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41.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 
三谷の初監督作品ということで、当時すごく期待して観たのですが、出来がいい映画とは言えませんでした。冒頭部からラストまで一辺倒な演出とテンポで、まったく緩急がない。眠くなります。でも、西村雅彦演じるプロデューサーが、ブースに立てこもった鈴木京香演じる主婦脚本家に説教するシーンはすごく好き!ここだけは何度見ても泣けます。
[映画館(邦画)] 6点(2012-06-23 17:23:13)
42.  八日目の蝉
映像はとてもキレイ。各カットの撮リ方も丁寧で、見ていて心地いい。でも、人物が全く描けていなくて、リアリティゼロ。脚本がダメなんだと思う。特にセリフ。永作の演技力でなんとか持たせていた感じです。この題材ならもっと面白いもの作れたでしょうに。いっそのこと音声を全部カットして、このままサイレント映画にしたらよかったかも。
[地上波(邦画)] 5点(2012-06-23 17:15:31)
43.  阪急電車 片道15分の奇跡 《ネタバレ》 
なかなか面白かったです。でも、ちょっと全体的にテンポが悪いなと思いました。あと、「おばちゃんたち」の描き方がノペっとしていて、そこが残念。南果歩から見ればストレス以外の何物でもないおばちゃんたちにも内面があり、やさしさがあり、苦しみがある・・そこまで表現してくれればもっと深い作品になったでしょう。他の登場人物は立体的に描かれていたので、あそこだけ浮いちゃった。だから宮本信子の説教が傲慢なものにしか見えない。あれじゃ「宮本信子=正義」「おばちゃんたち=悪」という薄っぺらい構図になっちゃいます。いじめっ子の女の子たちの描写は、さりげなくてよかったです。
[地上波(邦画)] 7点(2012-05-24 23:57:59)
44.  プリンセス トヨトミ 《ネタバレ》 
前半8点、後半2点で5点。前半の展開はなかなか面白かった。でも後半で明かされる真相がアホすぎる。いざという時ひょうたん配って集まるだけなのに、なんで年間5億も国家予算使うの? 国会議事堂使ってないし・・・。府民税でやれ!
[ビデオ(邦画)] 5点(2012-05-19 16:58:53)
45.  SPACE BATTLESHIP ヤマト
子供のころ大好きだった「宇宙戦艦ヤマト」。この実写版の最悪なところは、「あのすばらしいアニメをひどいものに作り変えたこと」ではなくて、「あの大好きだったアニメも、そう言えばこんな程度のものだったかも・・」と思わせてしまうこと。いい思い出は、思い出のままにしておきたかった。
[地上波(邦画)] 1点(2012-05-17 17:45:02)(良:3票)
46.  28週後...
物語の展開のさせ方や、カメラワークのかっこよさもさることながら、各登場人物の立場と行動の関係がリアルで、細部に必然性があるところが一番好きです。こういう状況下におかれたら、おそらくこれと同じことが起きるだろうなあ、って真剣に思えちゃう。主人公たちに感情移入しつつも、軍のやり方にも思いっきり共感できるんですよねえ。よくできた映画。
[地上波(吹替)] 8点(2012-02-16 00:56:01)
47.  イキガミ 《ネタバレ》 
これは、すごく面白かったです。深いテーマと、丁寧な人物描写、泣ける展開などなど、どの角度から見ても出来がいいです。しかも、いろいろな要素を詰め込んでいる割に、よくまとまっていました。一番感心したのは、説明的にならずに肝心なところを見事に表現していくところ。たとえば、風吹ジュン演じる女性議員がなぜそこまでして議員で居続けたいのか、その理由を、ラスト近くで、本人の言動ではなく、夫の決意表明によって感じさせるシーン。こういうセンスの良い演出が全編にわたって随所にちりばめられていて、映画を観付けていない人やハリウッド大作が好きな人にはわからないだろうなー、という、玄人向けの映画に仕上がっています。
[地上波(邦画)] 8点(2012-01-07 11:51:02)
48.  ハルフウェイ 《ネタバレ》 
ストーリーは「なんだそりゃ」ってな感じ。高校生カップルのアホなやりとりを描写しただけのもので、とうとう最後まで何も起こらずに終わります。それでも引き込まれて観てしまうのは、北乃きいの魅力と圧倒的な演技力によるもの。ちょっとドキュメンタリーっぽいリアルを狙った映画って結構たくさんあるけど、ほんとうに成功しているといえるのは、僕の知る限り「誰も知らない」と、この映画ぐらいですね。でも「誰も知らない」は子どもたちを描いたから成功したと言える部分が大きいと思います(実際、是枝監督の「DISTANCE」「ワンダフルライフ」「歩いても歩いても」は、リアルに撮ろうとしたのが裏目に出ている)。そう考えると、北乃きいのすごさがよくわかりますね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-11 14:05:45)
49.  秋深き 《ネタバレ》 
いい映画でした。「愛」の映画。言いたいことは、だいたい目隠シストさんが書いてくださっていました。競馬場で松に壷の事を「そんなパチモンで病気が治るわけ(ない)」と言われた寺ちゃんが、「治るかもしれないじゃないですか!」とは言わずに、「治ったらどうしますのん!」と言ったところでハッとしました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-09 18:10:54)
50.  ハンサム★スーツ 《ネタバレ》 
 一見、寛子(北川景子)の「中身を見て」発言は、思い上がった女のわがままに見えるんだけど、よくよく考えてみると実はこれは「顔がどうこう」とか、そういう話ではなくて、「人を好きになること」あるいは「人と人とのコミュニケーション」における「不全感」の問題だから、普遍的な欲求であり悩みなんですね。  金を持っている人が「こいつ、金が目当てなんじゃね?」、親切な人が「こいつ、優しくされたいだけなんじゃね?」という疑いを持ってしまうのと同じこと。  「もとえ(大島美幸)の顔をしていても自分に惚れた」というのは、琢郎が自分の中身を見てくれたことの証拠には、実はなっていません。  この映画の一連の出来事は、寛子の不全感を(あくまで個人的に)解消するスイッチになったわけです。そのスイッチを入れることに成功したから、寛子は琢郎の胸に手放しで飛び込んでいけたのです。そう考えると、どんなカップルにも、似たようなことが思い当たるのではないでしょうか?
[地上波(邦画)] 8点(2011-12-07 15:02:37)
51.  ニライカナイからの手紙 《ネタバレ》 
映像がきれい。そしてちゃんと泣ける。蒼井優もうまい。でもテンポが悪いのと、演出がくどいのと、オチがかなり最初のほうで読めてしまうのが、残念。あと、本当の島民を使ったのか、「ど素人」みたいな人がたくさん出てたのだけど、そこが逆に芝居くさく感じた。芝居が出来ない人に「芝居」させちゃだめでしょ!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-12-04 00:11:51)
52.  歓喜の歌
予想外に、すごく面白かったです。細かいギャグのセンスが抜群なのですが「落語的」なものではないので、ここらへんは原作とはまったく違うんだろうなと思いました。何気ない台詞や行動がいちいちおかしくて、笑いっぱなし。そして泣ける。惜しむらくは、「いい人」ばかりの登場人物の中で唯一カウンター役として登場した田中哲司のキャラが薄っぺらかったこと。むしろ彼を丁寧に描けば、さらに厚みのある映画になっていたでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-04 00:01:27)
53.  空気人形
日本版「ブレードランナー」といったコンセプトですが、テイストはこっちのほうが好みです。テーマにも、より深く突っ込んだ感じ。いかにも日本的な純文学クサさはあるものの、単なる「お芸術映画」になっていないのは、主演のペ・ドゥナが時折見せる本当にうれしそうな笑顔が、心をくすぐるからでしょう。美しい映像、音楽、そして映画全編に流れるゆったりとしたテンポが非常に心地よく、それでいて緊張感もある、不思議な2時間。「涙が流れる一歩手前」の感覚がずっと持続して、胸がしめつけられました。
[DVD(邦画)] 8点(2011-11-23 23:58:08)
54.  告白(2010)
唯一よかったところは、絵の質感と色あい。あとはグダグダ。脚本は雑で言葉の選び方がおざなりだし、演出も、凝っているのが空回り。人間がまったく描けていなくて、登場人物がみんな判で押したようなステレオタイプ。「書き割り」にしか見えない。シンボリックに「デフォルメ」したつもりかもしれないが、ベースが空っぽものをデフォルメはできないということを露呈しただけ。原作未読だが「もしかしたら原作はおもしろいのかな?」とは思った。でもこの映画からは何も伝わってこない。あと、傑作だった「下妻物語」と同じ監督と思えないほどテンポが悪くて、イライラした。期待していただけにすっごくガッカリ・・。
[DVD(邦画)] 2点(2011-11-15 00:28:56)
55.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
思ってたのと全然違った!!もちろんいい意味で。「ビックリした?」 うん!ビックリしたよ!! すっげえよ! 超興奮だよ!! ダンボールの「伊達政宗の顔」の使い方とか細かいところが本当に丁寧に作られているところに、まず感心。大外刈り、花火、カローラの歌、「よくできました」などなど、アイテムの効果的な絡め方に脱帽。回想シーンへの切り替え方も抜群。また、テンポ感、緩急のつけかたが神業的で、音楽を聴いているように気持ちいい。映像もすばらしく、冷たさ、暖かさ、など体に伝わってくるものが強烈。それに、登場人物のセリフの言い方がひとつひとつ全部カンペキ。「犯人に仕立て上げられて逃げる」というプロットはあくまでこの映画を進行させるためのダミー。荒唐無稽なおとぎ話の上に、滅茶苦茶リアルな「ほんとうの物語」をのっけた名作です。そうです。僕らは、こういう世の中を、こういうふうに生きている。「正々堂々と? その先言ってみなよ」のセリフが、胸に突き刺さります。
[DVD(邦画)] 9点(2011-11-09 23:28:37)(良:2票)
56.  THE LAST MESSAGE 海猿 《ネタバレ》 
なんだこりゃ・・。前作「Limit Of Love」は名作だったのに! 「海猿」の歴史に泥を塗る最低の脚本。本当に福田靖が書いたんでしょうか??? ストーリーの大筋は前作とまったく一緒ですが、こっちは出来が悪すぎ。ハラハラもなし。感動もなし。ありえないほどくだらない台詞の数々・・・。こんなひどい脚本につきあわされながらも、手を抜かずに芝居をしている役者陣の演技に2点。
[DVD(邦画)] 2点(2011-11-08 23:12:00)(良:1票)
57.  悪人
いい作品でした。丁寧で、テーマの選び方、表現しかた、などなど、とってもよかったです。いろんな風に解釈できるところもよかった。が、その分、若干観客に投げちゃった感もあります。・・・・え?え?これ、あの超駄作「フラガール」の監督と同じ人が撮ったの??信じられません。
[地上波(邦画)] 8点(2011-11-08 01:11:28)
58.  青い車
ARATA演じるリチオのキャラが、超ムカつく。なんだ、この甘ったれ人間! 身勝手で未成熟な、人間のくず!!! そんな人間のくずが、麻生久美子や宮崎あおいみたいなカワイ子ちゃんたちにモテモテだというところが、僕らが生きている現実とそっくりで、嫌になるほどリアル。普段は映画に「リアル」を求める僕だけど、それは「自分の現実」を忘れて、映画の中の「リアル」に逃げ込みたいからなんだろうなあ。こんな、現実そのまんまの映画を見せられても、嫌な気持ちになるだけ。それにしても、リチオ、ムカつく!!
[DVD(邦画)] 5点(2011-10-31 14:26:39)(良:1票)
59.  百万円と苦虫女 《ネタバレ》 
よかったー!これはいい映画ですね。鈴子の昔の同級生のシーンが残念だったけど(あとで弟との絡みで生きてくるシーンだっただけに残念)、それ以外はとっても丁寧で、じわじわ泣けてくる、すばらしい作品でした。主人公が魅力的というより、自分の姿を主人公に重ねて見てしまう映画でした。「わかるなー」って。蒼井優は、うまいですね。佐々木すみ江(桃農家のおばあちゃん)の芝居もすごくよくて、印象に残りました。ラストシーンは、追いついて分かり合えちゃう展開だったらやだなーと思っていたので、終わり方もとっても気に入りました。そう!ラストシーンはこうでなくっちゃね!
[DVD(邦画)] 8点(2011-10-28 14:29:29)(良:1票)
60.  フライトプラン 《ネタバレ》 
おもしろかったです。物語進行もテンポがいいし、前半の「何?どういうこと」のあたりはもちろん、真相が分かった後でも引き続きドキドキさせてくれて、サスペンス感はバッチリ。人物もちゃんと描けていて、馬鹿馬鹿しさはありません。ただ、犯人があれだけ大掛かりな仕掛けをしているわりに、計画がずさんで行き当たりばったりなのがすごいですね。そもそもあの親子が眠らなかったらどうするつもりだったんでしょう?あそこまで犯人の思惑通りうまく行ったのも偶然の賜物。そんな計画立てるわけないなーっていうことで、ストーリー的なリアリティはありません。あと、他の方も書いていますが、アラブ人に謝らないのがひどいなあ。あれは後味悪いです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-10-27 01:19:27)
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