501. リーサル・ウェポン
名コンビが誕生した記念すべき1作目。主人公マーティン・リッグスは自殺願望がありながらも、どこかお茶目なところがあり、この時点ではイマイチつかみどころがない感じ。「4」まで見終わったあとで振り返ると、「1」のマーティンが最もクレイジーで、リーサル・ウェポン(人間兵器)の名にふさわしいか。後作に比べればやや地味な面もあるが、楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-09 23:39:37) |
502. 小説吉田学校
《ネタバレ》 <原作未読>森繁久彌の吉田茂、ハマってるな~。鳩山一郎、池田勇人、佐藤栄作なども雰囲気あるし、キャスティングは上出来。サンフランシスコ講和条約締結まではモノクロなのに、三木武吉との対立が中心になるパートではカラーに切り替わる演出も面白い。さらにストーリーには全く影響を及ぼさないが、後に大物となる人物、例えば新聞記者時代の安倍晋太郎、県議だった頃の竹下登などを少しだけ登場させるサービスも嬉しい。特に前半はワクワクできた。不満といえば終盤。三木がやたらと目立つのはいいが、吉田の存在感が薄くなってしまった。説得に訪れた緒方竹虎に対し、鳩山に政権を渡さない理由を熱弁しておいて、娘の顔を見た途端、急に辞める気になったのも納得できず…。一番ドラマチックな場面にもなり得るはずなのに、あまりにも呆気なく、思わず「えっ?」と声が出てしまった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-03 10:15:15) |
503. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 面白い。十二人十二色の陪審員、二転三転する議論。その面白さはもちろん偉大なオリジナル「十二人の怒れる男」あってこそだけど、それにプラスして日本人の特徴が良いスパイスになっていた。多少の誇張はあるし、俳優陣の演技も舞台用の演技に近いものだが、「こんな人いるよな~」っていう親近感が本家よりも湧いたのは自分が日本人だからか。評決が出て、廊下に出てきた陪審員に見られた充実感のようなもの…(落ち込んでる人もいたけど)。その充実感を観ているこちらも少しおすそ分けしてもらった。いい映画を観たな~。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2012-12-30 12:12:10) |
504. 血と砂(1965)
《ネタバレ》 戦争をテーマにしているが、どちらかと言えば楽しい時間が続く。小杉曹長が指揮するヤキバ攻撃メンバーには軍楽隊(音楽学校を出たばかりの素人集団)の他に佐藤允、伊藤雄之助、天本英世など個性的な俳優が演じる個性的なキャラクターも含まれ、笑いを忘れない作りになっている。しかしクライマックス。ここで反戦映画の色が強く出る。映画冒頭に「昭和二十年、夏」と出てくるが、これが肝だった。当時の指導者側の難しさも知らない訳ではないが、それにしても「なぜもっと早く終わらせることができなかったのか?」という岡本喜八監督の無念が伝わってくる。曹長の「俺は戦争のやり方は教えた。しかし、人殺しは教えんぞ!」といった言葉も印象的。傑作だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-28 16:03:04) |
505. パラノーマル・アクティビティ3
「首振りカメラ」は良いアイデア。扇風機を解体して作ったもので、その動きを生かした演出が1、2作目とは違う面白さをもたらしている。悪魔や魔女は西洋の文化だけど、怪奇現象でびびらせるやり方なら日本人も楽しめる。あまり露骨になる前の段階の方が面白いかな。概ね満足。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-22 17:21:09) |
506. ツリー・オブ・ライフ
《ネタバレ》 ななな… なんだこれは… 映画を見ようと思ったのに宗教の勧誘ビデオでも始まったのか?…というような最初の30分だったけど、その後はちゃんと映画らしくなって一安心。難しいことはよく分からないけど、やはり自分にもジャックと似たような時期があったから、懐かしいやら何やらで、それなりに面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-20 18:39:52) |
507. 人斬り
《ネタバレ》 創作もかなり入ってるみたいだけど、飼い犬の苦しみを勝新太郎が見事に演じ、重厚な作品へと導いている。出演者は他に石原裕次郎、仲代達矢、倍賞美津子など。そして驚いたのが三島由紀夫。この人、俳優もやってたのね。それほど「上手い」って感じではないけど、独特のオーラがあってイイ。鍛え上げられた肉体も凄いし…。そんな豪華キャストに加え、こだわりの映像にも惹かれる。挙げればキリが無いが、例えばのけ者にされた以蔵が全力疾走で石部宿に向かう場面はとても美しく、ダイナミック。殺陣にしてもパワーを感じる本格的時代劇だ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-19 22:02:16) |
508. 名探偵コナン 天国へのカウントダウン
《ネタバレ》 へー これは面白い。もう10年以上前の映画になってしまったけど、コナン劇場版はこの頃の方が良かった気がするな~。TVシリーズでも使えそうな割りとシンプルな殺人事件がベースとしてあって、そこにジンたちが絡んでスケールが大きくなる。これは理想的じゃないかな。爆破されたビルからの脱出は有名な洋画を参考にしてそうだけど、ちゃんと盛り上がったし、功を奏したと言っても良そうだ。30秒ゲームの伏線回収もキッチリ。 [地上波(邦画)] 7点(2012-12-14 23:33:48) |
509. スリーデイズ
《ネタバレ》 <オリジナル版未見>ラッセル・クロウが愛する妻を脱獄させるお話。リーアム・ニーソンからアドバイスを受け、こつこつ、入念に準備をしていくが、この準備段階もなかなか面白く出来ている。「あんたは必死すぎる」と言われるくらいのジョン。妻を一切疑うことなく突き進んでいく。そして、いよいよ決行となってからは圧巻だが、ここでも息子をめぐって決断を迫られるなど、夫婦愛、家族愛もテーマになっているようだ。当然だが、計画通りに進めば爽快だし、不測の事態が起こればハラハラドキドキできる。本作はこのバランスがちょうど良く、どちらの面でも大満足という結果に。どんな決断をし、どう窮地を乗り越えたのか? 充実の内容だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-11 22:36:28)(良:1票) |
510. 砂の女
《ネタバレ》 <原作既読>何たる不条理。昆虫採集に訪れた地で監禁され労働を強いられる男。どうにかして逃げ出そうとするが、砂がそれを許さない。女とのちょいエロな関係(岸田今日子が絶妙)、不気味な村人との闘い、スリリングだ。しかし人間とはなんと面白い生き物か。こんな事態にも適応し始める。働かなければ水も貰えないが、逆に働きさえすれば酒、タバコといった嗜好品も配給され、気がつけば同じく配給された雑誌のちょっとしたイラストに大笑いしていたりする。偶然の発明である貯水装置に至ってはもはや生きがいのようでもあった。貯水装置の事を村の人々に話したいという欲望にも共感できる。ココで認められたいと…。現状に何となく満足して、変化に億劫になる。若干耳が痛いが、これも人間の本質か。「逃げる手立ては翌日にでも考えればいい」その結果は…。大変面白うございました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-04 17:46:30) |
511. スーパー!
《ネタバレ》 「キック・アス」と同じ年に似たような映画が公開されていたのか。しかし「キック・アス」よりもさらに現実に近くなっていて、ヒット・ガール的存在に頼ることは出来ない。とにかくリアルな痛みを描き出しているため、こちらとしては困惑しきり。これを見てスッキリしたり、ワクワクしたり…という訳にはいかない。多大な犠牲を払った結果の微妙な結末こそ、この映画が言いたい事なのだろう。ヒーローがいたとしたら、それはむしろ選ばれざる者なのかもしれないなー。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-02 13:00:52)(良:1票) |
512. 六條ゆきやま紬
《ネタバレ》 重苦しい映画だった。名家に嫁いだ主人公のいね。夫が借金を残して自殺すると、もともと結婚に反対していた姑はいねを六條家から追い出そうとする。イジメの数々は見ていて気持ちのいいものではないし、くどい演出は一般的によく言われる1960年代後半からの邦画衰退を象徴しているようにも感じられる。「治郎と奥さんが、治郎と奥さんが、治郎と奥さんが」…。悪い意味で時代を先取りしちゃったのかな。面白みの薄い悲劇で、あまり好きではない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-28 16:37:40) |
513. 鶴八鶴次郎(1938)
《ネタバレ》 鶴八と鶴次郎は一流の芸人同士だからこそ譲れない部分があり、ぶつかりあってしまう。二人の喧嘩は意外とコミカルで、振り返ると、楽しい日々として思い起こされる。浮世絵から出てきたような長谷川一夫と山田五十鈴のコンビが絶妙で、落ちぶれた鶴次郎と、松崎に嫁いだ鶴八が再び組むと決まったときは実に嬉しかった。しかし、鶴次郎は鶴八のことをよく知っているからこその苦渋の決断をする。そして佐平と呑む酒… この余韻、さすが名作だ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-24 00:48:37) |
514. E.T. 20周年アニバーサリー特別版
《ネタバレ》 おなじみのBGMといくつかの名シーン。もはや伝説的な映画だけどちゃんと観たのは今回が初めてだった。冒頭、人間に見つかったE.T.は悲鳴をあげながら逃げる。はっきりと姿を見る前からもう「かわいい」と思えた。置いてけぼりを喰らってしょんぼり、ぎこちないノロノロ動きも相俟ってこれは守ってあげなきゃと…。言葉も少し話すし、エリオットとは心が通じ合う、というかリンクしている?。このちょっと不思議な友情がほほ笑ましい。急展開でE.T.が瀕死になっちゃうのはどうかと思うけど、全体としては面白い映画だった。コスプレヨーダとの遭遇は笑える。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-24 00:48:26) |
515. ルパン三世 東方見聞録 ~アナザーページ~<TVM>
一向に面白くならないし、画は安っぽいし、見るべきものが無かった。 [地上波(邦画)] 1点(2012-11-24 00:48:10) |
516. 武士道残酷物語
《ネタバレ》 う~~ん。採点に困る映画ってあるんだよな~。これもその一つ。分からないような、分かるような、しかし分かりたくないような、ある意味では凄い映画なのかもしれない。内容はタイトルの通り武士道の悲劇を描いたものだが、飯倉修蔵編についてはもはや武士道精神や時代背景云々のレベルではないので、本質から外れてしまっていると言わざるを得ない。鬼畜殿め。あれは人間のする事ではない。その後も続く残酷物語。特攻隊員・飯倉修のエピソードで終わりなら厳しい点を付けていたと思うが、現代パート・飯倉進編が救いとなっている。が、同時にハッとさせられたのも事実だ。当時は終身雇用が当たり前で会社への忠誠心が強かった。明治維新と終戦。時代は大きく変わったが、未だ我々は囚われてはいまいか?…。日本人という人種の影を描いてみせたことで、外国人受けはかなり良かったのだろう。なにせベルリン国際映画祭・金熊賞だから…。決して見せびらかしたいものではないから複雑なんだけど。まあ、とにかく怖い映画でした。 [DVD(邦画)] 6点(2012-10-31 17:37:17) |
517. ランゴ(2011)
《ネタバレ》 ペットとして飼われていたカメレオンが砂漠の町で保安官として大活躍。マカロニ・ウェスタンへの愛にあふれた映画で、趣がある。なんとクリント・イーストウッドのような人物まで登場。ちなみに日本語吹き替え版では山田康雄に声が似ていると評判の多田野曜平が声を担当。死神ジェイクまで兼ねてるのは予算の問題なのか、少し残念ではあるが、なかなか気が利いている。その他「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」などを彷彿とさせる場面もあり、娯楽映画としてのポイントをしっかり押えていることが分かる。映像も素晴らしく、ちゃんと面白い映画だった。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2012-10-30 18:00:22) |
518. 麒麟の翼~劇場版・新参者~
《ネタバレ》 <原作未読、連ドラ未見、SP「赤い指」は見た>原作は面白いのかもしれないけど、映画としての完成度は高いとは思えなかった。そもそもではあるが、この殺人事件に興味を惹かれない。気になるところといえば「瀕死の重傷を負った被害者がなぜ麒麟像まで歩いたのか?」という事くらいで、こちらとしては誰に感情移入するでもなく、盛り上げる工夫もされていない地味な捜査をただ見守るだけ。これではちょっと…。事件の真相が明らかになる終盤はそれなりに面白かったんだけど。同じ東野圭吾原作の映画「容疑者Xの献身」に比べると一段落ちるような気はした。それから、おじさんみたいな事言うけど、三浦貴大と松坂桃李は顔が似ている。これからが期待される俳優なんだろうけど、まだ二人とも顔と名前がバッチリ一致するほどの認知度ではないんだから、同じ映画内で使うのはもう少し待ってほしかったな~。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2012-10-28 14:30:22) |
519. マネーボール
《ネタバレ》 アスレチックスのGMビリー・ビーンは苦しい台所事情から危険な賭けに出た上、開幕直後の散々な成績でバッシングを受ける。選手起用を巡り監督と対立すると、今度はペーニャ放出などさらなる博打に出る。GMは見る角度によっては嫌なヤツにもなってしまう職業だが、成績が振るわなければ解任もありえる。選手や監督ほどではないかもしれないが、いずれにしても厳しい立場であることは間違いない。ビリーは追い込まれていた…。信念とは言っても、そもそもピーターが正しい保証はなく、凡人なら押し潰されていただろう。理論が正しくとも、強い意志を持っていなければ大きなことは成し遂げられない。野球に限らないパイオニアのスピリッツをビリーが教えてくる。それにしてもリーグ新記録の20連勝はフィクションなら「やりすぎ」とつっこんでた。これが実話とは… そりゃ映画になるわけだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-25 19:32:37)(良:1票) |
520. グッドナイト・ムーン
元々お涙頂戴系があまり好きじゃないせいもあって、後半はクドく感じた。とはいえ、感動的なシーンもそれなりにあるので、2時間付き合って損したって感じではない。ベン可愛い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-24 18:20:33) |