421. 全員死刑
《ネタバレ》 「家庭の幸福は諸悪の本(もと)」(by太宰治)というお話にしたかったのだろうと思っています。確かに。いろんなことを思考停止させてしまう「家庭の幸せ」がなければ、世の中の不幸は相当なくなりそうです。家族って、どうしょうもないもんだと言われれば、ある程度そうかもねと思ってしまうワタシです。しかし。本作の4人。全くそのような、家族の雰囲気がないんですよね。良くも悪くも密度の濃いつながりがあるようには思えない。ただ柄の悪い4人が集まって、一番立場の弱い人間(次男)を追い詰めているだけ。繰り返しますが、「家庭の幸福は諸悪の本」。諸悪だけ描いて、家庭が描けていないのでは、ただ乱暴なだけの映画って事になってしまいますね。 [DVD(邦画)] 2点(2018-07-17 17:26:46)(良:1票) |
422. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 音楽ビデオとしては、見応えアリ。9点。しかし。今更、夢を追い続けてきた男がなんだかんだあって、足下の幸せに気づく物語ですか。ストーリーは2点です。トータルで5点。「This is Me」だけのMVとして、どっかの動画サイトで観ていたら、おお、こりゃすげえってなったかも。 [DVD(字幕)] 5点(2018-07-15 08:43:11) |
423. 探偵はBARにいる3
第1作目の感想で、「いい感じのTVドラマを見たような気分」と書きましたが、今回も同様。しかし、それで当方の期待通りです。今回は、「Amazon Prime」で「孤独のグルメ」と並んでラインナップされているとうれしいシリーズと書いておきます。 [DVD(邦画)] 7点(2018-07-09 15:55:12) |
424. ジグソウ:ソウ・レガシー
《ネタバレ》 自分がこんな目に会っちゃたら、もう早々に戦意喪失してしまい、あっさりと始末されそうだなあ。本作について。ものすごい及び腰で見始めたんだけど、観終わった今、意外と怖くなかったもんねって、小学2年生の時のきもだめしの感想みたいなもんです。驚きはするんだけど、前シリーズみたいに目を背けたくなる感じではないです。 [DVD(字幕)] 5点(2018-07-09 15:49:50) |
425. 美しい星
《ネタバレ》 コメディのシナリオを、悲劇の演出で仕上げたような一作。製作サイドは、そんなアンバランスなところがいいでしょうとでも言いたげだが、これは観ていてアイタタな作品。リリー・フランキー、仕事選べよ。 [DVD(邦画)] 2点(2018-07-04 22:07:49) |
426. 富士ファミリー〈TVM〉
いいです。だから、今回は非ネタバレ的に書きたい。木皿泉的な真面目で直裁で青臭いメッセージ。おそらく好き嫌いがあるんだろう。けどオレは好きだけどね。このゴージャスな俳優陣は通常のドラマでならオゴりすぎって言いたいところですけど、正月ドラマだったことを思えばよしとしよう。基本的に弱いもの視点だから、そんなんだからマズいんじゃないかと言いたいところもあるんだけれど、でもこれでいいんだよ。みんな、ホントは弱いんだから。良作。 [インターネット(邦画)] 9点(2018-07-03 21:54:23) |
427. パージ
《ネタバレ》 なるほど。オープニングを見た感じでは、これは久々の面白密室系(「CUBE」など)では、と興奮したモノです。しかし、そうではなかったワケです。ワタシはこれは、ホントに理不尽にバッドエンドで終わるべきモノだったと思っています。殺人が合法になる設定ですので。もう、それこそ「ファニーゲーム」みたいな感じでうつむき切っての終わり方が良かったんじゃないか。ですので、近所の人が悪役として登場したさいには、よっしゃと思いましたが、なんか朝7時まで待つ時間の余計なこと。良い設定がもったいない。【追記】それにしても、まさかのヘンリー、あそこで撃たれてそのまんまとは! [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-11 19:42:45)(笑:1票) |
428. 万引き家族
《ネタバレ》 例えばスイミーのエピソードのように、困難な状況にあるものたちがそれが故に深い絆で結ばれているっていうようなこの監督の得意技みたいですが、納得いかないんですよね。現実には、経済的に困難な状況の人たちほど、お互いの心を詮索し合っているのではないでしょうか。おそらく母親に愛されなかった信代が、りんを我が子のようにかわいがれるのもわからない。負の連鎖は続くものと思っていますので。しかし、今日は封切り日ですので書きませんが、リリー・フランキーが雪の晩、布団の中のセリフにまいりました。父親であろうという気持ちをあきらめるとき。オレもこういうことを、言わなければならない日がいつか来そうだ。また、絶対あり得ないけれど、りん(樹里)の視線の先に、バスを降りた祥太とお父さんが立っているなんて想起させるエンディングも良いと思います。そんなことは、絶対に絶対にありえないんだけれど。【追記】リリー・フランキー、なんか田中邦衛に似てきた? [映画館(邦画)] 7点(2018-06-08 13:31:01) |
429. 幼な子われらに生まれ
《ネタバレ》 見続けるのが苦しい映画。思春期迎えたばかりの女の子のむき出しの反抗。映画だと思っても苦しい。浅野忠信。新境地を開拓しようとしているのだと思いますが、やはり無理してる感がぬぐえない。エキセントリックじゃないのは、苦手なんじゃない。いろいろありましたが、赤ちゃんが誕生して、物語丸く収まるみたいな構成もちょっと安易。 [DVD(邦画)] 4点(2018-05-28 21:25:11) |
430. 紙の月
《ネタバレ》 これは、文句なく面白い。印象的なセリフが多い。「お金なんてみんな同じじゃない。」「受け取ったら多分何か変わっちゃうよ。」。ワンコみたいな彼が、どんどんダメになっていく過程がすごい。彼との修羅場を描かなかったんだから、不倫映画じゃないでしょう。相手は誰でもよかったんだと、みた。愛情に狂った果てのなりゆきとは思えない。日常的に大量のお金を扱っているみなさんの共通の恐怖なのではないでしょうか。「偽物かもね、お金なんて。ただの紙だもん」。ラストのくだりは、金のない国(いや、価値の実体がはっきりしている国)に逃げおおせたと解釈したい。小林聡美、かっこいい。彼女が梨花の「紙の月」も見てみたい気がする。 [インターネット(邦画)] 9点(2018-05-20 07:26:51)(良:2票) |
431. ブルーハーツが聴こえる
《ネタバレ》 映画のラストシーンで必ずブルーハーツの曲が流れるというシバリは何か意味があったのかな。例えば、ワンシーン、車のカーラジオから曲が流れるでもよかったのでは。曲からインスパイアされたストーリーくらいのおおらかさでよかったのではないか。ということで、一番好きなのは、5作目のわたしはヘンタイでしょうか。トリを務めた6作目。社会問題を絡めるのが好きな監督さんらしいが、父親とその他の家族の齟齬って、もっと普遍的なものでしょう。原発問題を絡めることで、メッセージがわかりにくくなっていたようです。 [DVD(邦画)] 6点(2018-05-17 21:14:33)(良:1票) |
432. アウトレイジ 最終章
だからどうしたっつうんだ、バカヤロー。 [DVD(邦画)] 2点(2018-05-14 14:10:58) |
433. マネーボール
《ネタバレ》 なにか、観終わって釈然としない。弱小スポーツチームが何らかのきっかけで破竹の勢いをとげるというのは、映画界においてかこれ以上ないというくらいの黄金のフォーマットなのだと思う。しかし、本作のアスレチックスは、前期アリーグの地区優勝決定戦に出ているんですよね。確かに、主力メンバーがそこから抜けたという事情はあるにせよ。制作者は「黄金のフォーマット」に寄りかかろうとしすぎてないか?古い枠から新しいフレームを作ろうとしている主人公を描いた作品なのに。なんか、弱い者ぶってる。ずるくない? [DVD(字幕)] 2点(2018-04-27 22:57:18) |
434. お父さんと伊藤さん
《ネタバレ》 「ぐるりのこと」を再見した後、リリー・フランキー見たさに鑑賞。ずいぶん、カメラ慣れしちゃったなあという印象。でも、このおだやかな感じは変わらないよねという安心感。残念なのは物語が、伊藤さんの思いもかけない強いチカラで動いちゃうところ。ずいぶん世間知に長けているじゃん。そういうところから、かけ離れている方だと思って見ていたものですから。 [インターネット(邦画)] 6点(2018-04-26 10:27:42) |
435. 遊びの時間は終らない
《ネタバレ》 無茶苦茶、面白い。「平均点ベストランキング」に入る30人目のレビュアーになれたのが、光栄なくらい。本作についてはそれ以上何も言いたくないのだが、しかし。あえて言うなら、裏のMVPとして西川忠志さんを推したい。初見時から彼の○○を我慢している姿が忘れられません。 [DVD(邦画)] 10点(2018-04-18 22:15:25)(良:2票) |
436. トンネル 闇に鎖(とざ)された男
《ネタバレ》 ひとこと、無理筋。十分な飲み物、食べ物がなく、35日間生き延びていたんですか。新記録樹立にこだわるマスコミを嗤うための期間だったとしたら、その趣向にこだわりすぎ。体面を重視する行政をおちょくっていたとも思いますが、そういう小細工が多くて、正面からシビアなサバイバル劇を撮るのを避けたのかなと勘ぐってしまう。なぜ彼が助かったのか、納得できる理由がないんですよ。生還の第一声がアレってのは、作りすぎ。そりゃないよ。一緒に見ていたツレアイが、「韓国映画は、むやみに展開が意地悪」と言ってましたが、なるほどと思いました。そうなんですよ。なんか意地の悪い映画なんですよ。 [DVD(字幕)] 3点(2018-04-15 17:49:17) |
437. 世界大戦争
《ネタバレ》 近未来と過去の歴史という違いがあるにせよ、市井と核を含む戦争のお話(大雑把すぎる?)としては、「TOMORROW 明日(1988)」、「この世界の片隅で(2016)」が今日を生きる私たちにはあるわけです。円谷プロの、第三次世界大戦を現出させてみせるという強い熱意は伝わってきますが、いかんせん数多の終末映画を見てきたものとしては、模型を壊しているようにしか見えない。そういうのが好きっていう好事家の方が一定数いらっしゃるのも理解していますが、この映画はそういった方のためのものとしか思えない。古いけどいい、古いからいい映画があることはこのサイトで教えてもらいましたが、本作はもうその役割を終えているでしょう。 [DVD(邦画)] 3点(2018-04-15 05:56:21) |
438. 精神
《ネタバレ》 しんどい。いろんな意味でキツい視聴体験でした。メリハリのない編集で綴られる素材は、精神科の出来事とはいえ、このぐらいなら日常的にも目にするシーンだよなというもの。世の中、みんな病んでるんじゃんというツラさ。前作「選挙」では、開票結果という一応のオチがあったのだけれど、本作の「当事者」の皆さんは、限りない日常を生き続けていく。この素人のみなさんのプライバシーをつまびらかにして大丈夫?という心配。「観察映画」って標榜するのは、主観を排したいという気持ちなのでしょうが、観客としては心の置き所が見つからないで、そわそわしっぱなしの居心地の悪さ。ドキュメンタリーこそ、エンタメ要素が必要なんじゃないか。 [DVD(邦画)] 5点(2018-04-07 17:21:15) |
439. がんばれ!ベアーズ 特訓中
《ネタバレ》 1作目はレビュー100人超えで、平均点7点超えにも関わらず、ワタシが一番乗りじゃないですか。小学生のワタシが、生まれて初めてロードショーに観に行った作品であります。当時、「試合をやらせろ!」のシーンで胸こみ上げた思い出がありました。が、今回再見してみて、大甘な話運び。こんなんだったっけ。とはいえ、今回ぐっときたシーンは、不仲な父の悪口を言われて殴りかかり、そして一目散に突っ走るケリーの姿。悪くてナイーブ。ケリーの走るさまは、駄作の3作目(日本遠征)でも鑑賞に値する姿です。いたいけそのもの。他のメンバーのキャラは変わりませんので、1作目の好きな方は、観てみて損はない作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 6点(2018-03-18 10:17:04) |
440. ある戦慄
《ネタバレ》 「ファニーゲーム」であるレビュワーさんが言及していたことから鑑賞しました。しかし、これは相当イヤだな。人間の尊厳をむしり取っていく映画です。最後、残された乗客が誰もあの彼に感謝の言葉をかけないのがすごい。お互い声かけあわないのがすごい。一刻も早くなかったことにしたいかのようだ。あの電車に不幸にも乗り合わせていたなら、せめてアルコール依存症治療中のおじさんぐらいの役は果たしたい。でも彼は一人で乗り込んでたんですよね。「ツレの女のいる男は弱い」。家族ってのは、ホント最大の弱みです。 [DVD(字幕)] 9点(2018-03-18 08:09:59)(良:1票) |