41. パシフィック・リム
《ネタバレ》 メカ、怪獣、アクション、設定など、細部に亘る監督のコダワリが、私の内なるオタク心に火をつけた。というか、すんごい燃えた。「パイロット二人のココロを合わせて戦う巨大ロボとか、ギガンティック・フォーミュラみてぇ!」と思った私は、少数派だろうか。(明らかに少数派だよ) [DVD(字幕)] 9点(2014-07-14 03:23:34) |
42. アシュラ(2012)
圧倒的な露悪さの裏に隠された、慈愛。 ただのキワモノアニメなんかでは、決してない。残酷なジュブナイルでもあり、悲しいラブストーリーでもあり、そしてその地金にあるのは眩い黄金のような人間賛歌である。 観ていて何度も鳥肌が立ち、何度も嗚咽した。傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2013-04-26 08:13:07) |
43. アイガー北壁
《ネタバレ》 体力的には同年代の平均より(贔屓目にミテ)高いであろう、しかし登山経験などゼロに等しい私が、この作品を観た後に「いつか行って見てぇアイガー北壁!」と思ったが、登山趣味を持つ知人が一言「山岳なめんな」と、バッサリ。 私はこの映画で、いったい何を学び、何を曲解したというのだろうか。 「諦めなけりゃ 何だってできる」と無責任に歌っていたエンディングの真意を、もちっと咀嚼する必要があるよなぁ。私。 [DVD(字幕)] 9点(2012-10-12 00:25:19) |
44. 塔の上のラプンツェル
アニメの持つエンタメ性の幅広さを味わいたいなら日本のアニメがベストだが、そのエンタメ性の根幹に関してはディズニーアニメに軍配が上がる。この作品を観た日本人ヲタの私は、そう痛感するのであった。 [DVD(字幕)] 9点(2012-08-29 03:04:55) |
45. 告白(2010)
倫理観やトレンド的なものに対して一切の配慮もなく、氏の構想するエンタメに対して真っ直ぐに撮りきった監督の心意気が清々しい。映像と脚本の破綻しない寄り添い方も、見事としか言いようがない。 松たか子、木村佳乃という「別に何の期待もしていない」役者陣でしたが、個々の実力以上としか思えない演技にも、驚かされました。 初見ですが、中島哲也。恐るべし。 [DVD(邦画)] 9点(2012-06-04 23:14:36)(良:1票) |
46. ギャラクシー・クエスト
タイトル通りの馬鹿馬鹿しい設定の物語なのに、脚本・演出・キャストに一切の手抜きを感じさせない。すげぇ。 前半のクスブったダルいムードから、後半の異様に燃え上がる展開に、すっかりトリコになってしまいました。 蛇足ですが、細かい演技でクスリと笑えた技師役のトニー・シャルーブが、この後ディーン・パリソットと組んで「名探偵モンク」を製作するんですね。 モンク・ファンとしては、観ておきたい一本。 [DVD(字幕)] 9点(2012-05-23 00:14:00) |
47. 人狼 JIN-ROH
《ネタバレ》 マンホールの男から手渡された「おばあちゃんへのお土産」から始まり、食べられてしまった赤頭巾の末期で締め括られたこの物語は、人の皮を被った狼ならぬ、グリム童話の皮を被った和製ハードボイルドの傑作だと思う。 [DVD(邦画)] 9点(2012-03-21 00:20:50) |
48. やわらかい手
《ネタバレ》 どうでもイイ話で恐縮ですが、昔、大阪某所の某店に「神の手」と呼ばれた女性がいたそうな。…とは言っても、同僚が勝手に「神」と呼んでいただけなのだが、聞けば「厚手のデニム越しに触られているだけなのに、二分も持たずに愚息昇天」というのだから、恐るべし。「夜のいてまえ打線」と呼称される同僚の談だけに、眉唾っぽくもあるが、真実味もある。 「その神の手とやらを、味わいに行くかね、君!」と同僚を誘ったが、もう引退してしまったという。残念。その神の手とやらの真偽は、もう闇の中なのである。超残念だ。 …サテ、話を戻してとりあえずこの作品「やわらかい手」の感想ですが。なんだか、その同僚の語っていた伝説を、ちょっと思い出しました。彼女の「手」は、まさしく「ソーホーのいてまえ打線」を完封する軟投投手のごとく、痛快無比な技でした。途中で右肘を故障するも「右がダメなら左があるさ」と、一向に彼女の勢いは止まる気配を見せません。 しかし、その痛快な手捌きなんぞが、この映画のテーマなのでしょうか?イエ、決してそうではありません。注目すべきは、半歩ズレた世界で変化した彼女の人間性と、普遍的な愛情なのではないでしょうか。でなければ、この作品の邦題は「神の手」でもイイはずです。 その掌(てのひら)に宿る掌(たなごころ)を、洒落っ気と慈愛たっぷりに描いた「やわらかい手」。うーん。隠れた名作。まさしく「穴馬的作品」でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-01-17 00:53:00)(笑:1票) |
49. 機動警察パトレイバー2 the Movie
しつこいくらいの硬質硬派な演出に、微かに香るアホウなコメディエッセンスの加味。この奇妙なバランスは、押井守作品の中でも群を抜いている。ラストの、掌を握り合う演出は、押井作品とは思えないくらいにロマンティック。 [DVD(邦画)] 9点(2011-09-20 00:48:29) |
50. 男はつらいよ
空気の読めないヤツ。お調子者。マイペースなヤツ。酒癖のよろしくないヤツ。感情的になりすぎるヤツ。品の無いヤツ。面倒臭いヤツ。ハッキリいって、私は好きではない。嫌いだ。 そう、私は車寅次郎みたいな男が、あまり好きではない。てか、嫌いだ。 しかし、何なんだろうなぁ。このまったくブレない人間性というか、これが憎めないんだよなぁ。 [DVD(邦画)] 9点(2011-09-07 00:51:04) |
51. THE WAVE ウェイヴ
個人主義だとか全体主義だとかの境界線の曖昧さを、これ以上なくシンプルに描ききった怪作。ラスト、生徒たちが一教師に向けた蔑視が、なんとも苦味があり、恐ろしい。 [DVD(字幕)] 9点(2011-08-02 00:38:37) |
52. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
《ネタバレ》 事実や真相による断罪よりも、時にはやさしい嘘で曖昧にしたほうがいい場合もある。コロンボシリーズ屈指の名作。 [DVD(吹替)] 9点(2011-07-28 00:59:14) |
53. 橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督)
かわぐちかいじと安彦良和が対談していた時に、かわぐちかいじが推していた戦争映画だったので、鑑賞。 うーむ。私にとって「西部戦線異状なし」と「きけわだつみのこえ」に並ぶ、戦争映画の傑作でした。 蛇足ですが、故事の「尾生の信」を思い出しながら鑑賞していました。誰も溺死はしていませんが。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-23 01:40:27) |
54. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 この作品は、日本人のメンタリティに対して(善し悪し問わずに)しつこいくらいに訴えかけてくる。 そして、その冗長さも中弛みもない、ジットリ暑く、みっちり濃く、ひたすら長い1日に否応なく付き合わされる。 昭和二十年八月十四~十五日の、濃密多難な長い1日。傑作でした。 160分以上の見応えのある尺も、苦にこそはならないがそこそこ長い。 そして、蛇足もイイトコロだが、20分以上あるプロローグを観た後に改めて現るタイトル「日本のいちばん長い日」を観て、私は思った。 そこも長いのか、と。(だいなし) [DVD(邦画)] 9点(2011-05-17 13:47:19) |
55. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
この映画の中で一番格好イイのは、観る者の想像力を掻き立てるラストのベタな突き放し方。 [DVD(字幕)] 9点(2011-04-23 02:04:42) |
56. 宇宙ショーへようこそ
他作品の話で恐縮ですが、D・フィンチャーの「ゾディアック」を観て「俺がフィンチャーに求めている作品は、こんな中途半端な作品じゃないんだ」的な感想を抱いたんですが、今作品も同種の感想が。 まぁ、言うなれば「舛成監督&倉田脚本の作品に求めている作品は、こんな純ジュブナイルじゃないんだ」的な感想というか…でした。 しかし「ゾディアック」の時と違うのは、今作品が予想外な面白さに満ちていたこと。 ジュブナイル作品がイマイチ苦手な私ですが、この作品は非常に満足のいく出来でした。声優初挑戦の子役たちも、ケチの付けようがない好演でした。 そして「なつき」や「ポチ」の「格好イイけど、どこかヌけたダメ人間(宇宙人?)っぷり」に「やはりコレ、舛成・倉田アニメなんだなぁ」と思わずにはいられない私だったりします。 年齢を問わず観てもらいたい、隠れたジュブナイルの名作。 [DVD(邦画)] 9点(2011-02-26 01:33:29) |
57. ミリキタニの猫
一人の映像作家と老ホームレス画伯の、世代や人種を超えた奇跡的な出会いに、ただただ溜飲&感動。ホントに人生というヤツは、何が起こるか解らない。蛇足だが、しかし。音痴だなぁ画伯。 [DVD(字幕)] 9点(2010-11-22 01:47:44)(良:1票) |
58. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
今回の使徒の新デザインもサルコトながら、躍動感あふれるガイナックスっぽい演出を堪能でき、非常に満足。 設定や物語の方向性の大幅な改編に戸惑いはしたが、主人公たちに対して初めて「共感」できる余地を作った人間味の在る新設定を、私は支持したい。 難点は、音楽の演出。「今日の日はさようなら」や「翼をください」を使うシーンは、何か違うかなぁ…的な違和感を覚えた。そこが、残念。 そして、残念ついでに蛇足ながら言わせて頂くと…ペンギンにビールを与えるのは、まぁいいだろう。クチバシの生き物だし、ストローを使わせるのもいいだろう。だが、曲がったストロー…ま、曲がったストローを使う、だと!?貴様!と、少し憤怒した。 「かかかか・勘違い、しないでよ?べ、別にアスカのハダカが見たかった訳じゃ、ないんだからね!」と、いい歳なのにツンデレ気味な怒りを隠せぬ私だ。(台無し) [DVD(邦画)] 9点(2010-08-17 04:14:15) |
59. 雨に唄えば
私は「雨に唄えば」に感動するような、ベタな人間に育った覚えはないのだが。 [DVD(字幕)] 9点(2010-06-07 06:21:31)(良:1票) |
60. サマーウォーズ
《ネタバレ》 ネタは使い古されてクタクタになったようなサイバー物なのに、終始溌剌とした瑞々しい雰囲気に驚かされた。 栄おばあちゃんが関係各所に連絡を取り叱咤激励するシーンで「頑張んなさいよ」と受話器をポンポンと叩く演出に、製作陣の誠実な熱意を感じさせる。 [DVD(邦画)] 9点(2010-03-25 19:57:21) |