41. プラダを着た悪魔
この映画、ファッションに興味があるかどうかでも大きく評価が分かれるようです。知り合いの女性は、ファッションを見るだけでも楽しめたとのこと。私は変身前の野暮ったいヒロインのほうが好みなので、その後のファッションはまったく興味なし。そうなるといろいろと粗が見えてくるんですが、メリル・ストリープの存在感は抜群だし、アン・ハサウェイもなかなかの好演でそこそこ楽しめました。この映画のレビューは主人公の変身前後のどちらが好きかを書き込むと(レビューアーの性別・年齢を公開しているのが前提ですが)と面白い結果が出そうです。私のような中年おじさんは変身前支持派が多くて、女性陣は変身後を支持するんでしょうね。若い男性はいかに? [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 00:48:02) |
42. 太陽(2005)
《ネタバレ》 日本でもアメリカでも作れなかった映画。ロシアだからこそこんな映画が作られたのでしょう。おそろしく淡々とした展開なのにくわえ、終戦や人間宣言の具体的な場面を描かないので、劇中の昭和天皇の発言並みにこの映画の真意が判りにくいのですが、最後のシーンで、神格化されたほんとは普通のおじさんだったかもしれない男性の苦悩とを描くことが目的であった事が鮮明となります。人間であることを宣言して得た救いと、その人間宣言がもたらした代償。世界の人々に昭和天皇についての理解を深めてもらうには良いきっかけになるかもしれません。が、日本人にとって、この映画の評価はとても難しいのではないでしょうか。おまけに、イッセー緒方の演技は昭和天皇を良く再現しているのですが、どこか笑いものにしているのではないかとも思え、見る人の立場・考え方でかなり点数は変化しそうです。それほど面白いというわけではないものの、一度は見ておいて悪くはないかなということで6点です。 [映画館(字幕)] 6点(2006-12-16 23:01:12)(良:1票) |
43. エラゴン/遺志を継ぐ者
《ネタバレ》 この映画、スター・ウォーズEP4そっくりの設定とストーリー展開にロード・オブ・ザ・リング風の映像を詰め込んだという印象です。脚本の詰めが甘く、内容的にはそれほどほめられてものではないのですが、そのおかげで判りやすく先の読みやすいストーリー展開になっているので気楽に安心して見られるのはこういうファンタジー映画ではそう悪いことではないでしょう。登場人物はどれもいまひとつ印象が弱いものの、ドラゴンがそれを補ってあまりある存在感を示していて、結果、ファンタジーとしてそれなりの満足感が得られます。3部作の予定だそうですが、EP4同様、この作品だけでも一応の結末が得られているのはいいですね。今後は、おそらくSW旧3部作同様、次作は王側の逆襲でピンチに追い込まれ次回に続く的な終わりとなり、3作目で王を滅ぼし万々歳の結末となりそうです。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-16 18:33:32) |
44. ナチョ・リブレ/覆面の神様
たいして期待してなかったので、予想外に良かったです。いろいろと粗も目立つし、これといった盛り上がりもないものの、音楽も含めメキシコののんびりした雰囲気のなか、くどすぎることもなく、なんとも緩やかなコメディに仕上がっていて、見終わった後の後味も良いです。シスター役の女優さんや子供たちもなかなか良い雰囲気です。この作品の元となった実話はかなりの感動物ですが、こういう軽いコメディに仕立てるのもいいもんです。点数的には高得点はつけられませんし、万人向けとも言えませんが、まあ見て損はない作品です。 [映画館(字幕)] 6点(2006-11-12 19:23:36) |
45. 亡国のイージス
せっかくの豪華キャスト&自衛隊の(撮影)全面協力を台無しにした作品。自衛隊には撮影だけでなく内容に対しても監修を行って欲しかったです。すでに多くの方々が言われているように、映画の焦点を何に置くかがおそろしく中途半端で、その結果、映画そのものがどうしようもなく中途半端になってます。個人的には登場人物の描写を整理して、自衛隊全面協力を生かして迫真の艦船・航空機のアクション・シーンを描いて欲しかったのですが、それもかなわず、人間ドラマも詰めの甘さばかり目立つし、基本的な設定そのものもいい加減すぎます。まあ、これだけ酷い脚本でも出演者の演技力でそれなりに見られたので、甘めですが4点とします。 [地上波(邦画)] 4点(2006-10-31 23:26:34) |
46. 有頂天時代
アステアとロジャースのダンスを堪能するために見た映画なので、ストーリーはどうでもいいはずなんですが、ちょっと、ひどいなぁ。コメディのつもりなんでしょうが、人の人生を大きく狂わせるような行為(もはや悪戯ではすまされない)がストリーを展開させるうえでの大きなキーになっていると、単純に笑ってすませる気にはなりません。ロジャース&アステアのダンスは言うこと無しでとても素晴らしいのですが、見終わってからは、ストーリー展開への不快感が強くて後味が悪いったらありません。まあ、それでもロジャース&アステアのダンスシーンの素晴らしさに6点献上。 [DVD(字幕)] 6点(2006-10-31 22:59:18) |
47. マッチポイント
なんだか評価の難しい映画です。つまんないわけじゃないけどあまり面白くもない。全編を通してウッディ・アレン特有の皮肉が効いているのと女性陣のおかげでまったく飽きることなく観られるのですが、ウッディ・アレンの仕掛けを楽しめるかそうでないかで、評価は分かれるでしょう。ただ、ここのところのつまらないコメディとは違い、最後までどうなるのだろうというミステリー的な展開にウッディ・アレンらしいひねくれた結末のおかげで、後味は良くないものの、まあ、これはこれで良いかというところですね。 これから観る方は事前情報を入れずに観た方が良いでしょう。 [映画館(字幕)] 6点(2006-10-27 22:36:16) |
48. プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング
これだけ(ちいさな)女の子向けの作りになってしまうと、多くの男子(ちいさな男の子から昔の男の子まで)にとっては出来の善し悪し以前の問題ですね。前作同様、中高年の観客もそこそこいたので館内の居心地はそれほど悪くなかったけれど、見ていてこれほど気恥ずかしくなった映画もそうそうないです。喉の手術失敗後、ずっと歌声を聞く機会のなかったジュリー・アンドリュースが歌う場面があったのが唯一の収穫。往年の歌声の面影はないものの、こうやって人前で披露できるようになったんだと思うと、映画とは関係なくジワッときてしまいました。ジュリーの歌に2点プラスです。 [映画館(字幕)] 4点(2006-10-19 00:17:59) |
49. ジョー、満月の島へ行く
《ネタバレ》 映画業界人がお遊びで作ったとしか思えない作品。終盤の映像のお粗末さも予算不足でもなんでもなく明らかにお遊びとしてわざとチャチにしているのが見え見えだし、過去のいろいろな映画のパロディをこっそりと盛り込んで、身内で「さあ、いくつ判った」と楽しんでいるのがありあり。最初のほうで私が気がついただけでも「メリー・ポピンズ」、「ショウボート」、「マイ・フェア・レディ」などなど。おそらく全編を通じておそろしく沢山の映画のパロディが盛り込まれているんでしょう。でも、こんなカルトクイズみたいな映画、映画同好会みたいなところで話のネタとして見るならともかく、普通の人が見て面白いかというとちっとも面白くないですよ。まあ、トムとメグのおかげでそれなりに最後まで見られましたが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-10-18 22:03:02) |
50. プリティ・プリンセス
公開時、映画館で見ました。いかにも女の子向けみたいで、かなり躊躇したものの、年配の方も入っていったので思い切って館内へ。入ってみると客層は若い女の子のほかにジュリー・アンドリュースのファンと思われる中高年もけっこういて一安心。映画そのものは心配してたほど女の子向けというほどではなく、まあ、普通の青春コメディとして見られました。ジュリーの女王ぶりに一点おまけ。 [映画館(字幕)] 6点(2006-10-18 00:00:12) |
51. プリティ・ブライド
《ネタバレ》 基本はラブコメなんでしょうが、「プリティ・ウーマン」のようにおとぎ話に徹っすればいいものを、無理矢理人間ドラマを押し込んだのでなんとも中途半端な出来になってます。それでもジュリア・ロバーツの魅力で、ストーリー展開を全然気にせずに見ればそれなりには楽しめます。ジュリアの「カモノハシ」に1点おまけです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-10-17 23:34:19) |
52. プリティ・ウーマン
《ネタバレ》 先が見え見えのストーリー展開ですが、素直に良いなと思える映画。主役二人を優しく導くホテルの支配人さんが良い味付けになってます。現代版「マイ・フェア・レディー」というだけあって、「マイ・フェア・レディー」を思い起こさせるシーンがうまく組み込まれているのもいいですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-10-16 23:31:54)(良:1票) |
53. フラガール
この映画、見てるといろいろな過去の映画が頭をよぎりますね。パロディやオマージュといいたものでなく、シーンの作り方やストーリー展開の参考にしているのがありあり。各エピソードの盛り込みかたがちょっと散漫なのと、明らかなお涙頂戴的なシーンが多いのが気になりました。が、全体としてみれば話の展開の流れもよく笑いあり涙ありでけっこう出来のよい作品に仕上がってます。そして圧巻は最後のダンスシーン。蒼井優の踊りが素晴らしいこともあり、それまで気になっていたこともすべて吹っ飛び、気持ちよく見終わることができました。 [映画館(邦画)] 8点(2006-10-08 19:12:41) |
54. パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
前作もそうでしたが、主要登場人物は必ず生き残るはずと思って見ているので、ぜんぜんハラハラ・ドキドキすることなく安心して見ていられます。映画としての出来はたいして良くないんですが、ディズニーランドのアトラクションと思って見れば退屈もせずそこそこ楽しめますね。エンドロールの最後の落ちもたいしたことはないですが、前作から一貫しているといえばいえます。3作目ではオウムなのかな。 [映画館(字幕)] 6点(2006-07-22 19:48:31) |
55. 上流社会
昔からテレビ放映を何回も見て名画座で見て最近はDVDを買って見ているお気に入りの作品です。基本的にお気楽コメディーでなんのひねりもないうえに、他のMGMミュージカルと違いまともなダンスシーンがないのでずいぶんと雰囲気の違う出来ですが、歌唱力と演技力を兼ね備えた出演者がそろっているので、音楽付きコメディーとして十分楽しめます。ビング・クロスビー、サッチモ、シナトラにグレース・ケリーがうまい具合にからみ、ほんとにソフィストケイトされた作品になってます。まあ、後に何も残りませんがこういう洗練されたお気楽ミュージカルコメディは貴重です。 [映画館(字幕)] 8点(2006-07-09 00:57:10)(良:1票) |
56. 陽気なギャングが地球を回す
《ネタバレ》 この映画、出演者は役柄にぴったり合ってるし、ちゃちなCGによるカー・アクション?もふくめ個々のシーンのノリもいいのに、なんだかあまり面白くなく、何が悪いのか判らないもどかしさを感じてしまう不思議な映画です。まあ、見終わって腹立たしくもないし、時間つぶしにはちょうどいいのかな。 [映画館(邦画)] 5点(2006-07-08 23:14:15) |
57. 初恋(2006)
《ネタバレ》 この映画、「子供から大人へ」をメインテーマに三億円事件をひとつのエピソードとして挿入した、昭和40年代の青春群像劇としてみるべき作品です。当時のちょっと背伸びした青臭い青年像が出演者たちの演技も含めうまく描かれていて、子供ながらリアルタイムであの当時を知るものとしてはある種の郷愁と感慨があります。が、各エピソードの設定が甘く、空想の世界の絵空事のような印象を受け、特に三億円事件の準備からその後の顛末に関してはその感が強いため、ストーリー全体が散漫になっているのが残念です。結局、大人になれたのは「大人になりたくない」と言った主人公だけで、その他は子供のまま命を失なったり消息不明になったりと、なんともやりきれない結末のはずがリアリティの無さがそのやりきれなさと大人になった主人公にたいする感慨を薄めてしまっています。さらにこの作品の評価をややこしくしているのが主演の宮崎あおいです。演技力には定評のある彼女のこと、演技にはなんの不満もなく、主人公の心情、成長?の過程を実に良く表現しているのですが、彼女独特の無邪気な可愛らしさが現れるシーン(当然、演出で狙ったはずですが)を見ていて、こういう娘だからこそ実行犯になれたと受け止めるべきか、こんな娘が実行犯になれるはずがないと受け止めるべきか映画鑑賞中に困惑してしまいました。見ている最中にこんなことを考えさせる映画なので、作品の出来としてけっしてほめられたものではないのですが、あの時代の雰囲気を思い出させてくれたことに対して6点献上です。 [映画館(邦画)] 6点(2006-07-08 23:00:38) |
58. M:i:III
このシリーズ1作目は未見ですが、M.I-2と比べれるとチームプレイがしっかり描かれていて昔のテレビシリーズ(スパイ大作戦)の雰囲気が良く出ていたのは良かったですね。ミッションの遂行シーンも良くできていたし。ただ、イーサンがちょっと感情的になりすぎるのに違和感を感じます。あんなんじゃ絶対に優秀なスパイになれるわけない。話の展開もどんでん返しの続く手ストーリーとしては納得のいかない点がありいまひとつのめり込むことができませんでした。まあ、それでもここのシーンは良くできているし、伏線もそれなりに効いていてそこそこ楽しめる作品ではあります。 [映画館(字幕)] 7点(2006-07-08 21:21:51) |
59. ピンクパンサー
ほんと馬鹿馬鹿しいドタバタ・コメディですけど十分楽しめました。こういうドタバタは一歩間違えるとしらけてしまうんですが、けっこう微妙な線でうまくいってますね。館内も笑いが多く、涙を流して笑ったいた人も。ただし人によっては全然合わないかもしれませんが。判りやすく伏線が張ってあるのでストーリー的にもすんなり受け入れられたの良かったです。クルーゾーはピーター・セラーズの印象が強くてスティーブ・マーチンのクルーゾーにはやや違和感を感じましたが、割り切って見れば問題はなし。エミリー・モーティマーが妙に可愛かったのが好印象でした。 [映画館(字幕)] 7点(2006-05-20 14:27:21) |
60. connie & carla コニー&カーラ
《ネタバレ》 {「お熱いのがお好き」の男女を入れ替えた焼き直し+「ビクター・ビクトリア」テイスト付加}の作品ですが、私は「お熱いのがお好き」よりこちらの方が好きです。予算が少なかったのか、作りは地味ですがいろいろな小ネタがストーリーに沿ってうまく展開されていてスムーズにストーリーを追っていけるのが良いです。 デビー・レイノルズ本人が出てきたときには思わず手をたたきそうになりました。まあ、単なるサービス・シーンですが昔からのミュージカル・ファンにとってはツボにはまります。 小品といった作りの映画ですが、ミュージカル・コメディーとして見終わった後の後味がよい良作です。 [映画館(字幕)] 8点(2006-05-14 19:54:42) |