461. さらば冬のかもめ
「かもめ」とは水兵の事でしょうね。原題の「Detail」は軍隊用語で「特殊任務の為の分遣隊」ですから、タイトルは直訳すると「最後の分遣隊」。?。分かりにくいから「かもめ」にしちゃったんでしょうね。そこにちょっと哀愁も散りばめて、コメディテイストは感じられないタイトルになってしまいましたが。変なオヤジ役の多いジャック・ニコルソンですが、このバタスキーは変な(イカれた?)中にもやさしさがある兄貴気質ないい奴で、結構好きです。人が健全に生きていく為には、喜怒哀楽がいかに大切かということを、彼は理屈ではなく身をもって若い友に教えたかったんだと思います。8年後のメドウズはきっといい男になって帰ってくるでしょう(20数年後には酔っ払いの飛行士でしたが)。良い作品に出会うと私は、日本でリメイクした場合のキャスティングをつい考えてしまいます。この場合、哀川翔兄貴と宇梶総長でしょうか。メドウズは内山かな。みんなちょっと年がいき過ぎてるかな…。 8点(2004-11-24 14:50:26) |
462. ひまわり(1970)
「究極のメロドラマ」という印象ももちろん受けますが、それだけに留まらず戦争の不毛さ、やるせなさを男女のロマンスでもって充分に表していると言えます。むせ返るほどのひまわり(その下には兵士が眠るという)、丘の斜面に整然と並ぶ無数の墓標、勝気で美しかった女性が日増しにやつれていく様、愛する妻のことを案外あっさり忘れていった夫、それら全てが悲しく切なくやるせない。何度か使われる駅での別離、再会。そしてマンシーニの音楽。どこを取っても「どうしようもなく切ない反戦メロドラマ」です。 8点(2004-11-07 15:25:11) |
463. エリン・ブロコビッチ
企業を相手取った法廷劇と思ってたんですが、良い意味で違ってました。エリン・ブロコヴィッチという、見掛けは派手だけど一本筋の通った、心の温かい女性の元気な姿に勇気づけられます。ジュリア・ロバーツもきっとこんな女性なんだろうなぁと思いつつ、この作品で数々の主演女優賞を獲得したことに納得しました。私生活では来年早々双子を出産後、子育ての為5年間休業するとの事。これもエリンとジュリアでは子育ての方法こそ異なりますが、子供に対する愛情の深さは共通するものを感じてしまうのです。さすがハリウッドで一線を走り続けている女優、という感想です。 8点(2004-11-07 13:59:09) |
464. たそがれ清兵衛
時代劇に不慣れな者にも解りやすいゆったりとしたつくりは、老若男女人種を問わず、見て汲み取る事の出来る情感を表現していると思う。その点は評価に値すると思うが、アカデミー賞にノミネートされ英語字幕になった時、そのセリフははたして生かされているのだろうかと、そればかりが心配になった。例えば清兵衛が余五善右衛門の家に入る時の「ごめん」は「Excuse me」なのかなぁ?とか…。あぁDVD見ればわかるんですかね。そうします。その後原作も読んでみたいです。 7点(2004-10-20 13:28:55) |
465. ストーリー・オブ・ラブ
身につまされるとこあるある。普通の夫婦のリアルな生活。それは(特に倦怠期ともなれば)他人が見ておもしろい物でもなんでもないわけだが、E.クラプトンの音楽のおかげで素敵に哀愁を漂わせ、それでいてよりリアルに映っている。私も日常のしょうもない時間にクラプトンをかけてみよう。見飽きたダンナの顔も少しは素敵に見えるかも!?ラストの妻の言葉には、多くの方と同様、感動し涙が出てしまいました。世の夫婦たちには是非おススメ。あと邦題は“アス”のままの方がいいと思います。 7点(2004-10-18 13:34:42) |
466. ミステリー、アラスカ
はい、私もアラスカで起こった怪奇的事件を扱った推理物かと思って見ましたよ。んでいきなりミステリー町の池ホッケーと聞いてちょっとがっかり。更に劇場未公開って事で、全く期待しないで半ば投げやりに鑑賞しました。ラッセル・クロウがあの巨体でどんな滑りをするんだ?くらいに。結局足が遅いことを理由にスタメンから一時外されたりなんかしてうま~くゴマかされた感じ。前半はエロ話ばかりで退屈。とにかく寒い土地柄でホッケーとエッチしかやることがないんだ、ということを強調したかったんでしょうね。後半の対レンジャーズ戦はなかなか迫力があって良かった。ヘボチームではなく、選手がスカウトされるくらいの強いチームであった事が痛快だった。まぁ期待しないで見た分、見終わった後は、へぇ~…って思った。意外性のある作品ではある。あと確かにラッセル・クロウは普通の庶民役すくないですね。これも意外。 6点(2004-10-09 17:48:46) |
467. ロズウェル
矢追純一の「木曜スペシャル」世代のわたくしとしましては、ロズウェル、エリア51、なんて言葉を聴いただけでワクワクするもんです。もちろん葉巻型とか牧場主とか大好物なワードが出て来て、更にミッシングリング!まで行けばもう言うことなしです。嘘かホントかなんてどうでもいい!正座して見ました。でも劇場公開しなくていいです。 7点(2004-10-06 10:32:26) |
468. アナライズ・ミー
おもしろかったです。デニーロがすぐ号泣するとことか、ちょっとズレてるとかとか、素直に楽しめたし、ビリー・クリスタルの役もぴったりで、気楽に安心して見る事ができた。 7点(2004-10-05 16:10:24) |
469. ウォーターワールド
悪名高き本作、ケビン・コスナー好きとしては何とか高評価をと思って見たが…。オープニングのユニバーサル地球儀からそのまま導入する辺りはなかなかおもしろい。が、その後のシーンとか、登場人物とか、全体の雰囲気が汚い!荒廃した世界だからと言ってもちょっと引いてしまう。更に主人公を含め、全ての登場人物に魅力が無く、感情移入できない。好感が持てない。特に主人公が、無口で粗野で、心が狭い。孤独な生活がそうさせたにしても、それがあまり伝わってこない。主人公を好きになれないのは致命傷。世界観は「未来少年コナン」にちょっと似ていると思ったが、主人公がこれじゃあ…。急にいい人になるのも不自然に感じた。また、戦闘シーンは、何だかわけの分からない道具をガチャガチャとやって、もう着いていけない。確かにセットはすごいと思うけど、それが裏目に出てしまった典型。音響、美術、装置、どれも決して悪くはないのだが、駄作と言われてしまうのは致し方ない。 3点(2004-09-22 09:40:53)(良:1票) |
470. ポルターガイスト(1982)
へぇ~、点数低いんですねぇ!「ホラー」としてはこんな点になるのかな。でもスピルバーグらしいファンタジーだと思ってみるとアラ不思議。なかなかすごいですよ!そう思うのは少数ですか…。ん~確かにホラーにしては怖くない、ファンタジーにしてはグロい。そこが敗因ですかね。でもこういうの個人的に好きです。あまりオドロオドロしいホラーはちょっとダメなんで。ラスト、あんなインパクトの強いおばちゃんに除霊してもらったのになぜ?と思いますが、どうでもいいです。死霊のカーニバルっつー感じで。お母さんもすごくいいです。昔のドリフ思い出しました。 9点(2004-09-16 17:11:33) |
471. 刑事ジョン・ブック/目撃者
邦タイトルからして、ありがちな「刑事もの」「推理もの」を想像して拝見。前半はサスペンスタッチで予想通りかそれ以上の出来栄え。怪しげな音楽と、事件が起こる前後などはかなりの緊張感を保っている。が、この作品が他の刑事ものとの違いを見せるのが、皆さんもおっしゃっているアーミッシュの村へ逃げ込んだ所からですね。ここでののんびりした雰囲気が賛否を分けるところだが、カーペンター・ハリソンも見れ、カーラジオでダンスするセクシー・ハリソンも見れるという、一粒で二度も三度もおいしい、お得感十分な作品になっている。それだけではハリソンのプロモになってしまいそうだが、ストーリーの方もしっかりしており、閉鎖的なアーミッシュの村と、同じく閉鎖的な警察内部という対比がおもしろい。その二つの社会の交わりは実際困難で、ラストの別れのシーンが切ない余韻を残している。 8点(2004-09-15 10:13:26)(良:1票) |
472. パッチ・アダムス
感動した。ロビン・ウィリアムズがホントぴったりはまり役で、彼が演るための作品だった。実在の人物がモデルだからと、リアリティや説得力を求めたり、ロビンの演技やパッチの存在などをウザいとか寒いとか言うのは、ここに出てくる学部長と同じですね。もっと“過度な情熱”をもって見ましょうよ。映画に対する情熱を。カリンの一件はちょっとどうかと思ったけど、やっぱりこれは映画(お話)だから。このくらいのサプライズはお約束かと思います。王道でしょう。 10点(2004-09-13 09:49:37) |
473. ハイ・フィデリティ
いえいえ、80年代の洋楽までしか聴いてませんが、とっても良かったですよ。こういうの好き。主人公がカメラ目線で本音を言ってくれるから分かりやすいし、だからこの雰囲気だけに浸れたってゆーか。余計なこと考えなくていい。「聞き流せる音楽がいい」ってロブが言ってた通り。あとジャック・ブラック、ほんと良かった。でも私、スティーヴィー・ワンダーの「Ⅰjust called to say Ⅰlove you」好きなんですけど…。 8点(2004-09-08 21:17:30) |
474. フォー・ウェディング
イギリス人ぶっちゃけ過ぎ。アメリカ女性キャリーもぶっちゃらけ過ぎ!奥ゆかしい日本女性といたしましては、しばしば苦笑してしまいました。ビーン牧師は笑えました。でもキャリーのぶっちゃらけを聞きながら、複雑な表情を見せるヒュー・グラントの演技は嫌いじゃない。いつも同じだけど。でも皆さんもおっしゃっているとおり、アンディ・マクダウェルは役にあっていませんね。もっとパンチが効いた女優がいい。て誰? 6点(2004-09-07 10:11:14) |
475. アウト・オブ・サイト
映像的な完成度はかなり高いと思う。1コマ1コマに気を使って、こだわりを持って作り上げている姿勢を感じる。音楽もかっこいい。しかし…。何だか薄っぺらなんだな。ドラマチックすぎる(都合よすぎる?)ストーリーと、スタイリッシュすぎる(狙いすぎる?)映像では、説得力の無い薄っぺらな物が出来上がってしまうってことか。暇つぶし程度にはいいが。もうちょっと短くてもいいかも。 6点(2004-09-04 17:31:15) |
476. ブラインド・デート
ブルース・ウィリスの本来の姿(?)が見られる点では見るべきかも。かねてから思うんですが、彼は正しくはこのポジションが妥当かと。しかし、ヤカモトの嫁を見た瞬間、この作品の「ポジション」が決まってしまいました(泣)。ダメだこりゃ。しかも「ヤカモト」って何だよ…。 4点(2004-08-30 21:16:50) |
477. ミス・ファイヤークラッカー
ここに出てくる人はみんなコンプレックスを持っている。「過去の傷」というよりはコンプレックス。外見的なものだったり、精神的なものだったり。がむしゃらにタップを踏み、赤いドレスにこだわるカーネルは、自分をさらけ出してコンプレックスを克服しようとするタイプ。レモンドロップが好きで、赤いドレスをこっそり隠すエレーンは、コンプレックスを隠し持つタイプ。正反対のようだけど、永遠の恵み=美を求める心は同じ。T.ロビンス扮するデルモントは言った。「人はなぜ生きているのか。」この作品をみて私が思うに、人はコンプレックスを克服する事に生きる活力を見出し、コンプレックスを互いに認め合える相手に出会うために生きているのではないか。そんなふうに思えた。なかなか素敵な作品です。 7点(2004-08-30 14:36:32)(良:1票) |
478. シャレード(1963)
普通にサスペンスとして観てみたら大間違い。ポップなコマ割りであれ~?ウォルター・マッソーが出てきた時点であーやっぱり!!ところがそのマッソーが…。で何だか裏切られっぱなしでした。娯楽エンターテインメントとして楽しめた。 6点(2004-08-03 14:11:30) |
479. 仄暗い水の底から
鈴木光司って本当に寛大な人だなぁって思う。ラストあんなに変えちゃっていいのか!? 4点(2004-08-03 13:53:43) |
480. 卒業(1967)
ラストシーンと主題歌があまりに有名で、何だか見た気になっていたが、実は一度も見たことがなかった。しかも、“青春ロマンス”なんて取り立てて見ようともしなかった。が開けてびっくり。斬新な映像と洒落たカット割り、また度々使われる沈黙で飽きさせず、しょうもないストーリー(失礼っ)にも関わらず目を奪われていた。わざとらしい、あざとい、逆にダサいなんて思われそうな冒険的映像は、まさにロビンソン夫人とベンの関係を象徴するようで、作品全体にあやしい空気を醸し出しているように思う。ひとり立ちし過ぎた例のラストシーンは「ラスト」ではなく、まして「ハッピーエンド」でもなく、ベンの現状打破、現実逃避願望による衝動的行動だったとは。以上、映像と結末の意外性にびっくりしたのでありました。音楽は言うまでもないが素晴らしい! 8点(2004-07-13 15:18:15)(良:1票) |