521. ゴジラの逆襲
当時のレベルを考えると特撮のクオリティは高いが、一作目のインパクトの後ではちょっと物足りないかな?「七人の侍」の志村喬や千秋実など、キャストも豪華な割には大人しい印象。まぁ近年のゴジラシリーズに比べると、こちらの方がモチベーションの高さや勢いが感じられます。 蛇足ながら、漫画「じゃりんこチエ」でのオバアの台詞「どぉやら、アンギラスではなさそうやな?」は、今作の舞台が大阪だったからかな?と、深読みしてみたり。 [DVD(邦画)] 6点(2008-07-30 15:32:02) |
522. エイリアンVS. プレデター
岡本喜八の「用心棒対座頭市」でも感じたことだが、映画ってつくづく足し算が利かない。細かいツッコミは野暮なんで省くが、然して期待しなけりゃそこそこ楽しめるかも? 「宇宙トカゲ」呼ばわりだったエイリアンや、とんだフェミっぷりを魅せたプレデターの、次回作での立ち位置が気になるトコロですね。 個人的に「別作品対決モノ」は初めて(用心棒対座頭市を除く)観たのだが、これを機に「ジェイソン対フレディ」や「マジンガーZ対デビルマン」なんかも、観てみようかな、と、思った。 [DVD(字幕)] 5点(2008-07-22 22:16:16) |
523. はだしのゲン2
作画が一作目より二作目のほうが真に迫っていており、動画レベルや脚本、演出も現在のアニメと遜色無く、堅実で普遍的な人間ドラマとしての凄みを感じる。 しかし、私の狭い心の所為だろうか、音楽のマヌケさに一寸「コレ、どぉにかならんかったんかのぉ」と感じた。 [DVD(邦画)] 8点(2008-07-17 23:09:47) |
524. トランスフォーマー
「アルマゲドン」や「パールハーバー」等の作品からしてこの監督の作品、私とはトコトン相性が悪いんですが、今作はかなり面白かった。 何といっても真昼間から人口密度の高い都市のど真ん中で、デカいロボットのド派手なバトルシーンが何しかスゴイ。 「ロボットが主役の映画だからといって舐められちゃいけない」といった監督の気概が伝わってくる。 一億ドルを超える制作費で撮った作品と日本の特撮作品とを比べるのもナンセンスだが、どうしても近年の「ゴジラ」や「戦隊モノ」と比べてしまう。「ここまでやるか?」と呆れてしまう馬鹿集団としか言いようのないハリウッドの力技は、あなどれない。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-15 03:03:20)(良:2票) |
525. はだしのゲン(1983)
「原爆(核兵器)」がどういうモノなのかを子供から大人まで分け隔てなく伝えることが出来る作品。原爆投下によって起きた悲劇を、短い作品時間で包み隠さずギリギリまで描写しきったといえる。 蛇足ながら、本編のメッセージ性のすばらしさとはウラハラに残念ながら音楽がイマイチだと感じたのと、宮崎一成のデビューって古いんだなぁと思った。 [DVD(邦画)] 7点(2008-07-14 00:29:33) |
526. バベル
イニャリトゥ作品の中では、ちょっとおとなしい?と、感じた。 が、他者とのコミュニケイトすることの難しさ、大切さ、は十分に伝わった。 他者と100%分かり合えるのは不可能だ。不可能だが、諦めたり知ったかぶりするより、私は分かり合うためには色々と苦労したいと思う。そういうコミュニケイトを、面倒がるなっちゅう事ですかね。 しかし、相変わらず配役センスがイイ監督ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-07-14 00:13:16) |
527. セロ弾きのゴーシュ(1982)
牧歌的なファンタジーでありながらも、一切の手を抜かずに丹精込めて作られている。その仕事っぷりが見事というべきか、さすが宮沢賢治の魅力(未読)というべきか。 予断だが、セロって、チェロみたいな音がするのな?と、思った。(バカ発言) [DVD(邦画)] 7点(2008-07-05 22:16:03) |
528. ゲゲゲの鬼太郎(2007)
大人が観ても楽しめない内容ではあったが、子供向けと思えばソコソコ楽しめる内容なんじゃないかな?と、思った。対象年齢は香取慎吾の「ハットリくん」よりちょっと上かな?しかし、水木しげる作品にゃコアなファンもいるわけだし、妖怪の魅せ方やブラックさなんかをもう少し配慮してもいいんじゃないかな?ま、時代を反映して如何様にも変化するのが「ゲゲゲの鬼太郎」のフトコロの広さなんだ、と、いってしまえばそれまでなんですが。 子供向けと割り切れば、十分に及第点です。 [DVD(邦画)] 5点(2008-06-22 20:23:34) |
529. ハリヨの夏
十代の焦燥と苛立ち。そして夏。 使い古されているテーマだと見くびっていたが、凄くドラマティックに仕立て上げられていて驚いた。何しか丁寧。雑味がほとんどない。誠実な作品だなぁと、鑑賞後に溜息。 舞台が京都というのも巧く、於保佐代子を始めとするキャスティングセンスも見事。とりわけ素晴らしいのはPE’Zの音楽。チリチリと切なく、そして深いメロディと映像のマッチングが何とも言えない素晴らしさ。 今後の中村作品は、注目しておきたい。 [DVD(邦画)] 8点(2008-06-05 22:51:12) |
530. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
劇場版「Zガンダム」というリメイク(リマスター?)作品の失敗点を、見事にかわした好作。テーマカラーに使われているのだろうか、全体的に「赤」の描写が少ししつこいような。見所は新ラミエルの変形。素敵でした。 しかし、碇親子。これほど不器用極まりない親子が物語の中心でいいんでしょうか?と、エヴァ観るたびに感じる。 [DVD(邦画)] 7点(2008-06-01 22:07:03) |
531. 俺は、君のためにこそ死ににいく
他のコメントでもあるように、脚本と演出のダサさが凄まじい。お涙頂戴的な胡散臭い説教臭さや、人間描写のテキトーさがズサンで、イマイチ。 「靖国神社で、会おう」的な発言の多さも、誰に向けたアピールだよ?と勘繰ってしまう。単なる時事的な意味合いの台詞が何とも嫌らしく、何とも品がない。 桜の下で蛍が舞う、というような季節感を完全無視したシーンも、可笑しかった。いくら心象的シーンだとしても、気持ち悪いシーンでした。感動させなきゃいけない所なのに。 ま、思想的云々については、この場では控えさせていただきます。 蛇足ながら思ったんですけど、都知事は近年の小林よしのりの漫画や「男たちの戦艦・YAMATO」でちょっとしたムーブメントになった「なんちゃって右翼化」している人達の浮動票でも欲しかったのかも? もう一つ、蛇足ながら言わせて頂くなら、ラストの切腹シーンの「介錯は、要らん!」のシーンで大爆笑。苦しくなったら自分で首を切り、マイセルフで介錯するから、要らん!という意味だったの?ま、腹を切るのは苦しいんでしょうが、ね。 [DVD(邦画)] 2点(2008-05-21 21:50:40) |
532. ひとごろし
犬嫌いで、甘党で、臆病で、卑怯者な主人公なのに、キチンと愛せる隙間が存在しているの点が、面白い。私もビビリで甘党で犬が嫌いだからだろうか?主人公に対して妙に感情移入できてしまった。複雑です。笑。 ちょっと難点といえばラストの余韻のなさと、渡辺宙明の80年代特撮風音楽か。渡辺宙明サウンドって、時代劇にはイマイチ合わないような。 [DVD(邦画)] 7点(2008-05-10 00:42:21) |
533. ヒロシマナガサキ
以前、原爆製造に関わっていた科学者が被爆体験者の目の前で「原子爆弾を作ったことに、何の後悔もない。私に罪があるというならば、私にも言わせてもらいたい。リメンバー・パールハーバー、と。」と、語っていたのを思い出す。 彼は「リメンバー・パールハーバー」というキーワードで原子爆弾に対する罪悪感をオフにできるのだ。 「ヒロシマナガサキ」に登場していた元アメリカ兵の「悪夢にうなされた事は、特にない」というコメントを聞いて、同じように「戦争だった」という一言で、原子爆弾の投下についての罪悪感をオフにしていると、感じた。彼個人が投下した訳では無くとも、被爆した広島・長崎の惨状をみて、もう一度、「あなたのスタンスは〈戦争だった〉で、いいんですか?」と、問いたい。 担保となる理由さえしっかりしていれば、人間はいくらでも無自覚的に残酷になれる。そして、その無自覚な人間が、「永遠にわかり合えない世界」の構築を担っている。悲しい事だと、思う。 そんな悲しい世界は真っ平だ。私ももっと学ぶべきであり、考えるべきだと感じた。 これは、「被爆国である、というを徐々に忘れつつある平和な日本」に暮らす私の平和ボケした傲慢な物言いだろうか。 [DVD(邦画)] 9点(2008-05-06 14:09:31)(良:2票) |
534. 転々
大学八年生のオダギリ、廃業した借金取り三浦、等々、キャスティングのセンスがイイ。今回は小コント的な笑いとストーリー展開のテンポがイイ具合にマッチしていた。「狙っている」のか「狙っていない」のか、よくわからない中途半端な抜け具合が、面白かった。爽やかなラストが見事で、鑑賞後にじんわりとしてしまいました。 三木作品の中では傑作といってもイイのでは? [DVD(邦画)] 8点(2008-05-04 00:15:35) |
535. 犯人に告ぐ
前作「樹の海」で感じたのは「堅実な物語を撮るのが巧い」という印象の瀧本智行作品。この作品もまさしく「堅実」そのもので、何ともケチのつけようがない。人気の高い原作付きミステリの映像化というやや高めのハードルを、難なくクリアした感じ。豊川悦司の好演や他キャストの存在感、安定感がバツグンにイイ。いやぁ、こういう良作がコンスタンスに発表されなきゃ、邦画も盛り上がんないよなぁ、と、感じました。 個人的には「凌&蓮司」のW石橋のキャストが、嬉しかった。 [DVD(邦画)] 7点(2008-04-26 22:16:38) |
536. ハンニバル・ライジング
ハンニバルのサイコさは際立っていたが、インテリさに欠けていたような気が。和風テイストも、ちょっと邪魔かな?とも。しかし、ハンニバルの人間描写は素晴らしい。G・ウリエルの切なげ怒サドな雰囲気も、面白かった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-23 01:19:20) |
537. ナンバー23
《ネタバレ》 肝心のオチがA・パーカーの「エンゼルハート」っぽく、新鮮味にかけるもの確かなんですが、中々に面白かった。A・パーカーにしろJ・シューマーカーにしろ社会派といわれる監督がこういうサスペンスを撮るのって、そういう「何か」が、あるんでしょうか。 蛇足ながら、「東京都は23区」って、出てくるかな?と思った(私含む)人は多いはず。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-23 01:11:40) |
538. シッコ
《ネタバレ》 米社会に蔓延している様々な「問題点」と、犠牲になっている「弱者」にキチンとしたピントをあて、それらを「解決」するにはどうするべきなのか?を、誰にでもわかり易く説明してくれる。こういうエンタテイメント性の高いドキュメンタリ作品を撮らせると、M・ムーアは本当に巧い。洗濯物を抱えてホワイトハウスに向かうラストシーンは、流石M・ムーアといった感じ。 [DVD(邦画)] 9点(2008-04-20 14:17:49) |
539. ストレンヂア -無皇刃譚-
石橋を叩いて渡るが如くの手堅い演出とアクション、萌え要素をギリギリまで排除した硬派さ、動画の細部にわたる嫌味のないコダワリ、声優陣の巧さ、等々が好印象。手堅い丁寧さは高評価できるものの突出したモノが無いのも確かで、もうちょっと冒険してみてもよかったのではないか?とも、感じた。橋上でのアクションの芸の細かい演出は、見事。こういう丁寧な演出は、嬉しい。 [DVD(邦画)] 7点(2008-04-20 14:03:02) |
540. 夕凪の街 桜の国
丁寧ではあるが、全体的に野暮ったい。最近の邦画の悪い傾向ともいえる、単なる「泣かせ」作品としか、評せない。が、原作の素晴らしさや麻生久美子・田中麗奈の華々しさ、端々に「ギクリ」とさせられる皆美の台詞、ケチのつけ難いテーマ性、諸々に助けられてか、ソコソコ楽しめる作品になっている。何とも複雑な気分だ。 もしかしたら佐々部清って、普段マンガは読まない人なんじゃないかな?と、感じてみたり。 [DVD(邦画)] 5点(2008-04-13 00:35:59) |