにすぎないのです。それにしてもこの監督さんは、なかなか「道」というものをわかっておいでです。「道」とは剣道とか柔道とかの「道」ですね。ガンカタを漢字で書くと「銃型」なわけで、身体の体系化された動きとしての柔道、剣の体系化された動きとしての剣道、その延長として銃の体系化された動きとしてのガンカタ。そんな「道」の基本は一撃必中、つまり瞬間の勝負です。そのためかこの監督、アクションでは徹底的に必中にこだわってますね。物量を重んじるハリウッドにおいて、スポットにこだわるアクションは貴重ですよ。その弊害として、ひとつひとつのアクションがどうしても短くなってしまうわけで、その薄味感をフォローすべく、見せ場のタイミングにはこだわりが感じられます。ためて、ためて、ためて、ガンカタ!みたいな。このあたりの見せ方って、どこか時代劇みたいですね。水戸黄門がラスト15分までチャンバラしないみたいな。
9点(2004-08-04 12:40:34)(良:4票)
434.  サイン 《ネタバレ》 
友人と映画館に行ったんですけど、大満足の私に対して、友人は「つまらん」と大激怒。ここのレビューを読んでも否定的な意見が目立つんですけど、一方、否定意見は「つまらん」という直感的な見解ばかりで作品の欠点を明確に指摘するわけでもありません。結局、作品の本質的な完成度がどうのとか、理屈がどうのではなく、どう感じるかが問題の映画みたいですね。監督の呼吸に見る側のバイオリズムが合うかどうかが問題みたいな。そういった意味では、私を含めこの映画を楽しめた人というのは、相当に得をしてるわけですよ。笑えたし、驚いたし、本当に最高の経験ができましたから。私はもう画面にクギ付けでした。シャマラン映画の特徴ってのは、どんなに異常な事態にも日常の視点を放さないことです。家族のリアクションには人間的な温かさや面白さがあり、それが見る側の想像力のかせともなってるんです。リアクションがあまりに日常的すぎるからこそ、見る側が飛躍的な先読みをしないんですね。そしてそれがサプライズにつながっていると。アンブレイカブルでは「主人公は大事故でも無傷でした、なぜでしょう?~それは超人だから」、サインでは「ミステリーサークルができました、なぜでしょう?~宇宙人がやってくるから」。そのまんまなんです。しかし、演出が観客の想像力を完全にコントロールしているおかげで、そこには謎が生き続けるわけです。こんな芸当ができるのはヒッチコック以来ではないでしょうか。幸い、私はシャマランとの相性がいいので、これからもシャマラン作品では楽しめそうです。シャマランは、家族の描き方や、子役の扱いが抜群にうまいのもいいですね。ちなみにこの映画は10点でもよかったんですけど、やはり宇宙人がアレなので1点だけ引きます。扉1枚破れなかったり、バット1本でボコボコにされたり、果ては水が苦手なのに地球へやってきて、結局一晩で退散するなど、映画史上最大のうっかりさんでした。まぁ、この映画でプレデターみたいなのが出てこられても困るし、あれはあれでよかったような気もしないでもないですけど。
9点(2004-08-03 00:03:09)
435.  ブラックホーク・ダウン
アメリカ万歳映画だと言う人もいますが、それは間違い。これはアメリカがどうしたとか、ソマリアがどうしたとかいう話ではなく、もっと普遍的な、戦争というテーマを包括的に扱った映画だと思います。ソマリア内戦はあくまで題材なのです。空襲の被害をテーマにした「火垂るの墓」が反米映画ではないのと同じです。この映画は政治的な意味において、戦争を肯定も否定もしていません。意見を超えた真実を見せようとしてるんです。「パール・ハーバー」のような代物とは混同されないように。戦場を徹底的に見せるという目的において、この映画は完全に成功しています。映像ですべてを語ってしまってますから。そして戦争というものの捉え方も、この映画は正しいと思います。兵士はなぜ戦うのか?そこに仲間がいるから、それだけ。反戦でも厭戦でもなく、これが戦場の真実、戦争を職業とした兵士の意見だと思います。アメリカの正義も、民主主義の布教もここにはないのです。この映画が提示するのは、よい悪いではないのです。
10点(2004-08-02 01:16:27)(笑:4票) (良:10票)
436.  テキサス・チェーンソー
これはオリジナルと比較できないでしょ。オリジナルは素人同然の連中が作った掘り出し物、いわばたまたま食べてうまかったラーメン屋の味、リメイク版はこなれた一流スタッフが作った、いわばマクドナルドの味ですから。映画とは期待値と満足度のバランスで決まるので、これはもう全然評価の仕方が違うわけですよ。で、今回の出来ですけど、映画としてのクォリティーが上がったのはうれしいです。大作としてリメイクする以上は、質を向上させることが第一目的ですから。ただし、怖かったかと言われれば、そうでもないわけです。何人かの方が指摘されている通り、スプラッター映画って実は怖くないんですよ。血が飛び散ることは怖さではなく、むしろ不快感につながってるんです。私が思うに、怖さとは秩序と混乱のバランスなんです。人は秩序ある環境に依存します。その秩序が狂っていく怖さがホラーの重要な要素だと思うんですね。しかしこの映画の舞台にはまったく秩序がないので、何が起こるのかわからない状態でのスプラッターは、もう完全にアクション化していました。たとえばリー・アーメイ保安官が親切な人で、主人公達はすっかり頼りきってたのに、その後彼が帰る先がチェーンソー一家の家だとわかったら?これがホラーなんです。描写では圧倒的に控えめな和製ホラーが怖いのも、そこに日常が徹底して描かれているので、見ている側の想像力が飛躍することを抑制しているからです。そして「これはイヤだなぁ」と実感として抱かせるおかげで怖いんです。
6点(2004-07-29 10:17:40)(良:3票)
437.  アンダーワールド(2003) 《ネタバレ》 
予告編では期待したんですけど、見事に外してくれました。見たようなアクション、まんま 「ブレイド」なバンバイア社会、意外とはじけないライカン、それぞれのキャラクターの薄 さなど、たいていがよくないわけですが、最大の問題は散漫な脚本です。とにかく方向転換 しすぎで、話にまったく芯がないんです。もう少し焦点を絞っていれば、まだ楽しめたと思 うんですけどね。ただし、ライカンがバンパイアの奴隷だったという設定には「ほー」っと 思いました。
4点(2004-07-21 16:20:15)
438.  スパイダーマン2
やたらおもしろかったです。ピーターのしょっぱすぎる生活がブルーな前半ですが、絶妙なタイミングでユーモアを入れてくれるおかげで「X-MEN」のように辛気臭くならないのがよしです。とくに、糸を出せなくなったスパイダーマンがエレベーターで帰るシーンは映画史上屈指の名シーンです。本当、前半のピーターはかわいそうすぎですよ。しかもその悩みってのが「バイトをクビにされた」「彼女ができない」「家賃を払えない」「単位がヤバイ」などいちいち日常的すぎるので、一方なんの特殊能力もない私でも理解可能な切なさでした。スパイダーマンを見に行ったはずなのに、私まで「ヒーローなんてやめちまえ」と思いましたからね(「部活なんてやめちまえ」に近い感覚で)。しかし、その悶々のおかげで後半が活きてくること。スパイダーマンを求めてる人はいる、それを知ってからの躍動感は最高です。そして、付き合いたいのに付き合えないMJ、彼女に正体を見られた時の開放感も共有できました。よかったね、ピーター。スパイダーマンってのは気のいいお隣さんみたいな人なんです。ちなみに私はキルスティン・ダンスト懐疑派なのですが、前作に輪をかけてブ○イク問題は深刻になってませんでしたか?あと、MJの彼氏の宇宙飛行士を見て、なぜか「スピーシーズ2」を思い出してしまいました。
8点(2004-07-15 17:31:46)(良:3票)
439.  ラスト・キャッスル
「ダイハード」が極めた行き当たりばったりの対処型アクションではなく、頭を使った作戦の元に展開する計画的アクションにハマりました。地味な映画なので、その分クライマックスへのカタルシスを存分に味わうことができます。ここ最近のアクションに食傷気味の私としては、なかなかありがたい映画でした。
8点(2004-07-08 17:21:43)
440.  シルミド/SILMIDO
あつーい映画でした。「特攻大作戦」から「アルマゲドン」までならず者部隊の映画は数あれど、これほどに熱いのは他にはありません。ハリウッドクラスの技術を用いてド演歌をやるってのが韓国映画の特徴ですね(けなしてるわけじゃありませんよ)。前半は素晴らしかったです。地獄の訓練やその中で成長していく兵士の姿が熱くさせました。しかし中盤以降は一気にペースダウンし、さらに韓民族ならではの熱演がかなり胃に重くなってきました。とはいえ、この映画にはそれ自体に熱い闘志がみなぎっており、件のもたつきすら製作陣の息吹のように感じます。脚本上の計算や、演出的な効果を狙ったのではなく、製作側が心で作った映画なのだと思えるんです。これぞハリウッドが失ったものであり、代わって韓国映画がそれを復活させようとしているのかもしれません。香港も「インファナル・アフェア」を生み出すまでに成熟しているし、それにひきかえ日本映画ときたら・・・。
7点(2004-07-02 01:17:36)
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