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 > ザ・チャンバラ さん
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プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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441.  G.I.ジョー バック2リベンジ 《ネタバレ》 
IMAX 3Dにて鑑賞。 一応は前作と繋がった話ではあるものの、主要キャストは総入れ替え状態(人気の高い忍者役は除く)。前作で華々しいデビューを飾ったチャニング・テイタム演じるデュークは序盤で呆気なく戦死するし、ホーク将軍に至っては不在の理由すら説明されない始末。その一方で、ビョンホン演じるストーム・シャドウは前作のラストで死んだと思われる描写がなされたにも関わらず、本作では何の説明もなく当たり前のように復活。もう滅茶苦茶なのです。内容の方も、SFっぽいアイテムやありえないほど大掛かりな秘密基地がバンバン登場しまくった前作からは一変、実在の兵器を中心とした軍事アクションとなっています。G.I.ジョーの位置づけにしたって、前作では世界各国のエリート軍人を集めて結成された世界警察のような組織だったものが、本作では米軍の一特殊部隊のような扱いとなっており、続編というよりも前作とは別物の映画と考えた方がしっくりきます。。。 映画としての完成度は、前作よりも本作の方が上だと思います。主人公の成長物語を中心として、どうでもいい色恋沙汰だとか過去の確執だとか面白黒人だとかいろんなものを詰め込み過ぎてとっ散らかっていた前作と比較すると、善の軍団と悪の軍団の衝突という分かりやすい話に終始した本作の方がまとまりがいいのです。主演を引き継いだドウェイン・ジョンソンも大変にキャラ立ちしており、キャラものとしてもしっかりしています。ただし、『エクスペンダブルズ3』かと思うような本作の見せ場は既視感満載で面白みがなく、音がデカイだけのアクションがダラダラと続く筋肉の祭典には途中で飽きてしまいます。前作はSF的にしすぎてバカバカしいレベルに達していましたが、一方本作はSF要素を排除しすぎてつまらなくなっているのです。もし『3』を製作するのであれば(世界的には及第点の興行成績をあげており、さらなる続編製作の可能性は低くありません)、『1』と『2』の中間辺りを狙った映画にして欲しいと思います。 
[映画館(字幕)] 4点(2013-06-10 00:02:13)
442.  ゲットバック 《ネタバレ》 
デビュー後は3作連続で興行成績が1億ドルを突破し、90年代末には確かにハリウッドの頂点にいたものの、『ブラックホーク・ダウン』の企画をリドリー・スコットに譲って以降は急速にキャリアが低迷し、ここ10年ほどは「あの人は今」状態だったサイモン・ウェスト。プライベートで抱えた借金によって首が回らなくなり、来る仕事は拒まず見境なくB級映画に出るようになったニコラス・ケイジ。この二人が『コン・エアー』以来のタッグを組んだ本作には、メジャーの世界を知る者による豪勢なB級映画を期待したのですが、残念ながらその出来は芳しいものではありませんでした。両者にとってこれは雇われ仕事のひとつに過ぎなかったようです。。。 ニコラス・ケイジはいつものあの表情。『ブレイクアウト』や『ハングリー・ラビット』など、ここんとこは同じような演技が続くので、そろそろ区別がつかなくなりそうです。ウェストによる演出には何のこだわりもなく、ただ撮ってるだけ。彼の手腕があれば、金塊強奪場面などはもっと面白くなったと思うのですが、そういった努力は微塵も感じませんでした。。。 脚本の出来も良くありません。気の良い犯罪者が、身内を人質に取られて不本意な仕事に手を染めざるをえなくなる。この手の映画としては定番中の定番のお話なのですが、類似作との差別化のための工夫を一切こらすことなく、定番を定番のまま出してきた本作の脚本家の根性には恐れ入りました。最初から最後まで予定調和の嵐、クライムサスペンスとしては失格です。おまけに、犯人の依頼通りに銀行を襲撃したにも関わらず、結局は殴り合いで決着をつけるというオチには唖然とさせられました(力づくで解決するのなら、最初から命令に従う必要などなかったのでは?)。さらには、キャラクター達の背景や行動原理の描写が不足しているために、ドラマの通りもよくありません。マリン・アッカーマン演じるライリーが主人公からの協力要請を二つ返事で了承したことや、FBI捜査官ダニーが主人公の罪を見逃してやった動機などがまったく分からないので、ドラマに感情移入しようがないのです。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-04-28 23:10:59)(良:1票)
443.  ソルジャーズ・アイランド
『エクスペンダブルズ』の大ヒットに触発されて製作された、リアリティ完全度外視の80年代風バカアクション。『エクスペンダブルズ』に負けじと集められたキャストは驚くほど豪華だし、火薬満載の見せ場も手抜きなしでなかなか頑張って作られているのですが、如何せん話が面白くありません。まず、遊び気分で戦争ツアーに参加したら思いがけず戦闘の当事者となってしまった大富豪という筋書きである以上、登場する大富豪達は全員戦闘のド素人とすべきだったのに、アフリカの武器商人やヤクザまがいのロシア人富豪といったセミプロをメンバーに加えてしまったがために、肝心の設定が死んでしまっています。さらには、大富豪を主人公とするのであれば豊富な知識や巧みな交渉術といった通常の兵士にはない強みを発揮する局面を準備しておき、それが大きな見せ場となるべきだったのですが、そういった仕掛けも組み込まれていないので話に面白みがありません。そもそもこれは異文化交流ものなのだから、確執と和解がドラマの基礎となるべきだったのですが、そういった要素がまったく深彫りされていません。基本設定がここまで置き去りにされた脚本も珍しいものだと呆れてしまいました。。。 そういったメインプロットの貧弱さの一方で、裏切り者の存在やクレイグとメイソンの因縁の関係といったサブプロットは不思議と充実しています。これが面白ければ映画の救いとなったところなのですが、実際には本筋を盛り上げることにはちっとも貢献していないのでまったくのムダ。サブプロットを脈絡なく付け足していくことで本編のかさ増しをするのではなく、肝心のメインプロットをどう面白くするのかという点に力を注いでいただきたいところでした。。。 キャスティングについては概ね悪くないのですが、クリスチャン・スレイターだけはミスキャストでした。体はよく作ってきているし、銃やナイフの扱いも様になっているのですが、多くの戦場を経験してきたプロの傭兵にはどうやっても見えないという点が致命的でした。まだまだ若々しさの残るスレイターのような俳優ではなく、ショーン・ビーンのような渋い中年が演じるべき役柄だったと思います。
[DVD(字幕)] 4点(2013-04-15 01:09:59)(良:1票)
444.  タイタンの戦い(2010) 《ネタバレ》 
話の発端は21世紀初頭、ドリームワークスにて『アルゴ探検隊の大冒険』のリメイク企画が持ち上がったのですが、打ち合わせの段階でハリーハウゼンを激怒させたために(理由は不明)この企画は潰れ、それが流れ流れて本作の企画につながったという経緯があります。しかし、この企画は当初の予定通り、21世紀初頭に作られるべきでした。 CGによる映像自体に価値のあった時代に。『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』を経た2010年には、観客はすでにCGのみを売りにした映画には飽きており、CGというツールを用いてどんな物語を作り出すのかが問われる時代になっていました。そこに来ると、そもそもがつまらない映画だった『タイタンの戦い』をピカピカのCGでリメイクするという企画に意義を見出すことは難しくなっていたのです。。。 『インクレディブル・ハルク』で素晴らしい手腕を披露したルイ・レテリエは、本作でも期待に応える働きをしています。ライブアクションとCGを巧みに組み合わせたアクションの出来は水準以上だし、次々と現れるクリーチャー達の見せ方にもセンスを感じさせられました。ただし、脚本がメタメタだったので、映画としてはまるで面白くありません。ペルセウスが己のアイデンティティと向き合うことが本作のドラマの骨子であったにも関わらず、これがまるで出来ていないのです。ペルセウスはゼウスによるレイプの結果産まれた子であり、おまけに母親もろとも海に捨てられたという悲惨な生い立ちを持っている以上、神や人の世に対する激しい憤りや不信感を持っていて当然なのですが、脚本はこれをうまく表現できていません。そのため、観客はペルセウスの悩みや怒りというものに共感できず、「俺は漁師の子だ」と主張してデミゴッドとしての能力を使うことを拒否し続ける彼の姿に苛立ちを覚えてしまうのです。さらに悪いことには、彼と旅をするドラコ隊長がメチャクチャにかっこいいため、主役のペルセウスは終始喰われ気味。ラスト、神の力を行使したところでようやく存在感を発揮するという最悪の状態になっています。その他、人類滅亡の引き金を引いたり、一方でそれを阻止しようとするペルセウスに援助を与えたりで何を考えているのか分からないゼウスや、ラストで唐突にペルセウスと恋仲になるイオなど、各キャラクターの感情や行動原理が不可解すぎて映画に入り込むことができませんでした。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-04-09 01:07:14)
445.  グリーン・ランタン 《ネタバレ》 
DCコミック社とワーナーは1997年頃からグリーンランタンの実写化を考えていたのですが、宇宙警備隊という子供じみた基本設定が災いして物語をうまくまとめることが出来ず、一時期はジャック・ブラック主演のコメディという方向性までが検討された程の迷走ぶりを見せていました。しかし、ライバルのマーヴルコミック社が、同じく製作が難航していた『アイアンマン』を大ヒットさせた辺りから本企画の方向性もなんとか固まっていき、難産の末に誕生したのが本作なのでした。。。 まず驚いたのが、大人のアクションを得意とするマーティン・キャンベルが監督を務めているということ。当初予定されていた監督がスケジュール切れで参加できなくなったための代打なのですが、それにしてもこれは意外すぎる抜擢です。とはいえ、キャンベルは『ゴールデンアイ』『カジノロワイヤル』『マスク・オブ・ゾロ』とヒーロー誕生編を得意とする人物でもあり、意外と何とかなっているかもしれないという期待感もありました。しかし、肝心の本編は何とかなっていませんでした。キャンベルは未経験の分野に挑むにあたって自分ならではのこだわりをすべて封印しているのですが、その結果、コスチュームのダサさや基本設定の杜撰さなど、監督のセンスでうまく誤魔化すべき点がすべて剥き出しになってしまっています。さらには、宇宙のロマンや巨大なパワーを手にしたことの爽快感なども薄く、ヒーロー映画に期待される風情がまるでありません。残念ながら、無名の新人監督にでも撮らせた方がまだマシというレベルの演出です。。。 脚本も無難に徹していて、特に面白みがありません。主人公ハルが恐怖心を克服することが物語の骨子となるのですが、映画全体が重くなりすぎることを避けるためか彼のトラウマ描写が希薄なので、ドラマに重みがありません。彼の敵となるハモンド博士についても同様で、客が引かない程度の描写を心がけた結果、彼のドロドロとした闇が致命的に不足しています。幼馴染が敵味方に分かれて殺し合いを繰り広げるというシャドームーンチックな設定は良かっただけに、もっと詳細な心理描写が欲しいところでした。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2013-03-25 23:33:38)(良:1票)
446.  ダイ・ハード/ラスト・デイ
クライマックス直前、マクレーンと息子・ジャックが討ち入りの手筈を話し合う場面。作戦を聞いてくる息子に対して、「作戦はない。ただ撃ちまくるだけだ!」と得意気に返すマクレーン…『ダイ・ハード』ってそんな映画でしたっけ? 当初は『コマンドー2』として企画された『ダイ・ハード』第一作ですが、シュワルツェネッガーから出演を拒否されたためにリチャード・ギアが主演することを想定して脚本が書き換えられ、そのギアからも断られたためにテレビのコメディ俳優だったブルース・ウィリスに白羽の矢が立てられたという経緯があります。主演俳優が変更される中でマクレーンのキャラにも修正が加えられていき、その末に出来上がったのはステロイド漬けの80年代アクションヒーローとは程遠い、若ハゲでおっさん体型の等身大ヒーローでした。テロリストとの勝負となれば、1対1の格闘であっても劣勢に立たされる程度の戦闘力であり、おまけに敵を殺傷することには消極的で、撃つのをためらったために窮地に陥ることも何度かありました。彼は正面切って敵と戦うのではなく、緻密に練り上げられたテロリストのスケジュールに干渉し、その戦力を徐々に切り崩していくという戦い方をします。十分な装備がなく、状況も把握できていない段階では物陰に身を潜めておく、戦闘を開始した後にも、複数人の敵に囲まれて戦況が不利になればとりあえず走って逃げる、こうした現実的な戦い方が『ダイ・ハード』の魅力だったと記憶しています。。。 一方最新作である『ラスト・デイ』ですが、マクレーンは襲いかかってくる数十人の敵特殊部隊を冗談言いながら撃破し、武装ヘリからの攻撃を受けても傷つかない、さらには、チェルノブイリの核施設に普段着で乗り込むほどの超人と化しています。もはや『コマンドー』のジョン・マトリックス大佐をも越える程の戦闘力を誇っており、「マクレーンは敵に殺されてしまうのでは?」という緊張感は皆無となっています。見せ場はインフレ状態であり、アクションが派手になればなる程、映画から緊張感が失われていくという負のスパイラルに陥っています。ビジュアル派のジョン・ムーアが監督しているだけに視覚的な迫力はあるのですが、活劇としての面白みがまったくないために、味付けのなされていないステーキを大量に食わされているような感覚に陥ります。このシリーズも、いよいよお終いの時が来たように見受けます。
[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 00:24:57)(良:4票)
447.  プレイ-獲物- 《ネタバレ》 
刑務所からはじまるこの映画、冒頭30分のウルトラバイオレンスには身を乗り出しました。派手さや爽快さではなく、ひたすら痛いバイオレンスの連続。フランスで北野武がやたら支持されていることにも、何となく納得がいきました。しかもその間にてきぱきと話をまとめていき、本編への筋道もきっちり作るという手際の良さ。うだうだと設定をまとめきれない映画も多い中、息をもつかせぬ暴力描写とともにたった30分で下準備をすべて終えてしまった本作の冒頭は、アクション映画の鑑のような出来だったと言えます。そして、本編の内容もかなり興味深いもので、主人公は娘をさらった殺人鬼カップルを追うこととなるのですが、彼もまた、警察やマフィアから追われる身。さらには殺人鬼カップルの罠によって連続殺人犯にまで仕立て上げられ、彼を仕留めるために警察は最高の捜査チームを送り込んできます。果たして彼は、娘を取り戻すことができるのか?どうです、面白そうな話でしょ。。。 しかししかし、本編に入ると映画のテンションはガクっと下がります。理由は簡単で、冒頭のバイオレンスが、本編ではただのアクションになってしまうのです。武装した3人のチンピラから不意を突かれても素手で返り討ちに遭わせていた人間凶器が、街に放たれた途端にただの逃亡者に成り下がります。ただ逃げるだけ、警察に追い込まれても反撃は必要最小限に留め、不可抗力以外の理由で他人を傷つけることは皆無という穏健ぶり。冒頭での期待は一気に崩れました。ビルからのダイブやカーアクションなど派手な見せ場も準備されてはいるものの、私が期待したのは冒頭で繰り広げられたリアルな暴力描写、人間凶器が一心不乱に暴れ回る姿であって、ぎこちないジェイソン・ボーンを見せられるくらいならハリウッド映画をチョイスしますよ。オードブルは高価な珍味だったのに、メインディッシュはファミレスのハンバーグプレートになったかのようなガッカリ感でした。さらにガッカリだったのが、主人公を演じるオヤジの走り方がめちゃくちゃカッコ悪いということ。アメトーークの「運動神経悪い芸人」に匹敵するレベルの走り方であり、冒頭でこのオヤジに心酔した私のハートは一気に冷めました。
[DVD(字幕)] 4点(2013-02-06 18:34:38)
448.  エイトレンジャー
最低限のレギュラー番組しか持たず、いざとなれば一本の映画のための入念な役作りが可能なジャニーズメンバーもいるにはいますが(木村拓哉、稲垣吾郎、山下智久etc…)、一方で関ジャニ∞は複数のレギュラー番組を抱え、歌も現役で頑張っている超売れっ子。おまけに7人全員を主役とした映画となればスケジュール調整が困難であったことは容易に想像できるわけで、堤幸彦監督は相当な制約条件の中で本作を完成させたことと思います。悪条件下でも納期を守って映画を完成させた点は素直に評価できるのですが、内容面ではお世辞にも良い映画とは言えません。テレビの2時間ドラマならともかく、お金をとって映画館で見せるような出来ではないと思いました。。。 スケジュール通りに映画を完成させるということが最重要視された現場だけに、ひとつひとつの場面へのこだわりは薄く、手間のかかる撮影からは逃げています。もし本作が純粋なコメディ映画であれば、この程度の作り込みであっても監督や役者のセンス次第で乗り切れる可能性もありましたが、曲がりなりにもヒーローを題材とした作品でこの手抜きぶりは致命的です。ヒーローに対するリスペクトがない、目を見張るような見せ場もない、さらには関ジャニなのに舞台が関東(スケジュール上、関西で撮ることは不可能だったのでしょう)、これでは評価できません。【ムラン】さんが仰られている通り、脚本はかなり練り上げられているのですが、なまじ出来の良い脚本のために、かえって撮影現場での手抜きが目立ってしまっています。監督も諦め気味だったのか、ラストではセブンイレブンとのダイアップをかなり露骨な形で見せてしまっています。あれは映画で許される領域を逸脱しており、もはや立派なCMです。アイドル主演のヒーロー映画なのに、見えてくるのは撮影現場の現実ばかり。夢がありませんよ。
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2013-01-28 01:32:52)(良:1票)
449.  ヘルタースケルター(2012)
「ヌードを売りにする映画に傑作はない」とよく言われますが、まさにそれを地で行く映画。沢尻エリカは気前良く脱いでいるのですが、それ以外に映画としてのアピールポイントがないのです。エリカ様がいきなりおっぱいを出して観客を驚かせる冒頭こそが最大の見せ場であり、それ以降は図ったように盛り下がっていきます。中盤を過ぎると脱ぎっぷりも悪くなってくるし(笑)。。。 題材は間違いなく衝撃作でありながら、観客が想定しうるイベントしか準備できていない脚本があまりに弱すぎるし、蜷川実花の演出は悪い意味で脚本に引っ張られています。「和製ダーレン・アロノフスキーか!」と思わせるような素晴らしい場面も時折覗かせるものの、演出は全体としてワンパターンであり、さらには冗長。観客がわかりきった場面でやたらもったいぶって間を取ったりと、監督のテンションと観客の関心がいまいちシンクロしません。良くも悪くも、エリカ様を見せるための映画にとどまっています。
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-26 00:59:20)(良:1票)
450.  ハングリー・ラビット
眠たくなるほど鈍重な娯楽作(『スピーシーズ』『ダンテズ・ピーク』etc…)の合間に、突如としてキレのある傑作(『追いつめられて』『バンク・ジョブ』etc…)を撮るロジャー・ドナルドソンの、現時点における最新作。ドナルドソンが得意とするサスペンスアクションにして、ニコラス・ケイジが出演を熱望した優秀な脚本というだけあって期待は高まったのですが、残念ながら今回は悪い方のドナルドソンでした。サスペンスに必要な緊張感も意外性もなく、予定調和の物語がダラダラと進行するのみ。とにかくツッコミどころの多い作品なのですが、最大の問題点は、闇の仕置組織の存在に説得力を持たせられなかったということです。犯罪者の行動を詳細に把握し、あらゆる機関に根回しをするという高い組織力を持ちながら、ターゲットの殺害という最も重要な場面においてリスクの高いド素人を使う点があまりに不合理。この点を誤魔化す方便がなかったために、かの仕置組織が大マヌケの集団に見えてしまっています。ここんとこ出演作が連続しているニコラス・ケイジは代わり映えのしない演技で面白くないし、終始「雇われ仕事です」という顔をしているガイ・ピアースも魅力に欠けます。
[DVD(吹替)] 4点(2012-12-12 14:43:35)
451.  レギオン
『ターミネーター』と『要塞警察』を足して『コンスタンティン』風味に味付けしましたという、何ともB級な映画。こういう闇鍋状態の映画は嫌いではないのですが、本作についてはいただけない出来だと感じました。命懸けの攻防戦とは程遠い小競り合いばかりで盛り上がるべき見せ場がないし、おまけに、合間に挿入される人間ドラマが無駄に長くて苦痛になります。人類を滅ぼそうとしている敵と対峙している時に、自分の生い立ちを順番に語っていくという間抜けなことをやってはいけませんよ。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2012-12-03 00:50:13)
452.  ランパート 汚れた刑事 《ネタバレ》 
ジェームズ・エルロイによる何本目かわからない汚職警官ものですが、出演者がとにかく豪華。『L.A.コンフィデンシャル』以降、エルロイ作品に出ることはハリウッド俳優にとってのステイタスとなっているようですが、ここまでのメンツは過去最高ではないでしょうか。主人公を演じるウッディ・ハレルソンはかなりのハマり具合だし、ロビン・ライトは驚くほどのいい女ぶりを披露。シガニー・ウィーバーやスティーブ・ブシェミがひょっこり顔を出す場面ではお得感も味わうことができて、俳優のみに注目すればかなり充実しています。。。 ただし、肝心のお話はかなり残念な出来でした。この映画、とにかく状況説明が不足しています。主人公が社会的にどれほど追い込まれているのかという描写であったり、ロビン・ライトが主人公のどこに惹かれたのかという描写であったりがほとんどないために、ドラマへの感情移入がかなり難しくなっています。さらには、各場面の見せ方もヘタクソ。例えば、主人公が強盗被害者を誤射するという重要な場面において、編集が杜撰で一体何が起きたのかが観客に伝わらないという間抜けなことが起こっています。俳優は揃っているだけに、もうちょっと腕のある監督さんが撮るべきでした。
[DVD(字幕)] 4点(2012-11-03 17:36:35)
453.  ジョナ・ヘックス
ジョナ・ヘックスが復讐の鬼と化す過程は数分のイントロで処理し、いきなり本筋に入るという構成となっていますが、こんな処理が許されるのは歴史も知名度もある『インクレディブル・ハルク』クラスのヒーローであって、ジョナ・ヘックス程度の知名度でこの処理は少々厳しいと感じました。また、ヒーロー・ジョナ・ヘックスの誕生に深く関与したクェンティン・ターンブルをヴィラン(悪役)とした本筋の内容から考えても、両者の因縁の源流となる導入部分はしっかりと描く必要があったと思います。。。 本筋は本筋で、これまた著しく盛り上がりに欠ける仕上がりとなっています。ヒーロー誕生の過程を削った以上、映画はいきなりサビから突入し、理屈抜きの大暴れが見られるものと期待したのですが、チマチマとした小競り合いばかりで派手な見せ場はありません。さらにはジョナ・ヘックスが異常なまでに弱く、派手な大暴れどころか地味な戦闘ですぐピンチに陥ってしまいます。生身の人間との1対1の殴り合いで劣勢に立たされるに至っては、トーマス・ジェーン版『パニッシャー』をも下回って史上最弱のアメコミヒーローに認定してしまった程です。死者と話せる能力が大して役に立っていなかったり、お供の馬・犬・烏が見せ場になると行方をくらましてほとんど存在価値がなかったりと、本作は基本設定までを持て余している始末。俳優たちはなかなかのハマリ具合でシリーズ化すればそれなりに盛り上がった可能性もあっただけに、内容のみすぼらしさが悔やまれます。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2012-10-27 21:31:50)
454.  BOX 袴田事件 命とは
冤罪事件が悲劇的なのは、一度でも有罪判決を受けて収監されてしまうと、それをひっくり返すことに相当な月日と労力が必要とされる点です。「無実を示す証拠がみつかりました」でハッピーエンドとはならず、過ちを認めたがらない司法にこれを認めさせるというプロセスが必要となるのですが、とにかくこれが至難の業で、司法はあらゆる手段・口実を使って時間稼ぎをしてきます。「自分の在任中には問題が起こって欲しくない」という小役人根性がその根底にあるわけですが、他人の人生をあまりに軽んじたその態度には空恐ろしさを感じさせられます。。。 本作は、日本における冤罪事件の代名詞とも言える袴田事件をテーマにしています。かつて死刑判決を言い渡した裁判官自身がその誤りを認めている点、係争が半世紀にも及んでいる点、死刑囚・袴田巌が長期に及ぶ拘留生活により精神疾患を患っている点、これらにおいて、この事件は独特な性格を帯びています。裏を返せば映画的においしいネタが転がりまくっているということであり、果たして監督はこれをどう料理するのかと期待していたのですが、残念ながら映画の出来はガッカリなものでした。己の意に反して有罪判決を下さざるをえなくなった裁判官の葛藤が映画のメインとなっているのですが、彼の心理描写にクローズアップしすぎて事件の概要を伝えることが疎かになっているのです。。。 この事件における裁判官は3名、そのうち主人公を除く2名は検察側の意見を支持したのですが、容疑者がシロであることがあまりに明確なこの事件において、彼らが事実認識を歪めてまで有罪判決にこだわった理由が描かれていません。さらには、半世紀にも渡って再審請求が棄却され続けている理由も描かれておらず、観客が当然抱くであろう疑問がことごとく無視されています。おまけに、主人公の人生と昭和史を重ねるという構成はまったく効果をあげていないし、雪山で幻覚を見るラストは意味不明。あんな観念的な場面を撮る前に、まずは事実関係の描写を積み上げなさいよとイライラしてしまいました。演出は笑ってしまうほど稚拙で、重要な場面においては主人公がひとりごとを言ってその考えを観客に伝えるという最低の表現方法がとられています。演技指導が行き届いていないためかどの俳優もとってつけたような不自然な演技を披露しており、この監督さんは仕事をしていたのかと怪しくなってしまいます。
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-27 11:20:15)
455.  BLACK & WHITE/ブラック&ホワイト(2012)
『T4』に続く、McGによるジェームズ・キャメロンへのストーカー大作第2弾。今回は90年代のキャメロンを支えた撮影監督ラッセル・カーペンターまでを召喚して21世紀版『トゥルーライズ』を製作しているのですが、これが恐ろしく時代遅れなアクションコメディに仕上がっています。オフィスや自宅、果ては行きつけのレンタルビデオ屋までがおしゃれでピカピカという現実感ゼロの街を舞台に、CIAエージェントが顔バレを一切気にせずバカな騒動を起こすという何ともカックンなお話。80年代や90年代ならばこんな作風でも受け入れられたのですが、ジェイソン・ボーンが汚い路地裏を走り回り、ジェームズ・ボンドまでがリアル路線を選ばざるをえなくなった21世紀においてこのテンションはかなり厳しいと感じました。その上、主演2人も役不足です。この手のアクションコメディを演じるべきはトム・クルーズやピアース・ブロスナンのようなアクションヒーローを演じてきた俳優であって、アクションにおける代表作を持たない若手では様にならないのです。そして、さらに問題なのがヒロイン役のリース・ウィザースプーン。キャリアのピークを過ぎてしまったウィザースプーンでは、伸び盛りのクリス・パインとトム・ハーディに見劣りしています。彼女は相変わらず美人ではあるのですが、それでも二人の戦士を魅了するだけのオーラは放っていません。そして、主人公二人が抱く恋心に説得力がなければ、観客は物語に魅力を感じないのです。
[DVD(吹替)] 4点(2012-10-21 22:47:20)(良:2票)
456.  マシンガン・プリーチャー
『マシンガン・プリーチャー』…直訳すると機関銃牧師。この直球勝負のタイトルに加え、『300』で古代筋肉バカを熱演したジェラルド・バトラー主演と来れば「どんなクソ映画が飛び出すんだ」とワクワクしてしまいますが、内容は実に中途半端でガッカリしました。。。 女房にストリッパーをやらせて一家を養わせ、自分はバイクと麻薬に夢中というホワイトトラッシュの鑑のような男が本作の主人公。この男がキリスト教の力でエクストリーム改心するのですが、改心した途端に建設業で一発当てます。ほんの数年で一財産築いた彼は「この幸せをみなさんにもお裾分けしなきゃ」とボランティア精神に目覚め、内線が続くスーダンの子供達を救おうと奮闘します。しばしば虐殺が起こり、銃弾も飛び交う危険な地でありながら、彼にはまったく弾が当たらない!従軍経験のないただのガンマニアでありながら、地元民兵との戦闘では常に勝利を収める!神に守られているとしか思えない彼は、いつしか子供達の守護神となるのでした。。。 一応は実話という触れ込みの本作ですが、ワンマン経営者特有の「どうも話を盛ってるっぽい感」がプンプンしてきます。当の監督自身もこのインチキ臭い話に乗り切れていない様子で、そのことが映画の出来を中途半端なものにしています。監督を担当したマーク・フォースターは医師の父と建築家の母を持ち、身内にはドイツ赤軍メンバーもいるという、いわゆる進歩的な一家に生まれた文化人です。この来歴から察するにこの人は宗教というものを信じておらず、そのため物語の要となる「信仰」という部分を完全に茶化して撮っています。主人公が教会で熱弁を振るう様などは完全にカルト宗教の扱いでした。おまけに、ヨーロッパ人である監督は、どこにでもズカズカと入り込んで「俺が俺が」と出しゃばるアメリカ人を冷ややかに見ており、主人公の活躍をかっこよく撮ろうという意思がまったく感じられません。そのため本作はドラマの面でもアクションの面でも成功しておらず、かといってバカに徹しているわけでもなく、妙に気合の入ったジェラルド・バトラーの雄姿のみが空回りするという結果に終わっています。
[DVD(吹替)] 4点(2012-08-13 00:44:15)(良:1票)
457.  トータル・リコール(2012)
濃厚コッテリだった『トータル・リコール』が薄味のラーメン屋みたいな味に。バーホーベン版を神格化するつもりはありませんが、それでもこのリメイクは失敗だったと思います。CGがほとんど使い物にならない時代に製作されたバーホーベン版には驚くような見せ場がいくつもあったのに、一方で技術的な制約のなくなった時代に作られたはずの本作にはインパクトのある場面がひとつもありません。コロニーは『ブレードランナー』、UFCは『マイノリティ・リポート』の世界そのままだし、劇中に登場するテクノロジーは『アイ、ロボット』で見たようなものばかり。レン・ワイズマンは『アンダーワールド』でも『クロウ/飛翔伝説』のパクリをやってアレックス・プロヤスから苦言を呈されていましたが、本作においてはより露骨な形でこの人のオリジナリティのなさが現れています。さらに罪深いのは、これだけ他作品のパクリをやらかしながら、肝心のバーホーベン版からの影響は皆無に等しいということ。小ネタで義理立てはしているものの芸術面でのリスペクトはまったくなく、そこまで『トータル・リコール』に関心がないのであれば、別の映画を作るべきだったと思います。。。 以上のようなSF映画としての欠点に加え、本作はアクション映画としても面白みに欠けています。見せ場の連続なのに手に汗握らないという娯楽映画の末期症状に陥っており、2時間の連続活劇としてうまく機能していないのです。こちらについても、泥臭くとも訳の分からん勢いだけはあったバーホーベン版とは正反対の仕上がりであり、スタジオは監督の人選を間違えたように思います。。。 役者についてですが、芸達者なコリン・ファレルは無難に主人公を演じており、このグダグダの映画をうまく乗り切っています。ジェシカ・ビールは個性に欠け、いてもいなくても大差のない存在感。ただ一人ネジの飛びまくった熱演を披露しているのがケイト・ベッキンセールで、かつてシャロン・ストーンとマイケル・アイアンサイドが演じた役柄を一人で引き受けたという気負いから過剰な演技に走っているのですが、これが笑ってしまうほどおかしくなことになっていてラジー賞ノミネートは確実ではないかと思います。これを撮っているのはこの人の旦那なんだなぁと思うと何ともカックンな気持ちになり、他人の家のホームビデオを見せられているような居心地の悪さを感じました。
[映画館(字幕)] 4点(2012-08-11 01:20:58)(良:1票)
458.  ウィンターズ・ボーン
これは典型的な”評論家からは支持されるが、一般客は対象となっていない映画”です。質の高い演技、自然を背景とした美しい撮影、独特の空気感、そして重々しいテーマと、高く評価される映画に必要な要素はすべて備えており、「これは何か賞をやらなければ」と思わせる完成度を誇っています。しかし、展開があまりに淡々としていて物語に山も谷もないので、正直言って面白くありません。ジョン・ホークス演じるティアドロップが出ているところだけは妙に映画っぽいのですが、それ以外は役者と監督の技見せに付き合わされたという印象です。私は楽しめませんでした。。。 あと、”おきて”の扱いにも疑問を持ちました。本作における”おきて”は、いわゆるマクガフィン的な扱いを受けており、その内容は最後まで明らかにされません(集落全員が似たような顔つきをしているので、ある程度の察しはつきますが)。しかし、「思いがけず村のおきてと戦うこととなった少女」という物語にあって、そのおきての正体が最後まで伏せられたままというのは、ちょっとズルいかなという気がしました。
[DVD(字幕)] 4点(2012-05-07 00:47:47)(良:1票)
459.  エッセンシャル・キリング
日米の予告を見る限りではソリッドなサバイバルアクションをイメージしたのですが、その内容はサスペンスアクションというよりも微妙なアート映画。”言いたいことは分かるんだけど、ねぇ…”という、「シン・レッド・ライン」を見た時と同じような印象を持ちました。主人公は名前も明かされず(エンドクレジットでようやく「ムハンマド」という名前が確認できる程度)、その人生も仄めかされる程度で、話の発端となる峡谷にいた理由も不明。会話をさせると観客にバックボーンを推測されてしまうという監督の判断からセリフは一切なく、それどころか性格すら持たされていません。ただ「生き延びる」という本能だけを持った真っ白な存在として描写されており、映画からはドラマ性が完全に排除されています。「ランボー」を彷彿とさせる前半部分にはそれなりの緊張感や視覚的な刺激があるのですが、追手の姿が見えなくなり、主人公の生存に的が絞られる後半部分にはとにかく退屈しました。この作品の言いたいことは”Essential Killing(必要不可欠な殺し)”というタイトルですべて片が付いています。「主人公は善人ではないし、惨い殺しもやるが、すべて生存のために必要な行為だった。君らは彼の行為を否定できないだろ?”生きる”ってのはそういうことなんだよ」、こういうことなのでしょうが、映画としてのサービスがあまりに欠けているため、ちっとも面白くありません。。。なお、本作はヴェネツィア映画祭で審査員特別賞を受賞しているのですが、「各部門につき受賞作品は一作のみ」というルールを曲げ、審査員長だったタランティーノの一存で与えられた受賞であることは明記しておくべきでしょう。「オールド・ボーイ」のカンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞もそうでしたが、自分の好きなジャンルに極端に肩入れして何か賞を与えようとするタランティーノは、映画祭の審査員には不向きな人であるように思います。
[DVD(字幕)] 4点(2012-01-28 19:53:06)(良:1票)
460.  モンスターズ/地球外生命体 《ネタバレ》 
面白いかどうかを度外視すれば、低予算をやりくりしてうまく作られた映画ではあります。「怪獣が日常化した世界」というものを論理的に作り上げており、テレビでは怪獣出没予報をやっていたり、危険地帯から脱出する場合には法外な料金を請求されたりと、なかなか面白いアイデアに溢れています。ビジュアルの作り方もユニークで、日常生活の思わぬところに怪獣戦争の痕跡をさりげなく配置することで独特の世界を作り上げています。SFを前面に出さないことで予算は節約されているし、怪獣映画にリアリティを持ち込むことにも成功するという二重の効果が得られているというわけです。ただし、こうした世界観はあくまで背景に徹していればよいものであって、本編の大部分が世界の紹介に当てられたのではさすがにダレてしまいます。観客が見たいのは怪獣であって、怪獣と同居する世界が主役になられても困るのです。「怪獣の出ない怪獣映画」というコンセプトの本作を怪獣が出ないことで責めるのはスジ違いかもしれませんが、さはされど映画として面白くないのだから仕方ありません。なお、インディーズ作品であるにも関わらず役者の質は悪くありません。特に、女優さんには若い頃のキャメロン・ディアスのような華があって、よくぞこんな素材を見つけてきたものだと感心しました。本編はループ状の構成となっていて、ラストの続きは冒頭に置かれる形となっています。せっかく結ばれた主人公二人が、その数分後には怪獣戦争の犠牲になるという切ない構成はさすがブリティッシュ。
[DVD(吹替)] 4点(2012-01-15 11:35:23)(良:1票)
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