461. THE PROMISE/君への誓い
《ネタバレ》 このような歴史があった事は知らなかったのでそれを教えてくれた事は評価する。が、主演男女が不倫まがいの双方二股というどうしようもないメロドラマに萎える。他方、友人を救ったが故に徴兵され、仕舞には処刑される青年の誠実さが際立ち心が洗われる。クリスチャン・ベイルは骨のあるジャーナリストで二股にも目を瞑る大人の対応ではあったが、大局的に見れば「欧米的自由民主主義」の正義と「アジア的専制」の悪を訴えているだけの偏向報道をしていると言えなくもない。ラストでトルコの所業に類比するかのように真珠湾攻撃に立ち向かう話が挿入されてくるのが象徴的。でもその後の原爆投下の虐殺には触れず。歴史は勝者によって作られる事を痛感させられると共に、映画の役割についても考えさせられる。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-27 11:11:33) |
462. OK牧場の決斗
ガッツ石松のおかげ?で有名な本作だが、カーク・ダグラスはカッコイイものの、内容的には退屈。娼婦役の言動がどうしようもないのが印象的。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-10-25 12:58:54) |
463. スイス・アーミー・マン
今流行りの「総合的・俯瞰的」に見れば、無人島で絶望して死を選ぼうとしていた若者が「死者(?)」と出会う事により、生(性?)の喜びや生きる事の素晴らしさに目覚めるという実存主義系の結構ベタな話ではある。そこには「オナラ」をメインテーマとして「醜い自分」や「弱い自分」をさらけ出して生きる事の大切さに気づくという若者の成長・変化も盛り込まれており、ある意味王道系のストーリーでもある。描写としては諸々と下半身系の話が多いので、そういうのを毛嫌う人を排除する作品ではあるのだが、ある意味それが狙いというか、人間の生理的醜さを毛嫌う事への批判も込められているのだろう。それがラストの各々の反応に現れているように思える。気になったのはメニーの死因が事故死なのか自殺なのかハッキリしなかった事と、メニーの「役に立つ」モノ扱いが過剰であった事かな。ハンクが低脳・無能と父から罵られてきた事のアンチテーゼなのだろうが、これでは生きるためには「役に立つ」友人が必要であり、自分も「役に立つ」人間である必要があるというメッセージにも成りかねない。好意的に見れば「生きている」だけで、人の役に立てるという事が言いたいのかもしれないが、そもそも「役に立つ」必要があるのか?という疑問は残り続ける事に変わりはない。 [地上波(字幕)] 7点(2020-10-22 14:29:03) |
464. レッド・サン
《ネタバレ》 1870年頃の設定のようなので既に明治である。にもかかわらず、使節団が丁髷と羽織袴姿で刀振り回すというのはちょっと変な気もする。また、そういった外見だけではなく、武士道等の精神面もすんなり理解しちゃうブロンソンも、あくまでも現代人感覚であり、当時の人間にはなりきっていないように思える。と、アレコレ変な所があるのは娯楽作品だから仕方ないとしても、女性を登場させてしまったせいで、締りのない冗長な作品になってしまったのは残念。とはいえ、世界のミフネが名優相手に堂々と演技しているという点では貴重な作品ではあるので、そこだけを楽しむ分にはいいのかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-22 02:43:06) |
465. シンクロナイズドモンスター
都会生活に失敗して故郷にUターンした女と田舎でくすぶっているマイルドヤンキーな男とのマウンティング合戦。双方にコンプレックスがあるのだろうが、基本的には性差的な力関係がベースにあるのでフェミニズム的要素が強い。「シンクロ」は別として結構よくある話のような気もするし、テーマ的には中々面白いとは思うのだが、描き方が斬新過ぎてついていけない人が多いかもしれない。 [地上波(字幕)] 6点(2020-10-20 11:38:27) |
466. ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!
オープニングはよいし、程よい緊張感も続くので、物語全体としては悪くない。ただし、基本的に宝探し中心なので、アクション的にはやや物足りない。それにしてもこの手の話(敗軍の隠れ財産)って、終戦直後に大量の金塊が東京湾から発見されたりしてるし、現在でも山下財宝を捜し求めている人も居たりするし、古くは徳川埋蔵金伝説もあったりして、ある種定番ネタではあるけれど、そこに「希望」を見出す人は常にいるのかもしれない。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-10-19 11:24:22) |
467. バニー・レークは行方不明
《ネタバレ》 これだけ異常行動をする兄なら前科的なモノがあるだろうし、警察にもそれなりの情報があってもよさそうなはずだが、この時代では精神異常者でも排除されす、ちょっと変わった人程度の扱いで通常の社会生活が送れる、ある意味寛容な時代であったという事だろうか。とはいえ、兄妹共になんか怪しくて謎解きとしては終盤まではそれなりに楽しめる。ただし、警察はマトモに捜査もしてないし、こういうある種のドンデン返し系でオチの決着をつけるというのは、昔は斬新だったかもしれないが、現代ではサスペンスの脚本としてはもはや手抜きと評価されるようにも思える。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-18 13:08:43) |
468. トゥルーライズ
『T2』後のシュワルツネッガーブームが最高潮の時に製作された本作。911を経験してしまうと、イスラームによるテロを題材としてコメディ的アクション映画を製作するのはもう無理だろう。そういう意味では、今見ると悪く言えば古臭くてフザケタ作品だし、良く言えば古き良き90年代ならではの大らかで貴重な作品でもあるとは言える。尚、正味100分程度の放映なので40分程度カットでの視聴。 [地上波(吹替)] 5点(2020-10-17 17:55:57)(良:1票) |
469. PARKER/パーカー
所詮強盗犯ではあるんだが、犯罪者なりに筋を通したい不器用な主人公。ちょっと不死身すぎる気もするが。展開的には一見己の善に邁進しているように見えるものの、結局は盗品を換金して配ってるだけなので、善か悪かと言えば、悪ではあるよなあ。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-10-17 17:45:12) |
470. 山猫は眠らない
舞台設定・登場人物等が限られているため、全体的に引き締まった緊張感のある作品にはなっているが、2人の対立や和解の過程の描き方にもうちょっと丁寧さや盛り上がりが欲しかった。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-10-17 17:34:04) |
471. 眠狂四郎 勝負
《ネタバレ》 前作よりもニヒル度は増したように思えるが、女をノコノコ追いかけて毒盛られたり、風呂に入ったら裸で襲われて女に助けてもらうという間抜けな所があるし、加藤嘉とはコントをやるという結構お茶目な部分も。キャラとしてはこれぐらいが調度いいようにも思うが、これからさらにニヒル度が増していくんだろうか?それはそれで楽しみではあるが。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-16 17:09:27) |
472. 2012(2009)
これは一見コメディのようにも思えるが、人類滅亡も非現実的ではなくなってきている昨今では結構風刺が効いているようにも思える。尚、正味100分程度の放映なので60分程度カットで視聴。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-10-16 02:45:31) |
473. ホワイト・ラブ
ストーリー的には疑問があるが、山口百恵の20歳とは思えぬ何とも言えない雰囲気はよい。40年前の東京の街並みはイガイと古臭い事に気づかされる。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2020-10-15 12:50:09) |
474. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 宝探し系の物語でロードムービー的な要素もあるし、登場人物も3人に限られるのでストーリーにも締まりがあって、前作よりもいい。ただし、正味100分程度の放送だったので、80分程度カットされているようであるが。尚、線路で手錠を切断するというのは『網走番外地』に同じシーンがあったように記憶しているが、製作はこっちが後なのでパクったのだろうか? [地上波(吹替)] 5点(2020-10-14 16:13:59) |
475. グリーン・カード
グリーン・カードというものの存在(名称)はこの映画がきっかけで知った覚えがある。映画を見た記憶はないのだが、話題にはなっていたのだろう。今見ると内容のほうは80年代のテイストが残る定番ラブコメといった感じで少々古臭さはある。個々のキャラは立っているものの、両者が惹かれあう過程の描き方が弱いのでラストの展開が唐突な印象を受ける。危機を経験し一時的に盛り上がってしまったと考えればよいのかもしれないが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-10-13 12:39:06) |
476. SAFE/セイフ
ジェイソン・ステイサムの陰鬱で不器用な感じは中々よい。マフィア&悪徳警察に追われる少女を守るというプロットは『レオン』に似てなくもない。が、この天才中国人のヒロイン?はウェットで可愛げのあったナタリー・ポートマンに比べると不細工で捻くれ者ではある。とは言え、何とも言えない存在感があり、ドライなジェイソン・ステイサムのテイストにマッチしていて、ロリコン臭のない迷コンビにはなっており、独特の世界観がある。 [地上波(吹替)] 6点(2020-10-12 22:43:03)(良:1票) |
477. エデンの東(1955)
初見は中学時代だが、よく理解できず退屈に感じた記憶が。で、数十年ぶりに再見。聖書がベースの物語で、親子・兄弟・男女の葛藤が盛り込まれいて人間ドラマとしてよくできている。善良で純粋な父と兄、その反対の母と弟、両者の間を揺れ動く兄の恋人。善良で純粋な人間の負の側面が悪意のない主人公のジェームズ・ディーンにより無意識ながらも暴かれていく過程が見所であり、生きることの難しさを感じさせる。が、理想主義者にとっては少々後味の悪い救いのない作品ではある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-12 12:12:36) |
478. 眠狂四郎 殺法帖
シリーズについてはよく知らないのだが、イガイと勧善懲悪な印象。これからニヒルな世界観になっていくのか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-11 17:07:40) |
479. 007/ゴールデンアイ
冷戦終結(ソ連崩壊)、女性の自立(スキルやパワーを持ちボンドと対等化or敵対化する2人のボンドガール)、ネット社会の到来(プログラマーの活躍、サイバーテロ)等、時代の転換を感じさせる。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-10-07 12:13:20) |
480. 7つの贈り物
《ネタバレ》 自身の過失により生きる望みを失った主人公ではあるが、「善人」に臓器提供したいという欲求を持っているというのは興味深い。世の役に立って死にたいという事なのだろうし、それが贖罪になると考えているのかもしれないが、「善人」の判定はあくまでも自己の価値観に基づくものであり、ここに違和感がある。どうせやるなら臓器提供相手は神の意思に委ねるべきではないだろうか。しかし、世の役に立つ方法はいくらでもあるハズで、交通事故防止キャンペーンに積極的に参加するとか、カネを稼いで交通事故被害者支援に寄付するとか、優秀なエンジニアなら事故が起き難い車を開発するとか・・・。その他、困難に立ち向かいながらも強く生きようとする人々との新たな出会いによって生きる望みを取り戻すとかいくらでも前向きな展開は考えられるハズだが、これではあまりにも救いがなく、臓器提供を理由に自殺を美化するような展開にも疑問がある。 [地上波(吹替)] 3点(2020-10-06 13:22:03) |