41. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 ★風立ちぬ(原作)は読んでないし、堀越二郎の詳細は知らないけど、大雑把な印象では半分伝記物、半分ファンタジーという感じ。そこかしこに過去作の雰囲気を感じる箇所がある。言うなれば、獣人の出てこない「紅の豚」、妖精の出てこない「となりのトトロ」、魔法使いの出てこない「ハウルの動く城」といったところか。 ★というわけで監督初の実話物だけど、話のすじは別に難しくないし、恋愛関係を含む人間関係の機微もそんなに深くはない。かなり小さい子はだめだろうけど、小学校高学年くらいなら問題なく観れると思う。逆に大人こそ、(すべてに理を求める傾向のヒトほど)のめりこめないんじゃない?基本的に監督の趣味全開だし、自分勝手な主人公とヒロインを(いろいろ周りで事件はあるものの)結構淡々と描写してくだけの流れだから。 ★公開前にあんなことがあったんで、どんな内容かと思ったが、別に戦争賛美でもないし逆に反戦のハの字も出てこない。航空機技術者がみんな夢想家なのかは知らないが、少なくとも(劇中の)堀越に取っては戦争も関東大震災もほとんど一緒でどうしようもない抗いようのない「時代」だったということかな。で、ひいてはそれが宮崎監督の立ち位置ということなのだろう。 ★堀越の声は別に違和感なかった。そもそも変人だし。普通のヒトだって(恋愛状況だろうが危機一髪時だろうが、案外)プロの声優みたいに「演技」しませんって。別に自分は声優否定派じゃないですけどね。 ★あとタバコも別に目くじら立てるほどでは。だいたいあの頃タバコの害なんて認識されてないだろうし、まして受動喫煙なんてね。煙が直接かからなきゃいいぐらいに考えてたんじゃないの。別に喫煙を奨励してるようにも見えないし。外部が騒ぐのはお門違いと思う(騒ぐなら、実際の堀越は喫煙者じゃないのになんであんなヘビスモに描写したのか、と騒ぐべき)。 ★最新鋭戦闘機が牛車に曳かれてたってのは知ってた。ご苦労様なことです。名古屋駅や栄3丁目があんなんだったのか。面影ないなあ・・ってあたりまえだ(笑)。 ★荒井由美の「ひこうき雲」は、確かに合ってるけど、ちょと「軽い」かな、軍歌の時代に8ビートだもん。でもやっぱこの曲しかないな。しみじみしたいい締めでした。・・・レビュー書いてて自分は面白かったけど、万人にお勧めでもないなあ、と思って7点。 [映画館(邦画)] 7点(2013-08-17 14:37:02)(良:1票) |
42. ジャンゴ 繋がれざる者
★3時間弱はやっぱ長いかな。食べてる間はウマイナー、のラーメンなんだけど、食べ終わってみたらちと量が多すぎて・・・みたいな感じ。 ★たぶん、ジャンゴとシュルツがコンビを組むまでと、クライマックスの銃撃戦でカタを付けずに後までひっぱったの・・・つまりイントロとコーダが長すぎるかな。だいたいディカプリオが悪役やるってのが話題の一つなのに、初登場がまだなの?って。最期も少し肩透かしなような。 ★「イングロリアス~」に続き、ケレン味暴力描写たっぷりなものの、わかりやすさ見やすさでは初心者にも十分な作り。引用とかオマージュとかわからなくっても十分楽しめました。ただそろそろネタ的にはワンパターンな感じもする。 ★それならそれでもいいけど、別にあれほどの長さで大サービスしてくれなくってもいいよ、第一必要な尺とも思えないしね、ってことで。ええと、水戸黄門や必殺仕事人の年末ワイド版みたいな感じ?いやちょっと違うか・・・ [映画館(字幕)] 6点(2013-03-10 13:52:05)(良:1票) |
43. アイアン・スカイ
月の裏側に隠れていたナチスが地球征服に攻めてくる、思いっきりバカそうな内容とあのポスターですが、やっぱ扱う題材がナチスだけに(そしてハリウッドでもアジアンでももちろん邦画でもなく)ヨーロッパ映画であるからにはただのオフザケにするわけには行かなかったんですね。 ★観る前はパーカー&ストーン(真性オチャラケ)かバーホーベン(SFの名を借りた暴力&風刺)か、というのを想像してたけど、意外とまともな風刺映画でした。 ★各国集っての防衛会議での痴話喧嘩も笑ったけどやっぱ本家アメリカこきおろしまくりです。戦争の政治利用、資源の独占、あからさまな黒人差別(結局今でもそうなの?)なんかそれに比べればナチスのプロパガンダのほうがマシに思えてきてしまうからコワイ(いや冗談じゃないよね)。 ★アドラーとレナーテの演説で流れるワーグナーのタンホイザー序曲、思わずかっこいいなあと、ああ怖い!!(もっともタンホイザーっていう歌劇の筋自体はナチスの好むとこなのかどうかはちと疑問だが) ★なお科学考証は思い切り無視ですので、気になるヒトは予め分かってたほうがいいかと。当時(その後も)品質で鳴らしたドイツの科学技術が、半世紀他国から隔絶されてスチームパンク的な発展を遂げたものが現代科学と対峙するって、実はSF的にはすごく面白い題材だと思うんだけど、そういうのは(最後のお決まりのドンパチ場面くらいしか)ほとんどないです。 ★あんまりまともな風刺劇だったんで、最後のオチが予想付いてしまったのがちょとなんだったかな。でもこういう映画、久しぶりなので面白かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2012-10-07 23:43:21)(良:1票) |
44. バイオハザードV リトリビューション
★ひとことだけ。もうなんでもいいから、いいかげん決着付けてくれ!。そうでないといつまでもこのおバカシリーズに散財しなきゃならないじゃないか! ★なお久しぶりに3Dで鑑賞。アバターがかなりのハイレベルだったんで、あれを超えるのはなかなか難しいかなという気がしてその後選択してなかったんだけど、久しぶりに観たらなかなか立体感とかが自然な感じで、へえと感心しました。質感はまだ一歩だなと思ったですけどね。 [映画館(字幕)] 5点(2012-09-29 23:46:36) |
45. プロメテウス
《ネタバレ》 ★はじめのほう、プロメテウス号のクルーに、映像でまじめな「お言葉」を垂れる老社長の横で緊張感なくお腹出して転がってるお供のワン公が可愛かった(笑)。あとあの医療カプセル、はじめなんであんなものがわざわざ紹介されるのかと思ったけどちゃんと活躍シーンがありましたね。あれはすごい、医者いらね。 ★全体の内容は他の方が書いてる通り、「エイリアン・エピソード0」 ★説明不足は多いわ、危機管理のかけらもない行動するやつばっかだわでいらいらする。ま、所詮リドリー・スコット氏は映像作家ではあってもストーリー作家ではないから。オリジナルストーリーを求めても無駄か。映像だけを堪能するなら◎なのでこの点数。 [映画館(字幕)] 6点(2012-09-15 23:57:26) |
46. ダークナイト ライジング
ついでに話題の作品鑑賞。前作でも感じたけど、やっぱりアメコミヒーローってのは「特別な存在」であってほしいな。スーパーマンは完璧。スパイダーマンはぎりぎり。本作のように苦悩しすぎのバットマンは・・もともと「超人」ではないだけにNGかな。 ★法にしばられずに自分の思う正義を貫くダークヒーローっていうノーラン監督なりのバットマンのテーマを追求した3部作だが、前作はヒース・レジャーのぶっ飛びジョーカーとの対決はそれなりに面白かった。今回の悪役はちょっと深みや凄みに欠けるかな。バットマンの悪役って結構キッチュな魅力が重要だと思うんだけど、あのクチのマスク以外は結構普通っぽいし。第一悪役の悪役たる所以がよくわからんストーリーだったし(結局何したかったんだ?)。 ★それとあのラストはちょっと卑怯じゃないかなあ。盛り上がるけど力技で無理やり終わらせたって感じ。 ★あ、そうそうどなたか指摘してたけど、そのへんにちょこちょこっと持ち出せる核融合炉とか、海の沖で爆発させればとりあえず陸地は大丈夫とか、そいう描写はもう勘弁してよ。 ★で、え、これで完結ですか?せっかくキャットウーマンもロビンも出てきてるのに。なんだかんだいいながら、期待しちゃうんですよね。この監督の作品。 [映画館(字幕)] 6点(2012-08-14 23:36:42) |
47. ヘルタースケルター(2012)
半年ぶり以上に観た映画がこれ(笑) ★原作は未読ですけど、知ってる人からはかなり原作に忠実だとか。「美」に狂う女性の恐ろしさ、というより、そういう人間すら「非耐久消費財」にしてしまう世間とマスコミの恐ろしさ、ってとこでしょうかね。テーマはそれほど目新しいものではないけど、確かに「ヘルタースケルター」度はなかなかのものでした。 ★沢尻エリカは、例のあほうな記者会見以来なにかと叩かれ続けのキャラですが、一般の人間にとってはほとんどくだらないテレビ番組の視聴率稼ぎのためのどうでもいいバッシング。(もちろん最上ではないが)今女優の若い子であれだけの美貌と演技力を兼ね備えてるのがいるか? ★その彼女は(全身整形のヒールキャラなんて)ほとんど自虐といってもいいはまりのキャスティングに、体当たりの濡れ場演技。出てくる人間がほぼ全員バカってのはいただけないが(いちいち指摘するのもめんどくさいんであれだが、とにかくこいつらなんでこんな行動するの?ってのが多すぎ。脚本の問題か?)バカすぎて、逆に他のみなさんが辟易してるあの刑事のクサ台詞にみょうな意味深を感じてしまったくらい(笑)。 ★まいいや、とにかく沢尻エリカ健在!を確認できただけでも、金払う価値はあった。これからもどんどん体当たり演技を続けてほしい。ついでにバカマスコミも徹底的にコケにしてやれ。っても干されない程度にね・・・ [映画館(邦画)] 7点(2012-08-14 22:59:57)(良:1票) |
48. カウボーイ&エイリアン
★久しぶりに観に行った映画がこれか(笑)・・・西部劇もSFも好きなんで、両方合わさったこれにはちょっと期待したんですけど、これか・・・。 ★ストーリーはよくある西部劇ものの悪役をエイリアンに置き換えただけ。別にいいんだけど、もちょっとそれならなんか別にサプライズがあるかなと思うんだけど悪い意味でなし。演出も脚本もすべて馬鹿。登場人物(人じゃないのも含めて)も全員馬鹿。 ★ま、人間は開拓時代の無知なヒト、ってことでしょうがないけど、他の星から来るくらいの科学があるやつらがあれじゃあなあ。例の火星人と同じかそれ以上に馬鹿だぞ。 ★って言うか、ああいう描き方だと逆に「未開な野蛮人」のカリカチュアみたいな印象受けてしまうんですよね。ネイティブアメリカンと共同戦線張る展開はいいけど、これってなんか新しい差別表現かも? ★ハリソン・フォード、ダニエル・クレイグ、いい役だけど、作品選べ・・・普通の西部劇に出ろよ。スピルバーグ、こんなんプロデュースして喜んでんじゃない!ヤキ回ったのか? ★PS.唯一利口だったのはワン公ですね。ひょいひょい誰にでもついてってナツきやがって、なんて節操がない奴。とても西部劇のイヌとは思えん。かわいいじゃないか(笑)。 [映画館(字幕)] 3点(2011-11-18 18:58:50) |
49. モールス
★前情報は何もなしで観ました。クローバーフィールドの監督ってことで、なんか変わった趣向でもあるかと思ったけど、案外普通でした。 ★因果は巡る、じゃないけど、そういう繰り返しのシチュエーション、的な面白さはあるけど、それを成立させるための環境理由付けがいまいち説明不足で、「ええ?じゃあ・・・・はどうしたの?」って思う場面がしばしば。 ★それとCG特撮を使った描写は・・・いまいち好みじゃないですねえ。いままであんなワイルドじゃなくてスタイリッシュな描き方の映画になれちゃったからかな。 ★あと邦題の「モールス」、なるほど、描写としては目立つけど、映画の主題にはほぼ関係ないでしょ。原題のlet me inじゃだめだったんですか?(ああ、あとその原題を活かした描写もあまりなかったなあ。残念) [映画館(字幕)] 6点(2011-08-07 13:13:55) |
50. ブラック・スワン
★遅ればせながら観てきました。 ★自分の関心はチャイコフスキーの音楽がどれだけ使われるのか・・・いやそもそもバレエシーン以外ほとんど映画オリジナル曲なんて興ざめなことになってるのではって・・・ ★ってのはチャイコの音楽って一般的に大仰なイメージがあって、いかに昨今の映画音楽にオケ曲大流行りの今であれ、こんな現代的な、サイコホラーっぽい映画にロマン派メロメロの白鳥湖がBGMとして合うのかしらんと思ったから。 ★しかし実際はほとんど白鳥湖のそのまま、またはアレンジしたもので、組曲でよく流れる「情景」や「4羽の白鳥」も流れたが、いちばんうれしく、また驚いたのはイントロの曲がそのまま映画のイントロに使われたこと。あのバレエのイントロがこんなにそのまま映像とぴったりくるとは。映画のこれからの内容を暗示するような、不安を煽るような、まるで映画のために作曲されたようなハマり方に感心しました。あとラストの音楽もほぼそのまま使ってたしね。劇中のバレエは「新演出」なようですが、構成自体はプティパ=イワノフ版を踏襲してるんですね。 ★ストーリー自体は良くあるドロドロ芸術家でホラーっぽい演出がされたのが新鮮ですが、それにしても要は「もともと気の小さい奴は、もう精神病んで自傷するくらいの覚悟がなきゃトップにゃなれないよ」ってことなんでしょうかね・・・私はあきらめてますが(笑) [映画館(字幕)] 7点(2011-06-15 00:10:42) |
51. ヒア アフター
《ネタバレ》 ★シーンの撮り方とか演出とか相変わらずウマくて感心するんだけど、今回はちょと題材が地味だったせいか、シビれるような感心はしなかった。 ★個々ではなるほどと思えるシーンはたくさんあるんですけどね。マリーが来世の本を出版しようとして、偏見にさらされたってブックフェアで告白するのは、そのまま今回のイーストウッド監督と我々観客の関係にスライドするし。 ★死んだジェイソンが来世でもなんだか楽しそうなのはクスリとさせられるし。 ★ラスト、ジョージがマリーとキスする「未来」?をみて、手を握っても「過去(死者)」をみないってオチはとても素敵だ。 ★でもなあ・・・ってこと。良かれ悪しかれ、肯定するにせよ否定するにせよ、中立(客観)の立場でいるにせよ、ぼくはイーストウッド監督が暴力を題材にしてきたことに毒されすぎているのかもしれないです。マンデラ大統領はさすがに映像化に向く題材だったからよかったものの。 ★さてこれから監督どうなるのか・・・こんな方向ばっかに進まれるのもちょっと・・・と心配する。 [映画館(字幕)] 6点(2011-03-06 00:43:14) |
52. SPACE BATTLESHIP ヤマト
《ネタバレ》 ★いやあ、悪評紛々ですね(笑)とりあえずはテレビシリーズもまんがも映画(さらばまでだけど)も見てる世代としては、これは見ないわけにはいかないと思いまして。 ★結構おもしろかったですよ。とりあえず劇中では司令長官以下だれも「1年の航海」とは言ってませんね。大体マゼラン星雲までの航海が1年かかるなんて「理屈」はないし。ユキも古代くんの子供とは言ってません。ま、だれもそう思わないだろけど。 ★キムタクのオレ様古代、いきなり大戦艦の艦橋に座って戦闘班長、ましてや艦長代理務める人間なら、あれくらいふてぶてしくなきゃ。ちょとアウトローっぽ過ぎてカリスマリーダーじゃなくて族の兄貴程度になっちゃってるけど。 ★佐渡先生。猫連れた日本酒好きな女医さんっていかにも現代っぽい。これもとのおっちゃんの佐渡酒造だったら、ちょっとあまりにも昔の邦画のギャグキャラみたいで痛くなっちゃうだろうなと思った。活躍の場が少ないのが難点だけど、キャラとしては嫌いじゃない。 ★ガミラスの正体はなるほどと思った。原作だとヒューマノイドなんだけど、いくら異星人とはいえあんな爆弾で地球をのっぺらにしといていそいそ移住?、同じヒューマノイドのやること?ちょっと感覚としてなじめないんですよね。本作のように非ヒューマノイドなら(理屈はともかく)感覚としては入れるので私は肯定。あ、あと顔青く塗った日本人役者って想像すると怖い。アバターは造形まで手加えたから見れたんだね。 ★肝心のヤマトだけど、もう少し船内の各所の様子を見せてくれると良かったなあ。ぼくはCGになんか過度の期待はしない性質なので、照明が光ってようが「汚し」がしてなかろうが、動きが軽かろうがあまり気にはしない。それより見せ方ですね。もう少し各部署の「仕事感」や「生活感」を見せてくれると「艦」の重みが増したと思う。 ★ラストを「さらば」とくっつけて玉砕オチにしたのはまあOK。ぼくはキムタク古代が脱出ポッドで逃げ出して、みんなが悲しんでるときに「よお」とか出てくるんじゃないかと思って冷や冷やしました(^_^;)。 ★あかん、なんか瑣末なことばっかで楽しんじゃって・・・まじめに批評してるかた、ごめんなさい・・・なんせヤマト世代なもんで・・・あ、大事なこと言い忘れてた。男を殴り倒すツンデレ森雪最高!!。ついでに古代も殴っちゃえばよかったのに・・・ [映画館(邦画)] 8点(2010-12-14 00:38:59)(良:1票) |
53. 武士の家計簿
★あの絵の鯛のエピソードは脚色かな。だったらほかももっと脚色して全体的にユーモラスなお話にしてもよかったかも。拾った銭のお話とか結構みんな投げっぱなしで終わるし。それにちょっと後半は時代を追うことに終始して盛り上げに欠けてる。 ★その「時代を追う」にしてもいまいち蚊帳の外感が強くて・・・結局監督は何が描きたかったのか。抑えた演出といえば聞こえが良いが、家族ドラマにしろ群像劇にしろ時代劇にしろみんな掘り下げが浅いと感じました。 ★あとそもそもの演技力か、メーキャップ(またはVFX)がちゃちか、撮影の問題か、なんともいえないが、若い俳優が「老い造り」してる感がありありなのが少し興ざめでした。 ★刀ではなくそろばんで生きた武士、って題材は良いと思うんですが。これだったら今時のNHK大河ドラマのほうがよっぽど新感覚で面白いです。惜しい作品。 [映画館(邦画)] 5点(2010-12-12 00:28:07)(良:1票) |
54. 96時間
《ネタバレ》 ★リーアム・ニーソンつながり(笑)でAチームに続いてDVD。あっちは初老の大佐?こっちは17歳の娘のパパ?どういう年齢設定?どうでもいいか。 ★友達の馬鹿さ加減(友達選ぼうね)にくらべればやや罪は軽いものの、娘自体の馬鹿さもそうとうなもの。それをなんも考えず溺愛のあまり一歩間違えば国際問題になりかねないほどの大騒ぎをやってのけるパパに大感動。 ★娘、母、再婚相手みな改心の様子もみせず、大騒ぎの後始末もつけたのかどうか描かず、放りっぱなしのストーリーのシンプルさ、短さに大感動。さすがリュック・ベッソン。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-12 11:57:31) |
55. 特攻野郎Aチーム THE MOVIE
★監督はタイムリーと判断したのかもしれないけど、こういう半分コメディなアクション映画でイラク戦争をネタにするのはいかがなものか。かの国はあの戦争はもう完全解決したものとみなしてるのかもしれないけど(まあ、そうなんでしょうね表向きは) ★そこがひっかかったくらいであとはおおよそ楽しめました。立ちまくったキャラ、ど派手なアクション、ほんとかよというくらいうまく行き過ぎる大佐の「作戦」も気持ちよし。 ★ただエピソード0的なストーリーは、往年のテレビファン向け?それにしてはその「ファン」の受けがあまりよくないような? ★べつにストーリー自体はわかりやすいので、一見さんでも問題なく楽しめますが、ただエピソード0では終わり方があんまりスカッとしないのが難ですよね。続編に期待です。 [映画館(字幕)] 6点(2010-09-12 11:47:12) |
56. インセプション
《ネタバレ》 ★今年はメジャーな映画にあまり当たりがないんで、これはよかった。ので甘い9点 ★世界観はマトリックスと似てるが、機械の造ったVR世界よりも、人間の想像力が生み出した世界のほうがある意味怖い。そう、これはSFアクションの体裁を借りたサイコホラーだ。しつこく現れるモト妻、夢の第4層のコワレタ様相など薄ら寒いものを感じる。 ★まあ、大掛かりな仕掛けやアクション、小難しいせりふなどに比べて、結局やってること(目的)がちっちゃい(取りあえずは個人を心変わりさせることだもん)ってのはご愛嬌でしょう。それ言っちゃ映画はおしまいよ。だったら一番えらいのはやっぱSWってことに・・・それ異論ある人多いでしょ(笑)。あとマトリックスのアイデアもオリジナルじゃないので。 ★かなり説明不足なのはぼくはいいとして、SF的にはやっぱり技術的な背景をもう少し(もちろん嘘っぱちに決まってるが)描き込むと後半のサスペンスがもっと生きてきたかも。ただそれは監督の意図するとこでない・・あくまでも夢の中のお話が本筋。 ★あの技術は非合法で出来る人間(チーム)も限られてる。公にもなっていない。しかしそのスジには知られており、すでに医療や学術利用を飛び越して産業スパイに波及してる。大企業のトップは知っており、心理防壁を立てることも訓練でできる。コブとモト妻は開発にかかわってたのかな。あんな技術、警察はともかく、軍(もちろん現実世界の)が介入しそうだ。 ★ハンス・ジマーの重厚なBGMもよかった。ちょっと盛り上げすぎだけど。けんさんの目立ちぶりもグッド。英語うまいと思うよ。何しゃべってるかわからないもん(笑) ★そういや、冒頭の似非日本建築見て、あ~また今度はノーランがやっちまったのか~と、がくっときたが、あれはけんさんの妄想の世界だったのか?あれがけんさんの理想のうちだったのか!! [映画館(字幕)] 9点(2010-08-04 00:02:08) |
57. シャーロック・ホームズ(2009)
★ぼくも「シャーロキアン」ではありませんが、ホームズ・ワトソンのコンビはおそらく詳しい人から見てもなかなか上手く原作のキャラをアレンジしてるんじゃないかと思います。 ★だらしないホームズが、かっこいいワトソン博士に精神的に頼ってる図ってのもなかなか日本のアニメっぽい設定です。そういやホームズはどうしても最近作の「戦うCEO」氏がアタマに浮かんじゃうのが難ですが。あの社長も執事に怒られてたっけ(笑)? ★昔のロンドンの薄汚さ、異国趣味雑多な感じは面白かったです。あと作りかけのロンドンブリッジ?なんてのはCGの発達した今じゃなきゃ見れない光景なんで、こういう使い方はいいですね。 ★イギリス民謡・舞曲を思わせる音楽もいい。ただあれはイングランド?なんとなくアイルランド系の音楽に聞こえるんだけど(すいませんよくわかってないです。頓珍漢な指摘だったらごめん) ★ストーリーはそこそこ。どうして映画になると起こる事件って、みんなあんな大げさになっちゃうんでしょうね。普通に、貴重な宝石強奪!とか政府の高官暗殺!とかそれくらいでいいじゃないですか(普通じゃないか)。しかもいろんな人物の視点からどたばたどたばた、おかげでこの映画、推理モノじゃなくてただのアクション映画に少々の推理をくっつけた、それこそよくある映画になっちゃった。 ★せっかくホームズなんですから、次回作、作っていただいてけっこうですので、そのへんの正統的面白さも加えてください。あの尺ならもう少し無駄な部分削って出来ると思う。 [映画館(字幕)] 6点(2010-03-22 23:14:04)(良:1票) |
58. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 ★たとえ政治利用の打算は当然あったとしても、あれだけ国民の心を動かし、しかも日本の○○劇場のようにインパクトだけの言葉、自己満であとは屍ばかり残された改革じゃなく、ちゃんと信念と深い人間愛のある言葉を用い、実のある変革をやってのけたマンデラ、おそるべしである。 ★映画はいつものイーストウッド節で、しかしあまり暗いものではなく安心して見ていられた。モーガン・フリーマンとマット・デイモンの二人が直接やりとりするシーンの細やかな心情がいい。 ★ただ、映画のせいではないんだけど、クライマックスとエンディングに流れるあの曲、どうしても平原綾香のあれにかぶっちゃって「軽う~・・・」と思ってしまって・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。映画のせいじゃないんですよ。 ★あと日本、弱・・・(哀) [映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 00:25:51) |
59. アバター(2009)
《ネタバレ》 ★XpandとIMAXで計2回観ました。正直言うとこの二つでめちゃくちゃレベルが違う、ってほどではないです。映像のクオリティはさすがです。架空の生物も植物も地相もマシンもまるでほんとにこんな星があるかのごとく自然に描かれています。映画の中で何度でもまるで自分がそこに居るかのように感じました。 ★しかし同時に3Dの限界も見えました。一つは画面全体にピントがあってる場面ではあまり3Dの恩恵がないこと。ジェームズ・ホーナーの重厚な音楽をバックにパンドラの雄大な自然がバーンと映し出される・・・そんな場面では皮肉にもあまり立体感は必要でない。 ★もう一つは臨場感に大切なインタラクティブ性の欠如。ジェイクと大佐の会話シーン、手前のジェイクがぼやけ、奥の大佐にピントが合ってる。ぼくの脳は無意識に目にこう言う「あれ、手前のジェイクがぼけてる、ちょっとピント合わせろよ」もちろんそんなことは出来はしない。そういう映像じゃないんだから。でも、3Dの最大の恩恵って、臨場感ですよね。ほんとに「そこに居る」んだったら、そこにあるもの自由に見たいものすべて見せて欲しいなと。 ★究極には「マトリックス」の世界だけど、あそこまで自在にいろんな場所に行き来やモノ触ったりできなくてもいい(そんなことできちゃったら、ストーリーがなおざりになっちゃうし(笑))。とにかく窓(スクリーン)の外に本物の景色が広がってるように見せてくれるようにならないかなあ。そしたら3Dは究極の映像になると思う。 ★批判の多いストーリーについては、確かに今時純粋な未開人と強欲差別主義の文明人の対立みたいな構図、ナイーブ過ぎる演出やラスト(せっかくSFなんだからも少しひねれよ・・・)見てて恥ずかしいみないな想いはあるが反面、現実途上国に対する事実上の搾取の構造が変わってないとこで、ぼくらは遠い東洋の島国に閉じこもってるからなのか、まるで関係ないことのようにこの映画を批判してられるんだろうか、と考えさせられもしました。 ★点数は一番の売りである3D(絵自体ではない)に対してちょと騒がれすぎな気がして。ただしやっぱ家でDVDじゃ絶対だめなんで。 [映画館(字幕)] 6点(2010-01-16 22:00:39) |
60. 2012(2009)
《ネタバレ》 ★今でもID4がテレビ放映されると、ついつい観てしまう。エメリッヒの中身のない大風呂敷は、心ある映画ファンの方には大噴飯モノなのだろうが、ストーリーなんか置いといて、とにかくありえない映像で楽しませてくれる、という映画として重要な要素に特化したその姿勢はなんか清清しささえ感じてしまう。 ★そして今回は自国アメリカと、人間自身に対する皮肉もたっぷり。米空母のあの扱いに代表される、軍の無力さ。大統領は演説ブツも途中でぶっつり、エアフォースワンは単なる障害物。解決策は中国頼み、日本完全にスルーで笑えない極近未来。生き残るのもカネ次第という、ま考えりゃそーだろーなあの現実。結果残ったやつらの醜さ。死んじゃう人たちのドラマが、そこそこホロリの感動くれるのが逆に話のツマであるってのが逆にスゴイ。 ★そしてクライマックスはなんと主人公達の密航(=身勝手な行動)で箱舟が危機にさらされるという、それどうよな展開も、ちっぽけな人間風情のやるこたこんなもんだろと・・・ ★結局自分だったら完全に置き去りにされるか下手すりゃ最初の地震くらいで死んでる組だと思うから、もう種を保存するためなんて奇麗事言ってもやっぱ本音は自分達だけは助かりたいとゆー人間達のドラマなんて、ハナから感動できるわけないじゃん、ってなことで完全に冷めて見てましたからね。 ★あ、そうそうラスト、アフリカ大陸がかなり無事に残って喜望峰を目指すって、おそらくじゃあ北半球はほぼ壊滅なんかもね。ってこれもかなりの皮肉。いつの間にこんな皮肉屋になったんだエメリッヒ。 ★追記、映像については他の方がさんざ書いてるので・・・ただエンドロールのCGスタッフの数、ものすごい・・・ほんとこれ映画館で観なきゃ意味ないよねえ。 [映画館(字幕)] 7点(2009-12-27 00:49:47)(笑:1票) (良:1票) |