521. 青春☆金属バット
竹原ピストルさんが好き。圧倒的な声量と突きつけてくるような歌詞。それでいてナイーブ。そんな彼の10年前の姿を拝めたのは収穫でしたが、…。しかし エンディングテーマ「ならば、友よ」がまた良いだけに、本編中の焦燥感に駆られた彼の表情がツライ。いやいや、こういう(映画の)現場にも立ち続けてきたから、今のピストルさんがいるんだと思いますよ。 [DVD(邦画)] 4点(2016-07-09 07:26:51) |
522. エベレスト 3D
《ネタバレ》 ロブを中心に進んできた話と思いきや、終幕近くにベックの奇跡の救出劇。おいしいところ持っていかれた上に、ロブはエベレストの雲の上。ダグの登頂を許したロブの一番やっちゃいけない判断ミス。誰もそこにはツッコまないのだな、実話だし。…などと、地上でゴタク並べているのが申し訳なくなるような、雪山のリアルでした。エベレストでは、体力を温存するために「動くな」ではなく、「動け」なのですね。動かないと死ぬ。面白いです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-03 12:16:24) |
523. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 このシリーズは初見なのですが、過去作を見たら良いのか見ない方が良いのか迷ってしまいます。だってこれで完璧じゃないですか。「宇宙戦艦ヤマト」みたいで、「北斗の拳」みたいで、「風の谷のナウシカ」みたいで、「インディジョーンズ」みたい。アホっぽい感想でイヤんなりますけど、これは無茶苦茶面白いぞ。 [DVD(字幕)] 10点(2016-06-12 14:36:42)(良:1票) |
524. ユーズド・カー
あー、懐かしいなあ。この善悪不明で破天荒な懐かしさは、湯原昌幸、小野ヤスシ、夏木ゆたか、そしてせんだみつおという、あのヤングが脳天気に暮らせていたころの懐かしさですね。ロバート・ゼメキスとスピルバーグの初期作品を見るというより、昭和50年代の日本のテレビバラエティ界におけるアメリカ的なモノを見るという心構えで鑑賞したらいいんじゃないでしょうか(そんな心構えはできない)。 [DVD(字幕)] 4点(2016-06-06 16:24:35)(笑:1票) |
525. 海よりもまだ深く
《ネタバレ》 「海よりもまだ深く 空よりもまだ青く」。本作のタイトルのもとはテレサテンの「別れの予感」です。人をそこまでに愛することは不可能なのかもしれないが、みんなそんなふうに愛し合っているのかもしれない。他人のワタシには冷凍ヤケしてんじゃないかと心配しちゃう食材を使ったカレーうどんをおかわりしながら食べる家族は、海よりも深く愛し合っているのではないか。父親がしてくれたように、台風の中公園の遊具にもぐって息子といっしょにおやつを食べるのは空よりも青く愛しているからではないか。淑子はいつかこの世を去り、真悟を通じてかろうじてつながっている良多と響子がよりを戻すことはまずない。真悟もいずれは自分の世界に旅立っていく。そこはかとなく別れの予感が漂う中に、それでもぎこちなく愛し合う家族を描いた良作だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2016-06-05 07:54:11)(良:4票) |
526. クリード チャンプを継ぐ男
《ネタバレ》 前シリーズとの統合性よく、巧くつなげているのだなという印象。だから、未見の「ロッキー3~5」も見てみようかなという気になりました。ただ、気持ちの高ぶりは、「こんなにもロッキーが愛されて余生を送っているんだ」というところだけでした。その分、アドニスに気持ちが入っていかない。本作こそが、「ロッキーシリーズ」のかませ犬になってしまっている構造なのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2016-06-05 07:27:30) |
527. シベリア超特急
《ネタバレ》 とてつもなく見るのがおっくうな映画でした。0点とか1点をつけるために、ワザワザワタシは時間を割くのかと。見てみてなるほど。破天荒な作品ではある。しかしこの程度なら、私たちは「シュール」とか「不条理」とかいって処理してきたレベルなんじゃないでしょうか。「チープなところがまたよい」とかね。打ち上げ会のシーンまで見せるメタ構造は、むしろ当世的とも思いましたね。ワタシ、このレビューを書くにあたり、故・ナンシー関氏の書物(「聞く猿(朝日新聞社)」)を引っ張り出しました。ナンシー氏曰く、「世の中が「シベリア超特急」のことを忘れ去ったとしても、私はきっと「「シベリア超特急」という映画があったこと」」を忘れないであろう」と。公開当時、まだ未見にも関わらず彼女を引きつけた本作だったワケです。「この映画の完成のために私財をなげうって資金を調達した晴郎(前著より)」が、学生が卒業制作に向かうがごとく、ごく真面目に作り上げた本作でもあります。オレには、超特急があたかも走っているようには見えたよ。率直な反戦メッセージとか、今こそ見て欲しいとも思いました。最近はこんな風に真っ直ぐに言ってくれる人はいません。そんなこんなで、本作に、ワタシはキッパリと「4点」を献上したいと思います。なんだよ、その「キッパリと4点」って。 [DVD(邦画)] 4点(2016-05-29 08:16:26)(良:1票) |
528. 東京家族
《ネタバレ》 現代風なアレンジは施しつつも、オリジナルの味わいを極力殺さないという非常に繊細な仕事。観終わってみれば、こんなことができるのは山田洋次監督しかいなかったのではないかと思ってしまう。あんまりにも繊細でストレスフルな仕事だったので、反動として「家族はつらいよ」を作ったのではないかと勘ぐってしまう。 [DVD(邦画)] 8点(2016-05-15 17:39:31) |
529. ムーン・ウォーカーズ
《ネタバレ》 いまさら、アポロの月面着陸の捏造作戦。であるからには、キューブリックへのオファーがポイントになるのだろうと思いましたが、早々にその計画は断念します。イギリスのコメディって、なんか真面目な人が無理矢理ふざけているような痛々しさがあるよね、って書こうと思ったら、イギリスの作でもないじゃないですか。フランスとベルギーの人が、イギリスを舞台にアメリカ人の物語を描くって、なんかねじれた狙いがあったのかもしれません。しかし、本作に関しては、日本のワタシにはピンときませんでした。 [映画館(字幕)] 2点(2016-05-09 19:30:17) |
530. ヤクザと憲法
《ネタバレ》 超絶面白悲しいコントになる素養のある材料だったと思います。やたら男前の親分とラーメンズの片桐仁の若い頃といった風貌の滑舌悪い部屋住みのコント。でも、制作側はそんな風なツッコミはしなかったワケですね。小さな劇場にけっこうな人が入っていましたが、笑いは起きませんでした。「これな、わしら人権ないんとちゃう?」という惹句そのまま、真面目な作りになっています。でも。まあ、そりゃそうですよね。やっぱ、怖いモン。森達也監督の「A」に近い味わい。最初の方に映される「総会」のシーンは心の中でクスッとしました。ヤクザの学級会。 [映画館(邦画)] 7点(2016-05-08 17:36:41) |
531. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 ジョルジュ・メリエスをちゃんと観たい。新しい鉱脈の可能性を教えてくれたところはよかったです。ヒューゴったら、もっと不思議な発明品でドキドキさせてくれると思ったのに、なんか口ほどにもないヤツだったなあって。いえ、それはヒューゴのせいじゃありません。邦題が悪い。 [DVD(字幕)] 3点(2016-05-05 17:03:11)(良:1票) |
532. 合衆国壊滅/M(マグニチュード)10.5<TVM>
残念ながら、人のイマジネーションを自然の力は遙かに超えていましたね。 [DVD(字幕)] 5点(2016-05-01 19:11:53) |
533. 暗殺の森
《ネタバレ》 ゲシュタポといえば猟犬みたいなモノと思い込んでましたから、愚図で卑怯なソレってのは珍しかったかもしれませんね。なにやら有能なヤツという雰囲気がただようマルチェロですが、物語が進む中、主体的というか能動的に関わるシーンがないではないですか。行き当たりばったり。しかし、それがある意味リアル。こんな秘密警察の人もいたんだろうな、と。殺しをしたかもしれないことが、彼にとって自分の特別性のよりどころだったから、リーノらしき人を見つけたときにはあんな風に取り乱したのでしょう。でも、それが面白いかというと別なんだ。絵画的な映像もあったとは思いましたが、何かありそうで何もない、気持ちの入れようがない主人公の物語のなかでは、それがどうしたという気持ちです。 [DVD(邦画)] 4点(2016-04-30 06:56:48) |
534. GONIN サーガ
《ネタバレ》 ワタシ邦画びいきなのですが、どうしても日本映画で好きになれないところがありまして。それは、邦画に携わっている人たちの独特なウエットな連帯感です。根津甚八氏を担ぎ出す必要はあったのかなあ。それが故に、若い演者がすくんでいるように見えるんですよね。前作の回顧シーンでだけ、少し血圧があがる映画ってどうなんだろ? [DVD(邦画)] 2点(2016-04-17 09:07:17) |
535. 天空の蜂
《ネタバレ》 うーん、これは。まず嫌いなところから申し上げると、「沈黙する群衆」に責を委ねるような書き方がイヤだ。立地地区の住民以外のもので、原発推進を後押しするようなアンケート結果が出たことないですよね。原発再稼働の流れは、全く民意を反映しない現在の選挙制度、システムの問題だと考えています。また。原発企業の従業員の子供の背中にあんな落書きがされたことがあるのか?反原発運動家の家にあんな落書きされるようなことってあったのか?ありもしないエピソードを持ち出し、強力に二極対立を焚き付けて、それでもワタシは反原発でも、原発推進でもありませんってか。両論併記の中立的立場ですっていう極めてマスコミ的な制作陣がイヤだ。それでも9点入れるのは、本木雅弘。完全にイカれてますが、冷静に猛烈に怒りをあらわにする三島。彼のキャラクターに9点です。よかった。 [DVD(邦画)] 9点(2016-04-11 20:34:31)(良:1票) |
536. ねこタクシー
《ネタバレ》 心やさしい物語だったなあとは思います。おそらく、原作もTVドラマも面白かったのだろうと想像できます。でも、それらを未見のワタシとしては少し物語が唐突だなあという印象です。原作(またはドラマ)では、間瀬垣家の事情のシンボルでもあったであろう居間のおびただしい数のトロフィなどにも触れずじまい。教師に戻る必然性があったのだろうと思いますが、予習のないワタシには納得しづらい。ドラマの映画化を否定するモノではありません。需要はあると思いますので。しかし「映画」または「劇場版」とタイトルに入れるのがやっぱり親切ではないかと。 [DVD(邦画)] 5点(2016-04-10 21:18:05) |
537. サイド・エフェクト
《ネタバレ》 道具立てがアレなモンだから社会派っぽい色合いはありますが、ここはもう、誤解を恐れず言ってしまえば、「すぐ泣くオンナが化けの皮を剥がされて、徹底的にひどい目にあう」っていう下世話な話とみた。オレは好きだよ、こういうの。ジュード・ロウがちっちゃい渡辺謙みたい。でも、かっこいい。 [DVD(字幕)] 9点(2016-04-03 17:20:15) |
538. バケモノの子
《ネタバレ》 父親と子の物語としてはそうとう「出来ていた」のではないでしょうか。ずいぶん荒っぽくて、雑な物語運びも、父と子の関係ならでは、といいように解釈しようと思います。二人の父親がでてきますが、それぞれに切ない。繊細な父子関係。…いや、違う。熊徹のことが、ワタシはうらやましいんだ。「胸の中の剣に聞け」。それを、せがれの中に残すことができた熊徹がうらやましいんですよ。胸の中の剣=生きる指針。 [DVD(邦画)] 8点(2016-03-27 08:48:22) |
539. 砂の器
《ネタバレ》 「親と子の”宿命”だけは永遠のものである」とテロップ使ってまで、訴えるワケです。であるなら、ぬくもりのある愛情だけが親子関係みたいな描き方では納得できないなあ。仏様のような三木巡査とか。もはやファンタジーか、昔話のキャラクターですよね。「宿命とはこの世に生まれてきたことと、生きているということである」ってなあ。何か意味ありげなのだけれど、その実(じつ)何にも言ってない映画のような気がしますよ。 [DVD(邦画)] 2点(2016-03-21 09:07:34)(良:2票) |
540. ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ
《ネタバレ》 うーん、これは。いわゆる「2時間ドラマで十分」ってヤツではないでしょうか。登場人物、どいつもこいつもワキが甘すぎる。劇場型の特殊詐欺が横行する現代を生きるワタシとしては、だまされる方が悪いと言いたくなる。面白いにもかかわらず、邦題のせいで損してるって思うことは多々ありましたが、本作の炭酸が抜けたような塩梅には、むしろこの邦題がピッタリ。 [DVD(字幕)] 3点(2016-03-19 21:06:19) |