501. スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
《ネタバレ》 アベンジャーズの中でのスパイダーマンは良い味出していたのですが、今作では今一歩という感じが否めません。 ラストこそ大活躍でそれなりにカタルシスを味わえましたが、全体を通してみるとちょっと精彩を欠いているような気がします。 序盤はベックばかりが目だって、スパイダーマンは完全なる脇役。『親愛なる隣人』も良いけど、ちょっと隣人すぎるな。 中盤から後半にかけてはひたすらボコボコ。アクションも恋愛も、何をやってもうまくいかない。 エンドロール後のオチは、アン・ハッピーエンドな終わり方で不愉快。ピーターあんなに頑張ったのにそりゃないぜって感じ。 ただ、アクションは流石のスピード感だし、映像の迫力と臨場感は文句のつけようがありません。 中盤から後半にかけては多少イライラしてしまったものの、やはり終始楽しんで見てしまったので、エンターテイメント作品としては合格ラインなんだと思います。 ヒーローものとしてはいまひとつといったところ。 ヒロインもいまひとつといったところ。 MJとメイおばさんだけは、サム・ライミ版のイメージとかけ離れすぎていていまだに慣れません。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-15 03:42:03) |
502. メン・イン・ブラック:インターナショナル
《ネタバレ》 このシリーズはどうしてもトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのコンビが刷り込まれているので、2人がいないのがちょっと残念ですが、これはこれで個人的には超アリな作品です。 そもそもこのシリーズの『宇宙人たちが地球のあっちこっちにしれっと溶け込んでいる』っていう設定がかなりツボなんです。 個性あふれる宇宙人たち。バリエーション豊かな武器やアイテムの数々。そういった見たいものを見せてくれている時点でこの映画は成功と言っていいんじゃないでしょーか。 ストーリーはみんなで超破壊兵器を奪い合うだけ。わかりやすい。つっこみどころ満載だって良いじゃない。そんな大味なところもこの映画の魅力の1つなのかもしれない。 クリス・ヘムズワースはアベンジャーズシリーズで結構好きになった俳優さん。ですがエージェントHは、あまり良いところがなかったですね。『お調子者。だけど切れ者。』だったらそのギャップにある種のカタルシスを感じるのですが、最初から最後までお調子者で終わっちゃった印象です。 テッサ・トンプソンはお世辞にも美人とは言えませんが、なんか人を惹きつける魅力があります。好奇心旺盛な新人エージェントMは、はまり役だったと思います。 大ボスの存在感の薄さと出番の少なさ。圧倒的存在感だった2人組の中ボスの最期のあっけなさ。ハイTの意外な正体がいまいちサプライズとして効いていない。なんとも盛り上がりそうで盛り上がりきれない部分がありますが、その一方でスピード感溢れる追いかけっこアクションなど見所も多い。CGを駆使したエンターテイメントSFとしては、十分合格ラインを超える出来栄えだと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-14 16:17:46)(良:1票) |
503. キス&キル
《ネタバレ》 この一昔前のよくあるB級アクション大好き。 『実はスパイだったんです。』『凄腕の殺し屋だったんです。』とゆー何万回も作られてきたであろう設定が、いつまでも変わらず好き。そして何よりアシュトン・カッチャーがかっこいい。イケメンなのに、どこかずれている部分があって、そこがまた良い。 隣人や同僚や友人が突然襲ってくるっていうシチュエーションはあんまりないかもしれない。 みんな父親に雇われた潜伏スパイ。女友達いわく『この日のためにあんたの自慢話を3年間も我慢して聞いてたのよ』ってことは、3年前からみんな父親の雇われヒットマンだったってことかい?同時期にそれだけの人が移住してきたらさすがに変な気はしますが、細かいことは抜き。このノリと雰囲気を楽しみましょうという作品。 私はこの監督の作品とはことごとく相性が良いみたいです。ちょっと古風で野暮ったい作風がどーにも好き。 難を言うならば、アシュトン・カッチャー演じるスペンサーが、登場シーン以外あんまりぱっとしなかったのがもったいなかったかもしれませんね。 凄腕のエージェントならではの見せ場みたいなもんが随所にあって、ジェーンが夫のそんな隠れた一面に少しずつ新たな魅力を見出していくっていう展開ならより一層のめりこめたかも。 ラストはジェーンが主導権を握って、父親とスペンサーをしかりつけるようなオチが凄く好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-02-27 03:50:29)(良:1票) |
504. ラスト・ターゲット(2010)
《ネタバレ》 良く言えば手堅いつくりなんでしょうけど、手堅すぎて面白みに欠けます。アメリカ産とは思えないくらい淡々としています。なんかヨーロッパ系のお堅い感じの作品。 特に前半1時間はオープニングを除いてこれといったことが何も起りません。 何か起りそーな予感はある。そーゆー緊張感はずっとある。音楽も『なんか起るぞー』って感じで煽ってくる。でも何も起りません。そんな予感と緊張感だけで1時間ひっぱるのは流石に無理だと思います。 依頼された銃で自分が狙われるかもしれないと気付き、銃に細工をしかけておくっていうのは、ありがちだけど好きなオチ。結果、女ヒットマンの頭がパーンってなっちゃうのもビジュアル的になかなか良かった。 ただ女ヒットマンも、それくらいの危険は察知してほしかったです。ジャックが警戒しているのはカフェでわかったはずだから。渡された銃に何か細工がしてある可能性くらいは考えなよ。 なぜボスが自分を消そうとしているのか。そーゆー背景を一切語らない潔さと分かりやすさは嫌いじゃないです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-02-26 14:35:13)(良:1票) |
505. 武士道シックスティーン
《ネタバレ》 ごくごく普通の青春部活動ストーリー。 『剣道をする美少女達』というテイストのみでおしきる2時間弱。 ぱっと見どんくさい女の子、西荻(北乃きい)が実は剣道の才覚があるっていうのはマンガチックで好き。 そんな西荻にまさかの敗北を喫した全中チャンピオンが、西荻の高校に入学してくるっていう展開もマンガチックで好き。 メインの2人以外にも、村山主将のような強キャラがいる人物配置も好き。 ただ、キャラの配置、状況設定、役者の演技も悪くないのに、いまいち盛り上がりに欠けるのはなぜでしょう。 ああ、そうか、ライバル校がいないからか。共通の宿敵の不在。立ちはだかる高い壁を、いがみ合っていたチームメイトが協力して倒す。そんな少年漫画あるあるの王道ストーリーではなく、終始メインの2人の人間関係と心の成長だけを追っていく。それだけで2時間弱だから、要らないシーンも増えるし、間延びもする。西荻の父親や岡君のような中途半端なキャラも出てくる。どうりで見ていて中だるみしたわけだ。 北乃きいはかわいい。成海璃子演じる磯山のキャラが面白い。そして剣道の練習や試合での気迫のこもった声出しが良い。だから最後までなんとなく見ていられるのですが、映画としての面白みは大分薄味かもしれないですね。 [DVD(邦画)] 6点(2021-02-25 14:46:06) |
506. レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳
《ネタバレ》 ドニー・イェンのキレッキレのカンフーアクションが見られるのが良い。 マスクをつけて正体を隠すっていう一昔前のセンスが好き。こーゆーのを相変わらずかっこいいと思ってしまいます。 オープニングから圧倒的な強さを見せるドニー。もはやある種ヒーロー映画を見ているような高揚感があります。 ただ、そんなテイストを戒めるかのごとく、ストーリーは暗い。 戦友、盟友、同胞、ヒロイン、みーんな殺されます。妹はレイプされます。 日本軍は徹底的に悪役であり侵略者。中国は正義。そして中国は日本軍に敗け、どんどん侵略されるのでした。 もちろん私は日本人ですが、ここまではっきり日本人を極悪人に描かれるともはや清々しささえ感じます。それはもうドニーたちの応援をするわけです。 ですので、ドニーと刑事以外はみーんな不幸になっちゃうわけで、たとえ敵を殲滅しても、ハッピーエンドは望むべくもなく。アクション映画特有のカタルシスも弱ければ、ハッピーエンドで感じられる多幸感とは無縁の作品なのです。 [DVD(吹替)] 6点(2021-02-18 05:55:11) |
507. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 何者でもなかった自分が、何かをきっかけに特別な存在へと進化していく。こーゆー話大好きです。 アニメとしての映像美はもう素晴らしいの一言。特にトゥース(ナイト・フューリー)に乗って大空を翔ける疾走感、浮遊感は最高の映像体験。 また、ストーリーはわかりやすく面白く、テンポは速く、キャラクターも個性的。人間だけでなくドラゴンにも個性をしっかり持たせたのが良かったのかもしれません。 敵対関係にある者同士が、少しずつ歩み寄り友情を育んでいくってのは、いつの時代でも良いもんです。映画、物語には不変の良さが確かに存在するようです。 その姿を見たものは誰もいない。出会ったら逃げるしかない。伝説のドラゴン、ナイト・フューリー。それを最初に仕留めたのは、まさかの村の最弱キャラ。最強と最弱が心を通わせ、唯一無二のパートナーになっていく。そして最弱キャラは敵も味方もすべてを救う伝説の人物へと成長していく。なんとワクワクするストーリーなんでしょう。そう、王道です。ストーリーはまさに王道なのです。ですがこの作品が大ヒットしたってことは、今も昔も王道に勝るものは無いってことでしょう。 『仲間達が手の平を返したようにあっという間にヒックを慕う』『ヒック以外の人間が簡単にドラゴンに乗れてしまう。』『父親の二転三転する態度の無理矢理感』細かい点を挙げれば気になる点は多々あるのですが、細かいところを気にさせない爽快なエンターテイメントストーリー。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2021-01-31 22:26:21)(良:1票) |
508. かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発
《ネタバレ》 これは粗筋を全くチェックせずに鑑賞。ジャケットの印象から、一番ほのぼの系かと思っていたら、一番シビアなスタートにびっくり。そして有村架純の主演作をはじめて拝見したわけですが、とても演技が上手なのにびっくり。そして駿也役の子の演技も良くて、日本の子役もうまくなったもんだとしみじみ。 ただ、ストーリーは面白いのですが、なんとなく晶と駿也のキャラクターにはあまり惹かれるものがなかったですね。特に駿也かな。前半はしっかりもの。後半は急に情緒不安定。なんか一貫性のない人物設定です。研修に行こうとする晶に、『戻ってくるよね。』と急に心配になる駿也。そこには晶を心の底から頼りにしている、一人のか弱い子供の姿が。そんな駿也が『晶ちゃんがいなくなれば良かったのに』って。いくら気持ちが高ぶっていても、そんなこと言うかな? 前2作に比べると、感動させよう、泣かせようというあざとさが垣間見えてしまう。それを感じながらも、駿也の作文朗読では泣かせられます。とは言え、その作文で結局晶のことには一切触れないというのはいかがなものか。そして晶と仲直りした駿也が、『晶ちゃんは晶ちゃんのままでいいよ。』って上から目線で言っちゃうのもなんか違う気がします。 駿也の晶に対する対応だけは気になる点が多々ありますが、それ以外は及第点。 家族の再生ムービーだけなら白けてしまいますが、しっかりお仕事ドラマとして完成されているため、作品全体が引き締まったものになっています。その辺りは高評価。 このシリーズは最後が必ずハッピーエンドになので、私とは相性が良い作品でした。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-01-28 14:47:11)(良:1票) |
509. RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
《ネタバレ》 1作目が面白かったので、2作目も見てみることに。ただシリーズものっぽいタイトルではあるが、前作とのつながりはなし。1作、1作が独立したストーリーとなっています。 事前にあらすじをチェック。『熟年離婚の話か・・・興味ねーなー。』と思いながら期待はせずに観賞。ところが見始めるといつの間にか映画の世界に入り込んじゃう不思議な面白さ。一言で言うなれば、洋画にはない邦画の味わいってのを感じられる作品。 自分とは随分年齢が離れているのに、すっかり感情移入しちゃって、終始切ない気分に。どちらの言い分も分かる気はするのですが、どちらかと言えば旦那の言い分に問題がありそうな気がしますね。そしてやはり旦那のほうから少しずつ歩み寄り始めて。一人の男が定年退職間近になり、人との関わり、家族との関わりを見つめなおすようなストーリー。そんななか、家を出て行った妻との奇跡的なイベント発生。『これはもしかするともしかするか?逆転ハッピーエンドあるぞ?』とちょっと期待しながら見ていたら、思い出の地で結婚指輪を投げ捨て、市役所から出てくるお父さん。ああ、やっぱそうなるのか。これが大人の選択ってやつか。切ないなぁ。とがっくり肩を落とした次第です。 いや、最後まで見届けよう。不器用な男の生き様。って見ていたら、・・・キタキタキター!ロマンティックが止まらない(笑)。いや、これは何気に隠れた名作でしょう。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-01-28 04:39:32)(良:1票) |
510. ミニオンズ
《ネタバレ》 『月泥棒』と『危機一発』ですっかりミニオンのファンになり、期待していた3作目。 遂にミニオンズ、主役の座へ。 ですが期待値が高かったせいか、何か見たかったものとは若干ずれたものを見せられているような感覚が。 おそらく、『使命感』とかそーゆーものがミニオンズとは相性が悪いのかもしれません。ミニオンズはもっとあっぱっぱーな感じで、良いんじゃないでしょうか。スチュアートとボブはまだ良いのですが、ケヴィンがちょっと真面目すぎるかな。 ラストでケヴィンが巨大化して逆転、ってのも何か違う気がします。せっかくなら仲間と合流して、数で圧倒してほしかったですね。ミニオンズは個々人の能力ではなく、何と言ってもそのチームワーク、チームプレーが最大の魅力なのだから。 とは言え、ミニオンズの楽しさやおかしさがいっぱいつまった映画ということに変わりはありません。少なくとも見ている間は何も考えずにただ楽しい時間を過ごせます。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのロゴが出るオープニングをなぜかミニオンズが歌う演出。つかみはばっちり。 ミニオンズが仕えた歴代のボスたちが、ミニオンズたちのせいでその命を散らしていくのはブラックだけどユーモアに溢れていて面白い。なんといっても『仕えるボスがいないと生きる気力が湧かない』というミニオンズが愛らしくて良いじゃないですか。 映画としては少々いまいちではありましたが、ミニオンズの良さは随所に感じられる作品です。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2021-01-21 13:04:17) |
511. 処刑剣 14BLADES
《ネタバレ》 ドニー・イェンもサモ・ハン・キンポーも好きなので、期待していた本作。 まずサモ・ハン・キンポーはチョイ役。位は高いんですけどね。本編にはほとんど絡まず。 で、ドニー・イェンは大好きなカンフー俳優なんですが、この作品では彼の良い部分を出しきれていない感じです。錦衣衛のトップなら、もっと圧倒的な強さで描かれても良かった気がします。途中参加の『砂漠の判事』とかゆう義賊の頭のほうが、イケメンで、武器もアクションも華があった気がしますね。主人公よりよほど主人公オーラ漂ってます。 冒頭で出てきた青龍(ドニー・イェン)意外の玄武、白虎、朱雀のうち、白虎と朱雀の使い方がもったいない。 14本の処刑剣とゆう魅力的な武器も、存分に活かしきれていない感じ。 そしてラスボスが、チン親王の娘トゥオトゥオってのもどうなんでしょう。 こーゆー謎の女キャラってのは、脇で暗躍するからこそ輝くのであって、ラスボスって感じではない気がします。あくまで中ボスくらいの立ち位置で良かったんじゃないでしょうか。 一番いらないのがホアとの恋愛。ホアは2回も青龍から身代わりにされます。2回とも命の危険に晒されます。青龍は助けに来ません。なのになぜ青龍に惹かれるのか、まるで意味がわかりません。 こんな説得力のない恋愛パートを入れて間延びさせるくらいなら、まるまるカットして、もっとテンポの良い活劇に仕上げてくれたほうが良かったです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-01-05 12:34:29) |
512. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 その臨場感、緊迫感。映画としては最高の出来なのでしょう。ただ好きか嫌いかと問われれば、間違いないく嫌いなジャンル。やはり戦争映画とは相性が悪いと再認識しました。 特に、少年の足や頭をドリルで貫くシーンは一瞬ではありましたが吐き気がしました。『目を背けてはいけない。』というクリント・イーストウッドのメッセージなのかもしれませんが、不特定多数の人間が見るコンテンツにおいてここまで過激な描写が本当に必要だったのでしょうか。 戦友たちは次々とその命を散らし、最後まで救いの無い結末で物語りは幕を閉じます。実話みたいなので仕方がないのかもしれませんが・・・。どうにも気が滅入りましたね。 ただこの映画を見て、一人でも多くのアメリカ人やテロリストが、『戦争はいかん』『人の命を奪ってはいかん』と思えば、反戦映画としての価値はおおいにあるかと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-12-29 12:51:24) |
513. RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語
《ネタバレ》 ぎすぎすした空気。何か悪いことが起りそうな気しかしない、そんな張り詰めた雰囲気で物語はスタート。つかみとしては出だしは完璧だと思います。 大企業の肇は大規模なリストラを命じられ、同期の工場を閉鎖する。家族の仲は冷え切っていて、そんな折母が倒れる。同期も交通事故で死ぬ。そんな息が詰まりそうな日常。そこから徐々に物語はその路線を変更していく。鉄道が舞台なだけに。前半にやたら鉄道の分岐シーンが映し出されるのはある種のメタファーか。 肇は50歳ながら何でもできるスーパーマン。仕事は完璧。勤勉で努力家。どんなアクシデントにも臨機応変に対応し、お客さんファーストをつらぬく。こーゆー人間になりたいと思わせる、魅力的な人物です。脇を固める人たちも良い人ばかり。 雰囲気は穏やかながらも、アクシデントが多く、ストーリーは起伏があって飽きさせないように腐心されています。特に子供が列車を運転してしまう事故から謝罪会見までの流れはなかなか見事。『ハラハラ⇒感動』の流れがきれいにまとまっています。 新しさとは無縁の映画。 それに現状に満足している人の琴線には決して触れないであろう作品。 でも私はこーゆー王道でしっかり楽しませてくれる作品が好きです。 [DVD(邦画)] 7点(2020-12-28 03:35:38) |
514. ボーイズ・オン・ザ・ラン
《ネタバレ》 原作未読。こーゆー『頑張っても報われない』系の需要って何なんでしょう。少なくとも私は映画を見ているときくらい不愉快な気持ちにはなりたくない。いや、その過程において不愉快な気持ちや憤りやもどかしさを感じることはあっても良い。最後にカタルシスが得られるのであれば問題はない。最後まで仕事も恋愛も何一つ上手くいかない人生を見せれられても気が滅入るだけです。 ちはるは良かったのは最初だけで、その本性はクソ女でバカ女。だから恋愛は成就しなくても良い。でもせめて青山には勝ってほしかった。もしくは青山になんらかのペナルティを劇中で科してほしかった。青山のような人間が良い思いだけして終わる物語なんて不愉快極まりないです。 マンモスの社員達の常に人を見下したようなスタンスも気に入らない。おもちゃ屋のクソ生意気な店長を何も見返してやれないのも気に入らない。それがリアルだと言われればそーかもしんないけど、映画にそーゆー胸糞悪いリアルは求めていないんですよね。 振り返ってみれば、前半が一番面白かったかも。不器用ながらもちはるを慕い、少しずつ距離が縮まっていく二人の様子は若かりし頃の自分と重なり合って幸せな気分に浸れました。 ラストでちはるを電車の中に押しやったときの田西には共感できます。もはやちはるに未練があったわけじゃないんですよね。自分という人間の価値を見出しに行っただけなのです。 もう全編通して痛々しすぎる物語。そして性生活に関する生々しすぎるトークの数々。これを見るときは誰もいないことを確認して、 ヘッドホンをつけて鑑賞する必要があります。 [DVD(邦画)] 5点(2020-12-24 13:36:47) |
515. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 人さらいが母親のふりをして子供を育てる物語。はっきり言って凶悪犯罪ですが、そこはディズニー。うまいことライトでポップな感動エンタメムービーに仕上げています。 高評価のため期待値を上げての鑑賞。そのためか、面白かったのはその通りなのですが、『期待を超える』作品とまではいかず。 そもそもミュージカルが苦手な自分。特に序盤は歌ばかり歌ってあまり物語りが進まないので少々だるい。 フリンとラプンツェルが出会ってからは歌が減り、コメディテイストが強くなる。二人の掛け合いは面白く飽きません。 『恋愛は付き合うまでが面白い』と誰かが言っていましたが、この作品もまさに二人の心が寄り添うまでが面白いです。最初反発し合うのはもはやお約束ですね。 2人が城を目指し塔を出てからはコメディ要素に加え、アドベンチャー、そしてアクションの要素も加わり、面白さが加速。この辺から歌もあまり気にならなくなります。歌が物語に自然と溶け込んでいる感じがします。 スタビントン兄弟や城の兵士たちとのおっかけっこはスピード感があって、アトラクションのよう。アニメーションは文句なしのクオリティ。空飛ぶ灯篭が有名ですが、私はラプンツェルの髪が光る映像の美しさに圧倒されました。あの髪の質感と光の表現力はもう髪だけに神の領域かと・・・。 終盤、ラプンツェルが突然過去の記憶を思い出すのはあまりにも都合良すぎ。そこは大事なところなので、もう少し説得力のあるエピソードを用意して欲しいところです。 瀕死のフリン・ライダーがラプンツェルの髪を切るシーンは感動の名シーン。これは子供向けだと馬鹿にできないと思いました。 まさかこのままフリンが死んでしまったら、21世紀になってディズニーも随分と変わったもんだ思ったのですが、そこはディズニー。ファンタジーパワーで当然復活。悪だけが滅び、お約束のハッピーエンドが待っているのでした。 ただ、ヒロインはラプンツェルですが、ヒーローはマキシマスかも・・・ [ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-12-23 14:32:35)(良:1票) |
516. トラッシュ! この街が輝く日まで
《ネタバレ》 思っていたよりサスペンスアクション。大物政治家の献金リスト。裏金。その隠し場所が示されたヒントと財布。ゴミ捨て場で暮らす少年達と国家権力の攻防。 正直よくあるプロットではありますが、その舞台はあまりなじみのない世界の話で、大変興味深く鑑賞。 ブラジルの警察の腐敗ぶりというか横暴は結構凄くて、見るに耐えないとはまさにこのことです。 少年達が力を合わせて頑張るアドベンチャーはわくわくするものです。私もこの手のジャンルは結構好き。ただラファエルが警察に痛めつけられるシーンはちょっと目を背けたくなります。 少年達の置かれている環境があまりに苛酷過ぎて、最初のうちはあまり映画を楽しむ心の余裕がありません。 その分ラストはわかりやすいハッピーエンドで、後味爽やかなのが良かったです。 まともな教育を受けていなさそうなのに、少年達がちょっと知恵がまわりすぎる気がしましたが、そうでないと警察とはわたりあえないので仕方ありませんね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-12-18 09:41:43)(良:1票) |
517. グランド・ブダペスト・ホテル
《ネタバレ》 ホテルの中でいろいろ起る話かと思いきや、ホテルの外でいろいろ起る話でした。 ミステリーと言うには浅く、コメディというには少々ブラックが効きすぎか。どの側面から見てもどっちつかずの中途半端。とゆーか、そーゆー作風ですね。見る人を選ぶとはまさにこのこと。私の好みには合いませんでした。 登場人物は皆記号と化していて、与えられた役割をこなすだけ。RPGに出てくる村人『ここは○○の村だよ』を言い続ける人と変わりません。感情の起伏が極力抑えられ、鑑賞者は事の顛末を蚊帳の外からただ眺めているだけ。 せめてラストがもう少しわかりやすいハッピーエンドで終わってくれれば。あっさり『グスタヴは死んだ。撃たれた。』とか、『妻と幼い子供は○○風邪で死んだ。』とか、わざわざ言う必要があるだろうか。このほろ苦い余韻は必要なんでしょうか。 グスタヴは良い人だし、ゼロもグスタヴに忠実なので、二人の関係は見ていて心地良い。 ゼロが連行されそうになったり、暗殺者が暗躍したり、グスタヴが投獄されたり脱獄したり、とにかくいろいろ起きるので飽きません。ですが鑑賞後の満足度は低いです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-12-17 03:26:12)(良:1票) |
518. 必死剣 鳥刺し
《ネタバレ》 誰か上様を切ってください。胸糞悪くて仕方ないです。 『上様』『家老』『側室』の三大悪。この3人にそれ相応の報いを受けさせてこそ溜飲も下がるというもの。 連子を切り捨てるシーンも冒頭ではなく中盤くらいのほうが良かったのでは。冒頭でいきなり切り伏せ、物語は『何故兼見は連子を切ったのか』のミステリー仕立てでスタート。当然鑑賞者の興味はそこに向きます。中盤、連子に仕えていた出家した女性が『兼見様にお会いしたら聞きたいことがございました。何故連子さまを殺められたのですか』と尋ねるシーンのおまけつき。そこを明らかにしないというのはミスリードというより反則ではないだろうか。 また、別家の帯屋と兼見が切りあうクライマックスは見応えはありますが、どちらも正義なので、どのような結末になっても悲劇。とゆーかこの二人が家老の手の平で踊らされていたかと思うと腹が立ちます。 私は小さい頃『暴れん坊将軍』やら『水戸黄門』やら『遠山の金さん』やらを見て育ったので、どうしても時代劇には勧善懲悪を求めてしまいます。そーゆーわかりやすいもの、爽快な結末を期待する人にははっきり向かない映画。 ただ映画としてはもはや完成されていて、キャストも演技も良く、所作は美しく見応えがあります。 連子の横暴ぶりを見せる前半、そして悲劇の終盤は盛り上がりますが、中盤がやや中だるみ。また、悲劇を強調したかったのでしょうけど、兼見と里尾の恋愛は不要。 [DVD(邦画)] 6点(2020-12-14 02:39:10)(良:1票) |
519. ターゲット(2010)
《ネタバレ》 一流の殺し屋がターゲットと仲良くなっちゃうよくある話。 結構人が死んじゃうサスペンスコメディ。どちらかと言えばコメディ寄り。それもブラックユーモア満載のコメディといったところ。 ヒロインのローズはビジュアルは良いけれど、登場シーンからして軽犯罪やりまくりのとんでもない女。 ビクターは紳士的だけど、試着室に入っていた無関係な一般人を誤って殺しちゃったりしています。 とても共感できない2人ではありますが、なんか憎めない魅力もあります。 完全に無関係なトニーも良い味出しています。 ローズを殺すために殺し屋を雇ったファーガソン。その部下。ファーガソンに雇われたディクソン。それぞれ個性的な悪役。と言いたいところですが、実際は悪役ではない。ファーガソンはローズに大金を騙し取られた被害者。なのにディクソンたちは殺され、ファーガソンとその部下は重傷を負って入院。騙し取られた大金も戻ってこない。冷静に考えればとんでもない話。 ビクターとローズはその後結婚して子供ができたようでして。トニーも仲良く一緒に暮らしています。トニーはともかく、とんでもない犯罪を犯してきた主人公2人が幸せそうに過ごすハッピーエンドで終わるような映画。これを割り切って楽しめるかどうかで評価が変わりそうですね。 ちなみにビクターの母親が最高に良いアクセントになっています。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-11 14:32:26) |
520. 義兄弟 SECRET REUNION
《ネタバレ》 韓国のスパイものにしてはマイルドな作品。シリアスなサスペンスを基調としながらも、ゆるいコメディも差し挟む。そのバランス感覚は結構良い感じです。 ただ映画としてきれいにまとまりすぎて、これといった『ウリ』がなく、パンチに欠ける作品になっちゃっているかもしれません。 イ・ハンギュがソン・ジウォンに、北朝鮮のスパイだと知っていることを告げるシーン、『影』と呼ばれる暗殺者が出てくるシーンなんかは緊迫感があります。それ以外のシーンのゆるさが良くも悪くも作品全体を弛緩させてしまっているのでしょう。 個人的にはバディものとして面白くなりそうだったのに、バディものならではの爽快感をあまり見せてくれなかったのが物足りない。ソン・ジウォンと組んでからのイ・ハンギュが完全にコメディ要員と化してしまい、無能な人間に描かれてしまっているのが良くない。そうではなくて、ソン・ジウォンとは違うタイプの辣腕ぶりを見せて欲しいものです。 ちなみに私はカン・ドンウォンが出演する作品を見るのはこれが初めて。ソン・ガンホはもちろん知っていますし、上手い役者さんなのは知っていますが、カン・ドンウォンがこんなに上手い役者さんんとは知りませんでした。体捌きもきれいです。そして陰のあるイケメンっぷりがかっこいい。 ラストはまさかの超ハッピーエンドで意外。韓国映画もなんかテイストが変わってきた頃なのでしょうか。今までだったら絶対切ないエンディングになる流れだったのに。 [DVD(字幕)] 6点(2020-12-10 14:35:34) |