41. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
《ネタバレ》 女王陛下と陰口を叩かれる、化粧品会社の社長が犯人。彼女には十分に人間的魅了があります。コロンボとのやり取りは面白く、彼女が嫌がっている様子も窺え、また主任研究員や産業スパイの女等、脇を固める人物の表現もしっかりしていて秀作となりえるはずなんですが、この点数。これは彼女の往生際の良さにありますね。女王陛下と揶揄されるような人が、あれくらいで観念してはいけません。何のかんのと、白を切りとおさないと、コロンボの活躍が半減です。まぁ、あれだけへばりつかれたら、犯人じゃなくても「ワテがやりましてん」と言ってしまいそうですけどね。警部、かぶれは治りましたか? 6点(2004-02-15 14:46:35) |
42. 刑事コロンボ/二つの顔<TVM>
《ネタバレ》 旧シリーズのセカンドシーズン最終作。パイロット版から通算すると17話目にあたる。コロンボ作品では珍しい犯人が複数います。途中で殺される”協力者”ではなく主犯が一人でないのは、今作と『ロンドンの傘』ぐらいでしょうか。その2作ともセカンドシーズンで作られているのは興味深いところです。やっぱり製作サイドに多少、マンネリに対する意識があったのでしょか?さて本作は犯人に魅力が乏しいです。コロンボの面白さはある意味、犯人の魅力よるところが大きいと思います。いい人であれ、往生際の悪い奴であれ、犯人の人間性がはっきり見えてこないと、それを追い詰めるコロンボも生きてきません。そういう意味では5点でもよかったのですが、使用人のペックさんに怒られてアタフタするコロンボに+1して6点とします。警部、やっぱり他人の家の床に葉巻の灰を落としたらマズイですよ。 6点(2004-02-15 12:50:47) |
43. U・ボート
この作品、なぜか今まで観る機会が無く、23年も経って始めて観た。評判通りの秀作でした。狭く、暗い潜水艦内で悪戦苦闘する名も無き戦士たち。おまけに、相手の船も一度もはっきり表現せず、潜水艦内の閉塞感と孤独感を大変よく表現できていた。実際、艦長以外ほとんど名前が出てこなかったような・・。でも考えてみれば、戦争中99%の兵士は、名も無き戦士だったはず。まさに、あの懐かしいアニメのセリフ『・・。命をかけて歴史をつくった影の男たち。だが人よ 名を問うなかれ。闇に生まれ、闇に消える。それが・・・』を思い出しました。 8点(2004-02-15 00:49:04) |
44. ナバロンの要塞
幾度となくテレビで観ていた子供のころを懐かしみながらDVDで観賞。G・ペックが若い!渋い!派手なアクションや銃撃戦がなくても戦争映画は作れるんだと再認識させられました。長いのが難点。 6点(2004-02-11 18:32:43) |
45. 刑事コロンボ/第三の終章<TVM>
《ネタバレ》 まず自分に疑いを掛けさせて、それを晴らすことによって安全地帯に逃れようとする。斬新なアイデアでした。ただし、余計なことをしすぎたために、自ら墓穴を掘ってしまう犯人。あっけないラストでした。警部、6ドルのチリは、いつものより美味かったですか? 6点(2004-02-08 20:05:43) |
46. 刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM>
《ネタバレ》 ロバート・カルプの3回目の犯人役。犯人の名はバート・ケプル。こってるじゃないですか!コロンボの見所の一つに追い詰められた犯人の対応がありますが、本作はそれは異質でした。うろたえるでもなく、開き直りもしない。彼は自分の理論によって、立証されることになった罪には興味が無く、その理論が正しかったことが証明されたことに、純粋に喜び、興奮しています。やや哀れなラストでありました。警部、してやったりですね! 7点(2004-02-08 16:59:09) |
47. 刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM>
《ネタバレ》 コロンボの犯人像は2種類に分類される。一つは『祝砲の挽歌』『別れのワイン』のように尊敬できるタイプ。殺人犯を尊敬するのは変な感じであるが、言い換えれば感情移入できるタイプ。もう一つは『2枚のドガの絵』『自縛の紐』に代表される嫌な奴である。そしていずれにせよ、この傾向が顕著であればあるほど、名作と評価されている。さて本作はどうであろうか。犯人役はロバート・カルプ。この人、コロンボシリーズに実によく出てくる。また、嫌な奴がよく似合う。てことは名作に分類されてもおかしくないのだが、少々詰めが甘い。まず殺人の動機がはっきりしない。もう一つは最後の電話である。通話記録を調べれば、あの電話がスタジアムの専用ボックスから掛けられたものでないことはすぐ分かるはず。よい役者、よい題材だけに少々残念である。ところであの試合の結果はどうなったんだろう?警部、教えてくださいな。 7点(2004-02-08 15:12:51) |
48. 刑事コロンボ/悪の温室<TVM>
コロンボの相棒ウィルソン刑事が初登場。コロンボを古畑とするならば、ウィルソンは今泉と西園寺の中間あたりか。ストーリーが淡々と進み、あっけなく犯人が逮捕される。余り印象に残らない作品。警部、アフリカ・バイオレットは咲きましたか? 6点(2004-02-08 13:24:25) |
49. クレイマー、クレイマー
《ネタバレ》 ある日突然、妻(母)が出て行き父と子は途方に暮れる。朝食も満足に作れない。それでも父と子は懸命に生き、やがて落ち着きを取り戻す。そんな時、妻から連絡が入る、子供を育てたいと。悩む父と子。だが悩んでいるのは彼らだけではなかった。母も悩み抜いていたのだ。父と母が子供を取り合うというディープなテーマにも関わらず、楽しく小気味良く観賞できるのはダスティン・ホフマン、メリル・ストリープらの名演と監督の力量であろう。紛れも無く名作である。 8点(2004-02-01 19:43:45) |
50. 許されざる者(1992)
久しぶりにイーストウッドを観た。弱々しく年老いていた。往年のタフさは見る影も無いが、やっぱりカッチョエエ!一旦敵にやられるが、不屈の闘志で逆境を跳ね返し、見事本懐を遂げ、最後に決めゼリフ!ダーティ・ハリーのパターンである。でもそれがイーストウッドなのだ。がんばれ、イーストウッド!! 7点(2004-02-01 19:15:10) |
51. パラサイト
遊星からの物体Xから、緊迫感と閉塞感とサスペンスを引いておちゃらけを足したようなB級作品。そこそこに楽しめるが、親亀こけたら皆こけた的解決は安易に過ぎる。 5点(2004-01-25 23:20:02) |
52. ヒッチコックの ファミリー・プロット
昔、滅茶苦茶面白かった記憶があった。今回見直してちょっとがっかり。ひょっとして違う作品やったんかなぁ。 5点(2004-01-25 19:52:21) |
53. 新幹線大爆破(1975)
新幹線が一定速度以下になると爆発する。なんと素晴らしいアイデアじゃありませんか!中小企業の悲哀を絡ませていくあたりは、流石往年の東映って感じですが、豪華キャストがそれぞれ適材適所にキャスティングされキャラに奥行きを与えているように思えます。またスピードのようにヒーローがいないのも特筆すべきところです。まいったかハリウッド!! 8点(2004-01-25 16:58:53) |
54. エボリューション
生物が凄まじい速度で進化するという最高級の素材をよくぞここまでおバカな料理に仕上げたなぁ、というのが率直な感想です。実にくだらなく、実に楽しい作品でした。でも、あと2~3日待てばあの霊長類は人間となったはず。そしてさらに何日か待てば・・・。人類がこのあと、どのように進化するのか、シリアス版を観てみたい。 5点(2004-01-24 23:28:31) |
55. カリートの道
なんと切ないラストであろうか。冒頭より彼が死ぬのは分かっている。これより興味は彼が「何故」「誰に」殺されるのかという点に集約される。だが、釈放を勝ち取る際にはただのチンピラと思われたチャーリーが実は、育った環境から止む無くその道に入り大物となるが、今では足を洗い、一市民になることを切望していることが明らかになっていく。そして観るものは、ひょっとして治療を受け彼は助かるのでは?と淡い期待を抱いていく。だが一縷の望みは、かき消される。『努力はしたんだ』 もう一度言おう。なんと切ないラストであろうか。 8点(2004-01-24 19:05:32) |
56. スコア
まず苦言。マーロン・ブランドは必要ない。ストーリーも見え見えで、それゆえ緊迫感に欠けた。ノートンの演技は見事で、デ・ニーロの好演も認めるが、すでにバーのオーナーである『ボス』があのような危ない橋を渡ること自体に設定の無理があるように思える。 6点(2004-01-18 16:29:27) |
57. ミッドナイトクロス
賛否両論あろうかと思われるラスト。切なさは十分に演出されているが、あっけないのも確か。ジョン・リスゴーの罠にやすやすと引っかかる主人公たちが余りに無防備と感じられるが、考えてみれば一般市民だから止む無しか。カメラワークは見事。 5点(2004-01-18 13:17:25) |
58. タワーリング・インフェルノ
マックィーンが最高にかっちょええです。エレベーターをヘリで吊り下げて地上に下ろした後、車に何事も無かったように乗り込む姿、次から次へと難題が発生し、ため息をつきながらも解決していくのは彼が最も似合うでしょう。 7点(2004-01-17 23:45:42) |
59. オデッサ・ファイル
《ネタバレ》 『全ての報道記者に捧ぐ』原作の巻頭に記されたフォーサイスの言葉である。フォーサイスの作品を読み漁ってた当時大学3年の私は柄にも無く新聞記者になろうと思った。残念ながら理系だった私の学校に新聞社からの求人はほとんど無く、それは夢に終わった。つまり原作はそれほどの名作であった。本作は原作ほどのリアリズムは無いものの時間の制約のある映画では止む無しか。確かに万事うまく行き過ぎているが、ミラーの執念と、オデッサの不気味さはそこそこに表現されていたように思う。尚、原作発表時には、ロシュマンは発見されていなかったが、その後アルゼンチンで逮捕された。その足の指は原作で書かれていた通り凍傷で何本か落ちていたそうである。 7点(2004-01-11 19:38:40) |
60. 戦場にかける橋
《ネタバレ》 映画そのものよりクワイ河マーチが有名。大阪ではサル、エ○公、チンパンジーでした。戦争が如何に残酷で、無意味で、愚かであるかを見事に表現している。イギリス軍と日本軍の橋工事に関する会議を境に、両者は主客転倒するが、そのとき咽び泣く斎藤大佐が哀れである。ニコルソン大佐が、偶然爆破スイッチを押す結果になっているが、彼はあの時迫撃砲の爆風でやられなければ、果たしてスイッチを押したのだろうか? 8点(2004-01-11 15:30:18) |