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41.  安城家の舞踏会 《ネタバレ》 
何だかヨーロッパ映画を見ているような錯覚を起こすのは、チェーホフの「櫻の園」をモチーフとしているせいか?日本映画を見ながらヨーロッパ的な香り、雰囲気が漂う。没落華族におけるその中で最もしっかりしている原節子と終始、マイペースでいる森雅之、この二人の存在なくしてこの映画は語れない。華族制度の崩壊によってそれまで築いて来たプライドを引き裂かれる家族達、自分達の弱みに付け込む新川一家の大黒柱である父とその娘、他にも様々に人間が入り乱れて凄まじいドロドロした雰囲気を醸し出している。人の弱みに付け込む者と付け込まれる者、人間ってやはりお金が無ければ生きて行くことは出来ないし、一人では生きていけない弱い生き物であるということがこの映画を観ると余計、思わずにはいらなくなる。それにしても原節子が父親が死のうとする所を止めに入る場面のあの凄まじいほどの体当たりを是非、今の日本のラクビー選手全員に見習って頂きたい。人の命がかかっていると人間は物凄い力を発揮すると原節子のあの体当たりを見て感じました。そうそう、それと、昨今の言葉の汚さ、何を言っているのか全く解らないような品の無い、落ち着きのない言葉を連発する若者、特に若い女にはこの映画を見て少しでも原節子の発する言葉の美しさを見習って欲しいと思う。もっともそんなこと書いたところで今の若い人達がこの映画を観るかどうか解らないし、まあ、見ないだろうなあ!
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-06 11:02:10)
42.  銀嶺の果て 《ネタバレ》 
これは黒澤映画=黒澤映画と言えば昔の日本映画ファンにとっては明で決まりである。の特徴である男と男のドラマであり、役者の魅力に尽きる映画と言っても良いぐらい三船敏郎のギラギラした悪人ぶりとそれとは対照的に心優しき悪人でありながらも一人の可愛い女の子の前に人間的な心を開く男を演じている志村喬の二人がとにかく素晴らしい。そして、もう一人の共犯者を演じている小杉義男を観ると私はマキノ雅弘監督が撮った「次郎長三国志」シリーズを思わずにはいられなくなるのである。それはスキー小屋の娘、若山セツ子も同じである。それとこの映画の助監督に本名岡本喜八郎(岡本喜八監督)の名前があるが、これもまた「次郎長三国志」シリーズの助監督としても有名であるので、そういう意味でも何とも興味深く楽しむことが出来た。三船敏郎をはじめとする三人の悪人がスキー場で出会う一人の少女、若山セツ子の初々しさの前に次第に人間らしい何かを掴んでいく。三人が犯罪者であるなんて全く知らずに無邪気に「ヤッホー!」「ヤッホー!」と連呼する若山セツ子の何と言う初々しさ、健気さ、若山セツ子という女優の持っている初々しさが私はとにかく好きでたまらない。ラストの志村喬とのやりとり、蜂蜜をもらって見せる志村喬の笑顔の素晴らしさ、あの音楽がこれまた切なくて、まるで志村喬と若山セツ子の二人の別れ、雪の降る中での若山セツ子の見送る姿と見送られて去っていく時の志村喬の背中からは物凄いオーラ、男の哀愁が漂い、背中で演技の出来る数少ない俳優の一人である志村喬という俳優の凄さは「無法松の一生」の阪東妻三郎演じる富島松五郎や「男はつらいよ」シリーズの渥美清に匹敵するぐらいのものを感じます。アクションもの、サスペンスとして見てしまうと少々物足りないものの、人間ドラマとしての見応えは十分で、これは完全に黒澤明監督脚本の勝利と言っても良いぐらい(勿論、谷口千吉監督のダイナミックな演出も忘れてはならない)が、黒澤映画が本当に良かったと思える頃(三船敏郎、志村喬の二人のいる黒沢映画はどれもが本当に面白かった。素晴らしかった)のギラギラした感じが観られる映画になっている。そして、最後まで私には若山セツ子の「ヤッホー!」と笑顔に蜂蜜を美味しそうに飲む姿が忘れられない。忘れられないと言えば高堂国典の親父も忘れられないぐらいの凄い印象を残します。
[DVD(邦画)] 8点(2009-08-29 22:24:43)(良:1票)
43.   《ネタバレ》 
日本映画、それも自分が生まれるよりも遥か昔の古い日本映画が大好きな私にとって、日本の良き父である笠智衆と同じく日本の母を感じる田中絹代の共演、ありそうでなかなかない二人が同じ画面にいて、しかもお互いがよく喋る。これだけでも見ていて気持ち良い。気持ち良いと言えば夏の温泉を感じる場面、男達が温泉に漬かりながら話をしている。頭が良くて気難しいけど愛嬌もあって面白い斎藤達雄の髭をはやかした先生に足の悪い笠智衆が足を引き摺りながら歩いてるのを田中絹代と二人の子供が「頑張れ!頑張れ!」と応援したり、川を渡る所を応援したり、老人二人のいびき合戦を応援してる所や、歩けなくなってしまった笠智衆を田中絹代が背負って川を渡る所など、男が女を背負って歩くのが当たり前のような昨今、逆に女が男を背負って歩くという面白さ、眼の悪い老人二人を応援する子供と田中絹代と笠智衆、実に見事なまでに川を使った描き方など本当に上手い。他愛のない話の中にこそ人間が本来持つべき姿を夏の風情溢れる温泉や川を使って見せてくれるこの清水宏監督の作品を見てるだけで日本人に生まれてきて良かった。日本人であることの幸せを感じます。一人でも多くの方に清水宏監督という素晴らしい監督を知って欲しいと思います。これまたとにかく素晴らしい映画!
[DVD(邦画)] 9点(2009-08-11 21:20:18)
44.  虎の尾を踏む男達
これを見たのは何年も前のことで忘れてしまってることのが多い。そんな中で晩年の黒沢映画に見られる説教臭さがほとんどなく、気軽に観ることが出来るという意味ではカラーの黒沢映画よりは良い。但し、黒沢映画としては特別凄い映画とは思いません。大河内伝次郎とエノケンの二人が面白いというだけで作品そのものは黒沢明監督本来の力強さ、ダイナミックさ、リアリズムには欠けるものの晩年のカラー映画とは違っておそらく監督自身が最も力まずに撮った映画ではないでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-08-06 23:09:23)
45.  黒水仙(1947) 《ネタバレ》 
何ともいやはや、女って恐ろしいなあ!あの二人の美女による嫉妬、まあ、この場合はシスター・フィリッパによる勝手なまでによるシスター・クローダに対する女としての嫉妬なわけだが、あの赤い夕日、炎めらめらと浮かび上がる不気味な景色と修道院というこれまた何とも不気味なまでの空間、デボラ・カーのクローダとフローラ・ロブソンのフィリッパの二人きりのシーン、嫉妬の相手である女の前で口紅を塗り、灯りを消してスカートから足、それもちらりとだけ見せる太もも、やばいねえ!あの場面は足フェチな私にはたまらなかった。最後も嫉妬に狂い、クローダを崖から転落させて殺そうとし、自ら落ちて死んで行くフィリッパ、見ていて恐ろしい女の女による嫉妬、とにかく話そのものは面白味も無ければ、こういう今日みたいな暑い夏の日の昼間に観るような映画ではないが、二人の女優の美しさを観るという意味で見て損のない作品だと思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-07-20 15:01:55)
46.  踊る大紐育(ニューヨーク)
凄いテンションだなあ!まあ、ミュージカル映画だから、余計なことなど考えずに楽しもうじゃありませんかっていう姿勢が伺えられる。ジーン・ケリーにフランク・シナトラ、ジュールス・マンシンの凄いハイテンションに少々疲れはするものの、見ていて「ウエストサイド物語」みたいに余計なもの、人種差別やら、社会問題やらといったものが無いのでそういう意味では気持ち良く見ることが出来た。女優陣に関してもそれぞれが魅力的であり、中でも私はヴェラ・エレンがお気に入りです。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-06 21:32:27)
47.  小原庄助さん 《ネタバレ》 
小原庄助さんが野球している時、投げた打球が打ち返されて急所に直撃して、倒れる。何だかもう、コントでも見ているようで楽しい。しかし、あの痛さ、もがき苦しむ庄助さんの姿は男にしか解らん痛さであって、まずは女性には解らんだろう!それはさておき、清水宏というこの監督さん、なんてことのない日常の姿、小原庄助さんと子供達の姿を映すその何気ないショットの中にある温かさ、優しさとでも言うべきか、子供の姿を部屋の中から見送る小原庄助さん、ロバに跨って歩くシーンやラストの奥さんとの二人で去っていく場面のロングショットなど、良い場面が沢山あって、それだけで良い気持ちにさせられる。実際にある風景を見事に生かす相変わらずの上手さ、昨今のやたらめまぐるしくてうるさいだけのCG満載の大作などではとても味わうことの出来ない良さ、素晴らしさというものがこの映画でも見られる。どうすれば人の心を癒すことが出来るかよく解っているこの清水宏という監督さん、もう、癖になりそうでやめられなくなりそうです。
[DVD(邦画)] 9点(2009-07-02 21:12:49)
48.  忘れじの面影(1948)
何だか解らないなあ!ジョーン・フォンティンのような美人が何故、忘れられるのか?いまひとつ解らないだけにちょっと感情移入しずらい部分がある。ただ、作品全体の雰囲気、まるでヨーロッパ映画でも見ているような錯覚を覚えるほどの美しい映像とジョーン・フォンティンの美しさを見ているという部分においては見ていて物語を忘れてしまうほど、とにかくこの映画は映像といい、ジョーン・フォンティンといい、美しい。話の中には入りずらい部分と何故、ジョーン・フォンティンの存在が男にとって忘れじの面影として残らなくてはならないのかという疑問が残るが、それでもジョーン・フォンティンの存在と演技の上手さ、待つ女の悲しさみたいなものがきちんと描かれているという意味では評価出来るだけの作品だと思う。白いバラが似合う女、ヒッチコック作品同様に美しいジョーン・フォンティンの為の彼女の美しさを楽しむための映画ではないかと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-28 13:54:52)
49.  逢びき 《ネタバレ》 
不倫を扱った映画は今も昔も山ほどあるが、今の映画だと不倫をしている当事者である男と女が自分達さえ幸せならそれで良し、周りの人達に迷惑かけようがお構いなしで、その結果、死者が出ようが自分達の責任ではない。死ぬ方が悪い。そういうような何ともドロドロした内容のものになりがちであるが、この映画はそういうドロドロした部分が全くなく、だから見ていてもけして、嫌な気持ちにはならない。その事をデビット・リーンというこの監督はよく解っている。たった一度の過ちである不倫、しかし、この映画の二人の主人公はどうしようもないほど好きである気持ちを隠さない一方でお互いの家庭を壊すことだけはしたくない。だから絶対にお互いの夫や妻に対しても、普段のままであり続けようとする。けして、不倫の現場というものを互いのパートナーには見せない。こういう演出でさえ、やはりこのデビット・リーン監督は品の良さを感じるし、そういう労わりを持って描ける。だから一流の監督であると言われているのではないかと私は思います。今時のハリウッド映画や邦画だと直ぐに抱合い、ベッドに入り、挙句の果てにはお互いの家庭を壊し、そして、二人だけが幸せになろうとする。そういった品の無い不倫ものばかりが存在する中でお互いが別れを決断し、共に自分達の家庭へと戻って行くラスト、ローラの辛そうな顔を見てそっと声をかけるローラの夫の男らしい姿にこの映画全体の温かさ、優しさを感じると共にそして、いつまでもしつこく描かずにここでという所で終わらせるというのも上手い。昔の映画と今の映画の一番の違いはこのいつまでもしつこく描かない昔の映画としつこいほど描く今の映画、余韻を残したまま終わるからこそ映画は素晴らしいのであって、そういう所を今の監督には見習って欲しい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-06 16:53:58)
50.  
登場人物が水戸光子と小沢栄太郎の二人だけというこれまた二人だけとは珍しい。しかし、この二人きりの話なのにつまらなくないし、なかなか面白い。木下恵介監督としては珍しい感じのちょっとしたサスペンス風な味付け、オールロケという設定もこの作品の見所の一つであり、そして、何と言っても小沢栄太郎、この人の悪人ぶり、嫌な奴ぶりは徹底している。こういう嫌な奴を演じさせてこれだけの迫力を出せる俳優はなかなかいないと思う。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-06-03 22:12:07)
51.  三人の妻への手紙 《ネタバレ》 
映画はシナリオ、どんな良い素材を揃えても上手く作れなければ美味しい料理が出来上がらないのと同じで映画が素晴らしいものになるかならないかの基本はまずは良いシナリオにかかっていると思う。そういう意味でこの映画は何よりも上手い。見事なまでのシナリオに尽きる。ある三人の妻が船に乗ってピクニックに出かける所から始まるこの映画、三人の妻が一緒にいる所へ一通の手紙が来る。そして、その手紙には「あなたたちのご主人のうちの一人と駆け落ちします。」というメッセージが書かれている。この手紙を書いた一人の女、アディという女の正体は誰なんだ?そして、一体、三人の妻のうち、どの妻の旦那がアディと駆け落ちするのか?という事をここで描き、それによって見る側の立場を見事に生かし、想像させるという何とも見事な画き方、脚本の上手さに感心させられる。三人のそれぞれの過去を回想形式で描きながらどんどんとこの三人と自分の夫との関係というもの、危機感を面白く見せる。そして、何よりも見ている私達に対しても本人も最も安全だと思っている女が一番危ない立場でいるという見事な構成、ヒッチコックの「レベッカ」と同じく姿を見せない女、アディの正体が解らないだけに余計、不安というものを隠す事が出来ないというのも上手いし、ラストの落ちも決まっていて、洒落た会話の中に男と女の強さと弱さのようなものまで全て見せてしまう。上手い。上手すぎる。それにしもてこれほどの傑作にたった二人しかコメントがないなんて、一人で多くの方に見て欲しい傑作ですし、これほどの傑作が僅か500円という安さでDVDとして売られているのを見ると安く手に入って嬉しい反面、500円分の価値しかないんじゃどうせつまらないだろうなんて思われたりするのかという事を考えてしまうと悲しくもなります。いずれにしてもこの映画の見事な脚本の前には今時のCGだらけの大音量のハリウッド大作がどれもこれも霞んで見えます。そのぐらいの素晴らしい傑作である。
[DVD(字幕)] 9点(2009-05-24 10:13:44)(良:1票)
52.  ブロードウェイのバークレー夫妻 《ネタバレ》 
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース、この二人てだけでストーリーなんてどうでも良く思えてしまう所が毎度ながらこの二人の共演作品を見ていると感じてしまうぐらいでして、今回もストーリーなんてこの二人のことだから絶対にハッピーエンドで終わるに決まってる。そんな二人が喧嘩ばかりしては仲直りして、また喧嘩、そして、またまた仲直りのはっきり言えばマンネリなのだが、二人が華麗なる踊りを見せてくれるだけで見て良かったて思えてしまう。ジンジャー・ロジャースに対して忍び寄って来る一人の男がミュージカルなんて大嫌いというのがミュージカル映画の中で描かれているというのが面白い。ジンジャー・ロジャースの見事な騙しの芝居の前に騙されるフレッド・アステアにしても影で散々文句言いつつもジンジャー・ロジャースに対して可愛く見せる男としてのアホな一面にこの俳優の喜劇俳優としての面白さも見ることが出来るのも良い。それにしてもあの沢山の靴との踊り、アステアの手にかかれば靴だろうが、ホウキだろうが、そして、やっぱりジンジャー・ロジャースもイチコロってか?いずれにしてもこの二人の掛相いも面白くこの二人のファンなら見て損のない作品だと思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-05 15:11:33)
53.  ロープ 《ネタバレ》 
ヒッチコックの実験的試みが有名な作品で、この映画はストーリーそのものは弱い。さほど面白味のあるストーリーではない。しかし、ヒッチコックのカメラ視線、密室劇としての面白さ、緊張感を見せる演出力の上手さに感心させられる。まず何よりも一つ一つの配置、小道具の使い方、更には窓の外の景色の移り変わりの凄さ、最初で殺人シーンを見せることで観る側はこの殺人犯、今作で言えば二人の男、方や気の強い男で堂々としている男ともう一人は常におどおどして落ちつかない男、性格の違う二人を用意することで犯罪がいつばれるのか?というものを見せてくれる。パーティーに招かれた人たちの行動も犯人を慌てさせようとしたり、とにかく色んな意味で計算されている。家政婦と被害者の恋人の会話の中にヒッチコック映画の出演者の名前が出てきたりとヒッチコックファンにはたまらない会話を見せてくれているのもヒッチコックならではのファンサービスとてし楽しむことができる。フィリップがピアノを弾いてる時に犯罪に使われた道具と同じロープで縛られた本を見せる所の何と言う恐ろしい演出、恐ろしいと言えば犯人二人とジェームズ・スチュアート演じる教授の三人だけの場面、観客側の方へと正面を向く教授、その後ろで何かやるんじゃないかな?あの酒にも毒でも入れられてるんじゃないか?とか怯えさせるヒッチコック演出、壁に貼られた絵の不気味さも印象に残る。こういう細かい所にまで気をくばるヒッチコックの上手さ、凄さを堪能し、ストーリーなどこの際、どうでも良いと思えてしまうのである。こういう作品を見せるヒッチコック作品を観ると最近の派手なだけの作品、凄い映像にうるさい音楽垂れ流しのハリウッド大作がどれもこれも駄作にしか思えなくなります。凄い特撮なんて映画には不要であるとまるでヒッチコック自身が笑っているようでもある。いやはや、恐るべし!ヒッチコック魔術!ヒッチコックが今、生きてたら特撮なんて無くても面白い映画を沢山、見せてくれるだろう!
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-02 20:31:33)(良:1票)
54.  腰抜け二挺拳銃 《ネタバレ》 
何と馬鹿馬鹿しい映画だ!ここまで馬鹿に徹することが出来れば何もかも許せてしまいたくなるぐらいの本当に馬鹿な連中の大騒ぎぶり、主演の二人が良い味出している。特にあのやぶ医者、歯科医の滅茶苦茶ぶり、インディアンに空に向かって吹き飛ばされての木の上からの「HELP!」には笑わせてもらった。かなり強引な感じの笑いが多過ぎるという難点もなくはないが、ここまで馬鹿に徹している姿はむしろ微笑ましく思えてしまいます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-03-28 10:45:32)
55.  幸福の設計 《ネタバレ》 
アントワーヌよ!あれだけとっさに宝くじの番号言えるんだからさあ!どこで落としたのか?ぐらい覚えてろよ!しかし、男達のイカれてること。イカれてること。アントワーヌのイカれぷり、アントワーヌ婦人に付きまとうあの嫌らしい爺のイカれぷり、そんなイカれてる二人が殴り合ってるのを楽しんでる周りの連中、中でもカウント9まで数えながら一旦止めてアントワーヌ!と叫ぶ観客の一人、さっさとテンカウント数えたらどうなんだ?この映画はみんなみんなとにかくイカれてる。映画自体はやはりイカれてる。だからてつまらなくはないが何だか物足りない。あのクソ爺をもっともっと痛め付けて欲しかった。 
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-25 20:28:45)(笑:1票)
56.  情婦マノン 《ネタバレ》 
これは恐ろしい。一見、男と女のメロドラマのような雰囲気、ラブストーリーというような感じで見せておきながらじわりじわりと二人の男女の裏に隠された何か見てはいけなかったような恐ろしいものを見てしまったようで本当に恐ろしくて、メロドラマを見ていると同時に惨酷な運命へと突き進む恐ろしいサスペンスものを見ている感覚に襲われた。クルーゾー監督らしい人間描写、追い詰めていく緊張感、そして、圧巻なのはやはりあのラストシーン!射殺された青年を逆さまに担ぎながら砂漠を歩いていくマノンの姿がとにかく怖い。怖い。これほど惨酷で恐ろしい恋愛ものなど私は初めて見たかもしれない。これはラブストーリーではあるけれど、ラブストーリーの形を借りた何とも恐ろしくも哀しいサスペンスドラマの傑作だ!
[DVD(字幕)] 9点(2009-01-14 21:56:24)
57.  フィラデルフィア物語
あれ?なんかどっかで一度見てるような気がするけどって思っていたらそうか!この作品のリメイク版がグレース・ケリーの「上流社会」なんだね。で、どっちが好きかということで判断すれば私は「上流社会」のが好きです。冒頭のキャサリン・ヘップバーンとケイリー・グランドの喧嘩の場面、この場面、全く二人に台詞がない。台詞など無くてもこの二人がうまくいってないのがよく解る。この演出はまず素晴らしい。台詞に頼ることなく状況を伝える。これは俳優の演技で見せる作品で、けして、大笑いするようなドタバタを期待しない方が良い。はっきり言ってコメディというジャンルに属しながらも笑えないのです。だからといってつまらなくはない。そして、この作品の私の注目は大好きなヒッチコック作品に多く出ている二人の俳優、ジェームズ・スチュアートとケイリー・グラントの共演てのがとても興味を誘い、正反対な二人の男が1人の女に惑わされるてのが面白い。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-01-01 21:33:56)
58.  自由への闘い
ジャン・ルノワール監督による戦争への思い、反戦がテーマで自由への闘いとタイトルにあるように自由を求める男のドラマであるが、やはりあの名作「大いなる幻影」と比べてしまうと見劣りしてしまう。フランス人である監督がアメリカで撮ったこの作品、戦争の怖さと人間が人間が裁くことの難しさ、辛さみたいなものを描こうとはしてはいるものの、やはりアメリカという国、監督の母国でないだけにアメリカ側な立場でしか描けてないようにも思えて辛い。けして、悪い映画でもないし、完成度もなかなかだとは思うが、ドイツ人の悲しさがこの映画の中では見られないし、いまひとつ伝わらない。この監督らしい人間を見る視線、優しさと厳しさとのバランスという意味で何か引っ掛る。良い映画ではあるんです。それでもやはりこれ以上の点数は付けにくい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-12-23 21:23:24)
59.  汚名 《ネタバレ》 
例のあの二人の長いキスシーンを見るとご馳走様ですて気持ちになる。そうならない奴は男じゃないと言いたい。あんなにも美しいイングリッド・バーグマンとキスできるなら、私は例え、鬼と言われようが構わない。ケイリー・グラントが羨ましい。それ以上に憎い。こんなにも美しいイングリッド・バーグマンを相手にキスし放題。いくらそういう役柄だからって許せない。おっと、すいません!いったい、何を一人で興奮してるんだ?電話の最中にキスって、くそう~!こんなシーンで観客に対してどこまでもどこまでもやりきれない思いを募らせながらそれでいて、小道具の使い方が毎度ながら上手くてこれだけ面白く見せることの出来るヒッチコックはやはり凄い監督さんだ!またこの映画は主演の二人以上に脇を固める俳優陣が良い。人間的な魅力、弱さと嫉妬を見せる悪役クロード・レインズの紳士ぶりも光ってる。ところで見ながらコーヒーでも飲もうかなとコーヒーを入れて飲む準備をしていたらあの毒薬をコーヒーへ入れる場面とその後のイングリッド・バーグマンの演技、階段の向こうで立っている二人、クロード・レインズとその母の姿が怖い上に何とも哀れでならない。最後まで本当に憎いケイリー・グラントに嫉妬しつつ、イングリッド・バーグマンのクラクラしそうになるほどの美貌の前に私はどうすれば良いのか?先程入れたコーヒーが未だに飲めないでいる。でも、早く飲まないと冷めてしまう。私の入れたコーヒーに毒など入ってるはずがないのに飲めないでいる。またこれを見て益々、イングリッド・バーグマンが好きになってしまった。ヒッチコックは女優選びの上手さと、映し方が本当に憎たらしいほどに上手い。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-11-30 12:16:08)
60.  三人の名付親 《ネタバレ》 
これはまた一風変わった西部劇だなあ!西部劇と言えば男達がライフル片手に悪党と撃ち合ったり、殴り合ったり、馬に乗っての格闘てのが西部劇の定番ではあるが、そういうシーンがほとんど出てこない。前半でほんの少し出てくるだけであり、西部劇らしさという意味で物足りなさも残るし、宗教がどうだのこうだのと何やら難しいテーマを含めたりしていて気にはなる。それでもやはりジョン・フォード監督の見つめる視線の先にあるものは人間的な温かさというものを感じることが出来る。ひょんなことから赤ちゃんを拾ってしまった三人の男達、見かけは物凄く悪い奴なのにそれとは反対にとても優しい。あの三人が一人の女性との約束を守るためだけに赤ちゃんを抱いて歩く姿は男としてというより人間としてのあるべき姿というものを見ているように思えてならない。あの赤ちゃんの泣き顔も笑う顔の前にはどんな悪人だろうと優しくなれるというものを感じる作品になっていて、その辺りの優しさ、ジョン・フォード監督の優しさが画面通して伝わってくる。これは西部劇ではあるが、西部劇というよりも人情映画、例えば日本で言うなら「男はつらいよ」かまたまた長谷川伸原作の人情時代劇と言った方が良いかもしれない。それにしてもここでのジョン・ウェインの男らしさ、かっこ良さ、仲間の死を眼にして泣く場面は男ならではの弱さを思い切りさらけ出していて共感させられる。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-16 22:21:30)
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