481. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 キャストが一級でも、映像がダメ。その上、テンポが非常にのろくてだるい。何回か観るのやめようかと思いましたが、レビューするためにも最後まで頑張って観ました。何で同時多発的に複数の場所から出火するのか分からないし(電気系統から出火っつっても無理あるだろ!)、あんなふうに人に簡単に火はつかないし、爆発シーンだけはやたら派手だけどいかんせん迫力に欠けるし、煙の中なのになぜか前見えてるし、生き残るべくして生き残るし、死ぬべくして死ぬし、もう数えきれないくらい欠点の多い映画です。マックィーンもニューマンも、ほんとかっこいいし、アステアもいい味出してるし、群像劇としてはいいとこあるんですが、、、残念です。 それにしても、大体ここで平均点の高い映画には期待を裏切られないのですが、これは本当にダメでした。こんなこともあるから、面白いんですよね。今度は逆に平均点低い映画も観てみようかなと思いました。 [DVD(字幕)] 3点(2007-06-21 00:12:23) |
482. セルピコ
一言で言えば渋い!!今のところ、レビュー点が見事な得点の分布を平均以上のレベルでかたちづくっているところからも、一目瞭然。傑作ではない。でも、これは間違いなく佳作。野球で言えばセンター前ヒット。来た球をきっちりと打ち返している。まあ、でも、パチーノだから打ち返せたという感もある。珍しくホームランではなくヒット狙いの抑制された演技になっているところがまた良い。彼ほどの力量がない俳優がこれを演ったら、間違いなく恐ろしく退屈な映画になっていただろう。 [DVD(字幕)] 6点(2007-06-16 16:42:03) |
483. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 デンデン…「それ」は1匹の犬から始まった…デンデン…アメリカの南極調査隊を襲う恐怖…デンデン…次々と「同化」されていく仲間たち…デンデン…誰も見たことのない異形のクリーチャー…デンデン…鬼才ジョン・カーペンター監督作品…デンデン…カート・ラッセル主演…デンデン…デンデン…デンデン。ラストが秀逸だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2007-06-10 14:43:18) |
484. M★A★S★H/マッシュ
《ネタバレ》 最高にクールでイカした傑作映画!笑ってなきゃやってらんないよな。そうだよな。でも、まあ腕のいい医者だからできることなのかも。一兵卒であるサラリーマンの僕が会社でこんなことやらかしたら、瞬殺されるんだろうね。自由って素晴らしい!話に明確な筋が無いのとアメフトのシーンが冗長なのとで1点減点。他のアルトマン作品もチェックしなきゃ。 [DVD(字幕)] 9点(2007-06-10 02:07:33) |
485. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 ここでの評価の高さから、鑑賞後の清涼感に期待して観ました。確かに、よくできた青春映画で、とっても良かったと思います。けなげで一生懸命な真琴のキャラは、誰も否定できないでしょう。あと、何よりも日常描写がうまくて感心しました。高校生の頃、確かにこうだったなあとノスタルジックな気分に浸れました。が、最後の千昭の台詞「未来で待ってる」の一言の意味がよく分からない。野球ができないほど荒廃した未来(おそらく相当先かと。逆に近未来ならそれも怖いが。。。)から来た彼とは真琴は結局会えないんですよね?真琴が「未来で待ってて」と言って千昭を送り出す展開なら、切なくて意味も分かるんですが、千昭が「待ってる」って言ってもなあとか思っちゃいました。「あんた、会われへんのに約束していいの?」みたいな。そこの解釈で悶々としてて清涼感3割減です。何か見落としてるんかなあ? [DVD(邦画)] 7点(2007-06-09 18:26:22) |
486. 風の谷のナウシカ
《ネタバレ》 陳腐な反戦映画ほど嫌いなものはない。安易な比喩ほど観ていて腹立たしいものはない。でも、この映画は「ナウシカ」という絶対性を、ものの見事に描ききった時点で傑作なのである。戦士にして学者、強情にして繊細、大人にして子ども。背反する属性を一人格の中に全て包摂しつつ、それが自家撞着を起こしていない。まさに、アニメだからこそ創造できるキャラクターであろう。 「その者、青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし」。何だ、このあほくさいRPG的な言い回しは。でも、本当に青き衣をまとって金色の野に降り立った彼女を観て、僕は、ジャンヌダルクよりも聖女に近いなとか意味不明なことを口走ったのでした。そして、危うく二次元の世界に取り込まれてしまいそうになったのでした。できれば結婚したいが、住む次元が違うから痛恨の-1点。 [ビデオ(邦画)] 9点(2007-06-05 00:46:39)(良:2票) |
487. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 高校の頃観たら、「最高にクール」と感じたのだろうけど、もう大人なので、そこまでは言えません。ある意味で、ビンラディンより悪い奴かもしれない。理想論とは分かっていますが、こんな状況が打開されることを願って止みません。でも、一サラリーマンとして言わせていただければ、彼の仕事ぶりには惚れ惚れしますね。台詞まわしがまたイカしてる。映画としての出来は素晴らしく、予告編の期待を裏切らない良作かと存じます。 [DVD(字幕)] 8点(2007-06-03 23:57:53) |
488. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 長い映画で、確かに話の焦点が散漫と言えば言えないこともない。しかし、登場人物の個性も立ってるし、筋立てもよくできているし、アクションはハラハラするし、グロテスクなシーンも多いし(?)、良い映画だと思います。終盤の氷上のシーン以降は泣きっぱなしでした。 また、ジャック・ブラックの演技は主役を食っていたと思う。この人、ほんとうまいわ。 素直に映像技術の進歩を喜びたくなるそんな作品です。映画館で観なかったことを今更ながら激しく後悔。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-31 23:13:19) |
489. ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
《ネタバレ》 かなり楽しみにして臨んだ作品だけに、正直残念な部分もありました。話のストーリー性(?)を重要視するばかり、不必要な場面が多いこと、また、下ネタが多過ぎることなど。もっと、人種ネタ、差別ネタで面白くできたのではないかと。。。しかし、カザフスタン版のアメリカ国歌、ユダヤ人ネタ、男女差別ネタなど、PC面で笑えるネタはもちろんありました。旅したのは南部なのに、黒人ネタが少なかった(あるいはカットされたのか?)のが残念です。黄色人種・ヒスパニックネタもなかったしなあ。うーん、やはり期待が大きかっただけに厳しい評価になりがちですが、ここまでやれただけでもとりあえずその心意気や良しとすべきでしょうか。下品なのが大丈夫であれば、一見の価値はあると思います。 [映画館(字幕)] 5点(2007-05-27 00:29:08) |
490. ローマの休日
《ネタバレ》 僕は初対面の人と会うと、趣味の話をします。映画か本か音楽の話をします。本と音楽に関しては、趣味が合わないのもしょうがないかなと思います。しかし、映画だけは。少なくとも、この映画だけは、嫌いだという人とは友達になれない気がします。それ以上何について、どういう風に話せばいいか分からないからです。この映画を好きか嫌いかということは、それくらい僕にとっては重要です。人間の愛と成長をこれほどまでに美しく、そして楽しく切り取った作品を、僕は他に知りません。 「Rome, by all means, Rome!」。ペックと共に呆然。そして涙。 <追記>念願の映画館で鑑賞!オードリーが美しすぎて、ストーリーが楽しすぎて、ラストが感動的すぎて泣きました。何回観てもこのラストシーンは大好きです。 [DVD(字幕)] 10点(2007-05-21 00:18:45)(良:2票) |
491. ブラック・ダリア
《ネタバレ》 つかみは上々!何かノワールな「L.A.コンフィデンシャル」な感じで期待を煽られる。だが、少しずつ、少しずつ、あれれ?な感じになってくる。色々なことが起こっているようで、実際はあまり起こっていない。つまり、話が進展しない。ブランチャードがなぜダリア事件にあそこまで執着したのかもよく分からない。ブランチャードの妹が行方不明とか言ってたけど、それも本筋と何の関係があるのかよく分からない。終盤は、何かもうどうでもよくなっていた。あと、日本人的な意見で申し訳ないが、ブライカートとブランチャードって苗字が似すぎだと思う。 [DVD(字幕)] 3点(2007-05-20 14:14:18) |
492. グッドナイト&グッドラック
《ネタバレ》 優れたドキュメンタリーなのかもしれないが、少なくとも優れた映画とは言えないのではないか。アカ狩りに関しては、基礎的な知識しかもっていないが、それを超える新たな発見、感動はなかった。強いて言えば、マッカーシーの顔が分かるようになったくらい。また、マローが絶対善でマッカーシーは絶対悪として描かれているため、物語に深みがない。当時のアメリカにおいて、本当に共産主義は脅威となってはいなかったのか?マッカーシーの活動を通じて政府内部の共産主義の蔓延が暴かれた実態もあったのではないか?それを映した上で、冤罪や活動の行き過ぎを描かねば不公平ではないだろうか? 冷戦終了後に当時を批判することは容易い。改めて、現在のハリウッドで、アカ狩りが逆の意味で踏み絵と化していることを痛感した。エリア・カザン監督を評価できないハリウッド。これが全体主義でなくて何だろうか? [DVD(字幕)] 4点(2007-05-19 20:49:33) |
493. そして、ひと粒のひかり
うーん、真摯に麻薬問題と向き合い、丁寧に作っている印象はありますが、ヒロインをずっと追っていく視点は、若干退屈でした。たくさんヒロインのことを映している割には、伝わってくる情報量が少ないのがもどかしい。素材はいいのだが、薄味すぎる。話の筋+設定+演技-映画のつくり=6点!観て損はないレベルだと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-13 21:36:10) |
494. 禁じられた遊び(1952)
《ネタバレ》 深くて非常に重い物語。この映画はよく反戦映画と言われますが、戦争は背景に過ぎません。主人公たちの「遊び」にリアリティを持たせるための「道具」に過ぎません。ルネ・クレマン監督の意図は何も知りませんが、私はそう感じました。 私は、この映画が描いているのは、宗教と子供の関係性だと思います。宗教の世界は、大人たちの世界です。もちろん、子供のミシェルもお祈りも告白もしますが、その精神は理解できておらず、習慣に過ぎません。しかし、大人の信者は教義を理解し、それを実践する(少なくともしようとする)義務があるのではないでしょうか?ミシェルの家族は敬虔なクリスチャンですが、その生活は(滑稽さというオブラートに包まれてはいますが)不貞・暴力・憎悪・暗愚・嘘などに満ちています。彼らは決して「悪い」人間ではありません。だからこそ、宗教上の「罪」を犯し続ける彼らの姿は余計に哀しく映ります。 つまり、宗教はこの映画の中の大人を全く救えてはいません。この映画は、そのような環境を物語の背景に置くことで、子供の持つ純粋さを効果的に描いています。子供は大人(宗教)に戦いを挑み、敗北します。だが、彼らの「貴さ」は宗教の「聖性」を遥かに凌駕して、より深く私たちの心に訴えかけます。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-12 19:28:21) |
495. ブラックブック
《ネタバレ》 大傑作「スターシップトゥルーパーズ」で出会って以来、気になっていたバーホーベン監督。今回は、SF系ではなくて、歴史ドラマだそうで、でもどうせありがちなホロコースト映画にはならないんだろうなと期待して観ました。 結果は、「満足」の一言。SFのぶっ飛んだ感じはないが、映画のつくりとしてかっちり出来上がっていて、なおかつ監督のエログロ的要素も垣間見えるあたりのバランス感は絶妙です。「いい『映画』を観たなあ」と満足感に浸れる点は、作風はぜんぜん違うけれど、イーストウッド監督作品の感想とも共通します。バーホーベン監督の底力が見えた気がします。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-06 22:55:25) |
496. ラストキング・オブ・スコットランド
《ネタバレ》 「フォレスト・ウィテカーの怪演!」ということで観に行ったのですが、主人公を演じるマカヴォイ(言われてみればタムナスさん!!)の虚栄心に取り付かれたお気楽青年ぶりがリアルでよかったです。そりゃあれだけ重用されれば、うかれちゃうわな。それにしてもスコットランドを引き合いに出して、自分を正当化するアミンのセンスはすごい。良くも悪くも(極端に悪いが)非凡。 筋立てに無理な点もありますが、佳作だと思います。「人間、浮かれちゃダメなんですね」と勉強にもなりました。残虐シーンが多少ありますので、苦手な方はご用心。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-02 00:29:59) |