41. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
《ネタバレ》 J.J.エイブラムス監督はファントム・メナスから始まるサーガをよくまとめたと思うよ。レイの出自や暗黒皇帝の復活など、フォースの覚醒の時の構想とは変わった(と思われる)設定もあるけどそれもまたストーリーを面白くしていていいと思う。レイやカイロ・レンを始めとする主要キャラに納得の結末が用意されていて、第1作から完走したものにとっては素晴らしい終わり方だった(実際に見たのは上映順にEP4から)。監督のSWに対する愛情に思わず涙が出たね。あとやっぱりジョン・ウイリアムズの楽曲もいい! 自分はフォースの覚醒と最後のジェダイはどちらも7点をつけた。そこからいくと本作は9点。だけど、Ep7も8も9も旧3部作(Ep4/5/6)の影響(あのシーンに似てるというノスタルジー)が見え隠れするんだよね、7は4の、8は5の、9は6の。結局はそれ込みの点数。なんだけど、なんだけど、大団円を迎えられた感謝の意味を込めてそのままにしておこうと思う。 (追記) ・ウェイファインダーのありかを解く方法がグーニーズ(笑) ・皇帝をクローンで復活させたのならもっとスペアが存在する可能性もあるのでは? ・ハン・ソロ役のハリソン・フォードのクレジットがなかったような気がするのだが、なんで? ・C-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、全9作出演お疲れ様! [映画館(字幕)] 9点(2019-12-20 21:03:05)(良:1票) |
42. 空の青さを知る人よ
《ネタバレ》 「井の中の蛙、大海を知らず。されど空の青さを知る。」 劇中に出てきたこの言葉がこの映画を表していると言っても過言ではないと思います。 周囲を山に囲まれた土地で暮らす主人公が自分の大切な人達に大海を知らせるために井戸を出ようとする。結果、大海は知れずとも代わりに空の青さを知る… 大海とは?空の青さとは?(漠然とは頭の中にあるのだがきっちり言語化できない…) 実体のある霊体?というファンタジーを受け入れられる人、あの花・ここ叫が好きな人なら十分楽しめる良作だと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2019-10-16 22:11:01)(良:1票) |
43. 記憶にございません!
《ネタバレ》 三谷幸喜監督の映画は大傑作はないものの大失敗も(少)ない、このサイトの評価基準で言うと6~7点の監督だと思っていた。三谷作品のレビューでは毎回書いてきたのだが、三谷作品は『ラヂオの時間』が突出しており、その後先細り、『ステキな金縛り』で復活、『清洲会議』もステキな金縛り程ではないがまあまあかな、というのが私の評価である。そこに今作『記憶にございません!』である。鑑賞前は『THE有頂天ホテル』や『ザ・マジックアワー』のように、有名俳優がたくさん出ているが面白さという点でもう一つ、という評価にまたなるか?と思っていたが、いい意味で裏切られた。個人的には『ステキな金縛り』に匹敵する出来だと確信している。小石一つ当たっただけで記憶喪失、というファンタジーさは欠点として残るが、いい話・ハッピーエンドで終わっていて、読後感(?)はかなり良い。見終わった後に副題の”Hit Me Anyone, One More Time”に気付くとまたさらに感動が。ただ、フジテレビの宣伝コピーが毎作「三谷幸喜の最高傑作」なのは止めるべきだ、マジで。※『ギャラクシー街道』はなかったことにしています(笑)。 [映画館(邦画)] 8点(2019-09-18 20:57:23) |
44. ウトヤ島、7月22日
《ネタバレ》 最初から最後までBGMなく進む物語。劇場内に乾いた発砲音が続く。それらがものすごいリアリティーを感じさせる。主人公の女性や犯人がどうなったかは最後まで詳しく描写されない。まるでその場にいるかのように感じさせる良作。 [映画館(字幕)] 7点(2019-07-27 22:47:17) |
45. ザ・フォーリナー 復讐者
ジャッキーとブロスナンの年相応の顔立ちに驚く一方で、若かりし頃のジャッキー映画をワクワクして観た昔が懐かしく思えてしょうがなかった。ジャッキーのアクションは昔のような派手なものではないが非常にリアル。面白かった。 [映画館(字幕)] 7点(2019-06-20 22:10:04) |
46. ねことじいちゃん
とっても素晴らしい映画でした。ハリウッド映画のようにすごく起伏ある展開ではない(それがいい!!)のに最初から最後まで画面から目を離すことができませんでした。不思議な魅力がある映画です。岩合監督は猫を撮らせたら世界一だと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2019-06-20 22:03:54) |
47. ジュマンジ
スティーブン・スピルバーグ監督とCGスタジオのILMは『ジュラシック・パーク』でフルCGで本格的に動物を描くという離れ業をやってのけ、映画界を震撼させた。そしてジョー・ジョンストン監督と同じくILMは本作で、それまで不可能と言われていた「毛の生えた動物のフルCG化」をやってのけた。ジュマンジが誇れるのはその点(のみ)である。ロビン・ウィリアムズには悪いが。内容は普通。 [映画館(字幕)] 6点(2019-04-25 23:30:07) |
48. JAWS/ジョーズ
《ネタバレ》 午前十時の映画祭にて劇場鑑賞。かなり前にテレビで見た記憶はあるが細かい展開は忘れてしまっていたので新鮮な気持ちで見ることができた。スピルバーグが28歳の時の作品。20代でこれだけの作品を作れる監督はそうはいないだろう。動物パニックものの傑作といっていい。ホオジロザメはアニマトロニクス(ロボット)だがそれほど違和感はない。ホオジロザメが人間を襲うのは事実だが、そのイメージを決定づけたのはこの映画といっていいだろう。また、特筆すべきはジョン・ウイリアムズ作曲のテーマ曲だ。たった2音でサメの恐ろしさを表現したあの有名なフレーズがなければこの映画の凄さは半減するといっても過言ではないだろう。ただ、個人的にはジョン・ウイリアムスの最高傑作はスーパーマンだと確信しているけどね。 [映画館(字幕)] 8点(2019-04-25 14:31:14) |
49. 運び屋
《ネタバレ》 序盤の「いつ犯罪がばれるのか」を重点に置いた話の運びからずーっとサスペンスタッチで行くのかなと思いきや、家族の話なんですね。イーストウッド演ずる運び屋と捜査官がドライブインで話し、逮捕されたときにまた2人きりで話す。そのシーンは素晴らしかったです。いい映画だと思います。でも何かほんのちょっと物足りない気がしました。いい映画なんですけどね。 [映画館(字幕)] 6点(2019-03-20 19:16:33) |
50. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 私はQUEENのCDはベストアルバムを1枚持っているだけで曲も超有名曲しか知らない、その程度の人間が見た感想ですが、最後のライブエイドでのパフォーマンスにはちょっとうるっときました。フレディ役の人の声に違和感がないのがスゴいですね(注:追記参照)。特にファンじゃない人間が言うのも何ですが、よくできた作品だと思います。惜しむらくはQUEENメンバー周辺の人たちのことがイマイチわかりにくかったことでしょうか。特にフレディそっくりの髪型(髭も!)のポール(彼がフレディの個人マネージャーだということは見たあとに調べてやっとわかりました)が何者なのか、ちょっと説明不足のように思えました。あと、フレディの周辺にポールや晩年のフレディの恋人(?)だったジム・ハットンなど、フレディと似たような髪型・鼻ヒゲの人が多いのは彼の好みだからなのでしょうかね?よくわかりません。あ、そうそう、音楽は最高でしたよ。ライブエイド会場のPAブースのTDKのロゴもとても懐かしかったです! 追記 本映画のオリジナルサウンドトラックCDには本家クイーンが歌う楽曲が収録されていますが、本映画での歌唱シーンはもしかしてすべて本家クイーンの声・演奏で、演者は口パク・当て振りなんですかね?もしそうなら映画の作り方としてはちょっと幻滅。逆に演者が実際に歌ったり演奏したりしているならそれは(再現度という意味で)とても素晴らしいことだと思います。そのときは彼ら(演者)の歌声・演奏を収録したものこそ本当のオリジナルサウンドトラックだと思うのですがね。 [映画館(字幕)] 7点(2019-03-14 18:42:33)(良:1票) |
51. グリーンブック
《ネタバレ》 この作品はアカデミー作品賞を獲ったが、たとえ賞を獲らなくても素晴らしい作品であることに間違いはない。コンサートツアーで南部へ進むごとに主人公の一人である黒人ピアニスト・シャーリーに対しじわじわとひどくなる差別。それに対し二人は周囲に対し声高に改善を主張することはない。ただただその場を無事にやり過ごそうとする。それがとてもリアルだ。最初はやや投げやり気味に仕事をしていた運転手のトニーはツアーが進むにつれいつしか仕事だからではなく友としてシャーリーの側に立って彼を助けるようになる。シャーリーも徐々にトニーに対し心を開いてゆく。その心境の変化の描写が上手い。最後に二人がニューヨークに戻ってきてからの展開に優しい涙を止めることはできなかった。バディもの、ロードムービーものの傑作といって間違いない。 [映画館(字幕)] 9点(2019-03-11 15:43:27)(良:1票) |
52. ディープ・インパクト(1998)
《ネタバレ》 公開当時、表面的には似たような内容の「エンタテイメント作品」アルマゲドンとの同時期公開が話題になりました。両方リアルタイムに見た身としては圧倒的にディープ・インパクトに軍配が上がりますね。劇場で号泣したこと、人生で初めて同じ映画を2回見たことは今も強く心に残っています。 [映画館(字幕)] 9点(2019-03-11 15:29:28) |
53. マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』。監督のアメリカへの愛国心がよくわかる作品だった。監督の作品は全て観ている。今までは『シッコ』が個人的最高傑作だったが本作も負けず劣らずの傑作だった。 [映画館(字幕)] 9点(2019-03-03 09:35:49) |
54. 翔んで埼玉
《ネタバレ》 原作未読なのでどのくらい再現されているかわからないが、制作側も出演者も大真面目にバカやったら(褒めてます、念のため。)面白くなるという好例。埼玉よりも身内の東京都民からディスられてフォローもされない八王子・田無・町田・狛江のほうが立場がないのが可笑しい。 あと、こんな映画・ドラマがパロディーされているよ。 バック・トゥ・ザ・フューチャー スクール☆ウォーズ スターウォーズEP4 [映画館(邦画)] 7点(2019-03-01 21:38:19) |
55. こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
《ネタバレ》 最近の傾向として実話の映画化の場合「事実は小説より奇なり」を地で行くような、想像以上に劇的な実話の映画化が多いような気がします。それに対してこの映画はそれほど劇的なことは起こりません。例えばありきたりな邦画なら、高畑充希演じる美咲が大泉洋演じる鹿野を好きになり(ここまではこの映画でもそうなる)最終的には結ばれるという展開になりますが、この映画では結ばれません。まあ、実際はこんなもんでしょう。でも全く飽きさせずに最後まで見させるだけの力はある作品です。一応クレジット的には大泉洋が主人公となっていますが、実際の主人公は高畑充希でしょう。彼女が演じる美咲の心境の変化がこの作品の縦軸になっています。介護を仕事にしている身としてはボランティアという無償で奉仕する人たちがいることに頭が下がります(余談ですが、ボランティアって本来は自分から志願することであって無償という意味はないんですけどね)。 [映画館(邦画)] 7点(2019-01-12 02:32:01)(良:1票) |
56. GODZILLA 星を喰う者
《ネタバレ》 私はハリウッドゴジラとシン・ゴジラ以外のゴジラ(実写)映画を見たことがありません。ただ、過去どんなタイトルがありどんな怪獣と戦ってきたかは知識として知っています。そんな私にとってはこのアニメシリーズはとても素晴らしい三部作でした。このような、今までのゴジラ映画とは違い敵の怪獣と1対1で戦わないゴジラ映画があってもいいと思います。最終作はとても哲学的な内容でした。生とは。死とは。ゴジラを敵と捉えているか味方と捉えているか、それとも敵でも味方でもないのか・・・立場や民族や時代によって変わるそれらをメインテーマとしてうまくストーリーに絡めていたと思います。最後、ハルオはタニとともにギドラを倒したあとのゴジラへ特攻します。その結果ゴジラがどうなったか、ハッキリと(わかりやすく)描かれてはいません。でも私はゴジラが死んでなくても、少なくとも今後ゴジラに怯えることのない結果になったのではないかと思います。それは最後フツアの民が神様(?)に祈りを捧げるとき、その手にしている神様の化身(?)がハルオの乗った機体と同じフォルムだったからです。 [映画館(邦画)] 8点(2018-11-24 16:29:39) |
57. 劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ
TVシリーズが第六期まで進んでいる夏目友人帳の劇場版。完全オリジナル(うがった見方をすれば、六期まで来ている作品を総集編にはできないとも言えますが)。よく、「劇場版だからといって特別なことはしない」と言いつつ、やはり観客にサービスしてしまい派手になってしまう作品が多い中、これは本当にTVシリーズと同じ熱量で演出されています。派手な(妖怪とニャンコ先生の)バトルもないし、観客を泣かせようとする過剰なストーリーもありません(むしろTVシリーズのほうが泣ける作品が多いです)。いつもの夏目貴志の日常が切り取られています。ファンにとってはそれでも8点くらいの価値のある作品ですが、これが初見という人(ほとんどいないとは思いますが)にとっては5点くらいの評価になってしまう可能性もありえます。そういう意味で今回は6点にしました。 [映画館(邦画)] 6点(2018-11-24 16:04:26) |
58. 華氏119
《ネタバレ》 ムーアの久しぶりの監督作品。作品がヒットするようになってから創作意欲が落ちてきているのか?華氏911がブッシュ当選を阻止するために作られたように、これはトランプ再選を阻止するために作られた作品だという。それにしては華氏911に比べ大統領批判の圧力が弱い気がする。フリントでの水道問題など日本でほとんど報道されていない問題にも非常に関心させられるが、トランプがその問題の直接の元凶ではないところにムーアの押しの弱さを見ることができる。前作「世界侵略のススメ」が非常に面白くよかっただけにちょっと残念。取り上げられている内容自体はとてもいいんだけどね。 [映画館(字幕)] 7点(2018-11-24 15:48:13) |
59. ミッション:インポッシブル/フォールアウト
本サイトでの採点基準に則れば8点なんだけど、実際は7点と8点の間という感じ。いや、今公開している数多の映画の中ではとても面白い部類なんですよ?でもミッション・インポッシブルシリーズでみると、こんなもんでしょうという点数ですね。トムの体を張ったスタントは素晴らしいし、最後はハラハラドキドキして画面に集中できました。でもなんかストーリー、もうちょっと練ることができたのでは?という気がします。いつの間にかトムもジャッキー・チェンに並び称されるアクションスターになりましたね。 [映画館(字幕)] 8点(2018-08-19 19:37:02) |
60. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 言い訳するわけじゃないけど今ほど話題になる前に見に行こうと思っていたのよ、でも休みが取れず今になっちゃった(笑)。それはさておき、これはアイデアの勝利ですね。 「ゾンビ映画を撮影していたクルーに本物のゾンビが襲いかかる」というあらすじ(!)だけは知っていたので、最初のゾンビ映画に出てくるゾンビが本物(?)っぽくないことや、その他いろんな違和感があとのネタばらしでスパッと解決するのがとても気持ちよかったです。 (ここからネタバレ。といってもすでに見た方にはなんてことない情報ですが。) 映画の構造としては、本編と思っていたものが実は劇中劇でその後にその劇中劇の制作の舞台裏を見せる、という構造。でもそういう映画は過去にあった。でもこの作品が面白いのは、その劇中劇の舞台裏を見せる所も劇中劇(演技)だということ。今までのは、舞台裏は「本物の」スタッフが登場しているのだが、この映画ではそのバラシに登場するスタッフも役者だということ。つまり劇中劇の外側にもう一つ劇中劇があるのだ。ならばこの映画を「本当に」作った「本当の」スタッフはいつ出てるのか・・・エンドロールです。というわけでこの映画は三重構造の映画なんですね。 [映画館(邦画)] 8点(2018-08-17 00:15:33) |