41. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 前作から10年振りということだが、この監督のキレが全く鈍っていないことに、まず驚いた。比較的地味なテーマだか、巻頭からすぐに話に入り込めてしまった。何年も掛けて暖めたテーマだけに、監督の主張や作家性が全面に出ていたが、押しつけがましいところは無く、教えてもらうところが随所にあった。役所広司は三谷作品の壊れた役柄より、こういう正統な役のほうがいいのではないかと思う。ともかく、身近な小さいテーマをこれほど大きく見せる映画作家はこの人ぐらいだと思うし、次作はもう少し早めに作ってもらいたいと思う。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-05-14 21:13:23) |
42. 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS
《ネタバレ》 オリジナルの黒澤作品と比べることが、そもそも間違いかもしれないが、黒澤のこの作品も荒唐無稽なストーリーではあったが、確固たる時代考証や設定があったので楽しめたのだが、時代考証や設定までも荒唐無稽だと無残な形になってしまう。現在の山田洋次の時代劇を見ると、しっかり考証を行っているようなので、黒澤の冠がついているものにそのくらいの配慮は行っていると思ったが、今の東宝にそれを求めるほうが間違いだった。突っ込むところはいくらでもあるのでいちいち挙げるのも野暮だが、いくら戦国時代とはいえ、(山名)が自国の領民や村落を虐殺したりはしないだろう。しかも戦争中に敵国(山名)の領民を敵側(秋川)の姫が助けるなんていうことは、まずありえない。味方の侍大将が同じ侍大将を些細なことで、家来の前で殺すなんてこともあり得ないし(信長配下の時代に柴田勝家が羽柴秀吉を殺すなんて考えられるか?)、まあ時代考証というより、歴史に対する基本的認識が全く欠けているとしか言い様がない。東宝は、こうやって過去の立派な遺産をお子様ランチで汚していくのかという感じがした。黒澤作品のリメイクというより、「あずみ」などの流れの映画と考えればいいだろうが、まあ私は当分東宝時代劇を見ることは無さそうである。 [映画館(邦画)] 1点(2008-05-12 20:04:10) |
43. 明日に向って撃て!
私が学生の頃には2本立てで3~500円で見せてくれる名画座があちこちにあったのですが、その名画座で掛かっていない時が無いと言っていいほど人気があったのがこの作品でした。未見の映画と伴映で、何度見たかか数え切れないほど見てしまいました。この映画の良さはみなさんに語り継がれていると思いますので、敢えて触れませんが、この後、私が好きな映画のジャンルがロードムービー、追いかけっこ、逃げる映画になってしまったのは、この映画の影響です。 「一番好きな映画は何?」という質問に、「明日に向かって撃て!」と答える、個人的にそういう作品です。 [映画館(字幕)] 10点(2007-07-22 16:55:24)(良:1票) |
44. デーヴ
《ネタバレ》 古き良き時代のフランク・キャプラを彷彿とさせる作品。予定調和と言われようが甘いと言われようが、世知辛い映画が多い昨今こういう映画をもっと製作して欲しいと思う。アメリカ映画の良さが全面に出た傑作。見た後何日間は気持ちがホカホカして余韻に浸れました。 [映画館(字幕)] 10点(2007-07-22 16:29:15) |
45. スクール・オブ・ロック
《ネタバレ》 主役のジャック・ブラックを受け入れらるかどうかで評価が大きく変わる作品でしょうが、個人的にはどうも生理的に受け入れられなかった。個人的にはロッカーというのはストーンズのメンバーやD・ボウイのようにスマートで油ぎっていないというのが条件なのだが、ジャック・ブラックのような暑苦しい人はどうしてもロッカーの範疇に入れられない。 主役のジャック・ブラックよりも、魅力的な子役たちの出番を大幅に増やせばもっと楽しめたと思うし、サラ・シルヴァーマンのような多芸なコメディアンをもっと大幅にフィーチャーするべきだっただろう。実は、サラ・シルヴァーマン目当てで見た私は拍子抜けだった。 と、タラタラ文句を書いたが映画を見ている最中は、それなりに楽しめたので評価はそれほど悪くはありません。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-22 15:35:12) |