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プロフィール
コメント数 2305
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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461.  阿修羅少女(アシュラガール) BLOOD-C 異聞 《ネタバレ》 
ビジュアルイメージ(ポスターやDVDパッケージ)の感じでは、てっきり『食べ放題焼き肉』だと思ったんです。90分2,980円也の庶民派グルメ。勿論求めるのは質より量であります。和牛なんて贅沢は言いませんから、兎に角お腹いっぱい頂きたいのです。セーラー服美少女によるソードアクションを。ところがお通しが止まりません。筑前煮、山菜のごま和え、ほうれん草のおひたし。渋い和食が次々と提供されます。もはやお通しで満腹状態。時間制限間際でやっとお肉にありつけると思ったら、成型肉ばかり。何なのでしょう、この不完全燃焼感は。キャストは無駄に豪華でした。古田新太に、坂井真紀、水野美紀、田中要次ら、名実兼ね揃えた役者を脇に備えています。芸達者を使って物語の外堀を埋めたり、ほじくったり、よく分からない、そしてそもそもあまり興味がない(失礼)ドラマを延々と見せらます。やっとお目当てのチャンバラが始まったと思ったら、お約束感あふれる一昔前のTVドラマのような殺陣ときました。しかも夜なので視認性がすこぶる悪いワケです。明らかに安普請でフラストレーションが溜まります。要するに、お金と労力をかける部分が違うぞと。そもそも、焼き肉じゃなくて、和食小料理屋じゃないかと。もっとも勝手に勘違いしたお前が悪いと言われれば、返す言葉もありません。確かにDVDパッケージでは、女の子が日本刀を持ってなかったんですよねえ。blood-cシリーズなのに。そこで気付くべきだったのでしょう。自分まだまだB級映画道の修行が足りないようです。
[DVD(邦画)] 5点(2019-09-10 18:23:28)
462.  斉木楠雄のΨ難 《ネタバレ》 
山崎賢人の(心の中で)ツッコミまSHOW(あるいは橋本環奈の変顔で自惚れ妄想しまSHOW)。山崎のツッコミにフレーズの面白さやトリッキーさはないものの、タイミングと的確さは抜群。笑いのテンションの低さは『おぎやはぎ』を彷彿とさせるもの。それはまあ観ていて楽しいです。ただ、いつもの福田コメディの面白さではなかった気もします。あまりに一本調子。あの手、この手で、笑いを取りに来る福田監督の流儀とは違いました。石像の中の兵馬俑とか、ブッ飛んだヤツをもっと頂戴よという感じ。それに、福田組常連の芸達者さんの活躍をもっと観たかったですね。そんな中、一人気を吐いたのは賀来賢人。どこまでがアドリブなんでしょ笑。
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-06 21:04:57)
463.  ヒッチハイク(1976) 《ネタバレ》 
終始流れている陽気?呑気?なBGMや、粗い描写や展開につき(何せ拳銃の弾が当たること当たること!)、厄災型クライムサスペンスにあるべき悲壮感や絶望感が相当に目減りしています。これがイタリア式サスペンスの味でしょうか。言い方は悪いですが、エンタメ志向のシチュエーションAVを観ているようでした。主演の女優さんも元衆議院議員の金子恵美似のキツメの美人さんですし。そのため胸糞な内容の割には『見易い』との印象を受けます。サスペンス映画に対して褒め言葉にはなっていないかと思いますけども。ストーリーの方は、王道の監禁逃亡劇から一転、最後の最後に意外な展開を見せます。これまた超胸糞ではあるのですが、それまでのフリ(伏線)が効いているので、怒りよりも納得感が勝るばかりか”座布団一枚”なオチまで用意されています。それにしても、DVDパッケージのネタバレは酷いです。
[インターネット(字幕)] 7点(2019-08-25 18:55:29)
464.  麻雀放浪記2020 《ネタバレ》 
主人公は何故麻雀を打つのでしょう。金を稼ぐため?スリルを味わいたいから?一番の目的は、自身の存在意義のため。破滅の危険をおかしてまで、いや破滅と裏返しの勝ちだからこそ手に入るもの。それが自己承認(自己肯定)です。ヒトに本質的に備わっている欲求のひとつ。敗戦直後という社会情勢も、彼の境遇・心情とリンクします。博打打ちは、博打に勝つことで、己が生きる証を手に入れます。さて、そんな坊や哲が2020年にタイムスリップした意味を考えたとき、そこに”何者か“の意思があるような気がしてなりません。哲が戦うのは、あらゆる分野でヒトを凌駕する能力を見せ始めた人工知能。麻雀オリンピックとは、現在地球の覇者である人類と、最強挑戦者AIとの、次の覇権及び種の存続を掛けた戦いと見てとれます。”何者か“が仕組んだ世紀の一戦です。知性も理性も無いただの”博打狂い“が人類を代表するんですよ。これを『屈辱』と捉えるか、『納得』と捉えるか、はたまた『浪漫』と考えるか、非常に悩ましいところではありますが。果たして頂上決戦は、イカサマで人類の勝利に終わりました。今までも人類はこうして生存競争を勝ち抜いて来たのです。ただし、この敗戦でAIも学習したことでしょう。早速時空を越えて、宿敵が居るアウェイの地にまでやって来た模様。リベンジマッチで再び人類は最強挑戦者を退けることは出来るのでしょうか??テーマの重厚さからSF様式まで、なかなか本格志向です。にも関わらず、ハイセンスと見紛う行き過ぎた悪ふざけが、作品の本質を覆い隠すばかり。勿体なくもあり、それが本作のスタイルでもあり。評するに難しい映画であります。
[DVD(邦画)] 6点(2019-08-20 19:54:33)
465.  天気の子 《ネタバレ》 
極めて純粋なボーイミーツガールという点では、大ヒット作である前作と何ら相違はありません。また、2人の恋の障害が、恋敵等の対人ではなく、人智が及ばね天災に由来することや、それを意思の力で乗り越えて行く部分も。瀧くん三葉さんがゲスト出演していることも含めて『君の名は。』と本作は、テーマや世界観を共有する姉妹作品(または二部作)と捉えて良さそうです。ただし優等生タイプの『君の名は。』と比較すると、本作は随分不良と言えるでしょう。主人公は家出し、拳銃を人 に向け、警察に追われ、きっと所得税も払っていません(苦笑)。高い倫理観を求められ、教育的であることを是とし、損得勘定が優先される今日のご時世からは、まるでかけ離れています。要するに行儀が良くないのです。しかし、だからこそ、私は本作を支持します。”古き良き”なんて概念はそもそも幻想ですし、懐古趣味は持ち合わせていないつもりですが、かつて存在した”ある種の奔放さ”には、確実に意味があったと考えます。それはドラマにおいてリアリティより優先されること。物語の本質を際立たせる効果です。法を犯してでも、世界を壊してでも、守りたい人がいる。その強烈なメッセージを前にして、リアリティ云々だとか、理性や正義がどうかなんて、些細な事ではないですか。少なくとも、アンパンチに注文をつけるより、花形満がスポーツカーを乗り回しても笑って済ませられる方が、遥かに健全な娯楽の在り方だとも思います。何より、大人になることを恐れる子供が増えている最中、早く大人になりたい子供が主人公なんて、どんなに素敵なことでしょう。今回は小4次女に付き合って劇場鑑賞しましたが、特大の当たりを引いた気分です。『君の名は。』も素晴らしかったですが、私の中ではイレギュラー扱いでした。そろそろ新海監督を本気で認めなくてはいけないようです。
[映画館(邦画)] 9点(2019-08-17 21:23:09)
466.  ゴーストスクワッド 《ネタバレ》 
聞くところによると、本作は実在の事件にインスパイアされた作品とのこと。監督は作品を通じて被害者の心情を代弁したかったそう。スタンスは極めてシリアスなワケです。問題は、井口監督のアクの強い作風。いやハッキリと言いましょう。グロくて、汚ならしくて、下品で、悪ふざけが過ぎる監督のやり口と、制作の志が合うかどうか。普通に考えれば絶対無理なのですが、奇跡的な化学反応が起これば傑作が生まれる可能性はあったと考えます。生ハムメロンとか、納豆カレーみたいに(すみません。生ハムメロンの良さは分かりませんが、カレーライスに納豆は合います!)。私は決して井口監督のファンではありませんが(失礼)、不本意ながら監督の力量は認めています(またまた失礼)。実際『スレイブマン』には撃ち抜かれていますし。ただ残念なことに、というか至極当然に、ミスマッチは解消されませんでした。最大の失策は事件に対する踏み込みが甘かったこと。やはり復讐物語を描くのであれば(完全フィクションで充分なので)、被害者の痛みや苦しみ、無念さを観客へきちんと伝える必要がありました。最重要ポイントを蔑ろにしたために、いつもの監督の味(下世話風グロ味)だけが勝る結果となってしまいました。(以下多分書かない方が良い余談。だって私に得は無いので) キャスティングをNGT48荻野由佳、尼神インター誠子、上島竜平さんに所々差し替えたとしても、私は違いに気付かない自信があります。
[DVD(邦画)] 5点(2019-08-16 10:24:29)
467.  ニセコイ 《ネタバレ》 
女マンガ原作(ですよね?)映画を観るのは久しぶり。多分『ラブ★コン』(主演:小池徹平・藤澤恵麻)以来のはず。オッサンターゲットのジャンルではありませんし、至極当然ではあるのですが。という訳で、お得意様以外の客層の戯言など参考にならないでしょうが、一応感想を。体裁は、ザ・ラブコメと言うべき王道設定にキャラクター造形です。どちらも随分現実離れしてはおりますが、それも含めてコメディと割り切れば問題ありません。大袈裟なテロップを多用する演出手法は、少女マンガというより少年マンガ(あるいはギャートルズ)的で、これまた当ジャンル作品の常套手段かと。何から何までベタなつくりです。これを『定番』と取るか『工夫が無い』と取るかで印象は変わりそうですが、私は前者と判断しました。結構ぐっと来るシーンもあるんですよ。クライマックスのロミジュリなんか、痴話喧嘩が微笑ましくて、それでいて切ないんです。みんな、他人を思いやれるイイ奴らなんだよなあ。報われない小野寺ちゃん、辛いよなあ。ラブコメの肝は、笑いより恋の切なさなのであります。中島君も上手いですし、中条さんの存在感は圧倒的。この手の映画にアレルギーが無ければ手堅く楽しめると思います。※以下オッサンの無粋な考察。中島君にしてみれば、寿司かステーキかみたいな究極の選択だったでしょうが(失礼)、端からみれば答えは一択です。そう、正解はもちろんあやみ千棘ちゃん。堅気のお嬢さんとは上手くいくはずないですもん。それくらい、反社会的勢力に対する風当たりは尋常じゃないんです、実際のところ。ただし子は親を選べないワケで、得も言われぬやるせなさを感じる次第です。
[DVD(邦画)] 7点(2019-08-10 13:29:29)
468.  旅のおわり世界のはじまり 《ネタバレ》 
言葉で語らず、情景で観客に問い掛ける、これぞ黒沢清作品の真骨頂。お馴染みサスペンスミステリーでも、ホラーでも、難解映画でもありませんが、計算し尽くされています。注意深く観察し想像力を働かせながらご覧になると、きっと楽しめると思います。以下は私なりの勝手解釈。お時間あればお目通しください。   小柄で華奢、幼さを残した表情の中に垣間見える疲労と苛立ち。見た目どおり、主人公のパーソナリティは子供以上大人未満です。そんな葉子の現在地を前田敦子が見事に体現しています。彼女のキャスティングは、まさに神レベルでした。流石元祖神7。歌手になる夢を持ちながら、今は足踏み状態でイライラ。本当は目標に真っ直ぐ向かいたい性分なのです。だから道無き道もなんのその。行き方(生き方)が分からないなら、アドバイスをもらえばいいのに、妙なプライドが邪魔をします。無理なら断るのも勇気。助けてもらうのは恥ですか?独り善がりな判断で行動し大失敗、挙げ句逃避なんて馬鹿丸出しです。自分の中の浅い知識、狭い了見だけで完結しようとするから空回り、行き詰まりを繰り返します。彼女の内面はまだ幼いのです。その端的なエピソードは、やはり山羊解放でしょう。家畜に自身を投影し、野に逃がして自由だバンザイなんて、そんなアホな。でもラスト、野犬の餌食との予想を覆し、山羊ちゃんは野生下で逞しく生きていました。これが意味するのは一体何でしょうか?常識が正しいと決めつけるのは、もしかしたら大人の悪い癖かもしれません。行動力だけは人一倍。それは紛れもなく彼女の長所です。間違いを犯し、恐怖を覚え、恥をかき、己が無力さを知り、人は成長していきます。経験は宝。行動することを恐れてはいけません。そして導いてくれる人生の先輩に感謝する事も。監督は彼女の未熟さを肯定してくれている気がしました。正確なタイトルは、『(子供の)旅のおわり(大人の)世界のはじまり』です。以下余談。ローカル遊園地のアトラクションが半端なくヤバそうで身震いしました。あれ演出なしで実在するなら、死人が出てもおかしくないような。ウズベキスタンの遊具恐るべし。
[映画館(邦画)] 8点(2019-08-04 17:16:09)(良:1票)
469.  三十路女はロマンチックな夢を見るか? 《ネタバレ》 
本文激しくネタバレしております。未見の方はご注意ください。  クライムサスペンス+ヒューマンドラマ。前者の感想から。おそらく観客から総ツッコミが入るのは、強盗犯がアホだということ(良く言えば人がいい)。3人組が主人公宅に押し入るワケですが、余裕で逃げられます。もちろんそれで即御用では物語にならないので、主人公が“ある思惑”を持って強盗犯と行動を共にするという仕立て。主人公の行動原理で、まずミスリードが働きます。退屈な日常からの逃避。この部分はOKでしょう。ただし注文が付くのは、彼女の素性に関するヒント。単に“仕事に遣り甲斐を見いだせない公務員”で十分でした。何故に制服姿の同僚まで映してしまうのでしょうか。『どんでん返し』におけるヒントは細心の注意と計算が必要です。この致命的なミステイクで、『どんでん返し』の予備知識がある観客は結末を察してしまいますし、そうでない観客でも衝撃は各段に弱まってしまいます。ミステリーの手際は“バカ正直過ぎて下手”との印象です。次にヒューマンドラマパートについて。テーマは“夢を取り戻せ”(予告編より)。何だか某世紀末救世主伝説のテーマを思い起こさせるフレーズですが、これまた『何だかなあ』という感じ(阿藤快の口調で再生希望)。かくいう私も主人公と同じくチャレンジせず夢破れた組なので偉そうなことは言えませんが、生きてりゃ何かありますって。日常って意外とスリリングですよ。いろんな体験なり感情なりを咀嚼しながら、日々自分の人生を作っていくんです。主人公がこの刺激的な体験を通じた“自己改革”で導き出した答え=タイトル『ロマンチックな夢』を叶えた結末を否定する気は毛頭ありませんが、表層的で安易な着地点ゆえ『何だかなあ』と思ってしまうのです。ロマンチックって、もっと広い意味で考えて良いんじゃないかなあ。三十路ならではの経験値と視点をもってさ。
[DVD(邦画)] 5点(2019-07-30 18:55:41)(良:1票)
470.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 
まるで『黄昏○星群』のような・・・(本文いきなりネタバレしております。未見の方はご注意ください。)   主人公を欺く騙しのテクニックも去ることながら、それ以上に感心させられるのは『映画作品』としてのミスリードが素晴らしいこと。当初観客が思い描くのは、人生をしくじった男女2人の『人生再生』をテーマとした純愛ストーリー。『オートマタの修復』や『バスタブの水に潜る』は、生まれ変わりのメタファーと認識させられます。おそらく映画を見慣れた人ほど、この映画的技法のトラップにはまる事でしょう。超人的な記憶力を持つ小人症の女性にしてもそう。優れた記憶力や、定位置で屋敷を観察し続ける彼女の存在は、物語上の伏線のひとつであることは明白ですが、その特異なキャラクターゆえ、かえってラブストリー上の役目が見出せません。ですから種明かしで膝を打ち、得も言われぬ快感を覚えるワケです。小人症の彼女こそが『オートマタ』復元における最後のパーツ。しかもそれは『人生再生』などではなく『完璧な嘘』の象徴にすり替わると。いやー本当に凄い。感心します。何から何まで全部ウソ。そう、主人公の人生さえも。アンティーク鑑定士としての目利きは超が付く一流でも、人間を見る目は節穴だった哀れな男。それもそのはず。能力は鍛えて身につくもの。彼が詐欺一味の正体を見破れなかったのは、人生勉強を怠ってきたツケに他なりません。職業人としても不誠実であった彼は、一流とは程遠い三流のペテン師だったと言わざるを得ません。さて、“いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む”について。ラスト、彼はクレアの言葉を頼りに彼女思い出の食堂『ナイト&デイ』に赴きます。さてこれは嘘の中の真実か、否か。仮に真実だとして、オールドマンは彼女にどんな言葉を投げかけるつもりなのでしょう。もっとも、その言葉を選ぶ時間は存分にありそうですが。鑑賞後の後味の苦々しさ、虚脱感はなかなかのもの。自分は今どんな感情なのか見失うほど困惑させられます。これもまた人生の醍醐味。楽しい映画でも感動作でもありませんが、職人が丁寧に仕立て上げた極上のアンティーク家具のような趣があります。本物の映画を観たなという気にさせられます。
[DVD(吹替)] 9点(2019-07-25 22:25:00)
471.  二流小説家 シリアリスト 《ネタバレ》 
『必ずあなたも騙される』は、一体何に対して?というのが正直な感想。エンドロールが始まっても、まだ何かあるの?と懐疑的でした。ご指摘のレビュワー様もおられるように、まさにTV2時間サスペンスなら上出来。映画ならイマイチのレベル。それにしても驚いたのは、本作を私が登録要望していたこと。全く記憶にございません。公開当時、何か惹かれるものがあったのでしょうか。これが一番のミステリーだったりして。
[DVD(邦画)] 5点(2019-07-20 19:29:43)
472.  時時巡りエブリデイ 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。鑑賞後にお目通し頂けると嬉しいです。  善意のいし(石と意思)の力でタイムリープ。最短15分~のショートレンジですが、手軽に人生をやり直せます。ただし、連続リープは不可。また利己的な理由(例:金儲け)でのリテイクは大変なしっぺ返しを受けるのでご法度(ここ最重要ポイント!)。タイムリープの源となる石ころは、物理的に減っていくので無限にやり直しが出来ないこと、また主人公以外もタイムリープ出来てしまうところがミソ。制約付きの「こじんまり」した設定ゆえ、タイムトラベルものとしてのスペクタクルは皆無ですがSF的な充足感は十二分で、人生の機敏が味わえる不思議なドラマに仕上がっています(各キャラクターの後日談が垣間見えるエンドクレジットは必見です!)。さて、終盤怒涛のカオス展開について。明らかに妄想・幻想の類に思えますが、ここは視点を変えてみる事をお勧めします。個人単位のミクロの視点から、地球や宇宙単位のマクロの視点へ。そもそも善意の石は何処にあったのでしょう。意思があるのは人間だけでしょうか。もしかしたら時々感じるデジャブって・・・いやいや、なかなかどうして立派にSF、堂々と哲学ですよ。しかしながら本作最大の魅力は、コメディパートに違いありません。主人公・美鳥(鳥居みゆき)が既に破壊力抜群の飛び道工なれど、彼女を取り巻く一癖も二癖もあるサブキャラクターの皆さんが良い味出しまくりでニヤケまくりでした。特にお気に入りは、アゴなし“ペッシ”広子に、ライクア“ホラーヒロイン”婆さん、そして“ザ・イーグルアイ”安藤兄弟のデブ(弟の方)。見事に劇薬級ばかり。あの鳥居みゆきと存在感でタメを張ります。絶妙な空気感とワードセンス、そして先制攻撃上等のハードヒッティングなラブコメで、久々にドストライクに笑えました。こういう映画に当たると、役者に求められるのは演技力より役作り、作品に必要なのは制作費より企画力と再認識させられます。期待していなかった為、完全に不意を突かれました。掘り出し物のグッドSF、ナイスコメディ。素晴らしかった! 以下余談。広子役の仁後亜由美さん。お笑いコンビ『フタリシズカ』の女芸人の方だとばかり思っておりましたが、調べたところ女優さんでした。『かしこい狗は、吠えずに笑う』にも出演されていたそうで。・・・大変失礼いたしました。
[DVD(邦画)] 8点(2019-07-15 07:59:21)
473.  パージ:大統領令 《ネタバレ》 
パージ反対派の大統領候補が、大統領選を目前に控えたパージの夜にパージ推進派である与党から命を狙われる続編。3作目ならではの切り口です。安全なシェルターに逃げ込んでいては、民衆の支持は得られない。だから私は自宅でパージを過ごす。命を賭けなければ、社会の仕組みを変えることなど出来ないのだから。なるほど説得力があります。で、案の定、大統領候補は命を懸ける羽目になると。SPの裏切り~逃走~敵ボスとの直接対決まで、ほぼ期待を裏切らぬ展開です。なお“あり得ない”漫画のような設定なので、リアリティ云々の指摘は差し控えますが、パージ終了のサイレンだけは入れてもらわないと何だか締まりません。“恐怖の12時間”という時限設定が肝の映画であることをお忘れなく。後味は良く、そこそこカタルシスも得られますし、2作目の主人公が続投している点はプラス要素と考えますので及第点の続編と判断しました。さて、4作目はあるのでしょうか?後日談としての続編は、本作の価値を下げることに直結しますので止めて欲しいのですが。果たして?
[DVD(吹替)] 6点(2019-07-10 19:27:10)(良:1票)
474.  31 《ネタバレ》 
正真正銘の『クソ映画』。残念ながら褒める要素は見当たりません。サスペンスとしても、ホラーとしても「何だこりゃ」としか。
[DVD(字幕)] 2点(2019-07-05 19:50:13)
475.  検察側の罪人 《ネタバレ》 
法で裁けない罪人を私刑に処すという考え方自体は(それが許されるかどうかは別にして)理解出来ます。『必殺仕事人』制度。いわゆる主水スタイルですね。本作の場合も、口パッツ男・松重がかつて犯した罪を告白した時点で、仕事人に任せれば良かったワケです。主人公には裏社会へのコネもありました。しかし、彼はそれを良しとせず、別件の罪を着せてまで司法の力でヤツを裁くことに拘りました。何故でしょうか。ただ殺すのでは生ぬるい?それも確かにあるでしょう。しかしそれ以上に、自らの力(検察官の立場)で憎い奴に鉄槌を下すことに魅力を感じたのでしょう。何の事は無い。単に公権力を使った私刑です。この場合、困るのは現在捜査中の事件の犯人の処遇。そうだ、こちらの事件の犯人は俺が殺しちゃおう。有力容疑者が消えれば松重を犯人に仕立て上げられるし、真犯人にも罰を与えられる。一石二鳥じゃん、と。傍からみれば無茶苦茶な理論です。公私混同もいいところ。検察官が持つスペシャルな権力と「正義」という魅惑的な概念が、主人公を狂わせたと考えられます。実はこれ、誰の身の上にも起こり得る事象です。『業務上横領』が発生する構造と同じ。“慣れ”とは本当に怖いことです。ですからドラマの肝は、主人公が“超えてはならぬ一線を超える心理経過”にあったワケですが、物語上の処理は実に淡泊で、あれよあれよと言う間に主人公は罪を重ねていきます。残念ながら物足りません。これは“既に主人公が壊れていた証”とも言えますが、置いてけぼりを食らった感覚は拭えません。何気にスゴイと思うのは、木村拓哉の代表作『HERO』久利生公平のイメージをスポイルする可能性がある本作を、キムタクが引き受けたということ。一昔前の映画俳優なら絶対にNGだったでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-06-30 17:58:01)
476.  ジョン・ウィック 《ネタバレ》 
『復讐もの』と耳にしておりましたが、敵討ちに伴うカタルシスはありません。愛車と愛犬を奪われた主人公が、単純にブチ切れただけに見えます。多少穿った見方をするなら、この機会をいいことに本来自分が居るべき“闇の世界”に戻ったという感じでしょうか。復讐劇というより、一般的な『クライムアクション』という括りの方が適当でしょう。さて、本作で致命的なのはジョン・ウィックのキャラクター。彼に、殺し屋としてのカリスマ性は感じられません。シュワちゃんやスタローンのような問答無用の肉体美もなければ、ジェイソン・ステイサムのようなキレキレな格闘スキルも、リーアム・ニーソンのような圧倒的な渋さもありません。何というか、要するに髭面のNEOなんです(特殊能力はナシね)。マフィアのボス曰く「あいつは必ず仕事をやり遂げる。鉛筆で3人殺したんだ」なんて煽り文句が出てきますが、鉛筆は立派に凶器ですし(ただしHB以上の硬さの場合)。確かに射撃能力は抜群ですが、いくらなんでも無双過ぎやしませんか?まるで桃太郎侍を観ているような錯覚を覚えました。それなら、それで、ジョンに早押ボタンを押させて「○リングルス!」くらい言わせればエンタメとして成立したと思いますが(嘘です。しません)、荒唐無稽なアクション続きでは本物のスリルを味わう事は出来ません。しかも彼、一度敵に捕まってましたよね。何故殺されなかったかって?そりゃ主人公だからですよ。2作も続編が創られるくらいですから、どこかに魅力はあるのでしょうが、私には解りませんでした。普通の映画です。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2019-06-25 17:59:49)(良:1票)
477.  ペンギン・ハイウェイ 《ネタバレ》 
『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』がホラーの看板を掲げた青春ドラマとするならば、本作もSFを纏ったジュブナイルと言えましょう。それにしてもSF設定が結構本格的なんですね。ファンタジー色が強めのようでいて、しっかりサイエンスしているところが気に入りました。“ペンギンで世界の穴を塞ぐ”という奇想天外かつロマン溢れる仕立てにも好奇心がくすぐられます。私のような物知らずにも丁寧に考え方のヒントを教授してくれているのも有難い限り(巾着袋の裏返しは実に解りやすい!)。予断なく、偏見なく、物事を観察することが研究の始まりなんですね。少年の成長物語としても、また王道のつくり。主人公がいささか出来過ぎ(良い子過ぎ)という気もしますが、無理矢理屈折させる必要もないですし、何より事象に真っ直ぐに向き合える素直さがなければ、世界を救うことは叶わなかったでしょう。世の中に誘惑や落とし穴は多いですが、彼には今の志を忘れないで欲しいものです。最後に蒼井優さん、ご結婚おめでとうございます。ご祝儀込みで8点進呈です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-06-20 19:28:20)
478.  トリガール! 《ネタバレ》 
スポ根青春ラブコメディの王道フォーマット。そつのないつくりで、大変楽しく観させていただきましたが、本作最大の魅力はやはり土屋太鳳さんにあります(断言します)。まさに魅力爆発!「何すか」の言い方が、もうたまらないです。ヤンデレ系とでも言うのでしょうか。彼女より美人でスタイルが良く、演技も上手い若手女優さんは沢山いると思いますが、彼女ほど“人間力”が高い方はそう居ないでしょう。比肩できるのは、吉岡里帆さんくらいかな。とにかく、土屋太鳳、恐るべしと。
[DVD(邦画)] 7点(2019-06-16 20:24:34)
479.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
前作『プロメテウス』は鑑賞済みながらも、あらすじは忘却の彼方(そんな方が多くて、ちょっと安心しましたが笑)。本作はちゃんとタイトルに『エイリアン』が入っていて良心的ですな。さて、何時の間にやらヒロイン(シガニー・ウィーバー)がエイリアンと戦うサスペンスホラーから、アンドロイドがエイリアンを使って人間を絶滅を目論む哲学アクションにシフトしたようでございます。王道SFという太い幹は揺るがないものの、ここまでテイストが変わるシリーズも珍しいのでは。これはこれで面白いとは思いますけども。以下余談。中川パラダイスが出演していたような…気のせいですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-10 20:18:50)
480.  プロメア 《ネタバレ》 
好きか嫌いかで言えば、好きなジャンルの映画で間違いありません。ドラッグ紛いの超ド級デフォルメアクション&音楽のハイパーミックスで、基本バカ映画。現に私は『マインド・ゲーム』や『キック・アス』に10点を付けているワケです。ただし、思いのほかノレ無かったなあというのが正直な思い。何故かと考えた時に、前述した同類映画との違いに気付きました。それは、手段と目的が入れ違っていること。キャラクターが魅力に欠けること。過激なデフォルメアクションは、あくまで物語の主題を届けるための手段。それ自体を目的にしては魅力半減です。また、愛すべきバカ映画で必須の、引力を有するキャラクターも見当たりませんでした。残念ながら、私のハートにはヒットせずと。繰り返しますが、嫌いな映画ではないんです。もっと面白くてもいいはずなのに!な映画。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-05 19:51:22)
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