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プロフィール
コメント数 2133
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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521.  ボディヒート(1992)
まずは谷のような所に吊り下げられたブランコにドリューが揺られるオープニングが印象的。 何とも言えない不安定さ、危うさ、微妙な幼さをも感じさせます。 しかしその後は友人の家庭を崩壊させる、この時17歳とはとても思えない堂々たる悪女っぷりを見せる。 ストーリーに特筆すべきものは無いですが、このドリューが最大の見どころ。 彼女の生い立ちや家庭環境については断片的に触れられる程度で多くは語りませんが、 彼女を評する、友人の本作最後の台詞「私より孤独だった野良猫」が見事に彼女を言い表しています。 ちなみに↓のお2人と同じく、僕もディカプリオがどこに出ていたのか分かりませんでした。 "レオ様を探せ!"も本作のお楽しみの1つかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-13 20:38:30)
522.  密告・者
「インファナル・アフェア」を思い出すような香港ノワールの佳作。 派手なアクション、バイオレンス描写だけでなく、警察に足元を見られ密告者とならざるを得ないという 前科者の悲哀など、登場人物それぞれの事情、心情、心の闇も丁寧に描かれています。 台湾のスター、グイ・ルンメイ。彼女のこれまでの主演作からは想像もつかない本作の姿は良くも悪くも結構衝撃的でした。 これまでの彼女の持ち味を全く封印しての体当たりの演技。特に終盤の格闘シーンには驚かされました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-09 20:11:19)(良:1票)
523.  キンダガートン・コップ
この頃のシュワちゃん、何本かこういうコメディに出ているんですけど、どれもいいんですよね。 多少ぎこちなさを感じたりもするのですが、それがまたコメディの中でいい味になっていたりします。 子どもたちとの絡みもうまくいっているのかどうか微妙なんですが、それもシュワちゃんのコメディならではのほのぼの感があります。 近年のシュワちゃんは「エクスペンダブルズ」や「大脱出」でスタローンと組んでまだまだ元気なところを見せてくれていますが、 今度は昔の仲間が集まって大いにワル乗りするアクションコメディなんていかがでしょうか・・・?
[CS・衛星(吹替)] 6点(2017-05-02 11:15:35)
524.  パーフェクト・プラン 《ネタバレ》 
ある夫婦が生活の足しにと部屋を貸していた同居人が死んでいた。そして彼は大金を残して死んでいた。 家賃も払えず退去勧告を受けている善良な夫婦にとってこれは天からの贈り物なのか・・・? そんな訳はなく、こういうケース、映画では大抵の場合、組織のヤバいカネとなっております。 警察、ギャングの追跡をかわして、思いもしなかった大金を手にした夫婦の作戦はうまくいくのか?という作品の出だしですが、 こういう作品は圧倒的にコメディに分があると思います。 例えば、同じようにひょんなことからギャングの大金を手に入れ警察とギャングから追われることになる「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」とかですね。 カーチェイスを入れたり駅や繁華街を利用したりで追いつ追われつのアクションを入れればまだ良かったと思いますが、 作品のほとんどが自宅周辺で展開されるので、この手の作品にしては地味で小ぢんまりとしすぎている気がします。 それでも改修中の屋敷を使っての最終決戦はなかなか面白かった。 夫婦には銃は持たせず、亭主の仕事道具を駆使してギャングに立ち向かうというのも良かった。 イギリスのベテラン俳優トム・ウィルキンソンがいい味を出していました。最後のカネの出し方もなかなか粋でしたね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-30 21:06:57)
525.  夕陽のガンマン
巨匠レオーネとモリコーネに、リー・ヴァン・クリーフとイーストウッド。 皆がこれだけ見事な仕事をすれば面白い映画になるに決まっている。 命を懸けた男たちが繰り広げるガンアクション、そして心理戦。節目節目に挿入される緊張感あふれるシーンの数々に痺れまくりです。 クリーフとイーストウッド、銃を持った2人の所作の1つ1つがたまらなくカッコいい。 特に2人が中盤で対峙するシーン。互いの銃の腕前を披露しあう、その時のハットの使い方! どちらが勝つかは分かっているのですが、交互に挿入される3人の表情と過去と、小道具と。ラストの決闘まで見ごたえ十分です。 ポンチョをまとったまだ若さを感じさせるイーストウッドと、夕陽に消えゆくラストまでとにかく渋い、スマートな装いのクリーフ。 今に見ても何もかもがカッコいい映画。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-29 21:47:59)
526.  PK 《ネタバレ》 
傑作「きっと、うまくいく」の監督・主演コンビがまたしても素晴らしい作品を世に送り出してくれました。 「きっと、うまくいく」と同様に勢いのあるコメディをベースにしながらも様々なジャンルやメッセージを含んでいる、そのバランス感覚が素晴らしい。 本作の主人公は地球人の価値観に戸惑う宇宙人。コメディにSF、ラブストーリー、ミュージカルといった要素を盛り込んだ宗教映画といったところ。 人々が信じる様々な宗教の神様ごとに教えが違うことに戸惑う主人公。 多宗教の国インドを逆手に取り、この主人公に行動で大いに笑わせながらもしっかり問題提起を挿入する。 地球の人間の価値観、宗教観を学習中の宇宙人の純粋な疑問や発想を軸にしているので難解さや嫌味が全く無くどこまでも陽気。 前作と同じく挿入されるインド風の曲が良く、その歌詞がその時々の登場人物の思いを実にストレートに代弁しています。 そして最後の公開討論会ではホロリとさせられ、ヒロインに関する嬉しいサプライズまで用意する。 「服は〝踊るクルマ〝から手に入れろ!」・・・。笑わせてもらいました。前作同様、大満足の作品でした。 この監督さん、今後も目が離せません。
[DVD(字幕)] 9点(2017-04-25 16:55:22)
527.  ビッグトレイル(1965)
あの名作「大脱走」から2年、巨匠スタージェスのコメディウエスタン。 コメディなのですが、コメディらしいキャラクターは「大脱走」でも存在感を発揮していたドナルド・プレザンス演じる預言者くらいですが 彼が演じる酒を飲まないと予言できない預言者というキャラクターが可笑しいんです。 主演は名優ランカスター。コメディにしては堅い演技なのですが、ランカスターの存在そのものが大佐という階級とその威厳を感じさせていていい。 コメディシーンでは、バーンスタインが「大脱走」のテーマ曲を思わせるコミカルで軽快な音楽でいい仕事をしています。 この内容で2時間をはるかに超える上映時間はさすがに長いのですが、 砂嵐が吹き荒れる中、ウイスキーを運ぶ幌馬車隊・護衛する騎兵隊・禁酒を訴える女性陣・先住民が入り乱れる、 アクションシーンはさすがスタージェスという本作一番の見どころとなっています。
[DVD(字幕)] 6点(2017-04-23 21:17:17)
528.  パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間
本作は古くは「ダラスの熱い日」や恐らくJFK暗殺ものではもっとも有名な「JFK」などとは異なり、 闇に葬られた暗殺の真相を追う作品ではない。グランド・ホテル形式で撮られた弟のRFK暗殺事件を映画化した「ボビー」と同様に、 パークランド病院の医師、ザプルーダー・フィルムで有名になってしまったエイブラハム・ザプルーダー、オズワルドの家族など 暗殺前後に当地にいて、暗殺事件に関わることになったしまった人々を描くことでアメリカの歴史に残る悲劇を再現したドラマ。 必死に大統領の命を救おうと奮闘する手術室。テキサスの州法に反してまで強引に大統領の遺体を移動させようとする様や、 オズワルド家の混乱、ザプルーダー・フィルムを巡る駆け引きなど・・・。 作品の混乱した空気がそのまま、当時のアメリカ社会がいかに混乱し悲しみに包まれたかを伝えているかのようです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-18 17:21:57)
529.  砂漠の流れ者
馬に代わって自動車やバイクといった新たな移動手段が現れ、西部開拓の時代も大きな転換期が訪れてる。。 本作が制作された1970年頃は映画界にとっても大きな曲がり角に差し掛かった頃。 ペキンパーが愛した西部劇も徐々に衰退していく時代と重なります。 本作は「ケーブル・ホーグのバラード」の原題の通り多くの歌が挿入され、ミュージカルっぽいシーンもありますが、 ミュージカル映画もまた同時期に同様の道を辿ることになり、何とも言えない感傷的な思いにもなります。 西部開拓の時代もまた時代が大きく変わろうとしている時期にあって、 ジェイソン・ロバーズ演じる「俺は町では何の価値もない男だ」という時代から取り残されようとしている我が道を行く男を主人公に、 60年代が終わり70年代が幕を開け変わりゆく時の流れの中で、西部劇や古き良き映画の時代への郷愁を感じずにいられません。 男の闘いもバイオレンス描写も控え目な作品ではありますが、これもまた反骨の人ペキンパーらしさのある西部劇の傑作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-18 17:13:54)
530.  バッド・ガールズ(1994) 《ネタバレ》 
先に撃ってきたのは娼婦に絡んでくる大佐の方。 マデリン・ストー演じる娼館の経営者はその大佐を逆に撃ち殺してしまう。正当防衛だと思うのですが、 死刑を宣告されるマデリン・ストー。しかし刑の執行寸前で3人の娼婦に助け出される。 その後は西部劇でお馴染みのピンカートン探偵社に追われるという設定だったはずですが、 途中からはこの設定をお忘れになったかのようにストーリーが進行していきます。 もっと執拗に追手に彼女たちを追わせて絡ませなきゃ・・・。 手配書まで作られたお尋ね者のはずが、途中からは追手の存在感が全く無くなってしまいます。 「ヤングガン」では地味な役回りだったダーモット・マローニーが2枚目役をカッコよくこなす。 ジェームズ・ルッソもこういう役がよく似合う人です。 脇を固める男優もよかったし、4人の〝バッドガールズ”も魅力的だっただけに惜しい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-04-15 21:09:56)
531.  日本の黒い夏 冤罪 《ネタバレ》 
松本サリン事件。第一通報者が疑われ、まるで犯人と決めつけるように過熱する報道の裏で一体何があったのか。 歴史に残る重大な事件を扱う社会派の作品として第三者の目を通すにしても、もっと徹底的に硬派な作品であってもよかったと思いますが、 その第三者の目をこの事件の背景を取材する高校生に置いたことで、想像していたよりもマイルドな作品となっていました。 それでも警察の捜査のあり方、それを伝える報道機関のあり方に対する問題提起としては十分であると思うし、 終盤に挿入される、事件当夜の再現も十分すぎるほどの凄味がありました。 警察の捜査の方向性や過熱する報道に一般市民や社会全体が流されていく。冤罪への流れが加速していく様も丁寧に描かれているのですが、 事件を振り返る地元テレビ局の面々と高校生との絡みと、事件当時の再現ドラマとの間に微妙な温度差が出来てしまっているのが残念なところです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-04-11 19:28:31)
532.  上海ルージュ
1930年代の上海。裏社会に生きる人間達の抗争と愛憎のドラマ。 日本や西洋諸国の思惑が交錯するこの時代の上海の混沌も、裏社会の抗争に付き物のドンパチもほとんど無い。 上海の裏社会を牛耳るドンの愛人にして上海の人々を魅了する歌姫。皆から"お嬢様"と呼ばれ栄華を極めるコン・リー演じるチンパオ。 この手の作品にしては静かなドラマですが、作品の視線を荒みきったこの世界の住人達に置くのではなく、 彼女の付き人を務めることになった、田舎から出てきたばかりの少年に置いたことで登場人物ぞれぞれの運命や結末が強烈な印象を残します。 チンパオがいなくなってしまっても何も変わらない。新たなチンパオの候補者を上海に連れて帰るだけ。 この少年もいずれは上海の裏社会の構成員に成長していくのか・・・。 こんな風に裏社会のシステムが受け継がれていくことを感じさせるラストが悲しすぎる。 チャン・イーモウが時折見せる映像美へのこだわり。本作でもそのこだわりが随所に感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-09 21:05:26)
533.  ランブルフィッシュ
恋や友情を描く青春映画と、どこか郷愁を誘うモノクロって相性がいいと思います。 本作もモノクロの青春映画ですが、そういう郷愁を誘う映画ではありません。 本作のモノクロの世界は、ミッキー・ローク演じる色盲の兄、モーターサイクルボーイの世界。 主役はマット・ディロン演じる弟なのですが、目線の定まらないような演技を見せるミッキー・ロークの存在感が凄い。 唯一、カラーになるのは狭い水槽の中で常に喧嘩をするランブルフィッシュ(闘魚)の姿。 それは小さな狭い町で敵対する不良グループと常に喧嘩している弟たちの姿と重なります。 狭い水槽の中で争ってばかりいる魚を川に放してやろう・・・。そして弟にはこの小さな町を出ろと言う兄。 マット・ディロンと一緒に「アウトサイダー」に続いてコッポラの青春映画に出演となった、 作品の華というべきダイアン・レインの存在もありますが、これは男2人の兄弟愛の映画でもある。 コッポラの青春映画としては「アウトサイダー」の方が好きなのですが、 本作は俳優ミッキー・ロークの出演作としては外すことができない作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-08 20:35:36)(良:1票)
534.  妻への家路 《ネタバレ》 
チャン・イーモウが久しぶりにかつてのパートナーであるコン・リーと組んだ作品は、 「活きる」や、前作「サンザシの樹の下で」でも描いてきた、文革を下地にした作品です。 本作では文革の時代そのものは序盤のほんの短いだけで、作品の大半の時間は文革後の家族の物語となっています。 文革の終結が宣言され、名誉を回復すると紙一枚で通知を受けても、多くの家族にとってはそれで終わりではない。 夫の帰りをひたすら待ち続ける妻と、妻の記憶が戻るのをひたすら待ち続ける夫。 そんな両親を傍で見つめる一人娘。まだ文革が終わっていない、あまりにも辛い家族のドラマ。 妻を演じた化粧っけが無いコン・リーは老けて見えますが、大女優の貫禄を随所に感じさせます。 夫を演じたチェン・ダオミンの繊細な演技に、娘役の女優さんの透明感も光ります。 歴史的には文革は過去のこととなり、終結してもう何年も経つというのに、夫婦はまだ駅で夫の帰りを待ち続けている。 この家族にとっては、文革はまだ終わっていないことを思い知らされます。 普遍的な夫婦愛と家族のドラマの形を取りながらも、チャン・イーモウの変わらない批判精神を感じさせます。
[DVD(字幕)] 8点(2017-03-30 21:25:09)
535.  ブルー・ストリーク
勢いがいい。ノリがいい。テンポがいい。尺が短い。笑いドコロ十分。 元泥棒の偽刑事。無茶苦茶なようでそれなりに辻褄が合ってくる。みんなちょっとずつ間が抜けている。 警察、FBI、昔の泥棒仲間に麻薬王まで入り乱れて、最後はちょっとハラハラドキドキ。そして結末がいかしている。 マーティン・ローレンスが素晴らしい。新人ダメ刑事だったはずの相棒、ルーク・ウィルソンが最後はカッコいい。 典型的アメリカン・コメディとして実に素晴らしい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-29 21:22:36)(良:1票)
536.  ゼロ・ダーク・サーティ
CIAの女性分析官マヤを主人公にした、9.11同時多発テロからビン・ラディン殺害までの10年間。 この間、アメリカにとっては公表されると都合の悪いことも色々あったのだろうと思いますが、 前半の拷問のシーンなど、アメリカ、CIAにとって都合の悪い部分も執拗に描かれています。 この10年間の長さを感じる2時間半を超える作品ですが、タイトルをつけて局面ごとに章立てすることにより それぞれの局面ごとの緊張感があり、作品にうまくメリハリをつけています。 マヤの友人の分析官がテロで命を落として以降は、その報復、彼女の弔い合戦の様相を呈する。 ネイビーシールズの精鋭部隊がビン・ラディンの隠れ家に突入し、作戦は成功する。 しかし迎えの専用機に乗り込み、「どこへ行く?」と聞かれても何も答えられない虚ろな表情のマヤ。 アメリカ万歳どころではない。作戦は成功しましたが、その作戦成功の後味は極めて悪い。 結局は報復がさらに新たな報復の連鎖を生みだす。 その虚しさしか感じられないラストにキャスリン・ビグローが本作に込めた思いを見たような気がします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-26 21:09:37)(良:1票)
537.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
刑務所や収容所モノによく見られる、囚人同士の喧嘩も無ければ、 刑務所・収容所映画の見せ場の1つである、看守との息詰まるような心理戦も接近戦も見せない。 台詞も音楽の使用も最小限にとどめられ、ナチスの行為への直接的描写も控えられ、徹底的に地味に撮られた作品。 邦題の通り、主人公の男の手記を読んでいるかのようですが、淡々とした描写の中に常に緊張感が張り付いています。 銃殺刑の直接的描写は無いですが、銃の音が遠くから聞こえてくる度にドキッとさせられる。 銃の音、足音、様々な生活音、脱獄の準備や決行の際に出てしまう音・・・。音の使い方が凄い。 まるで主人公の男と行動を共にしているかのごとく、かすかな物音に耳をそばだてながら見ている自分に気付かされる。 ここまでエンターテイメント性を排し地味な作品であっても見る者の目も耳も釘付けにし、 かくも強烈に印象に残る映画になるものかと驚かされます。
[DVD(字幕)] 9点(2017-03-23 22:12:01)
538.  理由なき反抗
映画史の中でほんの短い間に強烈な個性、存在感を放ち、主演作を3本だけ残していなくなってしまったジェームズ・ディーン。 本策の中でも他を圧倒する存在感を見せるとともに、素晴らしい演技で見る者を魅了します。 特に序盤の警察署でのすねたような演技。 そしてラスト、「私を頼っていいんだぞ」と言う、日頃から頼りないと思っていた父の前で泣き崩れる演技が印象的です。 ナタリー・ウッドは本作でもやはり美しく、ディーンと同じく若くしてこの世を去ったサル・ミネオもまた全く違った存在感を見せます。 主演がジェームズ・ディーンでなかったら、既に忘れられた作品のようになっているかも知れないですが、 出ている俳優の魅力、それだけでも見る価値がある作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-17 22:17:33)
539.  ウンベルトD 《ネタバレ》 
ヴィットリオ・デ・シーカのネオレアリズモ映画。 戦争も、不景気による国の政策の転換も、いつも弱者にしわ寄せがいく。 年金の減額と、それによる困窮。決して昔話とは思えません。 「自転車泥棒」では主人公の男にはまだ小さな息子がいた。 本作の老人ウンベルトも一人ぼっちのようでもあるけど、ついて来てくれる可愛い愛犬がいる。 どちらの作品も1人ではない、寄り添ってくれる者と一緒のラストを迎えます。 いつも心配してくれる心優しいマリアの存在も良かった。 どうしようもない現実の厳しさはありますが、デ・シーカという人の優しさが感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-16 22:37:07)
540.  スリ(1959)
ブレッソンの作品なので当然スターの豪華共演なんてのは無く、ストーリーにも特筆すべきものは無い。 音楽もほとんど使われず徹底的に地味な作品ですが、鮮やかなスリの手口、その瞬間を見せる、それだけで面白い。 あとは主人公の青年がどう自滅していくのか・・・?というところに興味は移っていく。 その通りに年貢の納め時が来るのですが、こういう救いの手を差し伸べるとは思わなかったな。 とても素人とは思えないヒロインの女性が印象的です。勿論ブレッソンが次回作では主演に起用、なんてことは無い訳ですが、 本作を見て、「ぜひ我々の次回作に」というオファーなども無かったのでしょうか・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-15 22:06:55)
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