41. アイデン&ティティ
この映画は基本的に峯田を見るために存在する。峯田が好きな人は自然とこの作品を好きになれるだろうし、生理的に受け付けない人はこの作品も生理的に受け付けられないはずだ。峯田のアフロや朴訥とした喋り方が大好きな僕にとっては、無茶苦茶な設定やセンスの欠片も無い映像その他もろもろのマイナス要因はむしろ“不器用青春ど真ん中”として熱く心に響く。大きなスクリーン、大音響で誰にも邪魔されずに観るのが唯一の正しい見方。この映画を観て泣ける人はきっとクズ人間。 6点(2004-03-07 17:00:10)(良:1票) |
42. その男、凶暴につき
美しい映画です。同僚の刑事と逃亡者がつかみ合うシーンのスローモーションと音楽は特筆ものでしょう。以後の北野作品における海を見ているような感覚でした。最後の方の銃撃戦も殊更美しい。この人は本当はずっと白黒映画を撮ってきてたんじゃないかと勘ぐりたくなるくらいに、陰影の素晴らしい映像でした。ラストは蛇足です。そういえば、我妻が辞職した後美術館を訪れるあたりは、スコセッシの『タクシードライバー』のような感じでした。影響受けたんでしょうか? 8点(2004-03-01 18:11:32)(良:1票) |
43. トラフィック(1971)
初めて見たタチ作品です。度肝抜かれました。 10点(2004-03-01 16:00:39) |
44. 七人のおたく cult seven
小学校3年生ぐらいのときにテレビで見て「こんなに面白い映画があるんだー!!!」と狂喜し、めでたく、『ドラゴンボールZ/とびっきりの最強対最強』と並んで自分のベスト映画にランクインしました。大学生になった今、もう一度見てみたら「なんだこのクソ映画は」とあきれるのが目にみえているので、最高の作品のまま思い出だけに留めておこうと思います。当時、中尾彬が本当に嫌いでした。 10点(2004-02-26 18:52:14) |
45. ジョゼと虎と魚たち(2003)
妻夫木聡はなんでアカデミー主演男優賞とらなかったんだろうというくらい好演していました。ただのアイドル俳優だと思っていたのでびっくりです。池脇千鶴も難しい役どころを頑張って演じきったと思います。また、出番の少ない大倉考二、新井浩文、板尾創路、SABUの四人が作品を食わんばかりの濃い演技を見せていました。特に板尾に関しては、画面に板尾創路がいるというそのことだけで、笑いをこらえるのに必死でした。このキャスティングはかなりのファインプレーだと思います。しかし、内容は残念ながら僕には合いませんでした。一昔前の人が書いた恋愛小説を何の工夫も無くそのまま映画化するとこうなりますよという見本のような映画でした。映画的、演出の工夫はほとんど無く、あまりに設定や台詞に頼りすぎていて、目を閉じて台詞とモノローグを聞いているだけでも何ら支障はありません。テレビドラマに毛が生えたような感じです。映像は誉めるようなところはほとんどありません。良かったところといえば最初乳母車が転がり落ちてくるところとモザイクガラス越しの会話ぐらいです。ところどころのギャグなどは、いかにも女性が書いた脚本らしくて、男の僕は全く笑えませんでした。ラストは、妻夫木が香苗に手を振りながら駆け寄ったところか、あるいは妻夫木が泣き崩れるところで終わったほうが、やりきれなさがより心に残ってリアリズム映画としては正解だったと思います。とにかく最初から最後まで、女性の女性による女性のための映画といった感じでした。TBSドラマが好きな女性などからすると非常に良い作品なんでしょうが、テレビドラマ嫌いの男の僕にとっては二度と見ることはないであろう作品です。 4点(2004-02-26 18:19:54) |
46. 霧の中の風景
ヘリコプターが飛ぶシーン以外、全て曇天ですね。劇団と出会う場面の木がとても美しいです。 9点(2004-02-26 04:52:07) |
47. ブレイブハート
悪い意味でアカデミー賞向きの映画。そんなにいろいろな要素を詰め込んだわけではないのに、ぶつ切りの消化不良に終わっています。2時間半もある映画を見終わった感想が、「ああウォレスかっこよかったね、ソフィー・マルソーはやっぱり美人だね、スコットランドって綺麗だね、やっぱり自由が一番かな」くらいでは淋しいです。 3点(2004-02-25 17:21:49) |
48. タクシードライバー(1976)
なんてダサい音楽だろうかと思いました。これがアカデミー作曲賞ノミネート?いやいや、この音楽は明らかに作品の質を落としています。 主人公がマグナムを構えてカメラに向かって銃口を向けてみせるシーンが何回かありますが、『ダーティハリー』の影響でしょうか?なんだか作品全体のムードから浮いていて、悪い意味でひどく印象に残りました。 ストーリーはどうも消化不良です。大統領暗殺を企てるまでの経緯がよく分かりません。髪型を変える理由もよく分かりません。最後男が刑務所に入らずに新聞で賞賛されているのもよく分かりません。突き詰めていくと、結局主人公の男がよく分かりません。あいつはいったい何なんだ?つかみ所の無い男の役柄を演じきったという意味でデ・ニーロは演技を評価されているのだと思いますが、全編ほとんど主人公の視点で描かれていながら実は主人公が一番謎、というのはいかがなものでしょう。主人公の行動のそういう理不尽さや謎めいたところが作品の焦点なのかもしれませんが、だとしたら僕はついていけません。26歳になったら分かるんでしょうか? 4点(2004-02-25 16:12:53) |
49. レイジング・ブル
可も無く不可も無い作品です。『タクシードライバー』に比べて音楽のセンスは格段にいいです。「ブルーベルベット」が流れてました。 5点(2004-02-25 16:07:08) |
50. π(パイ)
フィボナッチ数列ごときで世界の全てを解き明かすなんて大法螺は、インチキ宗教でも言いません。 3点(2004-02-25 16:04:43) |
51. ケンタッキー・フライド・ムービー
日本人の笑いのセンスとはちょっとずれてますね。ああいう馬鹿なことをする人は大好きですが、自分のツボとは違いました。 2点(2004-02-25 16:02:20) |
52. ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!
パペットアニメ独特の動きや質感はとても興味深いですが、ストーリーはありがちで新鮮味はありません。 5点(2004-02-25 15:59:43) |
53. 駅馬車(1939)
戦闘シーンの撮影はどれくらいの方が怪我されたんでしょうか?あれほど危険なスタントをして無事だとは思えません。これだけのものはもう二度と撮れないんでしょうね。 7点(2004-02-25 15:57:56) |
54. 切腹
22人投稿して平均9点というのはちょっと過大評価のような気がします。ストーリーはよくできてはいますが、サスペンスとしてもミステリーとしても一流半だと思います。映像は平凡ですし、確かにへちょちょさんやSTING大好きさんのおっしゃるとおり、橋本忍の映画と言ったほうが正しいでしょう。個人的にこういう脚本先行映画はあまり好きではないので、この点数を付けさせていただきました。 3点(2004-02-25 15:54:38)(良:2票) |
55. エド・ウッド
演技にしても映像にしても、何から何までディズニー映画みたいでした。巧いといえば巧いんですが、対象年齢はかなり低いんじゃないでしょうか。 4点(2004-02-25 15:47:44) |
56. 惑星ソラリス
映像は綺麗といえば綺麗だけど、ただ綺麗なだけで、『ノスタルジア』に比べるとやはり訴求力は落ちる気がします。前半部分に降った雨が、実際には画面の手前しか降らせていなく、奥にいる人物には雨がかかっていないのがみえみえという雑さはわざとなんでしょうか? 7点(2004-02-25 15:44:59) |
57. 死刑執行人もまた死す
うまいなあ。ヒッチコック顔負けの最高のサスペンス映画です。 8点(2004-02-25 15:38:32) |
58. 晩春
小津の最高傑作だと思います。始めの数カットで魅了されます。「北鎌倉駅」の看板のフェードインから始まって、電線と線路、信号、瓦屋根、そして廊下の奥からのぞく女性達と移っていくのですが、この構図が本当に素晴らしくて、始まってたった10秒でうっとりしてしまいました。どこか『丹下左膳餘話 百萬両の壺』のオープニングを思わせました。 この作品の全編の魅力を語りだすと本が一冊出来上がってしまいそうなので、多くは心に留めておくことにしますが、まあもう皆さん見てくださいとしか言えません。笠智衆がつぶやく「明日はきっといい天気だな」という何気ない一言に、決してその言葉面だけでは捉えることのできない父親の心境を巧みに映し出した素晴らしい脚本と、あえて椅子を不自然に並べてまで構図にこだわった最高の映像を、是非堪能していただきたいです。 10点(2004-02-25 12:35:03)(良:1票) |
59. ミツバチのささやき
《ネタバレ》 草原の一本道をトラックがやってくるファーストショットからやられました。最高です。再生して1分で9点決定してしまいました。あとの99分はただただアナ・トレントの超越的可愛らしさを瞳にとどめるだけで充分! 映像しか見ていなかったのでストーリーはあまり把握できませんでしたが、プロットで固めていくタイプの映画ではないので話についていけなくても辛くはありません。それでも、100分間できっちりストーリーを消化しているなということだけは分かってとても好感を持てました。 父親が毒キノコを踏み潰したとき、それを見つめるアナ・トレントの哀しげな瞳がなにか自分にも向けられているような気がして辛かったです。 9点(2004-02-23 11:48:15)(良:2票) |
60. ベルリン・天使の詩
小津、トリュフォー、タルコフスキーをファーストネームで呼んだところに感動した。 「驚く」というのは生きている証だと作品内で語られるが、とすると僕はこの作品の鑑賞を通して「生きていること」を確認したことになる。悩むことも愚痴をこぼすことも生きているからこそ、と天使の視点から暴かれる生の実感。悩める人への救済の映画。人生に絶望している人はこの映画を見て、そして聞いてほしい、ピーター・フォークの言葉、「You are not the only one.」を。 9点(2004-02-20 08:11:41)(良:3票) |