41. 28日後...
「トレインスポッティング」と共通するものを感じる。ダニー・ボイル監督には同世代感を改めて強く感じた。確かにまごう事なきイギリス人的映像と音楽は素晴らしい。けどさ、これは単なるミュージックビデオじゃん(トレスポの映画化もそうだったけど)。ヒドすぎるよ。こんなヒドイ映画、映画館で見なくてホントに良かった。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2005-04-01 12:30:01) |
42. 妻として女として
森雅之!お前は性懲りもなく~(怒)! 違うって、そりゃ他の作品だってーの。いやもう何だか身につまされる話でしたよ。ま、私は一人の男に尽くしたってワケじゃないけどさ、ふと気が付けば40歳で財産もなけりゃ家族もいない。私の人生なんだったのよ?「歳とるとどうして汚くなっちゃうんだろう。シミとかシワとかさ。」うんうん、ホントだよ最近しみじみ思うよ。でもさ、アンタ子供産んでるじゃん。その点はさ産めない奥さんは何たってツライよ、ねぇ。などと画面に向かって一人話しまくり。高峰と飯田の掛け合いがいいんだなー。あと笑ったのがホステス達の話しに所在を無くしてひとり手品の練習をする旦那さん。みんなそれぞれ立場もあろうが、自分のやった事には責任もとうよ。と思ったス。それにしても「男の朝食を作るのが女の幸せ」ってすごーく良く分かります。リアルすぎ。どうして男の人がこんな映画つくれるんだろう?マイッタね。 8点(2005-03-24 12:31:50)(笑:2票) (良:3票) |
43. テルミン
不思議な映画でしたねー。なんつっても楽器であるテルミンそのものが音と言い形状といいSFチックだからなぁ。最初は「明和電気?」って感じだったんですけど、だんだん楽器としての面白さとテルミン博士の波乱の人生が絡んでとても興味深かったです。ぐあっと盛り上がりそうなところを敢えて押さえているあたりがまた不思議な味を出していました。あと、現在その自伝映画が公開中であるシンセサイザーの父ロバート・モーグ博士も登場!ナルホド、シンセサイザーのヒントはテルミンにあったのか。他の人の演奏はちょっとどーよ?って感じでしたが、クララ・ロックモアの演奏は純粋に音楽として素晴らしかったです。バイオリンのような人の声のような深い音には驚き。ところでこの映画の音楽はハル・ウィルナーだったんですね。どーりでセンスがいいハズだ。彼は一時期いくつかのトリビュートアルバムをプロデュースして話題になった人でセロニアス・モンク、クルト・ワイル、ディズニーなど面白いトリビュート・アルバムを作ってて好きでした。映画では「ショート・カッツ」か。ラストのテルミンとクララの再会シーンはステキでしたね。ところでトッド・ラングレンは何しに出てきたんだ? 7点(2005-03-23 13:50:09) |
44. スコルピオンの恋まじない
現代では昔のハリウッド映画みたく、シャレててロマンチックな映画を作るのは不可能なのかな?と思っていたのですが、この映画見て「なんだよ、できるじゃん!」って思いました。最近のアレン作品の中では好きですね。催眠術にかかって歩くアレンなんてちょっと往年の姿を思い出して嬉しくなったり。ただ同時に(我ながら自分の趣味を疑うけど)私はアレンに対して昔から男としてのセックスアピールみたいなものを感じていたからこそ説得力があった事も、さすがに最近は「小さなお爺ちゃん」としか見られなくなってしまい、時々フッと現実にかえって「そろそろこう言う役は厳しいんじゃないの」と寂しくなりました。次回作「さよなら、さよならハリウッド」はドタバタコメディらしいからかなり期待してますけど。 7点(2005-03-22 14:03:53) |
45. さらば愛しき女よ
この何とも言えない倦怠感!イイっす!チャンドラーの魅力ってあの文体にあると思うので【鱗歌】さんご指摘のナレーションも雰囲気作りに一役買っていたように思います。ちょっとズルしてる気がしなくもないですけど。そしてああ、大鹿マロイ。悲しい結末なのに彼のキャラは何故か私たちを優しい気持ちにさせてくれます。ストーリーは端折ってアレンジしてなのでちょっと唐突と言うか、原作を知らない方には入り込めない部分があるかもしれません。なので評価の別れ目は雰囲気に浸れるか浸れないかって所かな?私は思いっきり浸りました。それにしてもハリー・ディーン・スタントンは全然わからなかったなぁ。 8点(2005-03-11 12:24:55)(良:1票) |
46. アラモの砦
スターリング・ヘイドン見ながら「誰だっけな~?どっかで見たことあるけどなぁ。悪者だよな?」とか散々考えたんですけど、レビューしようとココに来てやっと分かりました!「ゴッドファーザー」でナプキンを首に挟んで、スパゲッティ喰いながらパチーノに撃ち殺されるあの悪徳警官かー!!!あースッキリした!↓【鱗歌】様ご指摘のピーカンなのに土砂降りシーンには爆笑。全部見るのに3日かかってしまいました。あぁ疲れた。 5点(2005-03-08 12:44:14)(笑:1票) |
47. 浮雲(1955)
高峰秀子と森雅之が一緒に歩くシーンが何度も出てくるんですけど、その際、高峰秀子が言う「私たち何処にも行くところがないのよね。」ってのが2人の関係を象徴しているように思いました。2人一緒の未来ってのをお互い想像できないんですよね。終戦と同時に終わってしまったと、2人共分かっているのに新たな人生のビジョンを描けない。恋愛だけでなく敗戦で人生全てに於いて抜け殻になってしまった2人と言うのを感じました。↓【大河内伝次郎ノ介】様ご指摘のように森こそが人生の目的と思い定めてしまっている高峰が哀れで・・。今なら女が一人で生きて行く、或いはシングルマザーと言う選択肢も十分アリなのになぁって。なんで子供堕胎するよー?私なら大喜びで絶対産む。そんで男なんか捨てる!一方で私もこれくらい一途に全身を投げ出すべきだったのか?とか自らを反省してみたり。まぁとにかく映画に凄く引き込まれちゃって、2人と一緒にこっちも悩だりで、その濃密さに映画が終わっても暫くはボーゼンでした。ホント、スゴイ映画です。 9点(2005-03-08 12:14:03)(良:2票) |
48. チョコレート(2001)
ビリー・ボブ・ソーントンが良かったな。親父の圧力の下看守として生きて来た重苦しい人生を感じさせる。こう言う、映画では語られない部分を想像させるようなリアリティのある役者さんて好きだ。ハル・ベリーの方は11年間刑務所に通い続けて、疲れ果てた女には見えなかったけど。それにしても何とも薄気味悪い映画だった。ラストはあの似顔絵を見つけた時のハル・ベリーの反応からして、もうビリー・ボブ・ソーントンには触れられるのもおぞましいって感じると思うな。でも、取りあえず行くところが無いからしばらく我慢して、お金が貯まったら、或いは新しい男でも見つけたら(この可能性大。まだ若いし。)黙って出て行っちゃう気がする。で、「何故だ?」とボーゼンとするビリー・ボブ・ソーントン。あいつは分かってないっぽいからね。だってあんな所に置いてあったら遅かれ早かれ似顔絵は見つかるってーの。そしてまた孤独な人生を黙々と歩いて行くんだろう。ああ、見えるよ、そんな未来が。 7点(2005-03-03 13:42:09) |
49. ハッド
他人に嫌われる(と感じる)のって凄くツライ。自分の存在自体を否定したくなります。それでも生きて行くために、もがいてもがいて身につけた自己防衛策ってこれじゃイカンと分かっていてもなかなか捨てられないもの。この映画のように、やることなすことすれ違ってお互いを傷つけ合ってしまう姿には凄く説得力あります。トラブルが起こった時こそ人間性って顕著に現れるんだよなぁ。悲しいけど「ああ、こうなるしかないよね。」と納得させられる、染みる映画。アカデミー撮影賞を受賞したモノクロ映像も洗練されていて美しいです。 8点(2005-03-01 16:57:59)(良:1票) |
50. 侍(1965)
ラストの吹雪の中の立ち回りは迫力!凄惨であり且つ美しい。モノクロ映像の良さが存分に味わえます。 7点(2005-02-28 13:17:40) |
51. チャイナタウン
《ネタバレ》 ハードボイルド小説が好きです。私がハードボイルドの何に一番反応するかと言えばスタイルに対するこだわりと男の哀愁。この作品はまさにそれを見せてくれる、好きな人には堪えられない映画ス。隅々までに感じるこだわり、この気怠さ、退廃、そして疲れ。あぁ、たまりません。評価が別れるラストですがポランスキーは「彼らが逃げ切れたら観客は『ああ良かった』と安心してそれ以上考える事をやめてしまう。あのラストにしたのは怒りを残す事によって、考えて欲しいからだ」みたいな事を言っていました。そう言うやり方が正しいか間違ってるかは分からないけど、私は共感します。 9点(2005-02-28 13:12:08)(良:1票) |
52. ミニミニ大作戦(2003)
スピード感があって爽快。いいよね、特技持ってて使えるヤツって。カーチェイスシーンもワクワクした。不評の邦題ですけど、アクション映画があまり得意じゃない私がこの映画を見たのは「ミニ」を見たかったから。ツレがクラシック・ミニに乗ってるんだけど、夏は暑すぎるとクーラーをかけられないし、うるさいし、荷物もあまり乗らないし、こまめにメンテしなけりゃすぐ故障する。そんな英国らしくて不自由なこのクルマが私は大好きだ!ちっちゃいくせに誇らしげで不遜なツラ構えは大きなクルマの中にあって益々絵になるんだよね。けど、この映画で使われているBMWミニはミニであってミニにあらずって気がするのでちょっとガッカリだったな。出番も思ったより少ないし。この欲求不満はオリジナルを見てはらすとしよう。 6点(2005-02-14 13:48:54) |
53. ロッタちゃんと赤いじてんしゃ
服装とか美術がメチャメチャかわいいです。カワイイって言っても子供っぽくないところが凄い。私が子供の頃は「大草原の小さな家」的な世界に憧れたりしましたが、今だったらこっちに行くだろうなぁ。ただロッタちゃんのクソガキぶりは「カワイイ」と思えなかったのでストーリー的にはイマイチ。 6点(2005-02-07 12:24:31) |
54. テキサス魂
《ネタバレ》 牛を追ってテキサスを彷徨う根っからのカウ・ボーイ(ジェームズ・スチュワート)が、突然死んだ弟から高級娼婦クラブの経営を譲り受けることになり四苦八苦する物語。不器用で世渡りベタのジェームズ・スチュワートと飄々としたヘンリー・フォンダの関係が絶妙で楽しいです。それと何と言っても映像が凄くキレイ!特にオープニング、彼ら2人がテキサスからシャイアンまで旅をするシーンで次々移り変わる風景は、額に入れて飾るのが似合う美しい水彩画のよう。風景だけでなく、セットも小物も衣装もクラブの女性達も凄く洗練されててセンスがイイなぁと感じました。ストーリー的には途中ちょっとモタつく部分もあるし、ジェームズ・スチュワートとヘンリー・フォンダが爺さんなのがツラかったりもするのですが、ドンパチもあって後半は盛り上がり、ラストはホロっとさせる映画です。 [映画館(字幕)] 7点(2005-02-04 12:24:46) |
55. イブラヒムおじさんとコーランの花たち
「ユダヤとイスラムと言う宗教や国籍を越えて・・」みたいな内容と想像していたのですが、そんな肩肘張った所は全然なく、優しくて気持ちよい映画でした。「大事な事は全てコーランに書いてある」とオマー・シャリフは言うのですが、「だからコーランを読め」ってワケじゃないんですね。そして「コーランを読むな」って事でもない。人生と真摯に向かい合って生きて来た人の言葉は「宗教」なんて超越してます。いや、そもそも「宗教」とはそう言うもの。悪い結果を生む原因はそれを利用する人間にあるのです。それにしても、イザベル・アジャーニ?!全然気が付きませんでした・・ 7点(2005-01-31 15:06:24) |
56. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 原作はは2001年の「このミス」では10位、「ベスミス」では2位に選ばれている作品なので、ミステリーファンは期待したと思う。私はショーン・ペンが苦手なので長らく敬遠してたんだけど。映画全体の印象は良く磨き込まれた古い家具のようで、イーストウッドの趣味の良さを感じる。何故デイブは妻にさえ真実を打ち明けられなかったのか?それはデイブが少年に欲望を感じたから。なんと言う業の深さだろう。でも幼い頃性的虐待を受けると得てしてある事らしい。彼は目の前の幼児性愛者に自分を見て、自分が少年をレイプする日が訪れる予感が恐ろしくて、自分自身を殺したのだ、25年前地下室に残してきた「少年(誘拐される前の自分)」と一緒に。小説にはそう書いてある。読んでいると溺れて息が出来なくなるような気がする登場人物達の心理描写が売りの小説なのだけど、映画からはそこまでは伝わって来ない。かなり原作に忠実なだけにそれでも良い作品なのか?イマイチ判断できない。ただ、私は自分をコケにした人間の事は許したりできない。ただ忘れるだけだと思ってる。なのでお腹の中には澱みたいなものが残る。あるいは心に受けた傷や大きな悲しみは、時がたてばそれは薄れはするが決して消える事は無い。この小説で一番共感する所はその部分で、それは映画からも感じられた。 7点(2005-01-27 12:34:34)(良:1票) |
57. コールド マウンテン
映像的には↓【STING大好き】様ご指摘の通りでちょっと疲れます。特にニコールとロウのツーショットにはイライラ。あと、ニコールに貫禄がありすぎて、ロウとの関係がしっくりこないんですよ。ただ、原作は「コールドマウンテン」と言う題名がピッタリな終始寒々としていながらも、凛としていて力強い、詩的な美しい小説で私は大好きなんです。なので、映画では表現しきれていない「距離」と「時間」を勝手に想像でおぎなって見てしまったので、結構ウルウルしました。大地に根をはりながら心は愛する男と旅をする女。そして故郷へ帰るべく旅をしながらも心は愛する女と大地に留まろうとする男。人間てヤツは旅人なんですね。ラストは小説を読んだ時はちょっと不満だったのですが、今回映画で見ると何故か納得できました。多分、小説ではインマンとエイダの魂の繋がりがかなり濃かったのですが、映画の方は人間も自然の一部であり、再生が可能なのだと言う事に重点がおかれていたからかもしれません。あと、私個人の今もっともせくすぃーな俳優ジュード・ロウはやっぱりステキだった(ウットリ・・)。 7点(2005-01-26 11:54:48)(良:1票) |
58. 忠臣蔵 天の巻・地の巻
ア~ラ、ぐるぐるの旦那ァ。お一人?そちらに行ってもよござんすか~。逃げちゃイヤ~ン(笑)・・・えー感想はぐるぐるさん↓のおっしゃる通りでして、この映画は映画って言うより忠臣蔵名場面集と言った感じで有名なシーンのみ編集されているみたいですね。あっと言う間に内匠頭は切腹しちゃうし、赤穂浪士も即討ち入りだからなぁ。なので、忠臣蔵特有の悲壮感とかウェットな部分は殆どないです。ただ、ぐるぐるさんもおっしゃっていますが、義太夫の歌と演奏をバックにした歌舞伎風の表現は一瞬にして見ているものを世界に引き込む力があるので、忠臣蔵ファンならその様式美を堪能できると思います。しかし片岡千恵蔵は浅野内匠頭と立花左近、嵐寛は脇坂淡路守と清水一角のひとり二役ってなんで?つーか、誰がだれやら良くわからなかったってのが正直な話しです(笑) 7点(2005-01-24 11:50:31)(良:1票) |
59. 鉄道員(1956)
この映画の家族、すごくありそうな家庭です。それ故共感する所も多い。よかれと思ってやった事が悪い結果を呼ぶ。軌道修正できないままにどんどんと別の方向に走り続けた列車はいつしか本来の場所から遠く離れてしまう。そんな大人の意地の張り合いを幼い少年の純真で素直な目を通して見せることによって優しく戒めています。色んなものを得て、失って、それでも人生は続いて行く。優しくて美しいラストに涙。 8点(2005-01-21 12:55:16)(良:2票) |
60. オーシャンと十一人の仲間
あれ?そんなにダメっすか?私は結構楽しめました。確かに前半はちょっとバタバタし過ぎだし、誰が誰やら分からずタレましたが、計画を実行に移してからは華やかで軽やかで楽しかったな。私は少なくともソダー・バーグ版よりはこっちの方が面白かったス。 6点(2005-01-19 18:10:19) |