421. 442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍
《ネタバレ》 非常に衝撃的なドキュメントでした。そして日本人(日系人)のメンタルの強靭さを改めて実感しました。 そしてその日系人部隊が敵国人として人種差別にあいながらも欧州戦線で大活躍し、ユダヤ人収容所の解放にまで関わっていたという事実を初めて知りました。また、彼らとは逆にアメリカへの忠誠を拒否し刑務所に入れられた方々にも触れていて興味深かったです。 ただし、日系人が決して自分たちは日本人ではなくアメリカ人なのだという明確な意思も示されていてやや複雑な気分にはなりました。 [映画館(字幕)] 7点(2010-11-26 00:45:35) |
422. 4分間のピアニスト
《ネタバレ》 ピアノという楽器の持つ魅力に満ち溢れた映画でしたね。重い過去を背負ったピアノ教師と女性囚人がピアノを通じて徐々に心を通わせていく様にとても惹き込まれました。 ラストの演奏は本当に鬼気迫るものであり、そしてとにかく格好良く素晴らしいものでした。 [地上波(字幕)] 8点(2010-11-23 23:40:30) |
423. ある朝スウプは
《ネタバレ》 非常にリアルで緊張感の漂う作風で、家族であろうと恋人であろうと、他人は他人でしかなくその間には深い溝が横たわっていることを冷徹に提示している作品です。ただ、その「他人は所詮他人でしかない」ことを認識し理解するところから真の人間関係はスタートしていくことにも気付かされました。 並木愛枝が徐々に献身的になっていくのも、恋人が他人ではなく自分の一部だと認識しているからで、その自分の一部を失うのが怖いからなんだと思います。だから、最後のセリフは考えようによっては今後の彼女の人生に希望を感じさせるものなのかもしれません。 こういう人間の弱い部分を抉り取る作品は見ていて辛い面もありますが、いろいろと考えさせられます。 [DVD(邦画)] 8点(2010-11-23 15:41:13) |
424. 14歳
《ネタバレ》 おそらくこの映画の評価は「14歳」という時代をどう過ごしたかで、共感できるか「鬱陶しい」と感じるかに分かれるのではないでしょうか? 本当に中学時代は無邪気な小学校時代や大人へ近づく高校時代の間に挟まれた中途半端な時代で精神的・肉体的に日々急激に変化していく不安定な時代ですからね・・・・。 映画の中の一つひとつのエピソードが胸に突き刺さってくるようでした。 人間は理解し合える筈という考えを捨てるところから、真の人間関係というのは始まるのかもしれませんね・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2010-11-23 15:25:06) |
425. ミリキタニの猫
《ネタバレ》 路上画家といえば聞こえはいいが、いわゆるホームレスの画家ミリキタニとリンダ・ハッテンドーフ 監督が「911」前のニューヨークで出会い、その後「911」を受けてアメリカ社会にアラブ系やイスラム教徒排斥の空気が流れる中、かつてアメリカ市民でありながら敵性国民として排斥され強制収容所へ送られたミリキタニが自分の過去を語るという、まるでフィクションのようなドキュメンタリー映画でした。 この2人が出会わなければ、ミリキタニはただの絵の上手いホームレスとして生涯を終え、世に知られることもなかったかもしれませんし、幼い頃生き別れた姉とも再会することもなかったでしょうし、かつて収容されていたツールレイク収容所を訪れて長い間背負っていた心の澱を洗い流せなかったかもしれない・・・と考えると、本当にこの出会いは素晴らしい奇跡なのだなと感じましたね。 本当に素晴らしいドキュメンタリーでした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-18 23:52:32)(良:2票) |
426. 17歳の肖像
《ネタバレ》 原題に「教育」とあるように、いわゆる勉強をすることだけが教育なのではなく様々な経験を通じて成長していくこともまた教育であることを教えてくれる映画です。 まだ第2次世界大戦を引きずっているようなどこか閉塞感漂うイギリス社会の空気がこの物語のほろ苦さ、そしてキャリー・マリガンの存在感溢れる演技と上手くマッチしていて惹きつけられました。 まあ、うまい話には何かあるということですね・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2010-11-18 00:16:49) |
427. トリノ、24時からの恋人たち
《ネタバレ》 美しいトリノの街を舞台にした、全編映画愛に満ち溢れたとても素敵な作品でした。幻想的でセンスの良い映像に浸ってしまいました。内容も中々こじゃれた感じで良かったと思います(まあ、とある場面でベルルスコーニを持ってきたのは見事だと思いました)。 フランチェスカ・イナウディがジーン・セバーグを彷彿させるようなショートカットで非常に魅力的でした。 トリノの国立映画博物館がとても魅力的なシチュエーションで一度行ってみたくなりましたね。あと、フィボナッチ数列の奥の深さをもう少し探ってみようかと思いました。 [DVD(吹替)] 8点(2010-11-13 23:50:20) |
428. 妖精ファイター
《ネタバレ》 映画に舞台を移しても、やはりロック様の魅力は衰えることはありません。はっきり言ってストーリーなんてどうでもいいんです。ピープルズ・エルボーのような予定調和に満ち溢れた展開をロック様とともに楽しめばいいんです。 そして、ロック様が身を持って伝えてくれる「夢を決してあきらめるな!」というメッセージを胸に日々頑張っていけばいいんです。 [DVD(吹替)] 6点(2010-10-31 21:58:29) |
429. 月あかりの下で ある定時制高校の記憶
《ネタバレ》 いろいろな事情により傷つき疎外感を感じている生徒たちを不適合者として切り捨てることなく、まずは居場所を作ってあげるところからスタートしている点、そして、「見捨てない」姿勢(当然限界はあるとは思いますが)に非常に感銘を受けました。 どんな学園ドラマよりもずっとリアルに心に響いてくるドキュメンタリーでした。 [映画館(邦画)] 8点(2010-10-31 10:27:55) |
430. 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
《ネタバレ》 良い映画でした。酒を嗜む人間として、アルコール依存症の問題についていろいろと考えさせられました。アルコール依存症は、「だらしない人間が酒をやめられないだけ」ではなくれっきとした心の病気(しかも誰にも同情されることがない)であることを教えていただきました。 ユーモラスな雰囲気の中で物語は進んでいきますが、その奥底にはドス黒い心の闇が隠れていることに気づかされます。でも、そんな中で「どんなに悲惨な人生であっても、生きていたほうがいい」というセリフは印象的でしたね。 しかし、「風花」の時にも感じたのですが、浅野忠信の酔っ払いの演技は本当に上手いですね。本当に、酔っ払いの姿、心理、言動を的確に演じています。 [映画館(邦画)] 8点(2010-10-31 00:55:33) |
431. NOVO/ノボ
《ネタバレ》 記憶がすぐに無くなってしまう設定やスタイリッシュな映像は中々興味深かったものの、やや中味が薄い感じでしたね。ちょっと説明不足ですぐには理解できないシーンも結構ありましたし・・・・ それと、記憶喪失の理由はフランス人的には「あり」なのかもしれませんが、日本人的には「なし」ですね。 [DVD(吹替)] 6点(2010-10-24 01:04:17) |
432. 人の砂漠
《ネタバレ》 学生時代、沢木耕太郎の本を読み漁り彼の描く世界観に影響を受けたこともあり、その中でも好きな作品である「人の砂漠」の映画化と聞いて非常に期待してたんですけどね・・・・・。あまりに稚拙な解釈にがっかりしてしまいました。はっきり言って失敗作だと思います。 学生の作品なんで仕方ないといえば仕方ないんですけどね。でも、これを映画館で上映して、客から金をとったらダメでしょう。 それと、特殊な人生を送っている登場人物たちへの思いが全く感じられず、見世物的な感じで表面的に描いているのもなんだかなあという感じですね(まあ、上から目線なのはある意味原作もそうなので若者特有の「青さ」ということで理解できますけど)。この「思い」こそが沢木耕太郎の作品の肝なんですけどね・・・・・。 あと、各ストーリーでやたらと登場人物たちへ警官や地域住民、親類等が蔑視の視線や嫌悪感、憎しみをぶつけていますけれども、実はそれこそが作り手の本音なのが丸わかりで気味が悪かったですね。「屑の世界」の反対運動なんて、あんなあからさまなことをしたら大きなニュースになりますよ・・・・。 やたらとキャストが豪華なのがまた内容の拙さを強調していますね。 [DVD(邦画)] 1点(2010-10-19 23:46:24) |
433. 精神
《ネタバレ》 精神病は決して我々から遠く離れた世界にあるものではないこと、そしてこの問題が根深く難しいものであるのかを教えてくれる作品でした。 登場する患者さんたちも、落ち着いている状況での出演が殆どなので特に違和感は感じませんが、それ故にその裏に隠された心の闇の深さに恐ろしさを感じてしまいましたね。 この作品を観ただけで精神病のことがわかるわけではありませんが、精神医療の実際の現場を見ることができる非常に貴重な映像作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2010-10-17 00:39:06) |
434. ロストパラダイス・イン・トーキョー
《ネタバレ》 荒削りな部分もありますが、この監督の才能は今後楽しみですね。登場人物たちの不安定な状況を手持ちカメラによる映像で美しい光や風景を散りばめて映し出しています。こういう作品を観ると、「映画の質の高さ=制作費の高さ」ではないことがわかりますね。 まあ、出てくる人間がどいつもこいつも他人をわかっているようでわかっていない独りよがりな奴ばかりで、「そりゃ世間で上手くやっていけないよ」と思いながら観ていたんですが、いろいろな出来事を通して徐々に変わっていく展開に引き込まれていきました。 地味な展開でありながらも観客を退屈させない仕掛けも良いタイミングで用意していますし、主要人物のキャスティング・演技も素晴らしく良い映画だったと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2010-10-15 00:28:59)(良:1票) |
435. ウディ・アレンの夢と犯罪
《ネタバレ》 舞台は現代ですけれども非常に古典的な雰囲気の映画です。ただ、キャスティングの絶妙さ、そして人生というものの残酷さ、不条理さを軽妙に描ききるウディ・アレンの熟練技は見事なものです。「重罪と軽罪」を視点を変えて描いた感じですかね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-11 23:48:00) |
436. ブルーノ
《ネタバレ》 第3者が中々近寄れない様々な問題におちゃらけながらも堂々と突撃し挑発的な態度を取ることによって当事者の本音や問題の実像を抉り出すサシャ・バロン・コーエンの姿は見応えがありましたね。下品で悪ふざけが過ぎるシーンも多かったですけれども。 ユダヤ人とパレスチナ人の間に立って「一緒にキリスト教徒を(略」とか「韓国と北朝鮮は争いをやめて、どちらも中国人でしょ」とか中々ブラックジョークもきつく利いていて面白かったです。 ただ、一番のサプライズは最後の歌のシーンですね。あのロックスターたちが出てきたときは本当にビックリしました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-06 00:42:56) |
437. 骨(1997)
《ネタバレ》 そもそも、旧植民地からの移民が多く住むスラム街というシチュエーション自体が十分ドラマ性(語弊があるかもしれませんが)を持っているわけで余計な脚色は逆にそのドラマ性をぼやかしてしまうのかも知れませんね。そういった意味で余計なものを削ぎ落としたこの作品の製作手法は間違ってはいないと思います。 ただ、事前に作品内容についてある程度の予備知識を持っていないとはっきり言って何がなんだか良くわからないのではないかなとは思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2010-10-01 00:26:08) |
438. サマーウォーズ
《ネタバレ》 コンピューターへの依存度が高い現代社会への警鐘が描かれていて楽しく観ることができました。 ただ、内容的にあまりに権威主義的というか優生主義的というか・・・由緒ある家系の金持ちやずば抜けた才能を持った人間といった一握りのエリートによって我々の命運は左右されているんだよといわんばかりの展開が個人的にはちょっと引っかかりましたね。まあ、実際そうなんでしょうし、ヒーロー物なんてみんなそんなものだとはわかってはいるんですが。 [地上波(邦画)] 7点(2010-09-29 00:42:46) |
439. 悲しいボーイフレンド
《ネタバレ》 「悲しいボーイフレンド」ってもう25年前の曲になるのか・・・としばし呆然となりました(当時渡辺美里にはまってたんですよね・・・)。自分の年の取り具合を感じさせてくれる作品でしたね。まあ、寺脇康文が37歳というのはちょっと無理があるように思えましたが・・・・。 阪神の日本一も25年前なんですよね・・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2010-09-25 21:36:32) |
440. 運命に逆らったシチリアの少女
《ネタバレ》 「ペッピーノの百歩」の女性版といった感じですね。マフィアが市民生活に根付いているシチリアの状況はいろいろと考えさせられます・・・・。殺された父親と兄にしても・・・・・な訳ですからね。やはり「義理と人情を 秤にかけりゃ義理が重たい」男の世界に挑む娘に対する母親の複雑な心境がやるせなかったです。 ちなみにポスター等に出てくるかわいい少女は最初の20分くらいしか出ませんのであしからず [DVD(字幕)] 8点(2010-09-20 20:24:59) |